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ショートレビュー「キャンディマン・・・・・評価額1600円」
2021年10月26日 (火) | 編集 |
都市伝説は、時代に呼ばれて蘇る。

リメイクかと思ったら、92年版の直接の続編だった。
もっとも、劇中で言及はあるものの、物語としては独立してる。
オリジナルを観ている人には、「おおっ!」と思わせる作劇上の工夫もあるが、観ていなくても特に問題は無いだろう。
英国の作家、クライヴ・パーカーのアンソロジー、「血の本」シリーズの一編「禁じられた場所」に、鏡を覗いて5回名前を言うと現れて、右手の鉤爪で召喚者を殺す、都市伝説のキャラクターとしてキャンディマンが登場したのは1985年のこと。
「ハロウィン」のマイケル、「エルム街の悪夢」のフレディ、「13金」のジェイソンら、7、80年代に登場した他のスラッシャーホラーの主人公とキャンディマンが違うのは、その正体が19世紀末に白人に惨殺された黒人の画家、ダニエル・ロビタイルの幽霊だったこと。
なるほど、人種差別をモチーフとした異色のホラー、「ゲット・アウト」で脚光を浴びたジョーダン・ピールが目をつける訳だ。

パーカーと同じ英国人のバーナード・ローズが、監督・脚色を担当したオリジナルも、米国の人種差別への批判がベースにあった。
今回はこの特異なキャラクターをさらに掘り下げ、「そもそもキャンディマンとは、一体何者なのか?」を紐解く物語になっている。
新作の主人公となるのは、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世が演じる、新進アーティストのアンソニー。
オリジナルの舞台となった、シカゴに実在する黒人貧困層向けの大規模な公営住宅地カブリニ・グリーンは、再開発されて高級住宅地に生まれ変わり、元の建物は一部が廃墟となって残っているのみ。
グループ展のための新作制作に悩んでいたアンソニーは、新作のモチーフとしてこの地域の歴史を取材しているうちに、キャンディマンの伝説の裏側にあるものを知り、よせばいいのにどストレートに作品にしてしまうのだ。
途端に怪異が街を襲い、鉢に刺されたことをきっかけに、アンソニー自身の肉体と精神にも異変が起こりはじめる。

しかし、ここで描かれるのは、オリジナルのような主人公とキャンディマンとの対決ではない。
物語の進行とともに浮かび上がるのは、キャンディマンとは抑圧と暴力の歴史の象徴であって、19世紀末に殺された初代以来、世代を超えて何人もいたことが明らかになる。
時代がどんどん変わっても、黒人が白人によって理不尽に殺される事件は終わらない。
その都度キャンディマンが生まれることで、数世代に渡る時間の中で、存在が人々の記憶に受け継がれてきたのだ。
もちろん、アメリカ社会もダイナミックに変化しているから、改善されたことも多いのも事実だが、BLMムーブメントが世界に吹き荒れるきっかけとなったジョージ・フロイド氏の事件を見ても、人々の中にある差別と偏見の意識が変わり、理不尽な暴力が無くならない限り、キャンディマンの伝説は決して消えない。
主人公と、19世紀の初代キャンディマンとの職業的な付合を見るまでもなく、本作は21世紀の時代に呼ばれた、新たなキャンディマンの誕生の物語なのだ。

ピールの脚本は、結構時間をかけて物語の背景を描いていて、序盤はこの手のスラッシャーホラーとしてはスローテンポ。
描写自体は容赦無く、一旦怪異が起こり始めると、恐怖が登場人物たちを追い込んでゆくが、キャンディマンが鉤爪で次々と人を引き裂くような、B級な展開を期待していると肩透かしを喰らう。
都市伝説の怪物は、アンソニーが創造するアート作品のように、あくまでも現在社会における恐怖の根元とは何か?をを表現するためのメタファーだ。
旧作のレガシーも、なるほどこう使ってくるのかと驚かされ、百年以上に渡る負の連鎖を上手く表現している。
そして、エンドクレジットに流れる影絵劇は、ある意味本作の背景に隠された全体像とも言うべき秀逸な作品なので、必ず最後まで鑑賞して欲しい。

共同脚本も書いてる監督のニア・ダコスタは、キャプテン・マーベルの二作目「The Marvels」の監督に決まってるが、なかなかムーディで堅実な演出で魅せる。
それにしても、長編3本目でマーベルの超大作に抜擢とは。
逆に言えば、それだけクオリティを担保できる体制が組まれているのだろうが、クロエ・ジャオと言い、ハリウッドのこう言うところは本当に凄い。

今回は、胸が鉢の巣箱になっている怪人の話なので、蜂蜜酒の「ベーレンメット(ミード)」をチョイス。
人類が口にした最初の酒は、木の洞などにたまった蜂蜜と雨水が自然発酵して出来たものと考えられ、蜂蜜酒こそ全ての酒の祖。
こちらはドイツ製だが、製造国や蜂蜜の種類によってかなり味わいが異なる。
映画は辛口だが、酒は甘口。
ロックにして飲むのがオススメだ。

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アメリカ・シカゴ。 老朽化して取り壊された公営住宅「カブリーニ=グリーン」地区界隈には、殺人鬼の都市伝説が語り継がれていた。 新設された高級コンドミニアムに恋人と引っ越してきたアンソニーは、公営住宅の元住人から、その都市伝説の裏に隠された悲惨な物語を聞かされる…。 ホラー。 ≪“キャンディマン”その名を5回唱えると、死ぬ。≫ PG-12
2021/10/28(木) 22:10:15 | 象のロケット