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アーミー・オブ・ザ・デッド・・・・・評価★★★★+0.5
2021年05月29日 (土) | 編集 |
ゾンビVS傭兵プラス色々。

ザック・スナイダー久々の新作は、劇場用映画デビュー作「ドーン・オブ・ザ・デッド」から17年ぶりのゾンビ映画。
しかも長編では、大怪作「エンジェルウォーズ」以来となる脚本兼務作だ。
途中降板した「ジャスティス・リーグ」は、バトンを受け継いだジョス・ウェドンの仕事に満足できなかったのか、最近「スナイダーカット版」がリリースされたが、原点回帰とも言える本作ではさらに撮影監督まで務める入れ込みっぷりだ。
ゾンビに占領され、巨大な隔離壁に囲まれたラスベガスで、カジノの金庫に残された大金を巡る冒険が繰り広げられる。
主人公の元傭兵スコット・ワードに、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のドラッグス役で知られるデイヴ・バウティスタ。
彼を死地へと誘う謎の男、ブライ・タナカを真田広之が演じる。

突如として起こったゾンビパニックによって、ラスベガスが壊滅。
街は巨大な壁によって完全に隔離された。
政府は無数のゾンビの巣と化したラスベガスを、戦術核兵器で消滅させることを決定。
カジノの所有者だったブライ・タナカ(真田広之)は、地下の金庫に残されたままの2億ドルの現金を、核ミサイルが発射される前に回収することを、元傭兵のスコット・ワード(デイヴ・バウティスタ)に依頼する。
スコットは、ゾンビが発生した時に多くの人を救った英雄だが、今は場末の店でハンバーガーを焼いて過ごす日々。
感染した妻を殺したことで、娘のケイト(エラ・パーネル)とも疎遠になっている。
5千万ドルの成功報酬を示されたスコットは、かつての仲間に声をかけてチームを結成。
感染疑いの人々が強制収容されているキャンプで、”コヨーテ”と呼ばれる案内人(ノラ・アルネゼデール)を雇い、秘密の通路から封鎖された街に潜入する。
灼熱の砂漠にあるラスベガスでは、多くのゾンビは水分を失って休眠状態になっているが、そこには「アルファズ」と呼ばれる知性のあるゾンビの一団が待ち構えていた・・・


ことの発端は、米軍がエリア51から運び出した謎のコンテナ。
不慮の事故によってコンテナが破損し、積まれていた最強のゾンビが逃げ出した先は、ド派手なネオン煌めく不夜城、ラスベガス。
この舞台設定が絶妙で、砂漠の中に突如として現れる孤立したカジノシティゆえに、米軍は大きな犠牲を出しながらも街をぐるりと包囲する隔離壁の設置に成功する。
他地域への蔓延を阻止したが、ラスベガスは無数のゾンビが跋扈する、文字通りのゾンビランドとなってしまうのだ。
驚くべきは、普通の映画なら30分はかけるであろう、ここまでの怒涛の展開とキャラ紹介を、オープニングのタイトルバックまでにスタイリッシュかつ効率的に描いちゃっていること。
さすがは「映画は映像」が身上の、スナイダーだけのことはある。

で、本筋はここからだ。
政府は危険なゾンビたちを、ラスベガスの街ごと核ミサイルで消滅させることを決定するが、かつて1兆円を超える収益を出していた世界有数の歓楽街には、まだ巨額の金が眠っている。
真田広之演じる黒幕のタナカが目をつけたのが、ゾンビとの戦いで大活躍したものの、不遇の生活を送っている元傭兵のスコットというわけだ。
もっとも、彼の依頼にはこの手の映画のセオリー通り、まだ裏があるのだけど。
ゾンビの群れの中から、2億ドルを奪還するという危険なミッションの成功報酬は5千万ドル。
この基本プロットは、先日公開された「新感染半島 ファイナル・ステージ」とまるかぶり。
まあ入口が「エイリアン2」なのは同じだが、こちらは隔離都市という「ニューヨーク1997」的な舞台装置があるので、全体の印象はだいぶ異なる。
しかし、スナイダーが作り出した、全力疾走する21世紀型ゾンビを、ヨン・サンホが「新感染 ファイナル・エクスプレス」で継承、発展させ、また同じころに両者が似た設定の映画を撮るのも面白い偶然だ。

映画は前半50分を使ってチーム集めし、その後1時間40分のノンストップ活劇
ゾンビ映画で2時間半は、いかにも切れないスナイダーらしいが、全く飽きさせないので長尺は気にならない。
成り行きでついてくることになった娘のケイトをはじめ、隔離後の街をよく知る案内人に、かつての傭兵仲間、ゾンビ殺しを投稿していたYouTuberに、気弱な金庫破り、タナカによって送り込まれたお目付役など雑多な面々が集まった旅の仲間は総勢11人。
ちなみにヘリのパイロット役のティグ・ノタロは、本来キャスティングされていたクリス・ディエラがスキャンダルで降板したために代役で入った人で、すでに全体の撮影が終了していたため、すべてのシーンを一人で演じて合成したとか。
技術の進化はすさまじく、観終わるまで全然気づかなかったよ。

一応物語の軸となっているのは、母の死をめぐってスコットと疎遠になっているケイトとの関係なのだけど、スナイダーが長期間現場から遠ざかっていた原因が、「ジャスティス・リーグ」撮影中の娘の急逝と言うことを考えると、ここに描かれる父娘の葛藤は感じ入るものがある。
面白いのは、命を持たないはずのゾンビにも突然変異が起こり、知性を持ち集団で行動する「アルファズ」と呼ばれる新種が存在している設定だ。
もはや「それってゾンビなの?」と突っ込みたくなるが、マントを纏ってゾンビ馬に乗った妙にカッコいいゾンビの王とスコット、それぞれの行動原理が共に「愛」となったことで、奇妙な対抗関係が出来上がる。

元祖ジョージ・A・ロメロ以来の、社会性の伝統も受け継がれている。
ラスベガスの壁は、誰が見てもトランプ前大統領がメキシコとの国境に設置した壁を思い出すだろう。
少しでも感染疑いのある人たちが、非人道的な強制収容所に押し込められていたり、ゾンビに支配されたラスベガスを、核ミサイルで焼き払うという乱暴っぷりや、ラストである人物が向かう先を見ても、トランプ時代への皮肉がいっぱい
対位法的な音楽のチョイスもシニカルだ。
もっとも、せっかく街全体がテーマパークみたいなラスベガスが舞台なのに、建物やアトラクションのギミックを生かした描写がないのはもったいない。
予算の関係かもしれないけど、カジノシティであることはもっと生かせたと思う。
先日相次いで死去した伝説的なマジシャン、ジークフリード&ロイ(昭和世代には懐かしい!)のホワイトタイガーがゾンビ化しているのは可笑しかったけど。

本作は一応単体で完結しているが、そもそも米軍がエリア51から運び出していた、異常に高い身体能力を持つゾンビ第一号は何者なのかとか、ゾンビ軍団の中に青く光る眼と明らかに金属の骨を持つアンドロイドと思しき個体がいたり、いろいろと謎が残ったままだ。
どうやらスナイダーはユニバース化を目論んでいて、すでに前日譚の「Army of Thieves」や、アニメーションシリーズ「Army of the Dead: Lost Vegas」が決まっているというから、まだしばらくは楽しませてくれそうだ。  

今回は、「新感染半島」と同じく悪酔い必至の酒、「ゾンビ」をチョイス。
ホワイトラム30ml、ゴールドラム30ml、ダークラム30ml、アプリコットブランデー15ml、オレンジジュース 20ml、パイナップルジュース 20ml、レモンジュース 10ml、グレナデンシロップ 10mlをシェイクして、氷を入れたゾンビグラスに注ぐ。
意外にもフルーティーでフレッシュな味わいだが、もともと酩酊させるために複数のラムを混ぜたという凶悪なカクテルで、飲んでいるうちにだんだんとゾンビと化してしまう。 

ところで、巨額の現金を強奪する映画は数多いが、どれも金の重さに無頓着すぎる。
2億ドルって、お札でも2トンになるんだぞ。
あの人数で運べるわけないし、よしんば運べたとしても、重すぎてヘリ墜落しちゃうよ(笑

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