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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター・・・・・評価額1700円
2022年12月22日 (木) | 編集 |
パンドラの冒険、再び。

映画史上最大のヒット作となった「アバター」からはや13年。
ジェームズ・キャメロンが満を持して作り上げた「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」では、肉体的にも衛星パンドラの先住民族ナヴィの一員となった、元海兵隊員ジェイク・サリーのその後の人生が描かれる。
現実世界と同じく、物語の中でも10年以上が経過し、オマティカヤ族の族長となったジェイクはネイティリと結ばれ、四人の子の父親に。
しかし、前作で敗北を喫した地球人類“スカイ・ピープル“が性懲りも無くパンドラに再度侵攻、ナヴィとの戦争がはじまる。
監督・脚本はもちろんジェームズ・キャメロン。
今回はほぼアバター姿のみだが、サム・ワーシントンがジェイクを演じ、ネイティリ役のゾーイ・サルダナ、新たな体を得たクオリッチ大佐役のスティーヴン・ラングらも続投。
前作で死亡したグレース博士役のシガニー・ウィーバーも、彼女のアバターが“処女懐妊”して生まれた娘、キリ役で再登板している。
※核心部分に触れています。

アルファ・ケンタウリ星系に位置する、惑星ポリフェマスの衛星パンドラ。
元海兵隊員のジェイク・サリー(サム・ワーシントン)は、この星の先住民ナヴィの肉体を得て、オマティカヤ族のネイティリ(ゾーイ・サルダナ)と結ばれる。
二人の間には、ネテヤム(ジェイミー・フラッターズ)とロアク(ブリテン・ダルトン)という二人の息子、娘のトゥク(トリニティ・ジョリー・ブロス)、そしてグレース博士のアバターが生んだ養女のキリ(シガニー・ウィーバー)という四人の子がいる。
しかし10数年後、“スカイ・ピープル“が再びパンドラにやってきて、森を守るオマティカヤ族との戦争がはじまる。
その頃、ジェイクによって殺されたクオリッチ大佐(スティーヴン・ラング)の記憶と、ナヴィの肉体を持つアバターが覚醒し、ジェイクへの復讐心に燃える。
クオリッチの目的が自分とその家族だと確信したジェイクは、オマティカヤ族に類が及ばないように族長の座から身をひき、家族六人で流浪の旅に出る。
やがて一家は、海のナヴィであるメトカイナ族の村に身を寄せるのだが、そこにも執拗にジェイクを追うクオリッチの魔の手が迫っていた・・・・


13年前の「アバター」第一作は、デジタル映像技術の分水嶺となった作品で、まさに映像革命と言える映画史のエポックだった。
細部まで作り込まれたパンドラの世界は、実際にその星に行ってロケして来たかのごとくで、飛び出しではなく奥行きと広がりを重視した3D設計も、その後の立体映像制作のお手本となった。
その実在感の凄さは、当時のブログで「一番お手軽な宇宙旅行」と書いたくらいだ。
今回、その映像はどこまで進化しているのか。
最初はIMAXレーザー・HFR・3D版で鑑賞し、その後通常スクリーンの2D版を観た。
通常の映画のフレームレートは一秒間に24フレームだが、それを倍の48フレームで上映するHFRは、10年前に「ホビット 思いがけない冒険」で初めて体験したのだが、その時の印象は正直微妙だった。
一気に情報量が倍になるHFRの映像は、極めてクリアで臨場感たっぷりではあるものの、逆に明る過ぎ、見え過ぎで、妙に安っぽく感じてしまったのだ。
ところが、本作を鑑賞して驚いた。
ひと目見て、「ホビット」では顕著だった違和感が低減しており、情報量がそのままより滑らかで、奥深い映像の質に繋がっている。
若干悪目立ちする部分も残るものの、やはり技術というのは着実に進化するのだなと実感。

この様に高度になった映像技術を使って、たぶんキャメロンは映像版の「中つ国」を作ろうとしているのだと思う。
J・R・R・トールキンが「ホビット」で創造した中つ国は、その後「指輪物語」をはじめ、彼の多くの小説の舞台となり、世界観やキャラクターは小説、映画、ゲームなど膨大なフォロワーによって一つのフォーマットとして生かされ続けている。
本作のパンドラ、もしかすると今後の続編では周りの惑星まで含めて、生命が連環する一つの宇宙を作り上げる。
そして、他のクリエイターによって、その世界観が受け継がれて、創作の連鎖が広がってゆく。
おそらく、これこそがキャメロンの最終目標なのだろう。

もっとも、たとえ2Dの通常スクリーンで鑑賞したとしても、面白さがスポイルされることはないのはさすが。
世界観が先行する作品ゆえに、物語は逆に定番通りだ。
前作はアメリカ史の400年に及ぶインディアン戦争を、宇宙に置き換えたものだったが、本作も基本構造を踏襲。
映画のファースト10(シナリオの最初の10ページ)は、ジェイクの家族紹介を兼ねるプロローグとなっており、きっちり10分。
その後の第一幕では、ナヴィのゲリラ活動の掃討を狙うスカイ・ピープルが、クオリッチ大佐をアバターの肉体で再生させ、彼の部隊に追われたジェイク一家が森から海へと逃げ延びる。
そう、今度は密林のナヴィの世界から、ポリネシアの民族を思わせる海のナヴィの世界に、戦いの舞台が広がってゆくのである。
森のナヴィは青い人々だったが、海のナヴィは緑に近い体色で、水中で活動しやすいように手の幅がオールの様に広く、尻尾も鰭状に進化している。
新たな舞台を得た第二幕では、ジェイクの家族が海の生活に順応する描写と、クオリッチがナヴィの肉体に順応する様子が交互に描かれる。
ナヴィと共に育ったクオリッチの息子、スパイダーの存在が変数となり、ジェイクとクオリッチという二人の父親を鏡像として描く意図は明らかだ。

本作ではもう一つ、トゥルクンと呼ばれる鯨に似た巨大な海洋生物の存在がキーとなる。
トゥルクンは人類やナヴィ以上の知的な生物で、海のナヴィとは魂の絆を結んでいる。
ところがトゥルクンの脳から取れる分泌液に非常に高値が付くことから、前作の希少鉱石アンオブタニウムと同様に、スカイ・ピープルのパンドラ侵略の一因となるのだ。
クオリッチ率いる捕鯨船(?)のトゥルクン狩りからはじまる、後半の長大なバトルシークエンスは、明らかに反捕鯨のメッセージ性を帯びている。
キャメロンは海洋冒険家でもあり、2012年には一人乗りの潜水艇ディープシーチャレンジャーを操縦し、マリアナ海溝のチャレンジャー海淵に挑み、人類として二度目の到達者となった。
熱心な環境問題の活動家として知られており、人類の傲慢さを表現する象徴として捕鯨をモチーフにするのは理解できるが、日本人としてはちょっと居心地が悪い
全長が90メートルにもなるトゥルクンを巻き込んだ、海のナヴィvsスカイ・ピープルの大バトルは圧巻の迫力だけど。

ジェイクとクオリッチの鏡像化が物語の横軸だとすれば、ジェイクとネイティリの親としての葛藤が縦軸となっており、子供たちとの関係が物語の推進力となっている。
まあ親の言いつけを子供が守らないで、危機に陥るという展開を何度も使い過ぎでは?と思わなくもないが、結果的に二人の息子、特に優秀な兄のネテヤムと比べられてコンプレックスを抱えている弟のロアクの心象に重きが置かれ、途中でジェイクと主人公が入れ替わりそうになる。
ナウシカ的な特殊能力を持つ謎多き少女、キリが次回作で最重要キャラクターになるもの確実だろうし、物語の中で徐々に世代交代が起こりそうだ。
とは言え、今回はまだ親世代が主役。
ネテヤムを殺され、復讐の鬼となるネイティリが強過ぎて、一人でアバター海兵隊全員を殺す勢いで、ジェイクも形なし。
クライマックスは「タイタニック」を思わせる沈みゆく捕鯨船からの脱出劇と、まさにジェームズ・キャメロン全部入りの豪華フルコースだ。
怒涛の展開の中で、ジェイクとネイティリがそれぞれロアクとキリに助けられ、親が成長した子供たちを信頼することを学ぶというあたりまで、全く奇を衒った部分がない正攻法の仕上がりである。

端的に言って、インパクトという点では、本作は前作を超えていないと思う。
続編を前提としたブリッジ的な作りになっており、本作だけでは解決してない要素も多い。
だが異世界を体感する冒険譚としては十分にワクワクして楽しめるし、何よりも192分という前作を大幅に上回る超長尺を飽きさせないのは、それだけで凄いことだ。
キャメロンは、シリーズが五部作になり、既に四作目まで撮影が終わっていることを明かしている。
最初この構想を聞いた時は、ちょっと大風呂敷を広げすぎでは?と思ったが、日本では絶好調の「THE FIRST SLAM DUNK」「すずめの戸締まり」の後塵を拝したものの、世界的な興行結果を観ると、とりあえず一安心。
今度は13年も待つ必要はなく、次回作は2年後の2024年には公開されるというので、楽しみに待ちたい。
子供たちも育ってきたし、次あたりでジェイクの物語は終わりのような気がするが、果たして?
しかし、さすがに3時間超えの作品には、インターミッションを設けてほしいよ。
私は、消化に水分を多く必要とする炭水化物を直前に食べて、準備万端だったので大丈夫だったが、今回トイレに立つ人が非常に多かったもの。

今回は水の星パンドラのイメージで、「ブルーラグーン」をチョイス。
ウォッカ30ml、ブルーキュラソー10ml、レモンジュース20mlをシェイクし、氷を入れたグラスに注ぐ。
カットしたオレンジ、レモン、それにチェリーを飾って完成。
1960年に、パリのハリーズ・ニューヨーク・バーの2代目オーナー・バーテンダー、アンディ・マッケホルンによって考案された。
海外ではレモネードを使うのが一般的で、ジンを使ったバリエーションもある。
文字通りに海のリゾートを思わせる、目にも涼しげな美しいカクテルだ。

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コメント
この記事へのコメント
こんばんは
ようやっと見てきました。
なんか、登場人物それぞれが状況をどう変えるつもりで動いてるのかよう分からず、個々のシーンは楽しいんだけど、映画としてはモヤモヤしました。

そも、ジェイク一家が逃げ出しただけで、森の連中の安全は確保されるのか? とか。海の連中も近所でなければ鯨殺されてオッケーなのかよ? とか。
まあ、前作でも開発業者はそれほど敵対心持ってなかったのに、大佐が暴走して追い出される羽目になったわけで、その大佐がジェイク追っかけて余所に行ってくれるんなら地球側も有りなのかも知れんけど。
でも、女将軍が「この星植民地にしないと」みたいに言ってましたよね。

新キャラではスパイダー君が良かったですね。人間の体のまんまでナヴィと生活できる超人ぶりも、大佐の息子だからな、で納得させられてしまう辺りも。

あと前作からずっと気になってたんですが、脊椎動物は四つ目六本足が基本らしいパンドラで、なぜナヴィだけが二つ目四本足なんでしょう。
2023/02/25(土) 20:55:51 | URL | 焼き鳥 #9L.cY0cg[ 編集]
こんばんは
>焼き鳥さん
ナヴィにもあるのかもしれませんよ。もう一対の腕と目。
人間の尻尾みたいに退化して見えないだけとか。
そもそもあんなに生態系が違う星じゃなくて、火星あたりをテラフォーミングした方が早くね?とは思いましたw
2023/03/06(月) 21:26:12 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
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元海兵隊員のジェイクは、地球から遠く離れた神秘の星パンドラで“ナヴィ”という種族の女性ネイティリと家庭を築き、子どもたちと平和に暮らしていた。 ところが、再び人類がパンドラに現れる。 神聖な森を追われたジェイクの一家は、未知なる“海の部族”の元へ身を寄せる。 だが、この美しい海辺の楽園にも侵略の手が迫っていた…。 SFアクション・アドベンチャー第2弾。 ≪奪われるのは、目か、心か≫
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2023/02/12(日) 04:42:06 | Anthony's CAFE