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ショートレビュー「ビーチ・バム まじめに不真面目・・・・・評価額1600円」
2021年05月23日 (日) | 編集 |
全力でチャランポラン!

2012年の「スプリング・ブレイカーズ」以来となる、ハーモニー・コリンのパリピムービー。
マシュー・マコノヒー演じる詩人の“ムーンドッグ”は、若い頃に出版した詩集が大評判となるも、その後は大富豪の女性と結婚し、妻の金で放蕩三昧。
今ではマイアミの本宅を出て、フロリダ半島から南西に向かって伸びる弧状列島フロリダキーズの先端にあるリゾート、キーウェストに一人で入り浸っている。
ところがある日、娘の結婚式で久々にマイアミに帰ったところ、妻が突然事故死してしまうのだ。
青天の霹靂はこれだけで終わらない。
妻は「俺はまだやる気出してないだけ」の状態がずっと続いていた夫の行く末を心配していて、遺産を相続するには、本を出さなけれならないという遺言を残していたのだ。
もちろん毎日遊んで暮らしていて、自分の資産など一銭もないから、ムーンドッグは家を追い出されてホームレスになってしまう。

タイトルの「バム」とは、ホームレスやダメ人間を意味する言葉。
普通のハリウッド映画だと、ここで一念発起するのがセオリーだが、そこはハーモニー・コリン。
一発屋のカリスマ詩人は、とことん変わらない。
上映時間のほとんどは、ムーンドッグがラリって遊び回っている時間で占められている。
彼はいわばフツーの人のアンチテーゼで、求めるのは自由、酒、葉っぱにおっぱいのみ。
それさえあれば、着の身着の儘で放り出されて、吹きっさらしのビーチでも橋の下でも楽しく過ごせてしまうし、そもそも人生を楽しめなければ、詩なんて書けないとうそぶく。
実際この人、旧式のタイプライターを持ち歩いていて、常に書いてはいるんだな。
大邸宅も高級車もブランド服も、ムーンドッグにとっては全ていつかは消えてゆくバブルの様なもので、そんなところに本当の人生はないと思っている。
実は根はマジメなんだけど、価値観が世間一般とは大きく違う。
彼が体現するのは、ある意味物質主義の対極の境地なのだ。

「スプリング・ブレイカーズ」の女子学生たちは、夏休みのように無駄に長くもなく、サンクスギビングやクリスマスの様に帰省圧力もない、一、二週間のスプリングブレイクという非日常の中で思いっきり弾ける。
しかし始まった時には永遠に思えたスプリングブレイクも、現実にはあっとういう間に終わってしまう。
リゾートに向かうテンションMAXな笑顔と、全てが終わって帰る時のどんよりした表情の落差。
あの映画では、主役の女子学生たちがあっさりと日常へと帰還していったのに対し、ジェームズ・フランコが演じたラッパーのエイリアンをはじめ、おバカな男たちは必滅の楽園を永遠のものとするために全力で抗う

この映画は、いわば「スプリング・ブレイカー」の男女逆転版だ。
とんがったエイリアンをもうちょっとマイルドにして、ラッパーから詩人に設定し直すと、ムーンドッグの出来上がり。
48歳になったハーモニー・コリンは、彼と同世代だろう。
ムーンドッグのキャラクターには、19歳で「KIDS/キッズ」の脚本を書き、早熟の天才と呼ばれたコリン自身が投影され、不真面目なパリピ暮らしを一生続けると決めた真面目な男に、作者が深い共感を抱いているのが分かる。
ぶっ飛んでいても、犯罪を犯すのはちょっと躊躇があったり、あちこちに本来の生真面目さが覗くのもいい。
チャランポランこそがムーンドッグのアイデンティティで、そんな夫を愛した妻の遺言も、本を出すのが唯一の条件で、普通になれとは書いてない。
まあ妻も妻で、夫の友達でもあるスヌープ・ドッグがセフレ設定だったり、類は友を呼ぶというか、相当に弾けた家族なのは間違いない。
映画のスタイルも、キチッとした物語構造からはあえて逸脱していたり、相当にフリーダムな作りなので、この辺りが受け入れられる人にとっては至福の時間だろう。
受け手の大らかさも問われる作品だ。

今回は「セックス・オン・ザ・ビーチ」かなと思ったが、もうちょっと軽やかな感じで「ビーチ・フィズ」をチョイス。
クレーム・ド・ぺシェ40ml、レモン・ジュース10ml、グレナデン・シロップ1tspをシェイクし、氷を入れたタンブラーに注ぐ。
最後にソーダを一杯にして、軽くステアして完成。
甘いピーチの香りがソーダで弾け、さほど強くないのでアルコールに弱い人でも心地よく飲める。
ほんのりピンクの美しいカクテルだ。

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一時期は天才詩人と称賛されていたムーンドッグは、今や渚の酔いどれ詩人(ビーチ・バム)。 彼は大富豪の妻ミニーのお蔭で、アメリカ最南端の“楽園”フロリダ州キーウエスト島で自由気ままな放蕩生活を送っていた。 ところが突然、一文無しのホームレスになってしまう…。 コメディ。
2021/05/26(水) 07:49:48 | 象のロケット