■ お知らせ
※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
※エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係なTBもお断りいたします。 また、関係があってもアフェリエイト、アダルトへの誘導など不適切と判断したTBは削除いたします。
■TITLE INDEX
※タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
■ ツイッターアカウント※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
※エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係なTBもお断りいたします。 また、関係があってもアフェリエイト、アダルトへの誘導など不適切と判断したTBは削除いたします。
■TITLE INDEX
※タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
※noraneko285でつぶやいてます。ブログで書いてない映画の話なども。
※noraneko285ツイッターでつぶやいた全作品をアーカイブしています。
2008年07月05日 (土) | 編集 |
「告発のとき」の原題、「In the valley of elah」とは、旧約聖書でイスラエルの少年ダビデが、宿敵ペリシテ軍の巨人ゴリアテを倒した場所の事。
パレスチナの地である。
このタイトルが示唆する様に、ポール・ハギス待望の第二作は、イラク戦争の帰還兵が抱える心の闇をテーマとした社会派ドラマ。
前作「クラッシュ」では、社会の様々な階層の人間同士の衝突を、ある種のファンタジーとして見事に描き出したハギスだが、今回も重厚なテーマを寓話的に切り取っている。
2004年。
退役軍人のハンク(トミー・リー・ジョーンズ)に、軍から連絡が入る。
イラクから帰還したばかりの息子のマイクが、基地に戻らないというのだ。
真面目な息子が脱走するなどという事は信じられないハンクは、一人基地のある町へ向かう。
息子と同じ部隊の戦友たちに話を聞いても、誰一人として失踪の理由は思い当たらないという。
元軍のMPとして事件を追った経験のあるハンクは、マイクの携帯電話に残された映像に失踪の原因が隠されていると考え、独自にマイクの足取りを追う。
ところがそんな時、ハンクの元にマイクが切断された焼死体となって発見されたという連絡が入る。
ハンクは、軍内の何者かが事件に関与していると睨み、地元警察の女性刑事エミリー(シャーリーズ・セロン)の協力を得て、軍という分厚い壁に挑もうとするのだが・・・
ジャンルとしては反戦映画だと言って良いと思うが、それをストレートに表現はしない。
描かれているのは、あくまでも失踪した一兵士を探す父親の物語であり、ストーリーテラー、ハギスは物語に仕込まれた様々な仕掛けによって、徐々に核心のテーマに迫ってゆく。
「ノーカントリー」でそうであったように、ここでもトミー・リー・ジョーンズが演じるのは古き良きアメリカの男だ。
ハンクが愛し、また軍人として彼が守ったとして自負するアメリカは、今どこへ行こうとしているのか。
彼にとって、「理想の息子」だったマイクは、イラクで何を見たのか。
なぜ彼は失踪し、無残な死体となって発見されなければならなかったのか。
戦争は、人間の心に何をもたらすのか。
映画は犯人探しのミステリであると同時に、そのプロセスによってイラク戦争の帰還兵が抱えるトラウマの正体を暴き出す。
ハギスは、「クラッシュ」と同じように、様々なメタファーを用いて、物語の根底に巧みにテーマを仕込み、ラストでそれが浮かび上がってくる様なロジックを組んでいる。
それは主人公であるハンクの、人生を支えてきた価値観を、根底から覆す事実なのである。
タイトルにもなっている、「エラの谷」のエピソードは特に象徴的で、巨人ゴリアテに立ち向かった少年ダビデの勇気ある物語として知られるこの話を、物語全体と対比することでテーマが読み取りやすくなっている。
因みに字幕ではダビデの使った投石器(slingshot)を、「パチンコ」と訳していたけど・・・この翻訳者は旧約聖書の絵とか見た事が無いのだろうか。
確かに投石器もY字型のパチンコも英語では同じslingshotなんだけど・・・
他にも逆さまに掲揚された国旗の意味や、飼い犬を殺した兵士のエピソードなど、映画のテーマを比喩的に表現する描写が物語の中に多く盛り込まれており、観客は一兵士の失踪と死の真相を巡る物語に散りばめられたメタファーを通して、イラクの戦場で生まれた、癒しがたい闇を知るのである。
ただし、一級品ではあるが、残念ながら傑作とまでは言いがたい。
それは皮肉にも、ハギスが超一流の脚本家であるが故に、ロジックに懲りすぎてリアリティの欠落を招いてしまっているのが原因だ。
一言で言えば、多くのメタファーを初めとした物語の象徴性が出来すぎているのである。
この話は実話がベースとなっているが、元の話をきちんと読んだわけではないので、正直なところどこまで忠実に作られているのかはわからない。
失踪した兵士の父親が事件の真相を暴いたというのは事実らしいが、彼が元MPで地元警察よりもよほど有能な捜査官である時点で、かなり稀な「偶然」であるといえるだろう。
これだけならまだしも、この映画には他にもあまりにも都合よく相互リンクし、テーマとつながる「偶然」が多すぎる。
「クラッシュ」も、しばし御都合主義を感じるほどに、メタファーを多用した作劇だったが、あれはラストを「LAの雪」という小さなファンタジーに落とし込む事で、テーマを絶妙な形で昇華させていた。
しかし、今回は現在進行形の戦争という、前作以上にシリアスで、しかも希望が見出しにくいテーマを選んでおり、ハギスの得意とする寓話的な作劇スタイルとはあまり相性が良くは無かったようだ。
物語は良く出来ているし、テーマ性もしっかりと伝わってくる。
しかしながら、微妙な作り物感が漂ってしまっているのが、この作品の残念なところだ。
ところで、あるメディアで評論家がこの映画を評して、「一見イラク戦争批判だが、若い兵士の心的外傷などを持ち出して、自分たちを哀れんでいる。ちがうんじゃない?」と書いていて、私はこの様な受けとり方をする人がいるのかと驚いた。
この理屈からすれば日本人やドイツ人の作る反戦映画も、外国ではすべて「ちがうんじゃない?」と言われてしまうだろう。
いや、そもそも反戦映画を作る資格のある国民など、世界のどこにもいないのではないか。
実際国内ではきわめて評価の高い邦画の反戦映画の多くが、国際的には黙殺されてきたのは、この「ちがうんじゃない?」という感情のためである。
この意見を述べた人は、「アメリカの戦争」を客観視している様でいて、実は国家と個人を同一視し、加害者と被害者というステロタイプでしか観ていない。
映画評論家を名乗る人がしてはいけない観方である。
この映画が描いているのは戦争という物が個人の心に何をもたらしたのかであって、戦争そのものの意味付けを試みている訳ではないし、あえて言えば政治的な映画ですらない。
戦争そのものは、後の歴史しか評価する事は出来ないだろう。
しかし、その歴史が証明しているのは、戦争とはそれに関わった人々全てを、何らかの形で確実に傷つけるという事だけである。
今回は、イスラエルを代表するワイン、ヤルデンの「ハイツ ワイン」をチョイス。
収穫後の葡萄を、氷結させてから圧搾するというある種のアイスワインである。
芳醇で甘く、風味も強いこのワインが造られる土地も、その複雑な歴史に翻弄されてきた。
ヤルデンはゴラン高原を基盤とするワイナリーで、シリアとイスラエルの和平交渉次第によっては、シリアに返還される運命である。
先日、テレビでゴラン高原のワイナリーが紹介されていたが、彼らの多くはワイナリーを移転してでも和平を支持しているという。
世界最古のワイン生産地の一つに、果たしてワイン文化が残るのか、和平の行方と共に注目してゆきたい。
記事が気に入ったらクリックしてね

こちらもお願い

パレスチナの地である。
このタイトルが示唆する様に、ポール・ハギス待望の第二作は、イラク戦争の帰還兵が抱える心の闇をテーマとした社会派ドラマ。
前作「クラッシュ」では、社会の様々な階層の人間同士の衝突を、ある種のファンタジーとして見事に描き出したハギスだが、今回も重厚なテーマを寓話的に切り取っている。
2004年。
退役軍人のハンク(トミー・リー・ジョーンズ)に、軍から連絡が入る。
イラクから帰還したばかりの息子のマイクが、基地に戻らないというのだ。
真面目な息子が脱走するなどという事は信じられないハンクは、一人基地のある町へ向かう。
息子と同じ部隊の戦友たちに話を聞いても、誰一人として失踪の理由は思い当たらないという。
元軍のMPとして事件を追った経験のあるハンクは、マイクの携帯電話に残された映像に失踪の原因が隠されていると考え、独自にマイクの足取りを追う。
ところがそんな時、ハンクの元にマイクが切断された焼死体となって発見されたという連絡が入る。
ハンクは、軍内の何者かが事件に関与していると睨み、地元警察の女性刑事エミリー(シャーリーズ・セロン)の協力を得て、軍という分厚い壁に挑もうとするのだが・・・
ジャンルとしては反戦映画だと言って良いと思うが、それをストレートに表現はしない。
描かれているのは、あくまでも失踪した一兵士を探す父親の物語であり、ストーリーテラー、ハギスは物語に仕込まれた様々な仕掛けによって、徐々に核心のテーマに迫ってゆく。
「ノーカントリー」でそうであったように、ここでもトミー・リー・ジョーンズが演じるのは古き良きアメリカの男だ。
ハンクが愛し、また軍人として彼が守ったとして自負するアメリカは、今どこへ行こうとしているのか。
彼にとって、「理想の息子」だったマイクは、イラクで何を見たのか。
なぜ彼は失踪し、無残な死体となって発見されなければならなかったのか。
戦争は、人間の心に何をもたらすのか。
映画は犯人探しのミステリであると同時に、そのプロセスによってイラク戦争の帰還兵が抱えるトラウマの正体を暴き出す。
ハギスは、「クラッシュ」と同じように、様々なメタファーを用いて、物語の根底に巧みにテーマを仕込み、ラストでそれが浮かび上がってくる様なロジックを組んでいる。
それは主人公であるハンクの、人生を支えてきた価値観を、根底から覆す事実なのである。
タイトルにもなっている、「エラの谷」のエピソードは特に象徴的で、巨人ゴリアテに立ち向かった少年ダビデの勇気ある物語として知られるこの話を、物語全体と対比することでテーマが読み取りやすくなっている。
因みに字幕ではダビデの使った投石器(slingshot)を、「パチンコ」と訳していたけど・・・この翻訳者は旧約聖書の絵とか見た事が無いのだろうか。
確かに投石器もY字型のパチンコも英語では同じslingshotなんだけど・・・
他にも逆さまに掲揚された国旗の意味や、飼い犬を殺した兵士のエピソードなど、映画のテーマを比喩的に表現する描写が物語の中に多く盛り込まれており、観客は一兵士の失踪と死の真相を巡る物語に散りばめられたメタファーを通して、イラクの戦場で生まれた、癒しがたい闇を知るのである。
ただし、一級品ではあるが、残念ながら傑作とまでは言いがたい。
それは皮肉にも、ハギスが超一流の脚本家であるが故に、ロジックに懲りすぎてリアリティの欠落を招いてしまっているのが原因だ。
一言で言えば、多くのメタファーを初めとした物語の象徴性が出来すぎているのである。
この話は実話がベースとなっているが、元の話をきちんと読んだわけではないので、正直なところどこまで忠実に作られているのかはわからない。
失踪した兵士の父親が事件の真相を暴いたというのは事実らしいが、彼が元MPで地元警察よりもよほど有能な捜査官である時点で、かなり稀な「偶然」であるといえるだろう。
これだけならまだしも、この映画には他にもあまりにも都合よく相互リンクし、テーマとつながる「偶然」が多すぎる。
「クラッシュ」も、しばし御都合主義を感じるほどに、メタファーを多用した作劇だったが、あれはラストを「LAの雪」という小さなファンタジーに落とし込む事で、テーマを絶妙な形で昇華させていた。
しかし、今回は現在進行形の戦争という、前作以上にシリアスで、しかも希望が見出しにくいテーマを選んでおり、ハギスの得意とする寓話的な作劇スタイルとはあまり相性が良くは無かったようだ。
物語は良く出来ているし、テーマ性もしっかりと伝わってくる。
しかしながら、微妙な作り物感が漂ってしまっているのが、この作品の残念なところだ。
ところで、あるメディアで評論家がこの映画を評して、「一見イラク戦争批判だが、若い兵士の心的外傷などを持ち出して、自分たちを哀れんでいる。ちがうんじゃない?」と書いていて、私はこの様な受けとり方をする人がいるのかと驚いた。
この理屈からすれば日本人やドイツ人の作る反戦映画も、外国ではすべて「ちがうんじゃない?」と言われてしまうだろう。
いや、そもそも反戦映画を作る資格のある国民など、世界のどこにもいないのではないか。
実際国内ではきわめて評価の高い邦画の反戦映画の多くが、国際的には黙殺されてきたのは、この「ちがうんじゃない?」という感情のためである。
この意見を述べた人は、「アメリカの戦争」を客観視している様でいて、実は国家と個人を同一視し、加害者と被害者というステロタイプでしか観ていない。
映画評論家を名乗る人がしてはいけない観方である。
この映画が描いているのは戦争という物が個人の心に何をもたらしたのかであって、戦争そのものの意味付けを試みている訳ではないし、あえて言えば政治的な映画ですらない。
戦争そのものは、後の歴史しか評価する事は出来ないだろう。
しかし、その歴史が証明しているのは、戦争とはそれに関わった人々全てを、何らかの形で確実に傷つけるという事だけである。
今回は、イスラエルを代表するワイン、ヤルデンの「ハイツ ワイン」をチョイス。
収穫後の葡萄を、氷結させてから圧搾するというある種のアイスワインである。
芳醇で甘く、風味も強いこのワインが造られる土地も、その複雑な歴史に翻弄されてきた。
ヤルデンはゴラン高原を基盤とするワイナリーで、シリアとイスラエルの和平交渉次第によっては、シリアに返還される運命である。
先日、テレビでゴラン高原のワイナリーが紹介されていたが、彼らの多くはワイナリーを移転してでも和平を支持しているという。
世界最古のワイン生産地の一つに、果たしてワイン文化が残るのか、和平の行方と共に注目してゆきたい。

記事が気に入ったらクリックしてね

こちらもお願い

スポンサーサイト
この記事へのコメント
ゴリアテの話にはじまり、さまざまな寓話が重層的に含まれていて、映画を見ながらそれを解釈&当てはめていくのが大変な作業でした。
映画を見終わった後はその解釈があまり上手く出来なかったことで自己嫌悪気味に・・・。
自分の分かる狭い範囲内でしかメッセージは受け取れなかったような感じです。
映画を見終わった後はその解釈があまり上手く出来なかったことで自己嫌悪気味に・・・。
自分の分かる狭い範囲内でしかメッセージは受け取れなかったような感じです。
そうですね。
>若い兵士の心的外傷
それは『ディア・ハンター』にも描かれていましたね。
でも、「ちがうんじゃない」とは
誰も言わなかった…。
ぼくも戦争が個人に及ぼした影響、
個人を潰してしまうその恐ろしさを描いた映画だと思います。
>若い兵士の心的外傷
それは『ディア・ハンター』にも描かれていましたね。
でも、「ちがうんじゃない」とは
誰も言わなかった…。
ぼくも戦争が個人に及ぼした影響、
個人を潰してしまうその恐ろしさを描いた映画だと思います。
レビューの主旨に共感します。
私は(おそらくはノラネコさんも)
戦争を体験しておりませんが
戦争が変わってきていることをこの作品から読め取れます。いや、「変わっていない」こともあるのですが。。
戦争がひとを狂わせるのではなくて
戦争を始めるとき、それに関わるひとびとは全員おかしくなっているのだと思うのです。
そして「戦争」は、・・今も継続中です。
私は(おそらくはノラネコさんも)
戦争を体験しておりませんが
戦争が変わってきていることをこの作品から読め取れます。いや、「変わっていない」こともあるのですが。。
戦争がひとを狂わせるのではなくて
戦争を始めるとき、それに関わるひとびとは全員おかしくなっているのだと思うのです。
そして「戦争」は、・・今も継続中です。
ノラネコさん、こんばんは♪
公の場ですごい大胆発言す評論家がいるもんですね~。
わたしもこの映画、傑作まではいかないけどまあ、いい映画だったなという感じです、
そう、リアリティも足らなかったかな。。。。
キャスティングと監督は良かったけど、なんとなく
話が好みじゃなかったです、、、、
公の場ですごい大胆発言す評論家がいるもんですね~。
わたしもこの映画、傑作まではいかないけどまあ、いい映画だったなという感じです、
そう、リアリティも足らなかったかな。。。。
キャスティングと監督は良かったけど、なんとなく
話が好みじゃなかったです、、、、
>ミチさん
外国映画はやはりその母国の人とは受け取り方が違って当然だと思います。
日本映画を外国人が見るときもそれは同じでしょうし。
むしろ国ごとに違った意味合いで受け取られる事も含めて、ワールドワイドな文化なので、それはそれで良いのではないでしょうか。
>えいさん
個としての戦争を描いた作品で、無理やり捻くれた観方をする必要性は無いし、それでは作品の本質は見えないと思うのです。
プロを名乗る方々にはプロとしての観方をしていただきたいと思います。
この方の意見には、日本の反戦映画が海外でしばしば「自業自得なのに自分たちを哀れんでいる」と批判されるのを思い出しました。
>朱色会さん
もちろん私もそれほど年寄りではないので、戦争の実体験はありません。
ハギスもそうですし、イーストウッドもスピルバーグも知らないはずです。
戦争というのは人間が行うものですから、人間を知っていればそれを描く事、受け手として感じる事は十分できると思います。
この作品からは、戦争が変質しているというよりは、メディアの変化なども含めて、距離感が違ってきているのかなという気がしました。
>migさん
ちょっと出来すぎてしまっている感がありました。
テーマ性はしっかり語られているんですけど、これでもかというくらいがっちりとテーマを浮かび上がらせる設定は、やや過剰だったと思います。
外国映画はやはりその母国の人とは受け取り方が違って当然だと思います。
日本映画を外国人が見るときもそれは同じでしょうし。
むしろ国ごとに違った意味合いで受け取られる事も含めて、ワールドワイドな文化なので、それはそれで良いのではないでしょうか。
>えいさん
個としての戦争を描いた作品で、無理やり捻くれた観方をする必要性は無いし、それでは作品の本質は見えないと思うのです。
プロを名乗る方々にはプロとしての観方をしていただきたいと思います。
この方の意見には、日本の反戦映画が海外でしばしば「自業自得なのに自分たちを哀れんでいる」と批判されるのを思い出しました。
>朱色会さん
もちろん私もそれほど年寄りではないので、戦争の実体験はありません。
ハギスもそうですし、イーストウッドもスピルバーグも知らないはずです。
戦争というのは人間が行うものですから、人間を知っていればそれを描く事、受け手として感じる事は十分できると思います。
この作品からは、戦争が変質しているというよりは、メディアの変化なども含めて、距離感が違ってきているのかなという気がしました。
>migさん
ちょっと出来すぎてしまっている感がありました。
テーマ性はしっかり語られているんですけど、これでもかというくらいがっちりとテーマを浮かび上がらせる設定は、やや過剰だったと思います。
2008/07/08(火) 23:27:37 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
こんばんわ。
今日(日付的には昨日)観てきました!
この映画は、完全に邦題が駄目ですね。全然内容に一致しないじゃないですか。「ノーカントリー」を超える酷さだと思います。
内容に関しては、脚本は素晴らしいと思いました。私レベルの観賞者なら充分満足できるレベルです(笑。ただ演出がイマイチかな・・・
うまく言えないんですが、ポール・ハギスは演出面において、技術的には素晴らしいものを持っているんでしょうけれど、ポール・トーマス・アンダーソンやコーエン兄弟の演出のような”凄さ”はは持ってないのかなあと。「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のラストカットのような演出は出来ないんだろうなと思いました。ポール・ハギスの限界を見てしまった感じで、ファンとしては少し悲しい思いでした。充分満足できるレベルでしたけれど、最近強力な作品が続いたので・・・。
追伸:
あるメディアの方というのは、超の方ですね。あの方は映画を語るのに常に思想を入れてきますからね。パッチギのような青春映画でさえも、思想で語る方ですから。
今日(日付的には昨日)観てきました!
この映画は、完全に邦題が駄目ですね。全然内容に一致しないじゃないですか。「ノーカントリー」を超える酷さだと思います。
内容に関しては、脚本は素晴らしいと思いました。私レベルの観賞者なら充分満足できるレベルです(笑。ただ演出がイマイチかな・・・
うまく言えないんですが、ポール・ハギスは演出面において、技術的には素晴らしいものを持っているんでしょうけれど、ポール・トーマス・アンダーソンやコーエン兄弟の演出のような”凄さ”はは持ってないのかなあと。「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のラストカットのような演出は出来ないんだろうなと思いました。ポール・ハギスの限界を見てしまった感じで、ファンとしては少し悲しい思いでした。充分満足できるレベルでしたけれど、最近強力な作品が続いたので・・・。
追伸:
あるメディアの方というのは、超の方ですね。あの方は映画を語るのに常に思想を入れてきますからね。パッチギのような青春映画でさえも、思想で語る方ですから。
>kojirestさん
期待が大きすぎたのか、良く出来てるとは思えど、やはり「クラッシュ」のインパクトには及ばずという感じでした。
まあ良く考えたらまだ二作目の新人監督なので、既にそこまで期待させる事自体がすごい事なのですけど。
>あるメディアの方というのは、超の方ですね。
?たぶん、違うと思います。
その方の評論は読んだ事が無いです。
私が引用したのは、某新聞に書かれていた女性の評論家の方です。
期待が大きすぎたのか、良く出来てるとは思えど、やはり「クラッシュ」のインパクトには及ばずという感じでした。
まあ良く考えたらまだ二作目の新人監督なので、既にそこまで期待させる事自体がすごい事なのですけど。
>あるメディアの方というのは、超の方ですね。
?たぶん、違うと思います。
その方の評論は読んだ事が無いです。
私が引用したのは、某新聞に書かれていた女性の評論家の方です。
2008/07/14(月) 22:57:54 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
同じく『パチンコ』って訳が何とかならなかったのかと思いました(笑)
考えさせられていい作品だと思うんですが、いろんな事が推測できるんで逆にわけがわからなくなったという点で私も『クラッシュ』の方が好きです。
もっと私に文化的背景がわかればよかったんですが・・・(汗)
考えさせられていい作品だと思うんですが、いろんな事が推測できるんで逆にわけがわからなくなったという点で私も『クラッシュ』の方が好きです。
もっと私に文化的背景がわかればよかったんですが・・・(汗)
>エミさん
まあパチンコと訳したくなる気もわからんではないですけど、やっぱり違うだろうと・・・(笑
ハギスのスタイルって寓話的なので、思いっきり作っている「クラッシュ」の方がマッチングは良かったと思います。
しかしこれだけ出来が良くても、比べて色々言われてしまうのですから、いかに「クラッシュ」が素晴らしかったかわかりますね。
まあパチンコと訳したくなる気もわからんではないですけど、やっぱり違うだろうと・・・(笑
ハギスのスタイルって寓話的なので、思いっきり作っている「クラッシュ」の方がマッチングは良かったと思います。
しかしこれだけ出来が良くても、比べて色々言われてしまうのですから、いかに「クラッシュ」が素晴らしかったかわかりますね。
2008/07/22(火) 20:14:22 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
こんにちは。映画を観て、実際の事件についても知りたくなりました。「Murder in Baker Company: How Four American Soldiers Killed One of Their Own」時間を見つけて読んでみたいと思います。
>ETCマンツーマン英会話さん
対テロ戦争絡みでは色々と知られざる事件が起きています。
この事件も調べるとなかなか興味深いです。
対テロ戦争絡みでは色々と知られざる事件が起きています。
この事件も調べるとなかなか興味深いです。
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
『真実を語る、勇気はあるか?』
コチラの「告発のとき」は、主演のトミー・リー・ジョーンズがアカデミー賞主演男優賞にノミネートされるなどサスガの演技を見せる6/28公開となったPG-12指定の”アメリカが目を背けた衝撃作”なのですが、早速観て来ちゃいましたぁ?...
2008/07/06(日) 07:14:56 | ☆彡映画鑑賞日記☆彡
映画館にて「告発のとき」
『クラッシュ』のポール・ハギス監督の第2作目。
おはなし:退役軍人のハンク・ディアフィールド(トミー・リー・ジョーンズ)は、イラクから帰還してくるはずの息子マイクが脱走したという知らせを受ける。息子を探すために現地へ向かい、地?...
2008/07/06(日) 13:52:52 | ミチの雑記帳
「告発のとき」、観ました。
ポール・ハギス監督、トミー・リー・ジョーンズ、 シャーリーズ・セロン出演のイラク戦争帰還兵がからむサ...
2008/07/06(日) 17:18:02 | クマの巣
やっと観た。なぜ千葉で3館でしかやっていないのか・・・・映画を観てわかった。 あまりにもエンターテイメントの対極にある。とてつもなく まっすぐで、重い映画だった。 鑑賞記:兵隊という身分に対してはそもそも【勝利】はない。あるものは・・・ 「死ぬ」...
2008/07/06(日) 21:47:41 | 朱色会
マイクという名の由来を知ってるか?・・・・実は父さんがカラオケ好きだったんだよ・・・
2008/07/07(月) 10:46:24 | ネタバレ映画館
「告発のとき」を観てきました~♪
退役軍人のハンク(トミー・リー・ジョーンズ)の元に、息子のマイク(ジョナサン・タッカー)が無断離隊したとの連絡が届く。マイクの性格から、無断離隊の事実が信じられないハンクは、息子を探すためにベースのあるフォート・ラッ...
2008/07/09(水) 06:32:30 | 観たよ~ん~
(2007年・米/監督:ポール・ハギス) 「ミリオンダラー・ベイビー」で脚本賞、「クラッシュ」で作品賞と、2度アカデミー賞に輝くポール・ハギス監督の、イラク戦争を題材とした社会派ミ
2008/07/09(水) 23:02:19 | お楽しみはココからだ~ 映画をもっと楽しむ方法
原題:IN THE VALLEY OF ELAH
製作年度:2007年
製作国:アメリカ
上映時間:121分
監督:ポール・ハギス
原作:――
脚本:ポール・ハギス
出演...
2008/07/10(木) 22:03:39 | スワロが映画を見た
日本では宇宙人として有名なトミー・リー・ジョーンズ。
今回は時代を憂う退役軍人役だぁ。
2008/07/12(土) 03:46:28 | ★☆ひらりん的映画ブログ☆★
映画における戦争をテーマにしたものは名作の確率が高い。筆者のビデオ・DVDライブラリーをみても、20%近くを占めているから、もしかしたらジャンル別に分けたら最もパーセンテージが高いかもしれない。しかし、一方で沈痛・悲痛な物、後味が悪いものも多い。勿論、戦争?...
2008/07/12(土) 23:29:02 | 利用価値のない日々の雑学
月一回のお話シネマの会に行ったら「この映画はよかったよ」とお話ししているじゃありませんか。「えっ、気がつかなかった。」というと、どうやら岡山に二軒あるシネマコンプレックスのもう一つのほうでしているらしい。トミー・リー・ジョーンズがオスカーを取り損ねたの...
2008/07/15(火) 12:35:59 | 再出発日記
2004年11月。
退役軍人のハンク・ディアフィールド(トミー・リー・ジョーンズ)のもとに、
軍に所属する息子マイク(ジョナサン・タッカー...
2008/07/15(火) 16:55:36 | 心のままに映画の風景
「告発のとき」★★★☆
トミー・リー・ジョーンズ、シャーリーズ・セロン主演
ポール・ハギス監督
イラクから戻った息子が焼死体で
発見された。
独自にその理由を探ろうと調査をする父親、
警察や軍の高い壁に阻まれ
真相が分からず、黙々と
小さな事実...
2008/07/15(火) 20:31:19 | soramove
人気ブログランキングの順位は?
帰還後、疾走した息子
息子の消息を追う父親
米プレイボーイ誌に掲載された、実際の事件
いま、息子の声が
父親を衝撃の事実へと導いていく
真実を語る、勇気はあるか?
アメリカが目を背けた衝撃作
2008/07/18(金) 23:12:34 | ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!!
コレ本当は公開初日の初回で観に行こうと思ってたんです。
ところが入院しちゃったんで観に行けなかったんですよ。
「まぁ、公開したばっかりだし会社に復帰してからでも観に行くのはいいかぁ。」
なんてノンビリ構えてたら18日で上映終了とのこと。
元々、万人受け...
2008/07/21(月) 04:59:04 | エミの気紛れ日記
自己批判は出来るか。
『in the valley of elah』
告発のとき - goo 映画
2004年、ハンクの元に息子のマイクが軍から姿を消したと連絡が入る。
イ...
2008/08/07(木) 17:31:21 | Prism Viewpoints
■動機
宇宙人ジョーンズの本来の姿を見に
■感想
また邦題に騙された
■満足度
★★★☆☆☆☆ あんまり
■あらすじ
退役軍人のハンク・ディアフィールド(トミー・リー・ジョーンズ)は、イラクから帰還してくるはずの息子マイク(ジョナサン・タッカー)が脱?...
2008/09/16(火) 08:15:50 | 新!やさぐれ日記
ポール・ハギスとトミー・リー・ジョーンズ。二つの旬が重なり、とってもいい作品として結実したように感じる。
2008/09/17(水) 00:03:56 | 自主映画制作工房Stud!o Yunfat 映評のページ
重厚なドラマでした。見終わってちょっと立ち上がれなかったです・・
2009/01/14(水) 14:03:30 | 心の栄養♪映画と英語のジョーク
真実を語る勇気は ありますか―
原題 IN THE VALLEY OF ELAH
上映時間 121分
監督 ポール・ハギス
脚本 ポール・ハギス
音楽 マーク・アイシャム
出演 トミー・リー・ジョーンズ/シャーリーズ・セロン /スーザン・サランドン /ジョナサン・タッカー /ジェー?...
2009/01/17(土) 01:34:22 | to Heart
原題:IN THE VALLEY OF ELAH公開:2008/06/28製作国・年度:アメリカ、2007年、PG-12上映時間:121分アメリカが目を背けた衝撃作監督:ポール・ハギス出演:トミー・リー・ジョーンズ、シャーリーズ・セロン、スーザン・サランドン、ジョナサン・タッカー、ジェームズ・?...
2009/01/21(水) 12:42:50 | 映画鑑賞★日記・・・
アメリカが目を背けた衝撃作
2009/01/24(土) 13:35:42 | Addict allcinema 映画レビュー
アメリカが目を背けた衝撃作
2009/07/17(金) 01:48:02 | Addict allcinema 映画レビュー
| ホーム |