fc2ブログ
酒を呑んで映画を観る時間が一番幸せ・・・と思うので、酒と映画をテーマに日記を書いていきます。 映画の評価額は幾らまでなら納得して出せるかで、レイトショー価格1200円から+-が基準で、1800円が満点です。ネット配信オンリーの作品は★5つが満点。
■ お知らせ
※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係なTBもお断りいたします。 また、関係があってもアフェリエイト、アダルトへの誘導など不適切と判断したTBは削除いたします。

■TITLE INDEX
タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
■ ツイッターアカウント
noraneko285でつぶやいてます。ブログで書いてない映画の話なども。
■ FILMARKSアカウント
noraneko285ツイッターでつぶやいた全作品をアーカイブしています。
ショートレビュー「ゴールド・ボーイ・・・・・評価額1650円」
2024年03月16日 (土) | 編集 |
恐るべき子供たちVS連続殺人鬼。

沖縄に住む三人の中学生が、偶然殺人事件の現場を撮影してしまう。
殺されたのは大手企業のオーナー夫妻で、殺したのは娘婿の東昇だが、警察は事故として処理。
お金の問題を抱えている子供たちは、映像を使って昇を恐喝することを思い付く。
原作は中国のベストセラー作家、紫金陳(ズー・ジェンチン)の小説「坏小孩(邦訳版:悪童たち)」で、「バッド・キッズ 隠秘之罪」として配信ドラマ化されて大ヒットしたという。
本作は舞台を沖縄に移して、「正欲」の港武彦が脚色、金子修介がメガホンをとった。
三人の中学生、朝陽、夏月、浩を、それぞれ羽村仁成、星乃あんな、前出燿志が演じ、彼らと対決する東昇に岡田将生、その周りを江口洋介や黒木華、北村一輝といった実力者が固める重厚な布陣。
「羅小黒戦記」など、中国の作品を日本に紹介する活動で知られる、チーム・ジョイが製作母体となる初の日本語実写作品だ。

しかしこの映画、とても面白いのだが、面白さを言語化して説明するのが非常に難しい。
なにしろちょっとでも内容に踏み込むと、即ネタバレになってしまうのだ。
この記事も出来るだけ配慮はしているが、なるべくならこれ以上情報を入れずに映画館で観ることをお勧めする。
子供たちは、それぞれの理由でお金を必要としている。
朝陽の家はシングルマザーで、母は息子の学費のためにダブルシフトで働き詰め。
夏月と浩は血の繋がらない兄妹だが、夏月が自分をレイプしようとした継父を刺してしまい、幼馴染の朝陽を頼って逃げてきた身。
三人の中で頭の切れる朝陽が主導し、恐喝の計画を作り上げる。
一方、東昇にも事情がある。
入婿である昇は、妻に離婚を切り出されているのである。
彼が財産を手に入れるには、自らが相続人となり、一家を皆殺しにするしか方法がない。
綿密な計画を立て、完全犯罪を目論んだものの、思わぬ所から見られてしまったというワケ。
 
子供たちの計画は、当初は映像データと引き換えに金を取ろうという単純なもの。
だが、大人対子供のコンゲームだと思っていると、ある人物の唐突な提案により、物語は中盤から急激に予期せぬ方向へと舵を切る。
しかもその方向転換は、二度、三度と繰り返されるのだ。
腹に一物ある登場人物たちのドラマに、沖縄という舞台が絶妙にフィットする。
ここで描写されるのは青い海と空に恵まれた南国のリゾートではなく、燻んだ色調で描写される閉塞した地方都市の姿だ。
子供のたちの感情を写し出すクローズアップの多用を含め、テリングの圧が強い。
おそらく知らされないで観たら、金子修介の映画とは思わないだろう。
オリジナルのドラマは未見だが、湊武彦の脚本は全く先を読ませず、非常にスリリング。
ジェットコースターのような展開に、はたして本当に事態をコントロールしているのは誰なのか?を考えているうちに、予想もしない“恐るべき悪”にたどりつく。

朝陽を演じる羽村仁成は、「リボルバー・リリー」の時はとっちゃん坊やみたいで、守られる非力な子供というキャラクターにちょっと違和感があった。
しかし強い目力の奥底に、不気味な図太さを備えた朝陽役はピッタリだ。
そして真っ直ぐな目で朝陽を見つめる、夏月の初恋の切なさよ。
星乃あんなの圧倒的な存在感が、本作の白眉である。
彼女なくしては、この作品はこれほどの情感を持ち得なかっただろう。
金子修介は少年少女の演出に定評がある人だが、改めてその資質を証明した。
スクリーン数も少なく、あまり話題になっていないのが残念だが、むしろ狙いは原作知名度の高い中国語圏の市場なのかも知れない。
ちょっとルネ・クレマンの「太陽がいっぱい」を思わせる、第一級の青春クライムスリラーだ。

今回は、夏月の初恋に捧げる「トゥルー・ラブ」をチョイス。
ドライ・ベルモット15ml、ポートワインの赤15ml、スコッチ・ウィスキー15mlを氷と一緒にミキシンググラスでステアして、グラスに注ぐ。
マイルドな口当たりで、ルビー色が美しいカクテル。
だがこの“真実の愛”は、ジュースのような見た目とは違って相当に強い。

ランキングバナー 
記事が気に入ったらクリックしてね






スポンサーサイト




コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
沖縄県・浦添市。 義父母を崖から突き落とす男の姿を、偶然にも少年たちのカメラがとらえた。 那覇の有名企業家の婿養子である東昇が、ある目的のために犯行に及んだのだ。 少年たちは家族の問題や貧困を抱えており、安室朝陽(あさひ)は親友の上間浩と彼の義妹・夏月と共に、昇を脅迫して大金を得ようと画策。 殺人犯と少年たちの駆け引きが始まる…。 クライム・サスペンス。 ≪きっと、あなたにも殺したい人がいる。≫
2024/03/17(日) 09:28:50 | 象のロケット