fc2ブログ
酒を呑んで映画を観る時間が一番幸せ・・・と思うので、酒と映画をテーマに日記を書いていきます。 映画の評価額は幾らまでなら納得して出せるかで、レイトショー価格1200円から+-が基準で、1800円が満点です。ネット配信オンリーの作品は★5つが満点。
■ お知らせ
※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係な物や当方が不適切と判断したTB・コメントも削除いたします。
■TITLE INDEX
タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
■ ツイッターアカウント
noraneko285でつぶやいてます。ブログで書いてない映画の話なども。
■ FILMARKSアカウント
noraneko285ツイッターでつぶやいた全作品をアーカイブしています。
ショートレビュー「ソウルメイト・・・・・評価額1700円」
2024年03月02日 (土) | 編集 |
わたしたちには“秘密”がある。

デレク・ツァンの2016年の名作「ソウルメイト/七月と安生」を、「短い記憶」のミン・ヨングン監督が韓国でリメイクした作品。
共に1988年生まれで、小学生の頃に出会い、誰よりも固い友情で結ばれた対照的な二人の女性の、20年以上にわたる魂の絆の物語。
単なるローカライズにとどまらず、様々な工夫が凝らされてオリジナルに勝るとも劣らぬ、素晴らしい作品になっている。
オリジナルではチョウ・ドンユイとマー・スーチェンが安生と七月を演じたが、本作では安生にあたるミソを「The Witch 魔女」のキム・ダミが、七月にあたるハウンをNetflixドラマ版「寄生獣 ザ・グレイ」のチョン・ソニが演じる。
※核心部分に触れています。

発端は、公募展で大賞に選ばれた“ハウン”という画家の超細密画。
そこに描かれていたのは、17歳の頃のミソの姿
ハウンの連絡先が分からないという美術館が、モデルのミソに作者と連絡をとって欲しいと依頼してくるところから物語がはじまる。

訳ありの母子家庭で育った奔放なミソと、愛情あふれる両親のもとで育った優等生のハウンが出会ったのは、済州島の小学校
家庭環境や性格は対照的なのに、二人はなぜか馬があって親友に。
ミソが男に走った母親に捨てられると、彼女はハウンの家で面倒を見られることになり、中学を出ると住み込みで働きながら商業高校に通う。
一方のハウンは同じ高校に通うジヌと恋に落ちるのだが、ジヌはミソに対しても友情だけではない感情を抱いており、微妙な三角関係がミソとハウンの間にも小さな亀裂を生む。
やがて、ミソは世界を放浪することを夢見てソウルに出て、ハウンは堅実に地元に留まり教師を目指す。

大筋はオリジナルに忠実なリメイクだが、細かな脚色は多岐にわたる。
二人が育つ舞台を済州島に設定し、島ならではの閉塞感と本土への距離感を加える。
ジヌを挟むことで疎遠になっていた二人を再び結びつけるモチーフは、オリジナルでは七月の書いたネット小説「七月と安生」という設定だったが、こちらでは共通の趣味である絵画にしている。
この絵画というモチーフが、秀逸に本作を特徴付けるのだが、脚色のベクトルはただ一つ。
「ソウルメイト」というタイトル通り、“二人の魂の一体化”という意味をより純化させているのである。

冒頭とラストに出てくる、17歳のミソの一瞬の表情を捉えた超細密画は、時を永遠に閉じ込めた記憶の器のようだ。
それはジヌの存在によって関係が変わる直前、二人にとっての青春の黄金時代
実は冒頭の時点で、ハウンはもうこの世にいない。
ジヌと別れた後、彼との子を秘密裏に産んだ時、容体が急変して亡くなってしまったのだ。
ミソはハウンの残した子を育てながら、未完のままだった彼女の絵をハウンの名で自らが完成させることで、彼女の魂と同化しようとするのである。
そしてもう一つの二人の共同作品が、オリジナルのネット小説にあたるハウンのブログ。
二人の人生の目標として、ユーラシア大陸の旅行があるのは共通だが、虚実が入り混じる描写は「ああミソの中では、自由になったハウンは世界をずっと旅しているのだな」と、話を知っていても、ミソの想いに涙腺が決壊。
デレク・ツァンは岩井俊二に強い影響を受けていて、オリジナルには「Love Letter」から「花とアリス」「リップヴァンウィンクルの花嫁」などに見られる、二人の女性の間にある青春の輝きと喪失の痛みの要素が見え隠れしていたが、本作もそれは同様。
独特のエモさに、心が揺さぶられっぱなしの124分だ。

今回はカクテルの「ビタースイート」をチョイス。
ドライ・ベルモット25mlとスイート・ベルモット25ml、オレンジ・ビターズ1dash、アンゴスチュラ・ビターズ1dashを、氷を入れたミキシンググラスで軽くステアし、グラスに注ぐ。
最後にオレンジピールを一片入れて完成。
ほんのり痛くて甘酸っぱい、青春の光と影の味。 

ランキングバナー 
記事が気に入ったらクリックしてね






スポンサーサイト





コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック