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2022年08月12日 (金) | 編集 |
その悲しき歌を聴け。
「ONE PIECE FILM RED」は、原作者の尾田栄一郎が総合プロデューサーを務めるFILMシリーズの4作目にして、「ONE PIECE」連載開始25周年記念作。
劇場版としては、2019年に封切られた前作「ONE PIECE STAMPEDE」以来の通算15作目となる。
今回の舞台はワンピ世界で最も愛される歌姫、ウタの最初のライブコンサート。
しかし「新時代を作ろう」と歌う彼女の思想を世界政府は危険視し、監視する海軍は神経を尖らせ、海賊たちは身代金を目当てに誘拐する気満々。
ところが会場に現れたルフィが、正体不明のはずの彼女のことを「シャンクスの娘だ」と明かしたことから、事態が急速に動き出す。
歌唱がメインとなる役柄ゆえに、ウタは演技を名塚佳織、歌唱を覆面歌手のAdoが担当する二人一役。
脚本は「キングダム」シリーズで知られ、「ONE PIECE FILM GOLD」も担当した石黒勉。
監督の谷口悟朗は、劇場版シリーズ第一作の「ONE PIECE 倒せ!海賊ギャンザック」で監督デビューを飾っていて、今回が四半世紀ぶりのシリーズ帰還となる。
音楽の島エレジア。
ここで人気歌手のウタ(名塚佳織/Ado)の、ライブコンサートが開かれようとしていた。
素性を明かさず、配信で活動してきた彼女を一目見ようと、ライブ会場にはファンたちが押し寄せ、ルフィたち麦わらの一味もその中に。
しかし世界政府は、ウタを革命を煽る者として危険視し、海軍を送り込んでいた。
一方、世界中の注目を集めるウタなら、巨額の身代金を取れると、海賊たちも観客に紛れ込み、一触即発。
ところが、コンサートが始まる直前、ルフィ(田中真弓)がステージに立ち、ウタを赤髪のシャンクス(池田秀一)の娘だと紹介したことから、会場がわざつく。
なぜなら、ウタは人々を苦しめる海賊を嫌い、「大海賊時代を終わらせて、新時代を作ろう」と歌っていたからだ。
さっそく海賊たちが、人質としてウタを捕らえようとするが、彼女は不思議な力を使い、瞬く間に海賊たちを拘束してしまう。
実はこのコンサートの開催は、本当の新時代を作るためのウタの壮大な計画だったのだ・・・・
「超時空要塞マクロス」のリン・ミンメイから、記憶に新しい「竜とそばかすの姫」のベルまで、日本アニメーション映画史を彩ってきた歌姫ヒロインの系譜にまた一人。
弱肉強食の大海賊時代にあって、誰もが幸せに暮らせる新時代を作ろうと歌う、謎の歌手ウタ。
その正体は、赤髪海賊団大頭のシャンクスの娘でルフィの幼馴染だった。
12年前、なぜ彼女は海賊団から忽然と姿を消し、今になって世界の歌姫として現れたのか。
浮かび上がってきたのは、「ONE PIECE」史上もっと悲しくて辛い話しだったよ・・・。
全体が「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」+「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」+「ミッション:8ミニッツ」みたいな二重世界の構造。
ウタは「ウタウタの実」の能力者で、その歌声を聞いた者の心は、彼女の作り出す現実そっくりの仮想世界「ウタワールド」に取り込まれてしまう。
この世界ではウタは神の如き力を持ち、食べ物を自由に出したり、無生物のはずのサニー号を可愛い謎生物に変えたり、ほとんどどんなことでも出来る。
当然無敵で、誰も彼女には敵わない。
現実世界でウタが眠ると、ウタワールドから解放されるが、彼女は食べると眠ることができなくなり、やがて死に至る毒キノコを食べていた。
ウタが死んでしまうと、ウタワールドと現実は切り離され、取り込まれた人々も永遠にこの世界から出られなくなる。
そう、ウタの言う新しい世界とは、海賊も海軍も世界政府もない、ウタワールドという虚構のパラダイスで、自分の歌を聞いてくれたリスナー全員と、ずっと幸せに暮らそうというものなのだ。
パラダイスの存在が確約されてはいるものの、要はカルト宗教のやりそうな集団自殺だ。
しかし、シャンクスの娘として赤髪海賊団にいたはずのウタは、なぜこんな大それた計画を立てたのか。
12年前に突然海賊団から消え、理由も告げないままルフィの前から去った理由と、その時ウタに起こったことは、ネタバレなので自粛するが、全ての発端が幼い彼女が背負った、余りにも重い罪の意識なのが辛い。
もちろん大人たちは、彼女が傷付かないように配慮はするのだが、それゆえに中途半端に事実と接することになってしまう。
ウタは自分の過去を知れば知るほど、追い詰められてドツボにハマり、虚構の世界でやり直したくなってしまうのである。
自分の歌で人々に幸せを齎したいという善意と、過去の罪をかき消したいという無意識の罪悪感、世界を一からやり直したいという願望が、ウタの中でぐちゃぐちゃの狂気になって暴走。
ライブコンサートの会場にいなくても、歌を聴いただけでウタワールドに取り込まれてしまうので、彼女の狂気は人口の7割を巻き込み、世界は滅亡の淵に立たされる。
思うに、過去を強く後悔したことのある人ほど、この悲しきテロリストに感情移入することを免れないだろう。
彼女の心の叫びを歌い上げる、Adoの歌唱もパワフル。
オープニングの「新時代」、エンディングの「風のゆくえ」以外にも5曲を披露していて、音楽映画としてもかなり聴き応えのあるボリューム。
劇中では歌われていないが、サウンドトラックアルバムの「ウタの歌 ONE PIECE FILM RED」には、名曲「ビンクスの酒」のAdoバージョンが収録されていると言うので、これはちょっと聴いてみたい。
心情的にはエンディングにピッタリなのだが、思い出の曲という設定の「風のゆくえ」と迷ったか?
もちろん、アニメーション映像のクオリティも高く、原作者がガッツリ参加しているだけあって、お馴染みのキャラクターも生かされている。
クライマックスの、現実世界のシャンクスとウタワールドでのルフィの揃い踏みの同時攻撃や、ウソップとヤソップの共闘とか、バトルシークエンスはアガる仕上がり。
ただし、今回はルフィもシャンクスも完全に脇役で、主役はあくまでもウタ。
まあ「ONE PIECE」の劇場版は、レギュラー陣は基本狂言回しで、色々問題を抱えたヴィランの方が目立ってるのは珍しくないが、特殊能力を持った海賊や海軍とのバトルは彩の野菜みたいなもので、メインの料理はAdoのワンマンショーがという作りは、コレじゃないと思う人もいるかも知れない。
個人的には、悲しい影を纏ったヴィランの話に弱いので、劇場版シリーズ中でもトップクラスに好きな話。
映像は涼しげだし、夏休み中におかわりしよう。
今回は、タイトル繋がりで赤いカクテル「ムーラン・ルージュ」をチョイス。
スロー・ジン40ml、スイート・ベルモット20ml、オレンジ・ビターズ1dashをシェイクし、グラスに注ぐ。
ルビー色の美しいカクテルは、バズ・ラーマンの同名映画でも知られる、赤い風車がトレードマークのパリのキャバレーをモチーフにした一杯。
香りよくまろやかで甘酸っぱく、飲みやすい。
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「ONE PIECE FILM RED」は、原作者の尾田栄一郎が総合プロデューサーを務めるFILMシリーズの4作目にして、「ONE PIECE」連載開始25周年記念作。
劇場版としては、2019年に封切られた前作「ONE PIECE STAMPEDE」以来の通算15作目となる。
今回の舞台はワンピ世界で最も愛される歌姫、ウタの最初のライブコンサート。
しかし「新時代を作ろう」と歌う彼女の思想を世界政府は危険視し、監視する海軍は神経を尖らせ、海賊たちは身代金を目当てに誘拐する気満々。
ところが会場に現れたルフィが、正体不明のはずの彼女のことを「シャンクスの娘だ」と明かしたことから、事態が急速に動き出す。
歌唱がメインとなる役柄ゆえに、ウタは演技を名塚佳織、歌唱を覆面歌手のAdoが担当する二人一役。
脚本は「キングダム」シリーズで知られ、「ONE PIECE FILM GOLD」も担当した石黒勉。
監督の谷口悟朗は、劇場版シリーズ第一作の「ONE PIECE 倒せ!海賊ギャンザック」で監督デビューを飾っていて、今回が四半世紀ぶりのシリーズ帰還となる。
音楽の島エレジア。
ここで人気歌手のウタ(名塚佳織/Ado)の、ライブコンサートが開かれようとしていた。
素性を明かさず、配信で活動してきた彼女を一目見ようと、ライブ会場にはファンたちが押し寄せ、ルフィたち麦わらの一味もその中に。
しかし世界政府は、ウタを革命を煽る者として危険視し、海軍を送り込んでいた。
一方、世界中の注目を集めるウタなら、巨額の身代金を取れると、海賊たちも観客に紛れ込み、一触即発。
ところが、コンサートが始まる直前、ルフィ(田中真弓)がステージに立ち、ウタを赤髪のシャンクス(池田秀一)の娘だと紹介したことから、会場がわざつく。
なぜなら、ウタは人々を苦しめる海賊を嫌い、「大海賊時代を終わらせて、新時代を作ろう」と歌っていたからだ。
さっそく海賊たちが、人質としてウタを捕らえようとするが、彼女は不思議な力を使い、瞬く間に海賊たちを拘束してしまう。
実はこのコンサートの開催は、本当の新時代を作るためのウタの壮大な計画だったのだ・・・・
「超時空要塞マクロス」のリン・ミンメイから、記憶に新しい「竜とそばかすの姫」のベルまで、日本アニメーション映画史を彩ってきた歌姫ヒロインの系譜にまた一人。
弱肉強食の大海賊時代にあって、誰もが幸せに暮らせる新時代を作ろうと歌う、謎の歌手ウタ。
その正体は、赤髪海賊団大頭のシャンクスの娘でルフィの幼馴染だった。
12年前、なぜ彼女は海賊団から忽然と姿を消し、今になって世界の歌姫として現れたのか。
浮かび上がってきたのは、「ONE PIECE」史上もっと悲しくて辛い話しだったよ・・・。
全体が「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」+「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」+「ミッション:8ミニッツ」みたいな二重世界の構造。
ウタは「ウタウタの実」の能力者で、その歌声を聞いた者の心は、彼女の作り出す現実そっくりの仮想世界「ウタワールド」に取り込まれてしまう。
この世界ではウタは神の如き力を持ち、食べ物を自由に出したり、無生物のはずのサニー号を可愛い謎生物に変えたり、ほとんどどんなことでも出来る。
当然無敵で、誰も彼女には敵わない。
現実世界でウタが眠ると、ウタワールドから解放されるが、彼女は食べると眠ることができなくなり、やがて死に至る毒キノコを食べていた。
ウタが死んでしまうと、ウタワールドと現実は切り離され、取り込まれた人々も永遠にこの世界から出られなくなる。
そう、ウタの言う新しい世界とは、海賊も海軍も世界政府もない、ウタワールドという虚構のパラダイスで、自分の歌を聞いてくれたリスナー全員と、ずっと幸せに暮らそうというものなのだ。
パラダイスの存在が確約されてはいるものの、要はカルト宗教のやりそうな集団自殺だ。
しかし、シャンクスの娘として赤髪海賊団にいたはずのウタは、なぜこんな大それた計画を立てたのか。
12年前に突然海賊団から消え、理由も告げないままルフィの前から去った理由と、その時ウタに起こったことは、ネタバレなので自粛するが、全ての発端が幼い彼女が背負った、余りにも重い罪の意識なのが辛い。
もちろん大人たちは、彼女が傷付かないように配慮はするのだが、それゆえに中途半端に事実と接することになってしまう。
ウタは自分の過去を知れば知るほど、追い詰められてドツボにハマり、虚構の世界でやり直したくなってしまうのである。
自分の歌で人々に幸せを齎したいという善意と、過去の罪をかき消したいという無意識の罪悪感、世界を一からやり直したいという願望が、ウタの中でぐちゃぐちゃの狂気になって暴走。
ライブコンサートの会場にいなくても、歌を聴いただけでウタワールドに取り込まれてしまうので、彼女の狂気は人口の7割を巻き込み、世界は滅亡の淵に立たされる。
思うに、過去を強く後悔したことのある人ほど、この悲しきテロリストに感情移入することを免れないだろう。
彼女の心の叫びを歌い上げる、Adoの歌唱もパワフル。
オープニングの「新時代」、エンディングの「風のゆくえ」以外にも5曲を披露していて、音楽映画としてもかなり聴き応えのあるボリューム。
劇中では歌われていないが、サウンドトラックアルバムの「ウタの歌 ONE PIECE FILM RED」には、名曲「ビンクスの酒」のAdoバージョンが収録されていると言うので、これはちょっと聴いてみたい。
心情的にはエンディングにピッタリなのだが、思い出の曲という設定の「風のゆくえ」と迷ったか?
もちろん、アニメーション映像のクオリティも高く、原作者がガッツリ参加しているだけあって、お馴染みのキャラクターも生かされている。
クライマックスの、現実世界のシャンクスとウタワールドでのルフィの揃い踏みの同時攻撃や、ウソップとヤソップの共闘とか、バトルシークエンスはアガる仕上がり。
ただし、今回はルフィもシャンクスも完全に脇役で、主役はあくまでもウタ。
まあ「ONE PIECE」の劇場版は、レギュラー陣は基本狂言回しで、色々問題を抱えたヴィランの方が目立ってるのは珍しくないが、特殊能力を持った海賊や海軍とのバトルは彩の野菜みたいなもので、メインの料理はAdoのワンマンショーがという作りは、コレじゃないと思う人もいるかも知れない。
個人的には、悲しい影を纏ったヴィランの話に弱いので、劇場版シリーズ中でもトップクラスに好きな話。
映像は涼しげだし、夏休み中におかわりしよう。
今回は、タイトル繋がりで赤いカクテル「ムーラン・ルージュ」をチョイス。
スロー・ジン40ml、スイート・ベルモット20ml、オレンジ・ビターズ1dashをシェイクし、グラスに注ぐ。
ルビー色の美しいカクテルは、バズ・ラーマンの同名映画でも知られる、赤い風車がトレードマークのパリのキャバレーをモチーフにした一杯。
香りよくまろやかで甘酸っぱく、飲みやすい。

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世界で最も愛されている素性を隠した歌手ウタ。 その歌声は”別次元”と評されている。 そんな彼女が初めて公の前に姿を現すライブが開催されることに。 あらゆるファンが会場を埋め尽くす中、今まさに全世界待望の歌声が響き渡ろうとしていた。 音楽の島・エレジアで再会したルフィとウタの出会いは、12年前のことだった。…。 アニメーション。
2022/08/12(金) 23:36:22 | 象のロケット
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