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ショートレビュー「バーナデット ママは行方不明・・・・・評価額1650円」
2023年10月04日 (水) | 編集 |
ママの復活に必要なのは?

リチャード・リンクレイター+ケイト・ブランシェット初のコンビ作。
原作は、脚本家としても知られるマリア・センブルの小説「バーナデットをさがせ!」で、ブランシェットが演じるのは、シアトルに住む主婦のバーナデット・フォックス。
マイクロソフトでAIの開発をしている優しい夫のエルジーと、優秀な娘のビーと共に暮らしていた彼女は、ある日突然一人で南極に旅立つ。
この人、周囲の人間関係に色々問題を抱えていて、隣近所やママ友と衝突しまくり。
特に隣家に住むオードリーとは、度重なるトラブルによって犬猿の仲だ。
南極旅行は娘のビーから良い成績を収めたご褒美にと要求されたものなのだが、人間嫌いのバーナデットにとって多くの人が参加するツアーは地獄。
ますます奇妙な行動をとるようになって、夫のエルジーが心配して心療内科医に症状を相談すると、重度の鬱と診断される。
では、一体どうしてそうなっちゃったのか?がストーリーを通して紐解かれてゆく。

バーナデットは元から主婦だった訳ではない。
ロサンゼルスに住んでいた若かりし頃には、天才の名を欲しいままにした新進気鋭の建築家で、環境に配慮した建築の先駆者と言われていた。
ところが彼女が精魂を傾けていた、半径20マイルで調達した建材だけを使った「20マイルの家」の仕事がある事情から挫折。
ちょうどエルジーがマイクロソフトから仕事のオファーを受けていたこともあり、絶望したバーナデットは表舞台から姿を消し、シアトルに引っ越したのだ。
エルジーはその頃から少しずつ、彼女が変わっていったと言う。
人との関わりを避けるようになり、シアトルの都市計画を攻撃的にこき下ろし、顔も見たことのない“ネット秘書”に生活の全てを頼るようになる。
まあこう言う人の常で、最初バーナデットは自分が病気だと認めず、心療内科に入院を勧められて、家族を残して一人で逃亡した先が南極だったと言うワケ。

その選択が彼女の心に何をもたらしたのか?南極で彼女は何を掴むのか?と言う話なのだけど、相変わらずリンクレイターのストーリーテリングは軽妙で心地よく、丁寧にバーナデットの心の闇をすくい上げてゆく。
一人南極という非日常の世界に身を置き、今までの生活では決して会うことの無かった人々と出会うことで、ずっと閉塞していた彼女に変化が起きる。
20マイルの家を最後に建築の仕事から身を引いたのは、バーナデットにとっては精神的な自殺である。
真の芸術家は、創作せずには生きて行けないのだ。
エルジーもビーも、遅ればせながらその事実に気づき、一家は再生に向けて動き出す。
二人とも自分の人生でも選択を迫られていて、三人揃って新しい道に進むことになるのもいい。
ケイト・ブランシェットが素晴らしいのは言うまでもないが、寓話的な物語の着地点は、映画が始まった時点では想像もつかなかった。
まあ終盤の矢継ぎ早の展開は、ちょっと出来すぎに感じなくもないが。

これは一人の女性の生き方に関する映画だが、ある種の芸術家論としても面白い。
何度引退しても復活する宮﨑駿とかも、引退してる間はバーナデット化してたのかも。
主人公とバトルしてる隣人オードリー役の、クリスティン・ウィグがかなり美味しいポジション。
エンドクレジットでバーナデットの作る南極基地の建設現場が披露されるが、これは実際には南極点にあるアムンゼン・スコット基地ではなく、ブラント棚氷にあるイギリスのハリーVI基地
環境負荷を可能な限り低減することを条件に設計され、複数のモジュールに分かれ、状況に応じて移動も可能な画期的な基地なんだとか。
なるほど、エコ建築家バーナデットの作品としては相応しい。

バーナデットが住むシアトルは、一般的には雨の多い街として知られているが、エルジーが勤めている設定のマイクロソフトをはじめ、スターバックスやボーイングなどアメリカを代表する企業の故郷でもあり、ベンチャー企業が多い都市でもある。
今回はこの街で生まれたユニークなお酒、シアトル・サイダー・カンパニーの「バジルミント」をチョイス。
メジャーリーグ、シアトル・マリナーズの本拠地、セーフコ・フィールドがあることで有名なソードー地区のクラフトビールメーカーのトゥー・ビアズ・ブリューイングが、ハードサイダー専門の醸造所シアトル・サイダーを創業。
ハードサイダーは、リンゴを原料とした発泡性の果実種で、シアトル・サイダーでは様々なフレーバーを発売している。
こちらはバジルとミントの葉を加えて再発酵させたもので、ツーンと鼻に抜ける清涼な香りが楽しめる。

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アメリカ・シアトル。 仕事のできる夫と仲良しの娘に恵まれ、一見幸せそうに見える主婦バーナデット。 かつては天才建築家だった彼女は、極度の人間嫌いでママ友たちからも煙たがられていた。 日に日に息苦しさが募り、退屈な世界に生きることに限界を感じたバーナデットは、忽然と姿を消す。 彼女が向かった先、それは南極だった…。 コメディ。
2023/10/07(土) 09:20:22 | 象のロケット