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2022年02月08日 (火) | 編集 |
お爺ちゃんは、ヒーローだった!
80年代を代表するブロックバスターの一つ、「ゴーストバスターズ」シリーズの、32年ぶりに作られた正式な続編。
もともとはオリジナルのアイヴァン・ライトマン監督で、「ゴーストバスターズ2」の公開直後から三作目が企画開発されていたそうだが、難航している間にオリジナルキャストの一人、ハロルド・ライミスが死去。
結局、続編企画はキャンセルされ、ポール・フェイグが監督した全員女性の「ゴーストバスターズ」がリブート作品として作られた。
その後、息子のジェイソン・ライトマン監督により、一から再起動されたのが本作だ。
前作からの時間経過を折り込み、主人公をライミスが演じたスペングラー博士の孫娘とし、彼女によってゴーストバスターズが継承される。
祖父同様に、カーリーヘアにメガネがトレードマークの天才科学少女フィービーを、「マリグナント 凶暴な悪夢」のマッケナ・グレイスが演じ、兄のトレヴァーに「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」のフィン・ウルフハード、文字通りにゴースト騒動の“蓋”を開けてしまう教師役にポール・ラッド。
アイヴァン・ライトマンはプロデューサーとして残り、息子ジェイソンと「モンスターハウス」のギル・キーナンが共同脚本を務める。
※核心部分に触れています。
科学大好き少女のフィービー(マッケナ・グレイス)は、母のキャリー(キャリー・クーン)と兄のトレヴァー(フィン・ウルフハード)と共に、オクラホマ州サマービルの亡くなった祖父の農場に引っ越してくる。
サマービルには活断層もなく、シェールガスの採掘も行われていないのに、なぜか数十年もの間、地震が頻発していた。
フィービーは、家の床下に隠された謎の装置を見つけ学校に持っていくが、教師のグルーバーソン先生(ポール・ラッド)は、それは80年台のニューヨークで活躍した“ゴーストバスターズ”が使っていた、ゴーストを捕まえるためのトラップのレプリカだと言う。
フィービーとクラスメイトのポッドキャスト(ローガン・キム)、グルーバーソン先生の3人が、トラップを開くと、突然何かが飛び出し逃げ去った。
その後、フィービーは家の地下に隠された研究室で、様々な装備と制服を見つける。
亡くなった祖父は、ニューヨークを救ったゴーストバスターズの一人、イゴン・スペングラー博士で、トラップから逃げたのは、かつて博士たちが捉えた古代の破壊神ゴーザの魂だった。
博士が命がけで作った封印は破られ、ゴーザの復活が迫る中、フィービーはゴーストバスターズの装備を使って、世界を破滅から救おうとするのだが・・・
親子監督にも色々なタイプがいる。
重厚なスタイルの父に対して、思いっきりライトでガーリーなタッチが対照的な、フランシス・コッポラとソフィア・コッポラ。
父の独特な世界観を追いながらも、独自性を模索している、デヴィッド・クローネンバーグとブランドン・クローネンバーグ。
本作のジェイソン・ライトマンと父アイヴァンは、どちらもコメディのジャンルを得意とする共通点があるが、にぎやかな大作よりの父と、どちらかと言えば小品でドラマよりの息子という違いがある。
顔もそっくりのこの親子、今回は息子ジェイソンが父の代表作に最大限のリスペクトを捧げつつも、77年生まれの彼自身が影響を受けたであろう、80年代サブカルチャーを丸ごとフィーチャーした、ある種のファンメイドムービーとなっているのが特徴。
本作とオリジナルシリーズの一番の違いは、そのスケール感だ。
大都市ニューヨークを舞台とし、怪獣映画の様なスペクタル性を売りにしていたオリジナルに対し、こちらの舞台はオクラホマの田舎町で、世界を破滅に導くゴースト騒動は起こるものの、一般の人々にはほとんど知られることなく、主人公の周りだけで収束する。
かつては賑わいを見せていたが、今は寂れた田舎町、そこに集った出自の異なる少年少女、街の歴史に隠された謎と怪異と言った構成要素は、むしろスティーブン・キングのホラー小説を思わせる。
主人公の兄トレヴァー役に、「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」で注目されたフィン・ウルフハードがキャスティングされているのも、もしかすると狙っているのかもしれない。
また、オリジナルではゴジラ並みの巨体だった、人気キャラクターのマシュマロマンも、こちらでは手のひらサイズに縮小され、大増殖するミニマシュマロマンズとして再登場。
スーパーで暴れ回る彼らの描写が、完全にグレムリンズ風味なんだが、実は「ゴーストバスターズ」とスピルバーグ印、ジョー・ダンテ監督の「グレムリン」は、どちらも1984年の6月8日の同日公開。
日本では同年の冬休み映画で、84年版「ゴジラ」とあわせて、各作品の頭文字を取って「3G決戦」
なんて呼ばれていた。
さらに引っ越してきたフィービーが、やる気のないグルーバーソン先生からサマースクールで見せられるのが、「チャイルドプレイ」とキング原作の「クジョー」なのだから、趣味性が分かりやすい(笑
キングに「ゴーストバスターズ」に「グレムリン」、これらの作品がおそらくジェイソン・ライトマンの脳みそに詰まった映画的記憶なのだろう。
そう言えば、共同脚本のギル・キーナンの代表作「モンスターハウス」は、同じくスピルバーグ印の「ポルターガイスト」に熱いオマージュを捧げた作品だったし、彼は2015年のリメイク版も監督していたりする。
本作が引用している80年代のサブカルチャー作品は、「ゴーストバスターズ」を除いて、郊外や田舎町を舞台とし、少年少女が主導的な役割を果たして怪異と戦うジュブナイル的作品。
結果、どうしてもスケールは小さくなるのだが、怪異をメタファーとして登場人物の葛藤をじっくりと描けるのが利点。
本作の場合、全体の軸となるのが家族の再生劇だからかえって丁度いい。
「ゴーストバスターズ2」の後、スペングラー博士は捕らえた破壊神ゴーザを封じ込めるために、ゴーザの信奉者によって復活の神殿が作られたサマービルにあえて移住。
かつての仲間や家族を巻き込まないために、科学で結界を作り、封印を守るという孤独な生活を送って来た。
博士の亡き後、同じく科学者としての資質を持った孫娘によって、そのスピリットは継承され、愛する人々にも彼の隠された真意が伝わる。
ライミスの死去という事実を元にプロットが構築され、幻となった「ゴーストバスターズ3」を思わせる終盤の展開には思わず胸アツ。
まさかゴーストバスターズに泣かされるとは、思ってもいなかった。
にぎやかだけどしばしば盛りすぎて、とっ散らがり気味だったオリジナルより、焦点を絞った脚本構成は明らかにこちらの方が上手い。
スペングラー博士の姿はオリジナルのアーカイブ映像の他、現在パートにも出てくるが、これはアイヴァン・ライトマンとボブ・ガントンがデジタルメイクアップで演じているという。
スパイダーマンと同じように、新旧ゴーストバスターズが勢揃いするクライマックスは、まさにハロルド・ライミス・メモリアル祭り!
ちなみにゴーザがスラビトザ・ジャバンが演じたオリジナルとそっくりなんだが、なんと今度の中の人はオリヴィア・ワイルドで、完全実体化するシーン以外はエマ・ポートナーがパフォーマンスキャプチャで演じているらしい。
ジェイソン・ライトマン作品の常連、J・K・シモンズや、序盤でスペングラーの友人として出てくるあの人とか、エンドクレジット中のオマケに出てくるあの人とか、オリジナへの愛と遊び心のあるキャスティングも楽しい。
父アイヴァンから息子ジェイソンへ、スペングラー博士からフィービーへ、継承されたゴーストバスターズは、創作の連鎖の最も幸福なサンプルとなった。
しかしこれは正統派の続編として大好きだけど、ポール・フェイグ版も無かったことにはしないでほしいなあ。
主人公が女の子というあたりも含めて、本作にも影響を与えていると思うし、あれはあれで面白かったから、別の世界線ということで。
ちなみにマーベル映画みたいに、エンドクレジット中と後にオマケあり。
今回は、かつてゴーストバスターズが守った街、「ニューヨーク」の名を持つカクテルをチョイス。
ライまたはバーボンウィスキー45ml、ライムジュース15ml、グレナデン・シロップ1/2tsp、砂糖1tspをシェイクしてグラスに注ぎ、オレンジピールを絞りかけて完成。
ウィスキーのコクとライムの酸味がバランスし、グレナデン・シロップと砂糖のほのかな甘味がアクセント。
フィービーたちにはまだだいぶ早い、甘酸っぱくほろ苦い大人の味わいだ。

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この記事へのコメント
ほんと、まさか『ゴーストバスターズ』で泣かされるとは思いもしませんでしたよ。
でもこのジェイソン・ライトマン監督の作品だけでなくキャストに対する思い入れ、ファンなら誰でも共感できるから泣けちゃうんでしょうね。
でもこのジェイソン・ライトマン監督の作品だけでなくキャストに対する思い入れ、ファンなら誰でも共感できるから泣けちゃうんでしょうね。
ノラネコさん☆
終盤思わず涙する胸アツえいがとなりましたね~
ジュブナイル感もよかったし、懐かしいオールメンバーも最高でした!!
監督の作品に対する愛情の深さと、家族の継承があってこそと思いました☆
終盤思わず涙する胸アツえいがとなりましたね~
ジュブナイル感もよかったし、懐かしいオールメンバーも最高でした!!
監督の作品に対する愛情の深さと、家族の継承があってこそと思いました☆
>にゃむばななさん
オリジナルの楽しさを受け継ぎながらも、中身は家族ものを得意とする息子の作家性なんですよね。
ライミスへのリスペクトも素敵ですが、まさかアイヴァンの訃報も重なって、いろいろな意味を持つ作品になりました。
>ノルウェーまだ〜むさん
スパイダーマンみたいに過去のゴーストバスターズが勢揃いする展開は熱かったですね〜
ガワは父のゴーストバスターズで、中身は息子の家族映画って感じでした。
オリジナルの楽しさを受け継ぎながらも、中身は家族ものを得意とする息子の作家性なんですよね。
ライミスへのリスペクトも素敵ですが、まさかアイヴァンの訃報も重なって、いろいろな意味を持つ作品になりました。
>ノルウェーまだ〜むさん
スパイダーマンみたいに過去のゴーストバスターズが勢揃いする展開は熱かったですね〜
ガワは父のゴーストバスターズで、中身は息子の家族映画って感じでした。
2022/02/15(火) 21:54:33 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
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シングルマザーのキャリーは、息子トレヴァーと娘フィービーを連れ、科学者だった父イゴン・スペングラーが遺したオクラホマ州サマーヴィルの農場へ引っ越してきた。 そこは30年間、原因不明の地震が頻発している田舎町。 フィービーは祖父が“ゴーストバスターズ”の一員で、悪霊ゴーザの復活を阻止しようとしていたことを知る…。 SFコメディ。
2022/02/12(土) 00:31:01 | 象のロケット
ゴーストバスターズのオリジナルは、主題歌のノリの良さが、自分にとっては半分くらいの好き度を占めていた気がする。
2022/10/29(土) 20:23:24 | 或る日の出来事
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