fc2ブログ
酒を呑んで映画を観る時間が一番幸せ・・・と思うので、酒と映画をテーマに日記を書いていきます。 映画の評価額は幾らまでなら納得して出せるかで、レイトショー価格1200円から+-が基準で、1800円が満点です。ネット配信オンリーの作品は★5つが満点。
■ お知らせ
※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係な物や当方が不適切と判断したTB・コメントも削除いたします。
■TITLE INDEX
タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
■ ツイッターアカウント
noraneko285でつぶやいてます。ブログで書いてない映画の話なども。
■ FILMARKSアカウント
noraneko285ツイッターでつぶやいた全作品をアーカイブしています。
ショートレビュー「スターフィッシュ・・・・・評価額1600円」
2022年03月10日 (木) | 編集 |
セカイは”音”で出来ている。

大晦日の夜、親友のグレイスを亡くした主人公オーブリーは、悲しみに耐えかねて思い出の詰まった彼女の家に忍び込み、眠り込んでしまう。
翌朝目を覚ますと、街はしんしんと降り続く雪に閉ざされ、人の姿はどこにも見えない。
困惑するオーブリーの耳に、トランシーバーから謎の男の声が聞こえてくる。
どうやら眠っている間に異世界への扉が開き、街は未知の生物が跋扈する終末の世界へ変貌。
扉を閉じるには、亡き友グレイスが街のあちらこちらに隠した、七本のミックステープを見つけなければならないらしい。
だがオーブリーにとって、そんなことは知ったことではない。
世界が変貌したことよりも、グレイスを失ったことの方が、彼女にとってはずっと衝撃が大きいのだ。
孤独のうちに思い出に囚われたオーブリーは、あっさりと状況を受け入れ、グレイスの買っていたカメと共に家に篭城し、全く動こうとしない。

監督・脚本はこれがデビュー作となるA・T・ホワイト。
主人公のオーブリーを、2018年版「ハロウィン」で注目されたヴァージニア・ガードナーが演じる。
一月に「未体験ゾーンの映画たち」の一本として限定公開され、唯一無二の独特のムードとスタイルで、様々な反応を引き起こした作品が、スクリーン数は少ないものの一般公開される。
これは、なかなか稀有なことである。

いよいよ食料が尽きた時、オーブリーはようやくグレイスの残したヒントを頼りに、ミックステープを探しに外に出るのだが、街には人間を捕食するモンスターが徘徊している。
あえてジャンルに当てはめれば、ある種のポストアポカリプス・ホラーと言えるかもしれないが、ぶっちゃけ世界観やストーリーは、最後まで観てもよく分からない。
オーブリーとグレイスが本当はどんな関係だったのかとか、何度か出てくる顔の無い男は誰?とか、どういう仕組みでテープが異世界と繋がるのかとか、幾つのもクエッションが頭の中を飛び交うのだが、たぶん最初から説明する気がない。
ただ、二人は何らかの確執を抱えていて、オーブリーが後悔の気持ちを持っていたのは確かだろう。
冒頭に「based on a true story(実話に基づく)」というクレジットが出るが、本作は実際に親友の突然の死に直面したホワイトが、自分自身の傷ついた心に対するセラピーを兼ねて、想いを込めて作った作品だという。

つまりこれは、映画全体がオーブリー=ホワイトの心象風景と思っていい。
ヒントを紐解き、ミックステープを探す冒険は、亡くなったグレイスの気持ちを理解するためのプロセスであり、今はもう心の中にしかいない彼女を感じながら、オーブリーは少しずつ彼女の死を受け止めてゆく。
ホワイトはミュージシャンでもあり、突然アニメーションになったり、本作の制作現場が写るメタ構造になったり、ミックステープが象徴するように、テリングはまるで音楽のように自由奔放で直感的。
この映画の世界は言葉と言うより「音」で出来ていて、音波の力があれば世界を壊すことも、救うことも出来る。
ある意味、究極のセカイ系の作品で、映画を観るというよりも、抽象的な音で彩られた音楽を聴くような独特の映画体験だ。
アニメーションパートを手掛けているのは、日本の手塚プロで、リメイク版「どろろ」で総作画監督を務めた青木一紀らが参加している。
常識的な映画文法から言えば、かなり特殊な作品なのだが、一つのイメージを作り込むことに拘ったテリングは独創的。
テンプレ的な娯楽映画を求める層にはオススメ出来ないが、個人的にはかなり好き。
人間を捕食する「クワイエット・プレイス」っぽい小型モンスターや、「ミスト」を思わせる巨大モンスターなど、造形感覚も独特だ。

今回は、雪に閉ざされた異世界のイメージで「スノーボール」をチョイス。
アドヴォカート40mlとライムジュース5mlをシェイクし、氷を入れたグラスに注ぎ、最後に冷やしたソーダで満たして完成。
ベースとなるアドヴォカートは、オランダが原産の卵のリキュールで、優しい甘みが特徴。
スノーボールも、アドヴォカートの甘味とライムの酸味がバランスしたソフトな味わいで、とても飲みやすい。
レモネードソーダなど、フレーバー付きのソーダを使って、味のアレンジを加えても楽しい。

ランキングバナー 
記事が気に入ったらクリックしてね

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ハロウィン【Blu-ray】 [ ジェイミー・リー・カーティス ]
価格:1100円(税込、送料無料) (2022/3/6時点)






スポンサーサイト





コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック