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グレイマン・・・・・評価★★★★+0.6
2022年07月27日 (水) | 編集 |
アウトローの仁義。

「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」 「アベンジャーズ/エンドゲーム」で映画史を塗り替えた、アンソニー&ジョーのルッソ兄弟最新作。
表沙汰にできないグレーな仕事をさせるために、犯罪者を集めて作られたCIAの特殊ユニット、シエラ・プロジェクトに所属するエージェント”シエラ・シックス”を主人公とした、新たなスパイ・アクションだ。
原作はマーク・グリーニーのベストセラー・シリーズの第一作「暗殺者グレイマン」で、映画版も続編作る気マンマン。
これ単体では完結していない部分も多いのだが、ノンストップアクションの力技で押し通す。
主人公のシックスをライアン・ゴズリンが演じ、彼とバディを組むCIAのエリートエージェントに、「007/ノータイム・トゥ・ダイ」で最強ボンドガールを演じたアナ・デ・アルマス。
キャプテン・アメリカとは正反対のドSの殺し屋を、クリス・エヴァンスが嬉々として演じている。
「ワイルド・スピード」シリーズで知られる、スティーヴン・F・ウィンドンが撮影監督を努めており、本作でも度肝を抜くカーアクションが大きな見所。
Netflix史上最高額となる、2億ドルの製作費が投じられた超大作だ。

殺人の罪で服役中のコート・ジェントリー(ライアン・ゴズリング)は、CIAのドナルド・フィッツロイ(ビリー・ボブ・ソーントン)から、減刑と引き換えに新設されるシエラ・プロジェクトのメンバーにリクルートされる。
それから18年後の現在、ジェントリーは凄腕のエージェント”シエラ・シックス”として、CIA本部のダニ・ミランダ(アナ・デ・アルマス)と協力し、バンコクでの暗殺任務に臨む。
しかし、対峙したターゲットから、自分はシエラ・フォーで、腐り切ったCIA上層部の秘密を握っていると告げられる。
フォーは息絶える直前に、USBメモリが入ったペンダントをシックスに託す。
上層部に疑念を持ったシックスはCIAとの連絡を断ち、既に引退していたフィッツロイに助けを求める。
だが、シックスの動きを察知したCIA本部長のデニー・カーマイケル(レゲ=ジャン・ペイジ)は、目的にためには手段を選ばない殺し屋、ロイド・ハンセン(クリス・エヴァンス)を呼び寄せる。
ハンセンは、フィッツロイの姪のクレア(ジュリア・バターズ)を誘拐し、取引を持ちかけるのだが・・・・


ぶっちゃけ物語の基本設定には、既視感しかない。
主人公がスパイ組織の中の一匹狼というのは、ジェームズ・ボンド以来の定番中の定番だし、犯罪者が汚れ仕事にリクルートされるのも「ニキータ」はじめ昔からあるパターン。
敏腕スパイが組織の上層部のヤバい秘密を握ってしまったがゆえ、身内から追われるようになるのも、近年では「ボーン」シリーズなどでお馴染みの設定だ。
ただし、本作は続編を前提とした作りになっていて、本作で主人公が握っている秘密はマクガフィン扱いで全貌は見えないままだ。
グリーニーの原作は未読だが、古今東西のスパイものの要素をかき集めて、一つの鍋にぶち込んだようなごった煮料理になっている。
かようにありきたりな断片によって構成されながら、本作が一本筋の通った大作になっているのは、かかっている金と物量の他に、作者の持つ“ハードボイルドの美学”が全編を貫いているからである。

ルッソ兄弟がプロデュースを担当し、弟のジョーが脚本を書いた「タイラー・レイク -命の奪還-」と本作は、いくつかの共通点がある。
まず主人公は、心に傷を抱えたアウトローである。
基本お一人様が好きだが、信頼を寄せる仲間には素直に頼るので、チームプレイもあり。
仁義に厚い性格で、恩人には恩を返すし、自分が危ない状況でも基本仲間は見捨てない。
自分の中で、超えてはいけないレッドラインがある。
どんな状況でも、子供は全力で守る。
要は非情の世界に生きていても、弱きを助け強きを挫く任侠の人なのだが、面白いのは敵の中にも主人公の鏡像のような相手がいることだ。
「タイラー・レイク」の場合はランディープ・フーダーが演じたサジュ、本作ではダヌーシュが演じたアヴィク・サン。
どちらもインド系で、格闘技の達人なのも共通だ。
強くて悪玉でありながら儀を果すという、アジア的美徳を感じさせるキャラクターを置くことで、ラスボスの卑劣漢がより際立つというワケ。

MCUでメチャクチャ濃いキャラクターを作っていたせいか、ルッソ兄弟は主人公に限らずキャラクターを立てるのが上手い。
アベンジャーズのリーダーにして、アメリカの正義を体現してきたキャプテン・アメリカことクリス・エヴァンスが、もう一片も同情の余地の無い精神破綻した殺し屋のボスを演じている他、「007/ノータイム・トゥ・ダイ」では、出演時間10分で一番美味しいところをさらって行ったアナ・デ・アルマスが、主人公の魅力的なバディ、ダニ・ミランダを好演。
シックスのメンターとなる、フィッツロイを演じるビリー・ボブ・ソーントンの燻銀のキャラクターに、彼の姪でキャプテン・ヴィランの人質となるジュリア・バターズの美少女っぷりも眼福。
バターズは、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」でジョディ・フォスターっぽい天才子役を演じていた子だが、顔が完成されすぎていてパッと見年齢が分からない。
本作の撮影当時12歳と知ってビックリした。

魅力的なキャラクターに対して、前記したように物語はやや弱いのだが、怒涛のアクションのバリエーションとボリュームで有無を言わさず突っ走る。
この映画の物語を端的に言えば、秘密が詰まったペンダントをマクガフィンにして、満身創痍のアウトローが囚われの姫を救出する話になっていて、この構図は懐かしの「ルパン三世 カリオストロの城」を思わせる。
実質的には比較的小さな物語なのだが、ヴィランが狂い過ぎているために、都市だって破壊しちゃうのだ(笑
バンコクでの暗殺シークエンスから始まって、墜落する輸送機からの脱出劇、ウィーンの市街地を舞台とした車とトラムを組み合わせた大チェイス、そしてクライマックスの城攻めとアクションの見せ場はてんこ盛りで、その全てのクオリティが高い。
この辺りのノウハウは、「ワイルド・スピード」シリーズで、数々の複雑怪奇なアクションシークエンスをカメラに収めてきた、スティーヴン・F・ウィンドンの力が大きいのだろう。
ドローンを使ったダイナミックなカメラワークを、編集のリズムと連携させ、スピーディーに展開させるあたりも、なかなか未見性があった。
しかしカリ城のルパンは姫を解放してカッコよく去っていったけど、これはまだまだ安心できない状況なので、いっそ戦闘術を仕込んで、次は父娘鷹か?
CIAに戻ったダニはどう動く?
すでに続編の制作は決定しているようなので、新フランチャイズの本格始動を楽しみに待ちたい。
しかし、製作費2億ドルの超大作が配信で見られちゃうんだから、時代だな。

本作はバンコクから冒険が始まるので、タイを代表するビール、ブーンロード・ブルワリーの「シンハー」をチョイス。
1933年に、ドイツとの技術提携で生まれたジャーマンスタイル。
しかし暑い国のビールの例に漏れず、割と薄味で喉越しスッキリ系に進化した。
もっと冷えろとばかりに、ビアグラスに氷を入れて注ぐのが現地流。
ミッションが終わったら、グイッと飲みたい。

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コメント
この記事へのコメント
こんばんは
これは面白かった。
ルッソ兄弟はソリッドから出鱈目まで、アクションシーンのIQが抜群ですね。殴り合い撃ち合いの中でプロレス的ストーリーを描けている辺りは、ハリウッドでは珍しい。他のアクション屋さんにも見習って欲しいところです。
クリス・エヴァンズがリュック・ベッソン系にありがちな「外国に来て町を壊しまくるアメリカ人」の権化みたいなのも面白かった。「ザ・コンサルタント」よろしく、こいつ実は弟なんじゃねえか、と思ってたんですが、まるで関係なかったようで。続編が出来たら弟も登場したりするんでしょうか。
2022/07/29(金) 23:29:34 | URL | 焼き鳥 #9L.cY0cg[ 編集]
じゃあ弟は「アンチャーテッド」のトム・ホランドで。
2022/07/30(土) 22:56:05 | URL | fjk78dead #-[ 編集]
こんばんは
>焼き鳥さん
私はルッソ兄弟は、フランケンハイマー→マイケル・マン路線の継承者だと思ってます。
彼らの作るアクションは重みがあるんですよね。
車でもパンチでも質量を感じる。
これはアクション映画の作り手として重要な才能だと思います。
ザ・コンサルタントのアフレックとは戦わせてみたいかもw

>ふじきさん
トム・ホランドは、大人の保護者がいないと秒殺されそうな気がする。
2022/07/31(日) 20:41:47 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
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