2022年11月13日 (日) | 編集 |
喪失の、その先に。
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)フェイズ4のラストを飾る、喪失と継承、再生を描く傑作だ。
国王とヒーロー、二つの顔を持つ男、ブラックパンサーことティ・チャラを演じたチャドウィック・ボーズマンが、癌のため43歳の若さで亡くなったのは2年前の2020年。
現実世界と同様、映画の世界でもティ・チャラは病に冒され、この世を去る。
彼が治めていたワカンダ王国は、元首と守護者の両方を突然失ったのだ。
ライアン・クーグラーは161分の長尺を費やして、予期せぬ喪失に戸惑い、やがて向き合う人々のディープなドラマを、フィルムメーカーならではの“喪の仕事”として綴る。
我々は愛するものを失った登場人物と同化し、悲しみ、葛藤しながら、未来を見据えてゆく。
過去の作品では兄のサポート役だった、シュリ王女役のレティーシャ・ライトが、本作では堂々たる主役の存在感で、新たなスターの誕生となった。
※核心部分に触れています。
ワカンダ国王のティ・チャラ(チャドウィック・ボーズマン)は、病に冒され死の床にある。
ハート型のハーブがあれば、彼を救えると考えたシュリ(レティーシャ・ライト)は、キルモンガーが根絶やしにしてしまったハーブを人工的に再生しようとするが、完成する前にティ・チャラは崩御。
王国は国王と守護者を同時に失ってしまう。
一方、ワカンダが独占するヴィブラニウムを入手したいアメリカは、海底の鉱脈を探し当てるが、調査船が何者かに襲われ全滅。
同じ頃、シュリとラモンダ女王(アンジェラ・バセット)の前に、ネイモア(テノッチ・ウェルタ)と名乗る男が現れ、同盟を結ぼうと呼びかける。
ネイモアは、ワカンダと同じヴィブラニウム文明を持つ海底人の国タロカンの王で、ワカンダにアメリカが使用したヴィブラニウム探知機の開発者を探し出し、引き渡すことを要求する。
戦争を避けるため、やむなくオコエ(ダナイ・グリラ)とシュリがアメリカに向かうが、探知機を開発したのはMITに通う天才大学生、リリ・ウィリアムズ(ドミニク・ソーン)だった。
FBIに追われた三人の前に、タロカンの兵士が現れて、シュリとリリは連れ去られてしまうのだが・・・
2018年に、スタン・リーが死去した後にリリースされた「キャプテン・マーベル」以来の、チャドウィック・ボーズマンへのリスペクトの塊のような、マーベルロゴで既に涙腺決壊。
現実世界のスターの死を、そのまま物語に反映した作品は極めて珍しい。
金を稼げる人気キャラクターであればこそ、代役を立ててでも続けようとするものだが、本作の作り手はそうはしなかった。
ボーズマンこそティ・チャラであり、ボーズマンの死はキャラクターの死とイコールなのだ。
ブラックパンサーという、強い個性を持つスーパーヒーローを主役にした世界観は、彼の死により中心にポッカリと穴が空いてしまった。
残された者たちは皆戸惑い、未来がどうなるのか、どうすれば良いのか分からないままだ。
映画は、ティ・チャラの妹であるシュリ王女、母のラモンダ女王、元恋人のナキア、国王親衛隊のオコエ隊長、四人の女性を中心にした群像劇として展開する。
その中でもフィーチャーされるのは、シュリ王女だ。
天才科学者でもある彼女は、前作でキルモンガーが焼き尽くしたハート型ハーブを再生しようと試みるが間に合わず、兄を救えなかったことに罪悪感を抱き、喪失を受け止められないでいる。
ハート型のハーブが無ければ継承の儀式を行えず、誰もブラックパンサーになれないので、彼女は研究に没頭することで、現実から逃げている。
母のラモンダも息子を失ったわけだが、彼女の場合は女王としての使命があるので、否が応でも喪失という現実に向き合わざるを得ない。
作中でラモンダがシュリをサバンナへ連れ出し、悲しみを素直に吐露して良いのだと諭すシーンがあるが、シュリはまるで聞き分けの無い子供のように、母の言葉を拒絶する。
この母娘の語らいの最中に忽然と現れるのが、本作のヴィランである海底人の国タロカンの王、ネイモアだ。
元々は中米の先住民だったタロカンの民は、スペインの侵略者によって海に追われ、ハート型ハーブと同じく、ヴィブラニウムの影響を受けた薬草によって、海底で生きられるようになったミュータントだ。
彼らを数百年にわたって率いてきたのが、足首に生えた翼によって飛行能力を持つネイモア、別名ククルカン(羽を持つ蛇の神)なのである。
前作の「ブラックパンサー」は、アメリカで爆発的な大ヒットとなり、MCU史上初のアカデミー作品賞をはじめとする7部門で候補となり、3部門で受賞するほどの高い評価を受けた。
これはワカンダという架空の国のお家騒動が、トランプの時代にあって、現実のアメリカ現代政治史の秀逸な比喩となっていて、ヒーローものである以前に、優れたポリティカルフィクションだったからだ。
物語の起点はなぜ1992年のオークランドなのか、ワカンダが他国に干渉しない政策を敷いているのはなぜか、キルモンガーの思想はどこから来ているのか、全てに現実に裏打ちされた意味があったのである。
日本でアメリカほど評価が高まらなかったのも、この辺りの感覚が肌で分からないからだろう。
本作では前作ほど政治性は追求されないが、私の知る限りスペインによる残酷な中南米征服を、SF・ファンタジーのジャンルでここまで描きこんだ作品ははじめてだ。
タロカンの民は、スペインによって土地を追われ、家を焼かれ、家族を殺され、遂に海にまで追い落とされた人々の末裔であり、その時代から生きてきたネイモアの、かつての帝国主義国家へ復讐心も、正当化できるかはともかく、きちんとした理由がある。
キルモンガーもそうだったが、クーグラーはヴィランを分かりやすい“悪”ではなく、いわば道理を持ったアンチテーゼとして描く。
一方、前作で描かれた通り、ワカンダはアフリカの理想郷であるのと同時に、アメリカをカリカチュアした小さな強国であり、過去に一度も他国の侵略を受けたことがない。
同じヴィブラニウム文明である、タロカンの挑戦を受けて、はじめて存亡の危機に立たされる。
物語の序盤のシュリは、自分の殻に閉じ籠った子供であり、まだネイモアに対抗するだけのテーゼすら持ち合わせていないのだ。
タロカンに拉致されて、彼らの国の持つ背景を知り、さらに攻め込んできたタロカン軍との戦いによって母を失い、天涯孤独の身となって、ようやく覚悟を決める。
だが、ハート型ハーブを完成させて兄の意志を注ぐ継承の儀式に挑んだ彼女が見たのは、祖先の魂が待つ平原ではない。
彼女の前に現れるのは、なんとキルモンガーの魂なのだ。
キルモンガーは、ブラックパンサーとしてはティ・チャラ以上に強かったが、高潔さとは無縁の傲慢な男で国王としては不適格だった。
継承は成功し、シュリはブラックパンサーとなったが、キルモンガーとの邂逅によって、自分が国王としての資質を未だ満たしていないことを知るのである。
ストーリー自体は奇を衒った部分は無く、全て予想の範囲内。
ライアン・クーグラーは、アメコミアクション映画とは思えない、ゆったりとしたリズムで物語を綴り、シュリを中心にティ・チャラという要石を失った、ワカンダの人たちの心の変化を描いてゆく。
アクションシークエンスは、前作以上に豊富かつ非常に良くできていて、飛行能力を持つネイモアは、陸海空を股にかけるスピードスターとして大活躍。
敵が強ければ強いほど、アクション映画としては盛り上がるのだが、本作のアクションは見応えはあっても不思議とカタルシスを感じさせない。
そもそも全てを欲していたのはアメリカで、ワカンダとタロカンは強欲な外の勢力から、世界を危険に晒すヴィブラニウムを守る立場。
本作で描かれるのはネイモアが地上に対して野心を抱き、無理やりワカンダを巻き込んだことで起こった戦争であり、ワカンダには最初から戦う理由などないのだ。
しかし現実の歴史を見ると、本作と同じように理不尽に巻き込まれて起こった戦争は数知れずあり、設定にもリアリティがある。
ネイモアとの最終決戦で見せた新生ブラックパンサーの葛藤と結末は、ヒーローのあり方としては十分に説得力のあるものだった。
全編を通して、チャドウィック・ボーズマン=ティ・チャラへの追悼とリスペクトを捧げ尽くし、彼のいない世界への決意を語るというのは、アメコミヒーロー映画としては相当に異色だが、確実に今の時代を捉えた作品で、MCU作品の中でもトップクラスのクオリティを持つ傑作である。
ところで、シュリはワカンダの守護者としてブラックパンサーにはなったが、王位につかなかったことで、王様はしばらくの間ゴリラーマンのエムバク様になるんだろうが、大丈夫だろうか(笑
まあ本作では、義理人情の厚さに加えて思慮深さも見せていたし、案外いい王様になるのかも知れないな。
オコエ隊長とは、仲良くどつき合いそうだけど。
今回はエンドクレジット途中に非常に重要な映像があるが、フェイズの終わりなのでクレジット後には無し。
トニー・スタークの後継者みたいな子も出てきたし、「アベンジャーズ/エンドゲーム」のラストでも流された金槌の音とか、確実に意識して被せてきてる。
彼女は来年秋に配信されるMCUの新ドラマ「Ironheart」の主役になるみたいだけど、とりあえず来年2月公開予定の「アントマン&ワスプ:クアントマニア」を楽しみに待とう。
今回は、前作にも付け合わせたカクテル「ブラック・ベルベット」をチョイス。
ギネスビール150mlとシャンパン150mlをキンキンに冷やし、シャンパングラスに注ぎ、サッと混ぜる。
シャンパンとギネスビールの作り出すきめ細かな泡のカーテンを、肌ざわりの良いベルベットになぞらえたネーミング。
必ずしもシャンパンとギネスでなければならないという訳でなく、他の黒ビールやスパークリングワインでも作れるが、組み合わせ次第でだいぶテイストが変わる。
黒ビールが苦手な人にとっても飲みやすい、キャラメル色の美しいカクテルだ。
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マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)フェイズ4のラストを飾る、喪失と継承、再生を描く傑作だ。
国王とヒーロー、二つの顔を持つ男、ブラックパンサーことティ・チャラを演じたチャドウィック・ボーズマンが、癌のため43歳の若さで亡くなったのは2年前の2020年。
現実世界と同様、映画の世界でもティ・チャラは病に冒され、この世を去る。
彼が治めていたワカンダ王国は、元首と守護者の両方を突然失ったのだ。
ライアン・クーグラーは161分の長尺を費やして、予期せぬ喪失に戸惑い、やがて向き合う人々のディープなドラマを、フィルムメーカーならではの“喪の仕事”として綴る。
我々は愛するものを失った登場人物と同化し、悲しみ、葛藤しながら、未来を見据えてゆく。
過去の作品では兄のサポート役だった、シュリ王女役のレティーシャ・ライトが、本作では堂々たる主役の存在感で、新たなスターの誕生となった。
※核心部分に触れています。
ワカンダ国王のティ・チャラ(チャドウィック・ボーズマン)は、病に冒され死の床にある。
ハート型のハーブがあれば、彼を救えると考えたシュリ(レティーシャ・ライト)は、キルモンガーが根絶やしにしてしまったハーブを人工的に再生しようとするが、完成する前にティ・チャラは崩御。
王国は国王と守護者を同時に失ってしまう。
一方、ワカンダが独占するヴィブラニウムを入手したいアメリカは、海底の鉱脈を探し当てるが、調査船が何者かに襲われ全滅。
同じ頃、シュリとラモンダ女王(アンジェラ・バセット)の前に、ネイモア(テノッチ・ウェルタ)と名乗る男が現れ、同盟を結ぼうと呼びかける。
ネイモアは、ワカンダと同じヴィブラニウム文明を持つ海底人の国タロカンの王で、ワカンダにアメリカが使用したヴィブラニウム探知機の開発者を探し出し、引き渡すことを要求する。
戦争を避けるため、やむなくオコエ(ダナイ・グリラ)とシュリがアメリカに向かうが、探知機を開発したのはMITに通う天才大学生、リリ・ウィリアムズ(ドミニク・ソーン)だった。
FBIに追われた三人の前に、タロカンの兵士が現れて、シュリとリリは連れ去られてしまうのだが・・・
2018年に、スタン・リーが死去した後にリリースされた「キャプテン・マーベル」以来の、チャドウィック・ボーズマンへのリスペクトの塊のような、マーベルロゴで既に涙腺決壊。
現実世界のスターの死を、そのまま物語に反映した作品は極めて珍しい。
金を稼げる人気キャラクターであればこそ、代役を立ててでも続けようとするものだが、本作の作り手はそうはしなかった。
ボーズマンこそティ・チャラであり、ボーズマンの死はキャラクターの死とイコールなのだ。
ブラックパンサーという、強い個性を持つスーパーヒーローを主役にした世界観は、彼の死により中心にポッカリと穴が空いてしまった。
残された者たちは皆戸惑い、未来がどうなるのか、どうすれば良いのか分からないままだ。
映画は、ティ・チャラの妹であるシュリ王女、母のラモンダ女王、元恋人のナキア、国王親衛隊のオコエ隊長、四人の女性を中心にした群像劇として展開する。
その中でもフィーチャーされるのは、シュリ王女だ。
天才科学者でもある彼女は、前作でキルモンガーが焼き尽くしたハート型ハーブを再生しようと試みるが間に合わず、兄を救えなかったことに罪悪感を抱き、喪失を受け止められないでいる。
ハート型のハーブが無ければ継承の儀式を行えず、誰もブラックパンサーになれないので、彼女は研究に没頭することで、現実から逃げている。
母のラモンダも息子を失ったわけだが、彼女の場合は女王としての使命があるので、否が応でも喪失という現実に向き合わざるを得ない。
作中でラモンダがシュリをサバンナへ連れ出し、悲しみを素直に吐露して良いのだと諭すシーンがあるが、シュリはまるで聞き分けの無い子供のように、母の言葉を拒絶する。
この母娘の語らいの最中に忽然と現れるのが、本作のヴィランである海底人の国タロカンの王、ネイモアだ。
元々は中米の先住民だったタロカンの民は、スペインの侵略者によって海に追われ、ハート型ハーブと同じく、ヴィブラニウムの影響を受けた薬草によって、海底で生きられるようになったミュータントだ。
彼らを数百年にわたって率いてきたのが、足首に生えた翼によって飛行能力を持つネイモア、別名ククルカン(羽を持つ蛇の神)なのである。
前作の「ブラックパンサー」は、アメリカで爆発的な大ヒットとなり、MCU史上初のアカデミー作品賞をはじめとする7部門で候補となり、3部門で受賞するほどの高い評価を受けた。
これはワカンダという架空の国のお家騒動が、トランプの時代にあって、現実のアメリカ現代政治史の秀逸な比喩となっていて、ヒーローものである以前に、優れたポリティカルフィクションだったからだ。
物語の起点はなぜ1992年のオークランドなのか、ワカンダが他国に干渉しない政策を敷いているのはなぜか、キルモンガーの思想はどこから来ているのか、全てに現実に裏打ちされた意味があったのである。
日本でアメリカほど評価が高まらなかったのも、この辺りの感覚が肌で分からないからだろう。
本作では前作ほど政治性は追求されないが、私の知る限りスペインによる残酷な中南米征服を、SF・ファンタジーのジャンルでここまで描きこんだ作品ははじめてだ。
タロカンの民は、スペインによって土地を追われ、家を焼かれ、家族を殺され、遂に海にまで追い落とされた人々の末裔であり、その時代から生きてきたネイモアの、かつての帝国主義国家へ復讐心も、正当化できるかはともかく、きちんとした理由がある。
キルモンガーもそうだったが、クーグラーはヴィランを分かりやすい“悪”ではなく、いわば道理を持ったアンチテーゼとして描く。
一方、前作で描かれた通り、ワカンダはアフリカの理想郷であるのと同時に、アメリカをカリカチュアした小さな強国であり、過去に一度も他国の侵略を受けたことがない。
同じヴィブラニウム文明である、タロカンの挑戦を受けて、はじめて存亡の危機に立たされる。
物語の序盤のシュリは、自分の殻に閉じ籠った子供であり、まだネイモアに対抗するだけのテーゼすら持ち合わせていないのだ。
タロカンに拉致されて、彼らの国の持つ背景を知り、さらに攻め込んできたタロカン軍との戦いによって母を失い、天涯孤独の身となって、ようやく覚悟を決める。
だが、ハート型ハーブを完成させて兄の意志を注ぐ継承の儀式に挑んだ彼女が見たのは、祖先の魂が待つ平原ではない。
彼女の前に現れるのは、なんとキルモンガーの魂なのだ。
キルモンガーは、ブラックパンサーとしてはティ・チャラ以上に強かったが、高潔さとは無縁の傲慢な男で国王としては不適格だった。
継承は成功し、シュリはブラックパンサーとなったが、キルモンガーとの邂逅によって、自分が国王としての資質を未だ満たしていないことを知るのである。
ストーリー自体は奇を衒った部分は無く、全て予想の範囲内。
ライアン・クーグラーは、アメコミアクション映画とは思えない、ゆったりとしたリズムで物語を綴り、シュリを中心にティ・チャラという要石を失った、ワカンダの人たちの心の変化を描いてゆく。
アクションシークエンスは、前作以上に豊富かつ非常に良くできていて、飛行能力を持つネイモアは、陸海空を股にかけるスピードスターとして大活躍。
敵が強ければ強いほど、アクション映画としては盛り上がるのだが、本作のアクションは見応えはあっても不思議とカタルシスを感じさせない。
そもそも全てを欲していたのはアメリカで、ワカンダとタロカンは強欲な外の勢力から、世界を危険に晒すヴィブラニウムを守る立場。
本作で描かれるのはネイモアが地上に対して野心を抱き、無理やりワカンダを巻き込んだことで起こった戦争であり、ワカンダには最初から戦う理由などないのだ。
しかし現実の歴史を見ると、本作と同じように理不尽に巻き込まれて起こった戦争は数知れずあり、設定にもリアリティがある。
ネイモアとの最終決戦で見せた新生ブラックパンサーの葛藤と結末は、ヒーローのあり方としては十分に説得力のあるものだった。
全編を通して、チャドウィック・ボーズマン=ティ・チャラへの追悼とリスペクトを捧げ尽くし、彼のいない世界への決意を語るというのは、アメコミヒーロー映画としては相当に異色だが、確実に今の時代を捉えた作品で、MCU作品の中でもトップクラスのクオリティを持つ傑作である。
ところで、シュリはワカンダの守護者としてブラックパンサーにはなったが、王位につかなかったことで、王様はしばらくの間ゴリラーマンのエムバク様になるんだろうが、大丈夫だろうか(笑
まあ本作では、義理人情の厚さに加えて思慮深さも見せていたし、案外いい王様になるのかも知れないな。
オコエ隊長とは、仲良くどつき合いそうだけど。
今回はエンドクレジット途中に非常に重要な映像があるが、フェイズの終わりなのでクレジット後には無し。
トニー・スタークの後継者みたいな子も出てきたし、「アベンジャーズ/エンドゲーム」のラストでも流された金槌の音とか、確実に意識して被せてきてる。
彼女は来年秋に配信されるMCUの新ドラマ「Ironheart」の主役になるみたいだけど、とりあえず来年2月公開予定の「アントマン&ワスプ:クアントマニア」を楽しみに待とう。
今回は、前作にも付け合わせたカクテル「ブラック・ベルベット」をチョイス。
ギネスビール150mlとシャンパン150mlをキンキンに冷やし、シャンパングラスに注ぎ、サッと混ぜる。
シャンパンとギネスビールの作り出すきめ細かな泡のカーテンを、肌ざわりの良いベルベットになぞらえたネーミング。
必ずしもシャンパンとギネスでなければならないという訳でなく、他の黒ビールやスパークリングワインでも作れるが、組み合わせ次第でだいぶテイストが変わる。
黒ビールが苦手な人にとっても飲みやすい、キャラメル色の美しいカクテルだ。

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絶対的な存在であった偉大な王ティ・チャラを失ったワカンダ王国は、悲しみに打ちひしがれていた。 そんな中、謎の海底国からの脅威が迫る。 王国と世界を揺るがすこの危機に、残された者たちはどう立ち向かうのか。 ティ・チャラの遺志を継ぐ、新たなブラック・パンサーは現れるのか…? SFアクション第2弾。
2022/11/15(火) 18:31:19 | 象のロケット
◆『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』ユナイテッドシネマ豊洲11
▲「にゃー」。
五つ星評価で【★★★★人類の歴史を左右する部族抗争】
ツイッターでの最初の感想(↓)
上映時間の長さに躊躇していたが上映終了前にどうにか見れた。一切停滞させず緊張感を持続させるの凄い。歴史を知らないだけで大河ドラマ5回分くらい見た疲労感。話はあのまとめ方しかないだろう。メインキャスト全員黒人女性な...
2022/12/28(水) 01:06:43 | ふじき78の死屍累々映画日記・第二章
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