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2021年04月13日 (火) | 編集 |
永遠のバケーションは、幸せ?
妹の結婚式のため、ロサンゼルス近郊のリゾート「パーム・スプリングス」に滞在中のクリスティン・ミリオティ演じるサラが、式のスピーチを肩代わりした出席者のナイルズと共に、砂漠に出現した不思議な洞窟に入った結果、結婚式の1日を延々と繰り返す時間ループに閉じ込められる。
しかもアダム・サムバーグ演じるナイルズは、前の仕事を思い出せないくらいずっと前から、ループにいると告白。
閉じ込められた理由は不明で、一度洞窟に入ると、もう逃れられない。
パーム・スプリングスからどんなに離れても無駄。
たとえ死んでも、必ず結婚式の朝に戻ってしまう。
古今東西、時間ループものSFは数多いが、本作は切り口がユニークだ。
このジャンルの作品では、主人公は大抵の場合ループ内で困難な状況に置かれている。
例えば「オール・ユー・ニード・イズ・キル」では、宇宙人との戦争の真っ最中で、ちょっとでも油断すると戦死してしまう。
「ハッピー・デス・デイ」では、主人公は謎の殺人鬼に殺される毎日を繰り返す。
ループから脱出しようとする主人公は、同じことを何度も体験する中で学習し、だんだんと状況に適応できるようになって、”反撃”を開始するのがお約束。
ところがこの作品の場合、ループが作られているのは平和なリゾートの1日なので、特に何も起こらない。
ただ一点、ナイルズがサラの前にループに誘ったロイという老人に逆恨みされ、何度も殺されそうになるのだが、死んでもリセットされるから嫌がらせにしかならない程度。
ロイは普段100マイルほど離れたパサデナに住んでいて、たまに気が向いた時に復讐しにくるだけなので、結婚式の出席者の中では同じ時間を生きているのは二人だけ。
サラとナイルズは、いわば“永遠のバケーション”に閉じ込められてしまったのである。
同じ1日の繰り返しでも、ちょっとずつ変化をつけて自分の居心地のいい時間にすることは可能。
ナイルズはループから抜け出すことをとっくに諦めていて、一日ごとにデイテールを変えてこのシチュエーションを楽しんでいる。
彼をつけ狙っていたロイも、自分の子供たちと過ごす時間の方が楽しいと、パサデナから出てこなくなる。
サラも最初のうちはリゾートの毎日を楽しもうとしてみるが、結局何をやってもリセットされてしまう状況に閉塞感を感じ始める。
繰り返すだけの意味の無い人生を、ぬるま湯の楽園として甘んじて受け入れるか、それとも知恵と工夫でループから脱出することを目指すのか。
人生うまくいかない時は、前に進んでいるつもりでも、実は同じところをぐるぐる巡っている場合がある。
これはそんな状況を、SF設定に落とし込んだ生き方に関する寓話なのだ。
諦めの早い男たちに対して、サラにはこのループが心地よくない理由がある。
妹が晴れの日を迎えた反面、サラは結婚に失敗し、自分を家族の問題児だと思っている。
そしてそんな鬱屈とした心からか、ある背徳的な行為をやらかしてしまい、毎朝目覚めるごとに自責の念に苛まれる。
彼女にとって、ループは罰であり、脱出することでしか救われないのである。
これは、ぬるま湯のループにつかり、人生の意味を失ってしまう男と、罪のループに閉じ込められてしまったやらかし女の、それぞれの成長物語にもなっているのだ。
展開は先を読ませず、主人公二人の掛け合いはウィットに富む。
お金はかかってなさそうだが、後味は爽やか。
時間ループもののお手本のような、SFロマンチックコメディの秀作だ。
本作は、結婚式が舞台で、砂漠の中の青いプールが印象的。
ということで、今回はフランスの青いスパークリングワイン「ラ・ヴァーグ・ブルー」をチョイス。
青は聖母マリアのシンボルカラーで、結婚式のパーティでよく供される。
ソーヴィニヨン・ブランがベースで、やや辛口。
アペリティフとしてももちろん、料理に合わせてもいい。
何よりも透明感のある美しいブルーは、見るだけでリゾート気分にさせてくれる。
記事が気に入ったらクリックしてね
妹の結婚式のため、ロサンゼルス近郊のリゾート「パーム・スプリングス」に滞在中のクリスティン・ミリオティ演じるサラが、式のスピーチを肩代わりした出席者のナイルズと共に、砂漠に出現した不思議な洞窟に入った結果、結婚式の1日を延々と繰り返す時間ループに閉じ込められる。
しかもアダム・サムバーグ演じるナイルズは、前の仕事を思い出せないくらいずっと前から、ループにいると告白。
閉じ込められた理由は不明で、一度洞窟に入ると、もう逃れられない。
パーム・スプリングスからどんなに離れても無駄。
たとえ死んでも、必ず結婚式の朝に戻ってしまう。
古今東西、時間ループものSFは数多いが、本作は切り口がユニークだ。
このジャンルの作品では、主人公は大抵の場合ループ内で困難な状況に置かれている。
例えば「オール・ユー・ニード・イズ・キル」では、宇宙人との戦争の真っ最中で、ちょっとでも油断すると戦死してしまう。
「ハッピー・デス・デイ」では、主人公は謎の殺人鬼に殺される毎日を繰り返す。
ループから脱出しようとする主人公は、同じことを何度も体験する中で学習し、だんだんと状況に適応できるようになって、”反撃”を開始するのがお約束。
ところがこの作品の場合、ループが作られているのは平和なリゾートの1日なので、特に何も起こらない。
ただ一点、ナイルズがサラの前にループに誘ったロイという老人に逆恨みされ、何度も殺されそうになるのだが、死んでもリセットされるから嫌がらせにしかならない程度。
ロイは普段100マイルほど離れたパサデナに住んでいて、たまに気が向いた時に復讐しにくるだけなので、結婚式の出席者の中では同じ時間を生きているのは二人だけ。
サラとナイルズは、いわば“永遠のバケーション”に閉じ込められてしまったのである。
同じ1日の繰り返しでも、ちょっとずつ変化をつけて自分の居心地のいい時間にすることは可能。
ナイルズはループから抜け出すことをとっくに諦めていて、一日ごとにデイテールを変えてこのシチュエーションを楽しんでいる。
彼をつけ狙っていたロイも、自分の子供たちと過ごす時間の方が楽しいと、パサデナから出てこなくなる。
サラも最初のうちはリゾートの毎日を楽しもうとしてみるが、結局何をやってもリセットされてしまう状況に閉塞感を感じ始める。
繰り返すだけの意味の無い人生を、ぬるま湯の楽園として甘んじて受け入れるか、それとも知恵と工夫でループから脱出することを目指すのか。
人生うまくいかない時は、前に進んでいるつもりでも、実は同じところをぐるぐる巡っている場合がある。
これはそんな状況を、SF設定に落とし込んだ生き方に関する寓話なのだ。
諦めの早い男たちに対して、サラにはこのループが心地よくない理由がある。
妹が晴れの日を迎えた反面、サラは結婚に失敗し、自分を家族の問題児だと思っている。
そしてそんな鬱屈とした心からか、ある背徳的な行為をやらかしてしまい、毎朝目覚めるごとに自責の念に苛まれる。
彼女にとって、ループは罰であり、脱出することでしか救われないのである。
これは、ぬるま湯のループにつかり、人生の意味を失ってしまう男と、罪のループに閉じ込められてしまったやらかし女の、それぞれの成長物語にもなっているのだ。
展開は先を読ませず、主人公二人の掛け合いはウィットに富む。
お金はかかってなさそうだが、後味は爽やか。
時間ループもののお手本のような、SFロマンチックコメディの秀作だ。
本作は、結婚式が舞台で、砂漠の中の青いプールが印象的。
ということで、今回はフランスの青いスパークリングワイン「ラ・ヴァーグ・ブルー」をチョイス。
青は聖母マリアのシンボルカラーで、結婚式のパーティでよく供される。
ソーヴィニヨン・ブランがベースで、やや辛口。
アペリティフとしてももちろん、料理に合わせてもいい。
何よりも透明感のある美しいブルーは、見るだけでリゾート気分にさせてくれる。

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この記事へのコメント
ノラネコさん☆
ありきたりな設定と展開と思いながら見ていても、なかなかに深いテーマが潜んでいましたよね。
こんなパラダイスのループなら歓迎♬という気もしてしまいますが(笑
ありきたりな設定と展開と思いながら見ていても、なかなかに深いテーマが潜んでいましたよね。
こんなパラダイスのループなら歓迎♬という気もしてしまいますが(笑
>ノルウェーまだ~むさん
ちょっと自分に置き換えて考えてしまいました。
タイムループものは面白い映画が多いですけど、この切り口は新しかったです。
ありきたりのものでも、視点を変えれば未見性のあるものになるというお手本ですね。
ちょっと自分に置き換えて考えてしまいました。
タイムループものは面白い映画が多いですけど、この切り口は新しかったです。
ありきたりのものでも、視点を変えれば未見性のあるものになるというお手本ですね。
人生までは考えが行かなかった。
同じ境遇になったら、配信でもレンタルでも毎日違う映画を見る。
同じ境遇になったら、配信でもレンタルでも毎日違う映画を見る。
2021/08/21(土) 00:40:06 | URL | fjk78dead #-[ 編集]
>ふじきさん
でも同じ日だから新作補充ないし、いつかは尽きちゃうよ。
まあそれまでは楽しめるけど。
でも同じ日だから新作補充ないし、いつかは尽きちゃうよ。
まあそれまでは楽しめるけど。
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2021/04/14(水) 07:55:22 | 象のロケット
◆『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』ギンレイホール
▲自転車タイタニック(勿論そうではない)。
五つ星評価で【★★★最初の恋が始まるワクワク感はたまらん、、、がそれがズンズン壊されていく】
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