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2022年06月24日 (金) | 編集 |
歳の差、58歳の青春。
BLオタクの女子高校生と、BLにハマった高齢女性が、ひょんなことから“親友”になる。
鶴谷香央理の同名コミックを原作に、「余命10年」が記憶に新しい岡田惠和が脚色、「青くて痛くて脆い」の狩山俊輔が監督を務める。
17歳と75歳の親友を演じるのは、芦田愛菜と宮本信子。
これ私も原作が大好きで、楽しみにしていたのだが、2時間の映画というフォーマットで考えうる最良の仕上がりだ。
取捨選択は当然あるが、作り手も原作をリスペクトしてるのが伝わってくる。
「BL」というモチーフは、「映画」でも「音楽」でも「文学」でも、他のあらゆる「好きなもの」に置き換えることができるので、何か夢中になれるものがある人は、この映画の中にもう一人の自分を見るだろう。
芦田愛菜が素晴らしい好演を見せる佐山うららは、とにかく自分に自信がない。
自信がないから、BL好きであることも知られることが怖くて、持っているコミックも本棚には飾らず、ダンボールに入れて隠している。
彼女にとっては、BLは変わった人の変わった趣味なのだ。
一方、宮本信子が演じる市野井雪は、知らないが故にBLに対する偏見が一切ない。
彼女が初めてのBLコミック「君のことだけ見ていたい」を手に取ったのは、「表紙の絵が綺麗だったから」なのだ。
そして男の子同士のピュアな愛の表現も素直に受け入れ、すっかりハマってしまうのである。
書店員と客という形で出会ったうららと雪は、お互いの趣味を知ると、すっかり意気投合してしまう。
歳は離れていても同好の士。
最初はBLオタクのうららがメンターとなり、雪をオタクの沼へと引き摺り込む。
しかし、二人が親しくなってゆくと、今度は成長途中のうららが、雪の凛とした生き方に影響を受けて、成長を遂げてゆく。
軸となるのはうららと雪だが、うららのよき理解者である幼馴染の河村紡、彼のガールフレンドで米国留学を目指している橋本英莉、そして主役の二人のキューピッドとなるBL漫画家のコメダ先生など、周りに配されたキャラクターとの関係性も素敵だ。
劇中で雪が「君のことだけ見ていたい」を評して、「出てくる人が皆んなあったかい」と言うのだが、そのセリフがそのままこの映画にも当てはまる。
二人を引き合わせる「君のことだけ見ていたい」と、雪の言葉に触発されたうららが初めて描く同人漫画「遠くから来た人」がストーリー、テリングの両方で、現実のドラマとシンクロしてゆく辺りは、実に映画的で見事なアレンジ。
「君のことだけ見ていたい」は実際にBL漫画を手がけるじゃのめが、「遠くから来た人」は原作者の鶴谷香央理が描いている。
虚構と現実は対立するものではなく、現実を生きるには虚構が必要でお互いに影響を与え合う。
だから「好きなもの」があること、その「好き」を共有して語り合える友がいるのは素晴らしいことなのである。
「ハケンアニメ!」が創作者を描いた傑作だとすれば、これは創作が刺さった側を描く傑作だ。
そして本作を成功させた大きなファクターが、うららと雪に芦田愛菜と宮本信子を選んだキャスティングの妙だろう。
本来なら出会うはずのない二人が、創作を媒介として友人同士となり、雪の家の縁側でそれぞれが変化、成長して、人生の新たなステージへと歩んでゆく。
芦田愛菜は本作の中で、何度もスクリーンを走り抜ける。
未来へと全力疾走する走り姿の美しさは、本作の白眉と言っていい。
10代の彼女の代表作となるだろう。
今回は、青春のイメージで爽やかなカクテル「ブルーキュラソー&サイダー」をチョイス。
氷を入れたタンブラーにブルーキュラソーを45ml注ぎ、サイダーで満たして軽くステアする。
スライスしたライムを一片添えて完成。
甘口のすっきりとしたライトなカクテルで、ライムの仄かな酸っぱさがBLの味?
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BLオタクの女子高校生と、BLにハマった高齢女性が、ひょんなことから“親友”になる。
鶴谷香央理の同名コミックを原作に、「余命10年」が記憶に新しい岡田惠和が脚色、「青くて痛くて脆い」の狩山俊輔が監督を務める。
17歳と75歳の親友を演じるのは、芦田愛菜と宮本信子。
これ私も原作が大好きで、楽しみにしていたのだが、2時間の映画というフォーマットで考えうる最良の仕上がりだ。
取捨選択は当然あるが、作り手も原作をリスペクトしてるのが伝わってくる。
「BL」というモチーフは、「映画」でも「音楽」でも「文学」でも、他のあらゆる「好きなもの」に置き換えることができるので、何か夢中になれるものがある人は、この映画の中にもう一人の自分を見るだろう。
芦田愛菜が素晴らしい好演を見せる佐山うららは、とにかく自分に自信がない。
自信がないから、BL好きであることも知られることが怖くて、持っているコミックも本棚には飾らず、ダンボールに入れて隠している。
彼女にとっては、BLは変わった人の変わった趣味なのだ。
一方、宮本信子が演じる市野井雪は、知らないが故にBLに対する偏見が一切ない。
彼女が初めてのBLコミック「君のことだけ見ていたい」を手に取ったのは、「表紙の絵が綺麗だったから」なのだ。
そして男の子同士のピュアな愛の表現も素直に受け入れ、すっかりハマってしまうのである。
書店員と客という形で出会ったうららと雪は、お互いの趣味を知ると、すっかり意気投合してしまう。
歳は離れていても同好の士。
最初はBLオタクのうららがメンターとなり、雪をオタクの沼へと引き摺り込む。
しかし、二人が親しくなってゆくと、今度は成長途中のうららが、雪の凛とした生き方に影響を受けて、成長を遂げてゆく。
軸となるのはうららと雪だが、うららのよき理解者である幼馴染の河村紡、彼のガールフレンドで米国留学を目指している橋本英莉、そして主役の二人のキューピッドとなるBL漫画家のコメダ先生など、周りに配されたキャラクターとの関係性も素敵だ。
劇中で雪が「君のことだけ見ていたい」を評して、「出てくる人が皆んなあったかい」と言うのだが、そのセリフがそのままこの映画にも当てはまる。
二人を引き合わせる「君のことだけ見ていたい」と、雪の言葉に触発されたうららが初めて描く同人漫画「遠くから来た人」がストーリー、テリングの両方で、現実のドラマとシンクロしてゆく辺りは、実に映画的で見事なアレンジ。
「君のことだけ見ていたい」は実際にBL漫画を手がけるじゃのめが、「遠くから来た人」は原作者の鶴谷香央理が描いている。
虚構と現実は対立するものではなく、現実を生きるには虚構が必要でお互いに影響を与え合う。
だから「好きなもの」があること、その「好き」を共有して語り合える友がいるのは素晴らしいことなのである。
「ハケンアニメ!」が創作者を描いた傑作だとすれば、これは創作が刺さった側を描く傑作だ。
そして本作を成功させた大きなファクターが、うららと雪に芦田愛菜と宮本信子を選んだキャスティングの妙だろう。
本来なら出会うはずのない二人が、創作を媒介として友人同士となり、雪の家の縁側でそれぞれが変化、成長して、人生の新たなステージへと歩んでゆく。
芦田愛菜は本作の中で、何度もスクリーンを走り抜ける。
未来へと全力疾走する走り姿の美しさは、本作の白眉と言っていい。
10代の彼女の代表作となるだろう。
今回は、青春のイメージで爽やかなカクテル「ブルーキュラソー&サイダー」をチョイス。
氷を入れたタンブラーにブルーキュラソーを45ml注ぎ、サイダーで満たして軽くステアする。
スライスしたライムを一片添えて完成。
甘口のすっきりとしたライトなカクテルで、ライムの仄かな酸っぱさがBLの味?

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17歳の女子高生・佐山うららと、夫に先立たれた75歳の老婦人・市野井雪。 ふたりを繋いだのは、1冊のBL(ボーイズ・ラブ)漫画だった。 好きなものを語り合える友達になった彼女たちは、創作漫画の即売会「コミティア」への出展を決意。 そしてそれは、あるメタモルフォーゼ(変身)をもたらしていくことに…。
2022/06/26(日) 22:28:42 | 象のロケット
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