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2023年02月05日 (日) | 編集 |
最強のふたり。
「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズや「コンフィデンスマンJP」シリーズの脚本で知られる古沢良太と、「るろうに剣心」五部作を大ヒットさせた大友啓史監督がタッグを組み、織田信長と濃姫という日本の歴史上最も有名な夫婦の物語を、新たな解釈で描いた時代劇大作。
東映創立70周年の記念作でもある。
木村拓哉と綾瀬はるかという、国民的な人気者が主役とは言え、よくぞこれで企画通ったなという、なかなかに振り切った挑戦的な作りで、武将としての織田信長の伝記、あるいは幾多の合戦が描かれる“戦国もの”を期待していると裏切られる。
うつけ者と言うか、カッコばかりで厨二病丸出しの若き信長への濃姫の輿入れから始まって、ほとんど終始二人の関係性で物語が進む大メロドラマ。
これはいわば中世日本を舞台とした、歌って踊らない「ラ・ラ・ランド」なのだ。
序盤のうちは、完全に濃姫が主導権を握っている。
今川義元が2万5000もの大軍勢を率いて尾張に侵攻した時は、有効な対抗策を見出せない未熟な信長に、濃姫がさすが斎藤道三の娘だなと思わせる軍略を授ける。
結果的に、信長は桶狭間の戦いに勝利し、全国にその名を轟かせるのだが、肝心の戦いそのものは描かれない。
いや、ここだけでなく戦国ものにつきものの合戦シーン自体が、ほとんど存在しないのだ。
ようやく後半になって、延暦寺との戦いは少し描かれるものの、これはクライマックスの本能寺の変へと繋がる伏線という位置づけ。
信長自身ではなく、宮沢氷魚演じる明智光秀が、謀反を起こす動機を強化する意味合いで描かれている。
また織田家の家臣団も、木下藤吉郎や柴田勝家らごく少数の人物しか、名前もろくに呼ばれないので、誰が誰やら。
信長と濃姫の馴れ初めは、対立する二つの国の政略結婚の歪み合い。
やがてそれぞれの親の死後は、天下布武の志を同じくする同志となる。
しかし、それは無数の屍を踏みつけて行かねばならない修羅の道。
権力が信長の心を削る苦悩の時代、夫婦関係もすれ違いの鬱展開を経て、長い歳月を経た晩年になって、他人からははかり知れない固い絆で結ばれた夫婦となる。
ぶっちゃけ、34年に及ぶ二人の歴史の中での、関係性の変化がこの作品の全てと言っていい。
戦国大名カップルを主役としながら、ここまでラブストーリーに特化した作品が、過去にあっただろうか。
木村拓哉と綾瀬はるかが二人の出会いから死までを演じているのだが、通説では信長は1534年、濃姫は1535年生まれなので、出会った1548年には共にティーンエイジャー。
観る前はさすがに無理があるんじゃないのと思ったが、元々年齢不詳なこの二人、映像の工夫も手伝ってなんとなく納得させてしまうのだ。
あまり時代を感じさせない演技は好みが分かれそうだが、その分現代的な二人のキャラクターは新しく、過去の作品とは違う未見性がある。
演出的にも、時代劇的な決まりごとからは荒唐無稽にならない適度に距離を置き、攻めた脚本は「ラ・ラ・ランド」を思わせる凝った作劇ギミックも駆使して、168分という長尺を飽きさせない。
まあ色々アンバランスなところもあるが、今までもあまたの作品で描かれてきた誰もが知る物語に、新しい風を吹き込んだのはお見事。
ところで終盤出てくる徳川家康のキャラが濃すぎて、いったい役者誰?と思ったら、エンドクレジット見てびっくりした。
古沢良太の最新作は、大河ドラマの「どうする家康」だが、こっちの家康は松潤とは相当違う(笑
今回は織田家の居城であった清洲の地酒、清洲桜醸造のその名も「濃姫の里 隠し吟醸」をチョイス。
隠し吟醸とは、蔵人がこっそりと隠れて飲んだという意味で、独特のフルーティな吟醸香と、クセを抑えたすっきりとした飲み味が特徴。
2020年の「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」で金賞を受賞している。
CPも高いので家飲みにもオススメだ。
記事が気に入ったらクリックしてね
「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズや「コンフィデンスマンJP」シリーズの脚本で知られる古沢良太と、「るろうに剣心」五部作を大ヒットさせた大友啓史監督がタッグを組み、織田信長と濃姫という日本の歴史上最も有名な夫婦の物語を、新たな解釈で描いた時代劇大作。
東映創立70周年の記念作でもある。
木村拓哉と綾瀬はるかという、国民的な人気者が主役とは言え、よくぞこれで企画通ったなという、なかなかに振り切った挑戦的な作りで、武将としての織田信長の伝記、あるいは幾多の合戦が描かれる“戦国もの”を期待していると裏切られる。
うつけ者と言うか、カッコばかりで厨二病丸出しの若き信長への濃姫の輿入れから始まって、ほとんど終始二人の関係性で物語が進む大メロドラマ。
これはいわば中世日本を舞台とした、歌って踊らない「ラ・ラ・ランド」なのだ。
序盤のうちは、完全に濃姫が主導権を握っている。
今川義元が2万5000もの大軍勢を率いて尾張に侵攻した時は、有効な対抗策を見出せない未熟な信長に、濃姫がさすが斎藤道三の娘だなと思わせる軍略を授ける。
結果的に、信長は桶狭間の戦いに勝利し、全国にその名を轟かせるのだが、肝心の戦いそのものは描かれない。
いや、ここだけでなく戦国ものにつきものの合戦シーン自体が、ほとんど存在しないのだ。
ようやく後半になって、延暦寺との戦いは少し描かれるものの、これはクライマックスの本能寺の変へと繋がる伏線という位置づけ。
信長自身ではなく、宮沢氷魚演じる明智光秀が、謀反を起こす動機を強化する意味合いで描かれている。
また織田家の家臣団も、木下藤吉郎や柴田勝家らごく少数の人物しか、名前もろくに呼ばれないので、誰が誰やら。
信長と濃姫の馴れ初めは、対立する二つの国の政略結婚の歪み合い。
やがてそれぞれの親の死後は、天下布武の志を同じくする同志となる。
しかし、それは無数の屍を踏みつけて行かねばならない修羅の道。
権力が信長の心を削る苦悩の時代、夫婦関係もすれ違いの鬱展開を経て、長い歳月を経た晩年になって、他人からははかり知れない固い絆で結ばれた夫婦となる。
ぶっちゃけ、34年に及ぶ二人の歴史の中での、関係性の変化がこの作品の全てと言っていい。
戦国大名カップルを主役としながら、ここまでラブストーリーに特化した作品が、過去にあっただろうか。
木村拓哉と綾瀬はるかが二人の出会いから死までを演じているのだが、通説では信長は1534年、濃姫は1535年生まれなので、出会った1548年には共にティーンエイジャー。
観る前はさすがに無理があるんじゃないのと思ったが、元々年齢不詳なこの二人、映像の工夫も手伝ってなんとなく納得させてしまうのだ。
あまり時代を感じさせない演技は好みが分かれそうだが、その分現代的な二人のキャラクターは新しく、過去の作品とは違う未見性がある。
演出的にも、時代劇的な決まりごとからは荒唐無稽にならない適度に距離を置き、攻めた脚本は「ラ・ラ・ランド」を思わせる凝った作劇ギミックも駆使して、168分という長尺を飽きさせない。
まあ色々アンバランスなところもあるが、今までもあまたの作品で描かれてきた誰もが知る物語に、新しい風を吹き込んだのはお見事。
ところで終盤出てくる徳川家康のキャラが濃すぎて、いったい役者誰?と思ったら、エンドクレジット見てびっくりした。
古沢良太の最新作は、大河ドラマの「どうする家康」だが、こっちの家康は松潤とは相当違う(笑
今回は織田家の居城であった清洲の地酒、清洲桜醸造のその名も「濃姫の里 隠し吟醸」をチョイス。
隠し吟醸とは、蔵人がこっそりと隠れて飲んだという意味で、独特のフルーティな吟醸香と、クセを抑えたすっきりとした飲み味が特徴。
2020年の「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」で金賞を受賞している。
CPも高いので家飲みにもオススメだ。

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この記事へのコメント
ノラネコさん☆
長い薙刀を振って舞を舞っていましたし、まさに和製ララランドですね。「誰もが知っている戦国時代・信長の人生」を生かして、歴史的な戦闘部分をバッサリ切ったのが、ある意味成功だったのかもしれません。
家康びっくりでしたよね~エンドロールでのけぞりました。
長い薙刀を振って舞を舞っていましたし、まさに和製ララランドですね。「誰もが知っている戦国時代・信長の人生」を生かして、歴史的な戦闘部分をバッサリ切ったのが、ある意味成功だったのかもしれません。
家康びっくりでしたよね~エンドロールでのけぞりました。
>ノルウェーまだ〜むさん
合戦シーンを切ったことで、テーマがより純化されたと思います。
物足りないという意見もわかりますが、これはこれでよかったかと。
家康すごかったですよねw
合戦シーンを切ったことで、テーマがより純化されたと思います。
物足りないという意見もわかりますが、これはこれでよかったかと。
家康すごかったですよねw
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政略結婚によって結ばれた織田信長と信長暗殺を目論む濃姫は、全く気が合わず新婚初夜から大騒動となるが、やがて天下統一が二人の夢となった。 しかし、戦さに次ぐ戦さの中で、信長は非情な“魔王”へと変貌。 本当の信長を知る濃姫は、引き止めようと心を砕くが、運命は容赦無く<本能寺>へと向かっていく…。 時代劇。 PG-12
2023/02/06(月) 19:00:25 | 象のロケット
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