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ショートレビュー「るろうに剣心 最終章 The Final ・・・・・評価額1700円」
2021年04月29日 (木) | 編集 |
伝説が、幕を閉じる。

日本が生んだ、史上最高のスウォードアクション活劇「るろうに剣心」シリーズ、7年ぶりとなる最新作にして最終章。
大友啓史監督、アクション監督の谷垣健治をはじめ、主要スタッフ、キャストは前作からの続投組が多数を占め、抜群の安定感だ。
今回のヴィランは、剣心の頬に刻まれた十字傷の謎を知る男、上海マフィアのボス・雪代縁。
かつて剣心がその手で斬殺した妻・巴の弟であり、剣心への復讐心をこじらせて、幕末の動乱の結果生まれた明治の日本そのものを敵視する哀しきテロリストだ。
彼は仇である剣心に最大限の苦しみを与えるべく、綿密な計画を立てて、剣心が守ってきた世界を壊してゆく。

最終章二部作は、時系列的にはラストにあたる「The Final」と全体の始まりを描く「The Beginning」からなるが、なぜか公開順は「The Final」が先。
普通に考えたら、「The Beginning」で先に物語の背景を説明しておいた方が、「The Final」を描きやすいと思うのだが、あえて順番を逆にしたのは何か理由があるのだろう。
とりあえず、その辺りは「The Beginning」をお楽しみに、ということか。

すっかり剣心役が板についた佐藤健と、圧巻の身体能力を見せつけ、ついにアクション映画で代表作を得た縁役の新田真剣佑はもちろん、役者が皆素晴らしい
こちらもその身体能力を存分に発揮する土屋太鳳も、美味しいところをさらってゆく神木隆之介も、武井咲や青木崇高たち一作目からのレギュラー陣も、みんなカッコよくてエモくて揺さぶられっぱなし。
最終章らしく、最大級の熱量を持つアクションは、俳優たちの生身の肉体によって、ホンモノの説得力を獲得している。
香港武侠映画のそれとは違って、ちゃんと重力を感じさせる超スピードのワイヤーワークは、もはやそれだけで芸術品だ。

今回は基本的にプロットラインに枝道が無く、随分シンプルな作りとなったが、シームレスなドラマとアクションは独特の緩急を作り出し、138分に及ぶ長尺を飽きさせない。
物語的には、過去のシリーズで剣心の抱えていた葛藤はほぼ解消しているので、本作の実質的な主人公は、復讐心に取り憑かれた縁であり、剣心はある種のメンターとなって彼の間違った憎しみを挫き、人として導く役割。
明治維新というのは、一つの国が丸ごと作り替えられた革命だから、その影では多くの残酷な行為があり、一度壊れてしまったものは元には戻らない。
癒えることの無い傷と、どう折り合いをつけて未来を生きるのか?というのは、シリーズが一貫として描いてきたことだ。
そして本作の白眉ともいえるのが、回想シーンに登場する巴役の有村架純の美しさ。
彼女と剣心が中心になるであろう、「The Beginning」が今から楽しみで仕方がない。

物語の時系列としては、これで一応の完結。
心に傷を抱えた流浪人(るろうに)の生き直しの物語として、見事な有終の美を飾った。
ところで、本作は原作既読者にはあまり評判がよろしく無いらしいが、基本的に映画版しか知らない私にとっては、全く無問題だった。

しかし、コロナ禍で一年の公開延期を余儀なくされ、ようやく日の目を見た途端に三度目の緊急事態宣言。
このタイミングでの公開は、あまりにも気の毒だ。
とりあえず緊急事態宣言で劇場が閉まるのは東京と関西だけなので、他県の映画ファンには盛り上げてもらいたいなあ。

今回は、物語の完結を祝して、福井県鯖江の加藤吉平商店の「梵(ぼん) 純米大吟醸 プレミアムスパークリング」をチョイス。
アルコール度数の低い甘ったるい日本酒スパークリングとは一線を画し、海外のスパークリングワインとも戦える本格的なもの。
精米歩合20%の生原酒を、酵母と共にシャンパン瓶で二次発酵させた一本で、米ならではの吟醸香が微細な泡と共に弾け、ふくよかな味わいとスッキリした喉ごしを演出してくれる。

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コメント
この記事へのコメント
こんばんわ
原作愛読者としては、やっぱりこの映画版シリーズは原作に対する愛がないんですよね。それが原作愛読者に伝わってしまうのが残念。

でも仰る通り、役者が素晴らしいだけでなく、アクションも本当に素晴らしい。日本映画の歴史を変えてきたシリーズであることは間違いないですよね。
2021/04/30(金) 22:49:54 | URL | にゃむばなな #-[ 編集]
こんばんは
>にゃむばななさん
原作になってる部分の概要は後から調べましたが、うーん実際にやったらちょっと無理があるかと。
一番問題なのは剣心が二重葛藤になっちゃうことで、未読者としてはこの脚色で良かったと思います。
もう一本あるので、そっちも楽しみ。
2021/05/03(月) 21:48:29 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
ビギニングはもちろん楽しみなのだけど、有村架純が出てくる代わりに武井咲が出ないって事に今、気が付いた。がびーん。まあ、他の登場人物も江口洋介くらいしか出ないんだろうけど。割と陰鬱な話になりそうで、そこがちょっと心配でもあります。何かまた1年くらい待つ気満々だけど、延期にならなければ割りとスグなんですよねえ。
2021/05/04(火) 09:38:57 | URL | fjk78dead #-[ 編集]
こんばんは
>ふじきさん
確かに時系列的には出てこない。
一作目の時にはまだ子供っぽかった武井咲が、今回はずいぶん大人っぽく綺麗になってた。
まあ有村架純がいっぱい出てくるのならいいや。
もしくは過去を回想する形で、現在パートで出てくるかも。
2021/05/08(土) 19:46:05 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
こんにちは。
こんにちは。
すみません、遅ればせながら自ブログをアップしましたのでTBさせていただきました。
邦画でこういうアクションを堪能できるのは嬉しい限りです。
2021/08/12(木) 10:56:57 | URL | ここなつ #/qX1gsKM[ 編集]
こんばんは
>ここなつさん
このシリーズは日本のアクション映画に、一つのブレイクスルーをもたらした作品だと思います。
毎度まいど、よくこんなにいろんなアクションを考えつくものです。
動けるから考えつくんでしょうけど。
2021/08/14(土) 22:47:34 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
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新時代に数々の敵との戦いを乗り越えた緋村剣心は、今は仲間たちと平穏な日々を送っていた。 ところが、東京が何者かに攻撃され、大切な人々が次々と襲われていく。 憔悴しきった剣心の前に現れたのは、志々雄に武器や軍艦を送り込んでいた上海マフィアの頭目・雪代縁(ゆきしろ えにし)だった…。 剣客アクション・ロマン。
2021/05/01(土) 00:27:26 | 象のロケット
◆『るろうに剣心 最終章 The Final』ユナイテッドシネマ豊洲8 ▲赤い逆光の剣心、かっけー。やっぱり赤はノーマルタイプの3倍の性能の色なのだな。 五つ星評価で【★★★★何らかんら言っても面白いのが凄い】 まあ、何だ前提として普通にちゃんと面白いよ。 流石に佐藤健がちょっと若者からおじさんに脱皮する側面も垣間見えつつ、嵐の相場くんに角度で見えたりもする。「若者」が厳しくなってきた感...
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