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トゥモロー・ウォー・・・・・評価★★★★+0.4
2021年07月11日 (日) | 編集 |
未来のために戦う。

AmazonプライムのSFアクション大作。
2022年のある日、人類の前に突然未来からの使者が現れる。
そう遠くない未来、人類はエイリアンとの戦争に敗れ存亡の危機にあり、現代から未来へ援軍を送り、共に戦って欲しいと言う。
クリス・プラット演じる、イラク戦争の帰還兵ダン・フォレスターは、未来へと派兵される一人に選ばれ、未知の敵が跋扈する過酷な戦場へと足を踏み入れることになる。
名優J・K・シモンズやイヴォンヌ・ストラホフスキーらが脇を固め、監督は「レゴバットマン ザ・ムービー」のクリス・マッケイが務める。
本来なら昨年のクリスマス映画として封切られる予定だったのが、コロナ禍によって配信スルーとなってしまった一本。
つまりは、TV鑑賞が勿体ないガチのSF大作だ。
※核心部分に触れています。

2022年のワールドカップ・カタール大会決勝。
イラク戦争の帰還兵で生物教師のダン・フォレスター(クリス・プラット)が、自宅のパーティで試合を楽しんでいると、突如としてピッチの上にワームホールが出現。
現れた未来人たちは、世界に向かってこう告げる。
今から30年後、人類はホワイトスパイクと呼ばれる謎のエイリアンに侵略され、生存者は50万人まで激減し、滅亡寸前だと言うのだ。
反転攻勢への唯一の希望は、まだ十分な人口がいるこの時代から、未来への援軍を送ること。
たった30年先の運命を知らされた各国政府は、徴兵制による派兵を決定する。
未来への派兵期間は1週間だが、無事帰還できる可能性はわずか30%にすぎない。
たとえ派兵されなくても、自分が7年後に死ぬ運命だと知らされたダンは、まだ幼い娘の未来を救うため、再び戦いに身を投じることを決意する。
圧倒的な数のホワイトスパイクが跋扈する絶望的な戦場で、ダンは”大佐”と呼ばれるある女性と出会うのだが・・・


典型的な侵略SFのフォーマットに、時間SFの要素を掛け合わせることで、なかなかユニークな世界観が生まれた。
「レゴバットマン」の印象の強いクリス・マッケイ監督だから、てっきりコメディタッチなのかと思いきや、思いのほかシリアスだ。
過去からの援軍といっても、送られるのは精鋭の軍隊ではない。
徴兵されるのは、基本的に40歳以上の中高年の市民たち
彼らは2051年の時点で、たとえ戦争に行かなくても死んでいる人たちで、タイムパラドクスを作り出さないために、未来の世界には影響を与えないことが徴兵の条件なのだ。
敵となるホワイトスパイクは、鋼のような硬質の体を持ち、弱点となるのは喉と腹だけ。
肉弾戦では絶対に勝てず、二本の触手からはデカイ針のような弾丸を放つので、通常の防弾チョッキも無意味だから、軍服もいらない。
つまりは弾薬をばら撒くような戦い方でしか殺せないので、銃さえ撃てれば素人でも良いという訳だ。
元軍人のダンは、イラク戦争で実戦経験があったため、右も左も分からない状況で、突然指揮官に指名され、バラバラの素人部隊を率いる羽目になる。

映画の前半は、無数のホワイトスパイクが支配する街からのスリリングな脱出劇
街は航空部隊によって爆撃されることが決まっているので、まさに前門の狼後門の虎状態。
ホワイトスパイクから逃げながら、爆弾を避けなければならない。
そして、中盤になるとダンは皆から“大佐”と呼ばれているある女性と出会うのだが、ここからが物語の核心だ。
実は彼女こそ、ダンが2022年に残してきた愛娘のミューリ。
非常に頭の良かった彼女は、優れた科学者となり、ホワイトスパイクの研究を進めている。
アリのような真社会性を持つホワイトスパイクは、女王であるメスを殺すことができれば、その巣は丸ごと壊滅する。
ミューリはダンと共に、ホワイトスパイクの巣からメスを捕獲し、メスを殺すことの出来る毒物を精製しようとするのである。
だが、彼女は毒物を完成させることには成功したものの、時すでに遅し。
世界中に散らばったホワイトスパイクを殲滅させるほどの兵力は既になく、過去へ帰るダンに毒を託し、自らは犠牲となる。

2051年から過去へメッセンジャーを送った世界線では人類は滅亡し、あえてパラドックスを作り出すことで、もう一つの世界線に希望を託したのだ。
面白いのは、これが世代を超えた家族の確執の物語となっていること。
J・K・シモンズ演じるダンの父、ジェームズはベトナム帰還兵で、戦後PTSDを患い家族を捨てた。
家族愛の強いダンは、そんな父の心が理解できず、ずっと憎んできたのだ。
ところが大人になったミューリは、そんなダンが未来から帰還した後に、やはり家族を捨てたと言う。
その時はそんなはずはないと考えるダンだったが、目の前でミューリを亡くした今となっては、彼女が言ったことの意味が分かる。
未来でみすみす死なせてしまった娘の成長を、これから見守ることなどできるだろうか。
本作がアクションや時間のギミックだけでなく、人間ドラマとしても一定の魅力を放っているのが、この三世代にわたる不通によるすれ違いを、物語のバックボーンに仕込んでいるが故だ。
ダンが自分の人生を取り戻し、娘に新たな重荷を背負わせないためには、数十年後に起こる戦争に勝つのでは遅すぎ、戦争そのものを起こらなくするしかないのである。

序盤は「ターミネーター」的時間SF、次いで「スターシップ・トルーパーズ」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」を思わせる、ホワイトスパイクの大群とのバトルアクション。
そしてダンがジレンマに陥る終盤は、世界観がガラッと変わり、そもそもホワイトスパイクは、いつどこから現れたのか?彼らは本当に宇宙から来たのか?というミステリをもとに、「遊星からの物体X」を思わせる雪と氷の世界のホラー的冒険譚だ。
事態のブレイクスルーのきっかけとなる火山オタクの少年、グッジョブ。
ああいうギークなキャラクターが鍵を握るのが、いかにもハリウッド映画っぽくていい。
本作のヒントになったであろう、過去の名作たちにオマージュを捧げつつ、疎遠だった父を巻き込み、人類の危機をミニマムな家族の危機へと収束させ、不通が解消されるドラマとして昇華する。
前半の怒涛の物量戦に比べると、現代に戻っての終盤の展開は若干のスケールダウンは感じさせるものの、物語としてキチッと落とすべきところに落としている。
まさかこの手の映画で、最後ちょっと泣かされるとは思ってもみなかった。
しかし、劇場のスクリーン映えしそうなスペクタクルな見せ場の数々を見ちゃうと、配信オンリーが勿体ない。
Amazonプライムとしては過去最大のヒットになっているらしく、米国では最初の4日間で241万世帯が視聴し、世界的にも記録的な視聴数を獲得したらしい。
でもやっぱ、この手の映画は大スクリーンで観たかったなあ。

今回は、エイリアンを殺す毒から「スゥイート・ポイズン」をチョイス。
ライト・ラム30ml、ココナッツ・ラム60ml、ブルー・キュラソーを氷と共にシェイクし、冷やしたグラスに注ぎ、適量のパイナップル・ジュースで満たす。
最後にパイナップルの切れ端を飾って完成。
ゴシック小説の世界をモチーフにした、ニューヨークの人気レストラン、“Jekyll and Hyde Club”で生まれたカクテル。
名前の通り結構毒々しいカラーだが、甘めでスッキリした飲みやすい一杯だ。

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