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2021年08月08日 (日) | 編集 |
友情は、大人になっても変わらない?
10年代以降の「クレヨンしんちゃん」シリーズのベスト。
監督、脚本は2018年の「爆盛!カンフーボーイズ ~拉麺大乱~」以来となる、高橋渉とうえのきみこのコンビ。
全寮制のエリート養成学校、「私立天下統一カスカベ学園」通称・天カス学園の小学校に、しんのすけたちかすかべ防衛隊が一週間の体験入学。
そこは一見すると文武両道、多彩な生徒たちが自分の得意な分野で活躍できるユートピア。
しかし実際は、教育AI「オツムン」が付与するエリートポイントなるモノに、全員が支配されている明るいディストピアだ。
多様性は見せかけだけで、ここでは誰もがポイントを稼いでエリートになるために必死。
常識と効率が追求され、ポイントが高い生徒ほど待遇が良くなり、低いとどん底の学園生活が待っている。
これはキッズムービーの荒唐無稽な描写では無い。
実際これそっくりのソーシャルクレジットという制度が、中国で始まっている。
だから「クレしん」の世界でも、ベースに妙に生々しいリアリティがあるのだ。
そんなエリート学園に、生徒をおバカにしてしまう吸血鬼ならぬ吸ケツ鬼が出没し、かすかべ防衛隊が謎に挑む。
学園の一角にある怪しげな時計塔で、優秀な生徒たちが何者かによってケツを噛まれ、なぜか正気を失ってしまうのだ。
そして新たな犠牲者となったのが、かすかべ防衛隊一の秀才、風間くんだ。
元々天カス学園の体験入学も、風間くんが申し込んだことで、人一倍エリートになりたがっていたのも風間くん。
吸ケツ鬼の正体は何者なのか?なぜ噛まれるとおバカになってしまうのか?
風間くんの書き残した「33」のダイング(?)メッセージの謎に、「かすかべ探偵倶楽部」を結成したしんのすけたちと、落ちこぼれ生徒会長の阿月チシオが挑む。
意外と言っては失礼ながら、ミステリの部分もミスリードが巧みでよく出来ている。
誰も彼も怪しく見えてくるし、吸ケツ鬼の動機の部分は相当強引ながらも、うまいこと騙された。
エリート至上主義の学園と、人をおバカにする吸ケツ鬼、この二つの要素が巧みに組み合わされ、一つの価値観に支配された偽りのユートピアでは無い、本当の多様性の持つ価値が導き出されるという仕組み。
泣かせるのは、コトの発端である風間くんのエリートになりたがる動機だ。
風間くんが自分だけでなく、かすかべ防衛隊のみんなにもエリートになって欲しくて、フリーダムすぎて学園のシステムと馴染めないしんのすけたちと衝突していたのは、実は小学校に入ってもみんなと別れたくなかったからだったのだ。
でも、いつまで一緒にいられるかなんて誰も分からないし、一緒にいなければ友達じゃないということもない。
まだ5年しか人生を知らないからこその、風間くんとしんのすけの幼くて熱い想いが激突するクライマックスは、「クレヨンしんちゃん」史上ベストな「モーレツ!オトナ帝国の逆襲」の“未来を取り戻す戦い”をちょっと彷彿とさせる。
本作は、子供たちの友情物語に、オトナなテーマを内包させた傑作だと思う。
しかし、永遠の5歳児に寄り添ったオトナ視点のミニマムさゆえに、やはり原恵一時代の最後の二作は超えられていない。
あれはあれで、「クレヨンしんちゃん」を小さなお友だちから奪って、大きなお友だちのものにしてしまったと言う批判はあったが、世知辛いオトナ視点がしんのすけたちのピュアな世界と対比され、物語をグッとディープにしていた。
もちろん本作もイヤーベストに顔を出すくらいのポテンシャルは十分にあるのだが、たとえば20年代を代表する作品たり得るのか、と考えるとちょっと弱いと思う。
キッズムービーとしては文句なしで、無い物ねだりなのは分かっているけど、大きなお友だちの生きずらさみたいなものを生かした「クレヨンしんちゃん」を、いつかまた観たい。
クレヨンしんちゃんはメキシコに引っ越したことがあるが、今回はテキーラとはちみつを使ったカクテル「エル・ドラード」をチョイス。
テキーラ45ml、レモンジュース30ml、はちみつ3tspをシェイクして、氷を入れたグラスに注ぐ。
最後にカットしたオレンジ一切れを沈めて完成。
テキーラの強い風味を、レモンの酸味とはちみつのやさしい甘みで、優しくまとめあげている。
暑い季節にも合う、清涼感のある一杯だ。
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10年代以降の「クレヨンしんちゃん」シリーズのベスト。
監督、脚本は2018年の「爆盛!カンフーボーイズ ~拉麺大乱~」以来となる、高橋渉とうえのきみこのコンビ。
全寮制のエリート養成学校、「私立天下統一カスカベ学園」通称・天カス学園の小学校に、しんのすけたちかすかべ防衛隊が一週間の体験入学。
そこは一見すると文武両道、多彩な生徒たちが自分の得意な分野で活躍できるユートピア。
しかし実際は、教育AI「オツムン」が付与するエリートポイントなるモノに、全員が支配されている明るいディストピアだ。
多様性は見せかけだけで、ここでは誰もがポイントを稼いでエリートになるために必死。
常識と効率が追求され、ポイントが高い生徒ほど待遇が良くなり、低いとどん底の学園生活が待っている。
これはキッズムービーの荒唐無稽な描写では無い。
実際これそっくりのソーシャルクレジットという制度が、中国で始まっている。
だから「クレしん」の世界でも、ベースに妙に生々しいリアリティがあるのだ。
そんなエリート学園に、生徒をおバカにしてしまう吸血鬼ならぬ吸ケツ鬼が出没し、かすかべ防衛隊が謎に挑む。
学園の一角にある怪しげな時計塔で、優秀な生徒たちが何者かによってケツを噛まれ、なぜか正気を失ってしまうのだ。
そして新たな犠牲者となったのが、かすかべ防衛隊一の秀才、風間くんだ。
元々天カス学園の体験入学も、風間くんが申し込んだことで、人一倍エリートになりたがっていたのも風間くん。
吸ケツ鬼の正体は何者なのか?なぜ噛まれるとおバカになってしまうのか?
風間くんの書き残した「33」のダイング(?)メッセージの謎に、「かすかべ探偵倶楽部」を結成したしんのすけたちと、落ちこぼれ生徒会長の阿月チシオが挑む。
意外と言っては失礼ながら、ミステリの部分もミスリードが巧みでよく出来ている。
誰も彼も怪しく見えてくるし、吸ケツ鬼の動機の部分は相当強引ながらも、うまいこと騙された。
エリート至上主義の学園と、人をおバカにする吸ケツ鬼、この二つの要素が巧みに組み合わされ、一つの価値観に支配された偽りのユートピアでは無い、本当の多様性の持つ価値が導き出されるという仕組み。
泣かせるのは、コトの発端である風間くんのエリートになりたがる動機だ。
風間くんが自分だけでなく、かすかべ防衛隊のみんなにもエリートになって欲しくて、フリーダムすぎて学園のシステムと馴染めないしんのすけたちと衝突していたのは、実は小学校に入ってもみんなと別れたくなかったからだったのだ。
でも、いつまで一緒にいられるかなんて誰も分からないし、一緒にいなければ友達じゃないということもない。
まだ5年しか人生を知らないからこその、風間くんとしんのすけの幼くて熱い想いが激突するクライマックスは、「クレヨンしんちゃん」史上ベストな「モーレツ!オトナ帝国の逆襲」の“未来を取り戻す戦い”をちょっと彷彿とさせる。
本作は、子供たちの友情物語に、オトナなテーマを内包させた傑作だと思う。
しかし、永遠の5歳児に寄り添ったオトナ視点のミニマムさゆえに、やはり原恵一時代の最後の二作は超えられていない。
あれはあれで、「クレヨンしんちゃん」を小さなお友だちから奪って、大きなお友だちのものにしてしまったと言う批判はあったが、世知辛いオトナ視点がしんのすけたちのピュアな世界と対比され、物語をグッとディープにしていた。
もちろん本作もイヤーベストに顔を出すくらいのポテンシャルは十分にあるのだが、たとえば20年代を代表する作品たり得るのか、と考えるとちょっと弱いと思う。
キッズムービーとしては文句なしで、無い物ねだりなのは分かっているけど、大きなお友だちの生きずらさみたいなものを生かした「クレヨンしんちゃん」を、いつかまた観たい。
クレヨンしんちゃんはメキシコに引っ越したことがあるが、今回はテキーラとはちみつを使ったカクテル「エル・ドラード」をチョイス。
テキーラ45ml、レモンジュース30ml、はちみつ3tspをシェイクして、氷を入れたグラスに注ぐ。
最後にカットしたオレンジ一切れを沈めて完成。
テキーラの強い風味を、レモンの酸味とはちみつのやさしい甘みで、優しくまとめあげている。
暑い季節にも合う、清涼感のある一杯だ。

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