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ショートレビュー「恋のいばら・・・・・評価額1650円」
2023年01月12日 (木) | 編集 |
いばらを抜けた先に見えるのは?

一人の男と二人の女、ちょっと不思議な三角関係が作り出す、ウェルメイドな心理ドラマ。
2004年の香港映画「ビヨンド・アワ・ケン」を、「愛なのに」の城定秀夫がリメイクした作品だ。
20年近く時間が経っているので、おそらくかなり脚色されているのだろうと思うが、残念ながらオリジナルは未鑑賞。
松本穂香が演じるのは、独り言が声に出てしまう図書館員の富田桃。
彼女は一年間付き合ったカメラマンの健太朗に、突然振られてしまう。
やがて桃は玉城ティナが演じる健太郎の今カノ、真島莉子を訪ね、こう切り出す。
「リベンジポルノって知ってますか?」と。
信用していた健太郎に、危険な写真を取られてしまった桃は、なぜか莉子と共闘し、彼のPCからデータを消去しようとするのである。

恋愛の顛末を描いた話ではあるものの、厳密に言えばこれはラブストーリーでは無い。
映画の前半は、なんとか健太郎の家に忍び込んで、データを消去しようとするプチ ミッション・インポッシブル。
ここまでは割と軽いコメディタッチで展開するのだが、物語が後半に差し掛かるころ、時系列の紐解きと共に、映画はその装いをガラッと変えてくる。
桃と莉子は、本当に元カノと今カノなのか。
健太郎の部屋と桃の部屋に、同じ希少本「Woman's sadness」があるのはなぜか。
二人が健太郎と付き合っていたのは、いつからいつまでなのか。
不誠実な男とその罪をめぐる物語は、いつの間にか同じ痛みを持つ二人の女の関係性、シスターフッドの要素が前面に出てくる。

そして本作のタイトルの由来であり、桃が朗読する民話の「ねむり姫(いばら姫)」と、健太郎のおばあちゃんがガラクタから作っているある物の存在が、本作を女性同士の共感の寓話としてより強く印象付ける。
複雑に絡みあった、恋のいばらの森の向こうに見えてくるのは一体何か。
最初に提示される物語の構図から、観客が思い描くであろう予想を、片っ端からひっくり返してゆくプロセスは見事。
羽毛が舞う「ねむり姫」っぽいビジュアルのファーストカットから、こう繋がるとは思わなかった。

おっとりした分かりやすい陰キャの松本穂香と、キレッキレのダンスを踊る玉城ティナのコンビネーションが絶妙にいい。
一見すると対照的ながら、内面に感じている痛みは共通。
この相関図なら、相手の男のキャラクターが重要になるが、渡邊圭祐が演じる健太郎は、爽やかなルックスになかなかの中身クズっぷりで、寓話の悪役には相応しい。
終盤、普段はモデルの撮影をしている健太郎が、服のみを撮影しているシーンがあるのだが、結局彼は相手の中身を見てないことを示唆して秀逸。
他の男性キャラクターでは、桃の元々カレの中島歩が「愛なのに」の“セックスの下手な婚約者“を思わせる気持ち悪いキャラクターでかなり可笑しい。
わずかな登場時間だが、美味しいところをさらって行く。

ところで本作を観て、ずいぶん昔の話を思い出した。
私の女友だちが既婚のチャラ男と不倫してたんだけど、どう言う訳だかいつの間にか相手の男の奥さんと仲良くなってた(笑
そんで共通の敵となった男を、二人でやり込めて土下座させていたっけ。
こう言う対立から共感へと向かう関係性って、男性同士ではあんまり想像出来ない。
女心はややこしく、ちょっとコワイ。

今回は、「ねむり姫」から「スリーピング・ビューティー」をチョイス。
ヒプノティック90mlを氷と共にシェイクし、グラスに注ぐ。
次にキンキーピンク・リキュール60ml、ウォッカ60ml、レモンライム・ソーダ30mlを氷と共にシェイクし、青いヒプノテックの層を壊さないように、静かに注ぎ入れる。
ヒプノティックは数種類のトロピカルフルーツと、ウォッカ、コニャックをブレンドして作られるリキュール。
キンキーピンクが入手できない時は、類似のピンク系リキュールでも可。
ディズニープリンセスのドレスを思わせる、ピンクからブルーへのグラデーションが美しい、甘酸っぱいファンタジックなカクテルだ。

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