2008年07月09日 (水) | 編集 |
果たされる事の無い、「東方の約束」
デビッド・クローネンバーグが前作「ヒストリー・オブ・バイオレンス」のヴィゴ・モーテンセンと再び組んだ「イースタン・プロミス」は、ロンドンのロシアンマフィアの暗部を描いたフィルムノワール。
ここにあるのは血と暴力と小さな希望。
巨匠、円熟の一作である。
ロンドンのある病院に、産気づいて意識不明の少女が運び込まれてくる。
赤ん坊の命は助かったものの、母親は死亡。
ロシア系英国人である助産師のアンナ(ナオミ・ワッツ)は、少女の身元を捜そうとするが、手がかりは彼女の残したロシア語で書かれた日記のみ。
日記に挟まれていた店のカードを頼りに、ロシア料理店のオーナーに話を聞くアンナだったが、オーナーは自分が日記を翻訳しようと申し出る。
同じ頃、日記を目にしたアンナの叔父は、その内容が裏社会の秘密に通じている事から、
日記を他人に見せるなと警告する。
実はロシア料理店のオーナーは、悪名高いマフィア「法の泥棒」のボスであった。
やがてアンナの周りに、ボスの不肖の息子キリル(ヴァンサン・カッセル)と共に仕事をしている自称「運転手」の謎めいた男、ニコライ(ヴィゴ・モーテンセン)が出没し始める・・・・
「ヒストリー・オブ・バイオレンス」では、一人の男の戦いを通して、アメリカの暴力の歴史をメタファーとして描いたクローネンバーグだが、同じくモーテンセンを主演に迎えたこの作品では、一冊の日記を巡る物語を通して、異国で生きるロシア移民の悲しみの暗部を暴き出す。
近年は石油大国として、金持ちイメージで語られる事の多いロシアだが、貧困層はまだまだ多く、特にロシア連邦を構成する諸共和国の少数民族は、成功を夢見て外国に脱出する者も多いと聞く。
経済的弱者の周りには、彼らを食い物にしようとする裏社会の者たちが群がる。
そうした組織の人間が、出国を希望する女性たちに語って聞かせるのが、移民先にはいい仕事があり、すぐに金持ちになって帰国できるという成功の約束、「イースタン・プロミス」である。
映画は、その約束にだまされて、売春婦として奴隷労働をさせられた挙句に死んだ少女の身元を捜し、赤ん坊を故郷に送り届けたいというアンナの行動が、思いもかけずマフィアの抗争とリンクしてしまい、そこに謎の男、ニコライの意外な正体が絡んで、全く目を放せない。
スティーヴ・ナイトによる、抜群の展開力を持つ、ほとんど突っ込みどころの無い緻密な脚本を、クローネンバーグが冷徹な視線で淡々と描く。
フィルムノワールとして第一級の仕上がりである。
本作は基本的には、勧善懲悪的な構造を持っているが、もちろんそれだけの浅い話をクローネンバーグほどの作家が描くはずも無く、本質的には決して一人では生きられない人間の悲しみと希望を描いたものである。
登場人物の心理は、お互いに対する感情が重層的に絡み合い、相反する情念のうねりが物語を満たす。
残された命を守り、少女の無念を弔おうとするアンナと、ある目的をもって暗躍するニコライが惹かれあう事で生まれてくるのが人間の陽の部分だとすれば、キリルとボスの親子の葛藤は陰の感情で溢れんばかりだ。
そしてラストに明かされるニコライの正体と目的も含めて、この映画はロンドンという異文化の中に存在する、ロシアンコミュニティーという小さな世界の悲哀を、奇妙な調和の中に描ききるのである。
基本的に物語はナオミ・ワッツ演じるアンナの視点で進み、彼女は所謂巻き込まれ型の主人公を好演しているが、やはりこの映画で光るのはヴィゴ・モーテンセンだろう。
サイボーグの様にピッチリと固めた特異な髪型といい、刺青だらけの体といい、ニコライの暴力の歴史と鋼の意思を感じさせる、肉体のビジュアルが秀逸だ。
公衆浴場での、暗殺者との全裸の格闘シーンは、まさに肉体を切り裂かれる痛みに満ちており、本作の、いや犯罪映画の歴史の中でも屈指の名シーンと言えるだろう。
ニコライが剛だとすれば、対照的な軟はボスのダメ息子キリルを演じるヴァンサン・カッセル。
父親の影から抜け出せない、二代目の苦悩を人間味たっぷりに演じた。
物語のクライマックスでのキリルの選択は、このダークな物語の中で、一筋の希望を感じさせるものだった。
そう、たとえ世界が暴力と絶望に満ちていたとしても、小さな命は人間たちを明日へと導いて行くのだ。
物語の要所要所に挿入される、希望に満ちた明日を語る少女の日記の朗読が切ない。
貧困の中、「イースタン・プロミス」を信じてロンドンに渡った彼女は、すぐにその約束が決して果たされない事を知り、絶望の中で14歳の生涯を閉じるのである。
これは、程度の差はあれ、決してドラマの中の話だけではないという。
貧困に生きる者と、彼らが見る小さな夢は、犯罪者の視点から見ればお金を生む金の卵なのである。
儚い希望は、いとも簡単に闇の金に換金され、消費されてしまう。
私の住む街も、日本の中では移民が多く、街を歩いていると外国語が良く聞こえてくる。
もちろん、彼らのほとんどは普通に生活している人々であろうが、日本も「イースタン・プロミス」で語られる、約束の土地の一つである事は確かであろう。
日本は嘗て米国務省の人身売買に関する報告書で、海外から女性や子供が搾取のために売買されている要監視国に指定されており、現在でも対応が不十分な国のリストに載せられている。
このハードな映画には、甘ったるいカクテルなどは似合わない。
映画の余韻を引きずって、ロシアンウォッカをストレートかでちびちび飲もう。
スミノフの「ブラック」をチョイス。
焼ける様な熱が、酷寒の地に生きる人々の魂の炎を感じさせる。
モスクワ産のこの酒は、嘘偽りの無いウォッカの味わいを約束してくれるのだが・・・
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デビッド・クローネンバーグが前作「ヒストリー・オブ・バイオレンス」のヴィゴ・モーテンセンと再び組んだ「イースタン・プロミス」は、ロンドンのロシアンマフィアの暗部を描いたフィルムノワール。
ここにあるのは血と暴力と小さな希望。
巨匠、円熟の一作である。
ロンドンのある病院に、産気づいて意識不明の少女が運び込まれてくる。
赤ん坊の命は助かったものの、母親は死亡。
ロシア系英国人である助産師のアンナ(ナオミ・ワッツ)は、少女の身元を捜そうとするが、手がかりは彼女の残したロシア語で書かれた日記のみ。
日記に挟まれていた店のカードを頼りに、ロシア料理店のオーナーに話を聞くアンナだったが、オーナーは自分が日記を翻訳しようと申し出る。
同じ頃、日記を目にしたアンナの叔父は、その内容が裏社会の秘密に通じている事から、
日記を他人に見せるなと警告する。
実はロシア料理店のオーナーは、悪名高いマフィア「法の泥棒」のボスであった。
やがてアンナの周りに、ボスの不肖の息子キリル(ヴァンサン・カッセル)と共に仕事をしている自称「運転手」の謎めいた男、ニコライ(ヴィゴ・モーテンセン)が出没し始める・・・・
「ヒストリー・オブ・バイオレンス」では、一人の男の戦いを通して、アメリカの暴力の歴史をメタファーとして描いたクローネンバーグだが、同じくモーテンセンを主演に迎えたこの作品では、一冊の日記を巡る物語を通して、異国で生きるロシア移民の悲しみの暗部を暴き出す。
近年は石油大国として、金持ちイメージで語られる事の多いロシアだが、貧困層はまだまだ多く、特にロシア連邦を構成する諸共和国の少数民族は、成功を夢見て外国に脱出する者も多いと聞く。
経済的弱者の周りには、彼らを食い物にしようとする裏社会の者たちが群がる。
そうした組織の人間が、出国を希望する女性たちに語って聞かせるのが、移民先にはいい仕事があり、すぐに金持ちになって帰国できるという成功の約束、「イースタン・プロミス」である。
映画は、その約束にだまされて、売春婦として奴隷労働をさせられた挙句に死んだ少女の身元を捜し、赤ん坊を故郷に送り届けたいというアンナの行動が、思いもかけずマフィアの抗争とリンクしてしまい、そこに謎の男、ニコライの意外な正体が絡んで、全く目を放せない。
スティーヴ・ナイトによる、抜群の展開力を持つ、ほとんど突っ込みどころの無い緻密な脚本を、クローネンバーグが冷徹な視線で淡々と描く。
フィルムノワールとして第一級の仕上がりである。
本作は基本的には、勧善懲悪的な構造を持っているが、もちろんそれだけの浅い話をクローネンバーグほどの作家が描くはずも無く、本質的には決して一人では生きられない人間の悲しみと希望を描いたものである。
登場人物の心理は、お互いに対する感情が重層的に絡み合い、相反する情念のうねりが物語を満たす。
残された命を守り、少女の無念を弔おうとするアンナと、ある目的をもって暗躍するニコライが惹かれあう事で生まれてくるのが人間の陽の部分だとすれば、キリルとボスの親子の葛藤は陰の感情で溢れんばかりだ。
そしてラストに明かされるニコライの正体と目的も含めて、この映画はロンドンという異文化の中に存在する、ロシアンコミュニティーという小さな世界の悲哀を、奇妙な調和の中に描ききるのである。
基本的に物語はナオミ・ワッツ演じるアンナの視点で進み、彼女は所謂巻き込まれ型の主人公を好演しているが、やはりこの映画で光るのはヴィゴ・モーテンセンだろう。
サイボーグの様にピッチリと固めた特異な髪型といい、刺青だらけの体といい、ニコライの暴力の歴史と鋼の意思を感じさせる、肉体のビジュアルが秀逸だ。
公衆浴場での、暗殺者との全裸の格闘シーンは、まさに肉体を切り裂かれる痛みに満ちており、本作の、いや犯罪映画の歴史の中でも屈指の名シーンと言えるだろう。
ニコライが剛だとすれば、対照的な軟はボスのダメ息子キリルを演じるヴァンサン・カッセル。
父親の影から抜け出せない、二代目の苦悩を人間味たっぷりに演じた。
物語のクライマックスでのキリルの選択は、このダークな物語の中で、一筋の希望を感じさせるものだった。
そう、たとえ世界が暴力と絶望に満ちていたとしても、小さな命は人間たちを明日へと導いて行くのだ。
物語の要所要所に挿入される、希望に満ちた明日を語る少女の日記の朗読が切ない。
貧困の中、「イースタン・プロミス」を信じてロンドンに渡った彼女は、すぐにその約束が決して果たされない事を知り、絶望の中で14歳の生涯を閉じるのである。
これは、程度の差はあれ、決してドラマの中の話だけではないという。
貧困に生きる者と、彼らが見る小さな夢は、犯罪者の視点から見ればお金を生む金の卵なのである。
儚い希望は、いとも簡単に闇の金に換金され、消費されてしまう。
私の住む街も、日本の中では移民が多く、街を歩いていると外国語が良く聞こえてくる。
もちろん、彼らのほとんどは普通に生活している人々であろうが、日本も「イースタン・プロミス」で語られる、約束の土地の一つである事は確かであろう。
日本は嘗て米国務省の人身売買に関する報告書で、海外から女性や子供が搾取のために売買されている要監視国に指定されており、現在でも対応が不十分な国のリストに載せられている。
このハードな映画には、甘ったるいカクテルなどは似合わない。
映画の余韻を引きずって、ロシアンウォッカをストレートかでちびちび飲もう。
スミノフの「ブラック」をチョイス。
焼ける様な熱が、酷寒の地に生きる人々の魂の炎を感じさせる。
モスクワ産のこの酒は、嘘偽りの無いウォッカの味わいを約束してくれるのだが・・・

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この記事へのコメント
こんにちは☆
あの歴史的名シーンを含めヴィゴ・モーテンセンは断トツで光っていましたね。今まではあまり意識したことなかったんですけど、見方が変わりました。
あの歴史的名シーンを含めヴィゴ・モーテンセンは断トツで光っていましたね。今まではあまり意識したことなかったんですけど、見方が変わりました。
評価が高い!
こういう映画を見ると、本当にフツーな世界と闇の世界は紙一重なんだろうなって思います。
ただフツーの世界の住民が闇の世界へ足を伸ばしたり、入れられたりするのは簡単なのに、やっぱり闇の世界から抜け出すことは出来ないんだろうなっていうのを痛感しました。
そう考えてしまうと、希望の部分が見えづらくなってしまいました。
こういう映画を見ると、本当にフツーな世界と闇の世界は紙一重なんだろうなって思います。
ただフツーの世界の住民が闇の世界へ足を伸ばしたり、入れられたりするのは簡単なのに、やっぱり闇の世界から抜け出すことは出来ないんだろうなっていうのを痛感しました。
そう考えてしまうと、希望の部分が見えづらくなってしまいました。
>daiさん
モーテンセンとクローネンバーグというのは映画史の新しい名コンビ誕生という気がします。
ジョン・ウェインとジョン・フォード、デ・ニーロとスコセッシの様になってくれるとうれしいのですが。
>なななさん
個人的には最近見た映画の中では一番感銘をうけました。
確かにあのロシアレストランの様に、日常のほんの裏側にある別世界を感じますね。
光あるところに必ず影はある訳で、ある意味では救いというのは無いのかもしれませんが、キリルの最後の選択はちょっとホッとしました。
モーテンセンとクローネンバーグというのは映画史の新しい名コンビ誕生という気がします。
ジョン・ウェインとジョン・フォード、デ・ニーロとスコセッシの様になってくれるとうれしいのですが。
>なななさん
個人的には最近見た映画の中では一番感銘をうけました。
確かにあのロシアレストランの様に、日常のほんの裏側にある別世界を感じますね。
光あるところに必ず影はある訳で、ある意味では救いというのは無いのかもしれませんが、キリルの最後の選択はちょっとホッとしました。
2008/07/11(金) 23:02:41 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
コチラの作品、ロンドンが舞台なのですが登場人物が背負ってきているロシアというバックボーンが映画全体に吹き出していて、何とも言えないロシアの寒さを感じてしまいました。
この作品をさらに引き締めているのは、ヴィゴ・モーテンセンの演技ですよね~
ヴィゴの演技にグイグイ引き込まれるようにみてしまいました!
この作品をさらに引き締めているのは、ヴィゴ・モーテンセンの演技ですよね~
ヴィゴの演技にグイグイ引き込まれるようにみてしまいました!
>コブタさん
このところのクローネンバーク作品に感じるのが良い意味での「箱庭感」なのですが、この作品はロンドンという異文化の中でのロシアコミュニティという小さな世界がそれを強く感じさせました。
そこだけ別の時間、別の規則で動いている空間という感じですね。
クローネンバーグとモーテンセンは、映画史における新たな名コンビになるのではないでしょうか。
このところのクローネンバーク作品に感じるのが良い意味での「箱庭感」なのですが、この作品はロンドンという異文化の中でのロシアコミュニティという小さな世界がそれを強く感じさせました。
そこだけ別の時間、別の規則で動いている空間という感じですね。
クローネンバーグとモーテンセンは、映画史における新たな名コンビになるのではないでしょうか。
2008/07/16(水) 23:43:07 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
この作品は素晴らしかったです。
ヴィゴもクローネンバーグの手にかかると、極上の魅力を発揮
しますね。
キリルがニコライに対して抱く想いについて触れているレビューを
いくつか読みました。師弟関係ではなく、友情でもない、
特別な想い・・・・そういう見解でこのドラマを観ると、また全く別の
味わいと奥深さが湧いてくるような気がします。
ヴィゴもクローネンバーグの手にかかると、極上の魅力を発揮
しますね。
キリルがニコライに対して抱く想いについて触れているレビューを
いくつか読みました。師弟関係ではなく、友情でもない、
特別な想い・・・・そういう見解でこのドラマを観ると、また全く別の
味わいと奥深さが湧いてくるような気がします。
クローネンバーグ、また別の段階へ一段上がった、という感じがしますよね。
私は小学生の頃から、『ザ・フライ』が大好きだったんですよ~。
そして10代で『裸のランチ』『KAFKA』に出会って、映画好きとしての道が曲がってしまった私です(笑)
今回のような完成度の高い作品にはビックリするものがありました!
またいろいろ見直してみたいです☆
私は小学生の頃から、『ザ・フライ』が大好きだったんですよ~。
そして10代で『裸のランチ』『KAFKA』に出会って、映画好きとしての道が曲がってしまった私です(笑)
今回のような完成度の高い作品にはビックリするものがありました!
またいろいろ見直してみたいです☆
観終わって、お腹の中に鉛が入ったような感じでした。なんともヘビィでした。
それにサウナ格闘シーンだけでなく、随所にある「痛い」シーンは、観ていて自分の背中や首筋に痛みが走る感じでした。それもスパッというよりはザクッという痛み。
万人に好まれる映画ではないものの、ずっと心に残る作品ですね。
それにサウナ格闘シーンだけでなく、随所にある「痛い」シーンは、観ていて自分の背中や首筋に痛みが走る感じでした。それもスパッというよりはザクッという痛み。
万人に好まれる映画ではないものの、ずっと心に残る作品ですね。
>睦月さん
キリルのニコライに対する感情は、非常に複雑ですね。
兄弟の様でもあり、嫉妬もあり、近親憎悪のようなものも感じました。
ニコライもキリルに対しては、単なる利用する対象とは見ていないようだったし。
こういう繊細な心の機微を描けているのだから、この作品の完成度の高さがあらためてわかりますね。
>とらねこさん
「ザ・フライ」の好きな小学生(笑
いやあ素晴らしいです。あの作品の時、私は高校生でしたけど、大好きでした。
クローネンバーグは、一時期迷っていた感じもあったのですが、ここしばらくはもともとの方向性をじっくりと掘り下げる方向に定まってきた様に感じます。
もちろんモーテンセンという表現者と出会った事も大きかったのでしょうね。
>こーいちさん
元々クローネンバーグの映画は痛かったですが、これは特にそうでした。
それがイヤという人もいるでしょうが、痛みと共にずっしりと心に残る作品でした。
キリルのニコライに対する感情は、非常に複雑ですね。
兄弟の様でもあり、嫉妬もあり、近親憎悪のようなものも感じました。
ニコライもキリルに対しては、単なる利用する対象とは見ていないようだったし。
こういう繊細な心の機微を描けているのだから、この作品の完成度の高さがあらためてわかりますね。
>とらねこさん
「ザ・フライ」の好きな小学生(笑
いやあ素晴らしいです。あの作品の時、私は高校生でしたけど、大好きでした。
クローネンバーグは、一時期迷っていた感じもあったのですが、ここしばらくはもともとの方向性をじっくりと掘り下げる方向に定まってきた様に感じます。
もちろんモーテンセンという表現者と出会った事も大きかったのでしょうね。
>こーいちさん
元々クローネンバーグの映画は痛かったですが、これは特にそうでした。
それがイヤという人もいるでしょうが、痛みと共にずっしりと心に残る作品でした。
2008/07/18(金) 22:36:43 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
今日、観てきました。ダークな世界は苦手だけど、どんどん引き込まれて観てしまいました。何と言ってもヴィゴの演技がスゴイ!
冷たく非情で仕事が手早く・・・・しかし最後は!
彼の顔とスタイルが魅力的な「ヒール」のスタイルにぴったり!
服を着ても、脱いでもステキな身体にウットリ。
しかし、セリフはロシア語が多いし、雰囲気もロンドンというよりロシアの街みたいでした。(KGBの怖さといいロシアマフィアの怖さといい・・・・・・日本に住んでいてよかった)
冷たく非情で仕事が手早く・・・・しかし最後は!
彼の顔とスタイルが魅力的な「ヒール」のスタイルにぴったり!
服を着ても、脱いでもステキな身体にウットリ。
しかし、セリフはロシア語が多いし、雰囲気もロンドンというよりロシアの街みたいでした。(KGBの怖さといいロシアマフィアの怖さといい・・・・・・日本に住んでいてよかった)
>cinema_61さん
ヴィゴ・モーテンセンは不思議な色気のある俳優ですね。
この冷徹な世界に、なんとなく艶っぽいものを感じたのも、彼のもつ独特のムードのおかげかもしれません。
しかしロシアンマフィアの方は東京にも少しはいるようです。
ヴィゴ・モーテンセンは不思議な色気のある俳優ですね。
この冷徹な世界に、なんとなく艶っぽいものを感じたのも、彼のもつ独特のムードのおかげかもしれません。
しかしロシアンマフィアの方は東京にも少しはいるようです。
2008/07/19(土) 22:03:37 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
こんばんは
田舎では先日ようやく公開されました
クローネンバーグというと「いたずらにグログロなひと」という印象でしたが、本作品でのグロ趣味は必要最低限にとどめられていて、「この人も変わったなあ」と思いました。脚本の力も大きいと思いますが
おおよそ善人とはいえないキリルにもほんのわずかながら善性があり、「世の中には完全な善人もいないけど、完全な悪人もいない」ということを強く感じました。そんな世界観はなんとなく池波正太郎の作品群にも通ずるように思います
田舎では先日ようやく公開されました
クローネンバーグというと「いたずらにグログロなひと」という印象でしたが、本作品でのグロ趣味は必要最低限にとどめられていて、「この人も変わったなあ」と思いました。脚本の力も大きいと思いますが
おおよそ善人とはいえないキリルにもほんのわずかながら善性があり、「世の中には完全な善人もいないけど、完全な悪人もいない」ということを強く感じました。そんな世界観はなんとなく池波正太郎の作品群にも通ずるように思います
こんばんは♬
『グリーンブック』を観てとても感銘を受け、
ヴィゴ・モーテンセンさんてどんな俳優さんかなと調べて
あの『ロード・オブ・ザ・リング』に出たいたことを知ってびっくり、
それからほかにどのような映画に出たのか。。と調べて
『イースタン・プロミス」にたどり着きました。
衝撃的な作品でしたが、最後は感銘を受けました。
ノラネコさんのブログを拝読して、さらに理解が深まりました。
有難うございます!(⌒∇⌒)
わたしはすっかりヴィゴのファンになりました。
最近の『フォーリング。。』も見て、これもいいなぁと思いました。
15年後の遅いコメント、お気づきにならないとは思いますが
こちらに足跡を刻みたかったです。
『グリーンブック』を観てとても感銘を受け、
ヴィゴ・モーテンセンさんてどんな俳優さんかなと調べて
あの『ロード・オブ・ザ・リング』に出たいたことを知ってびっくり、
それからほかにどのような映画に出たのか。。と調べて
『イースタン・プロミス」にたどり着きました。
衝撃的な作品でしたが、最後は感銘を受けました。
ノラネコさんのブログを拝読して、さらに理解が深まりました。
有難うございます!(⌒∇⌒)
わたしはすっかりヴィゴのファンになりました。
最近の『フォーリング。。』も見て、これもいいなぁと思いました。
15年後の遅いコメント、お気づきにならないとは思いますが
こちらに足跡を刻みたかったです。
2023/02/16(木) 20:58:56 | URL | ヨモギ #PSnYe7JY[ 編集]
>ヨモギさん
古い記事にご訪問くださりありがとうございます。
私の中ではヴィゴといえば「RotR」のイメージなんですが、あれももう20年前の映画なんですねえ。
むっちゃかっこいいのでもし観ていなければぜひご鑑賞ください。
古い記事にご訪問くださりありがとうございます。
私の中ではヴィゴといえば「RotR」のイメージなんですが、あれももう20年前の映画なんですねえ。
むっちゃかっこいいのでもし観ていなければぜひご鑑賞ください。
初見からずっと、ヴィゴは潜入捜査官だと思い込んでました。
先日久しぶりに見返して、警察に(恐らくロシアとイギリス双方の)内通している本物のギャングなんだな、と今更気づいて驚いたり。
「RotR」のイメージが強すぎて、犯罪者だってことを脳が受け入れなかったのかな?
先日久しぶりに見返して、警察に(恐らくロシアとイギリス双方の)内通している本物のギャングなんだな、と今更気づいて驚いたり。
「RotR」のイメージが強すぎて、犯罪者だってことを脳が受け入れなかったのかな?
2023/02/25(土) 20:35:43 | URL | 焼き鳥 #9L.cY0cg[ 編集]
>焼き鳥さん
彼は結構変幻自在でいろんな役をやってるけど、あんまキャラが濃くないんですよね。
まあ一番一般的なのがアラゴルン役でしょうから、この役のイメージで彼をみてる人も多いのは理解できます。
彼は結構変幻自在でいろんな役をやってるけど、あんまキャラが濃くないんですよね。
まあ一番一般的なのがアラゴルン役でしょうから、この役のイメージで彼をみてる人も多いのは理解できます。
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(原題:Eastern Promises)
----この映画、ヴィゴ・モーテンセンが
アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされたんだよね。
「うん。だけど、
もっと多くの賞にノミネートされてもよかったんじゃないかな。
デヴィッド・クローネンバーグの、
これはいい意味での成熟を感...
2008/07/09(水) 23:10:08 | ラムの大通り
『ここでしか、生きられない。』
コチラの「イースタン・プロミス」は、「ヒストリー・オブ・バイオレンス」の監督デヴィッド・クローネンバーグと主演ヴィゴ・モーテンセンが再びタッグを組み、6/14公開となったR-18指定のクライム・サスペンスなのですが、早速観て...
2008/07/10(木) 06:05:18 | ☆彡映画鑑賞日記☆彡
邦題はなぜ単数形??
【Story】
ロンドンの病院で産婦人科医をしているアンナ(ナオミ・ワッツ)のもとに、ロシア人の少女が運び込まれる。...
2008/07/11(金) 14:55:02 | Memoirs_of_dai
うー。
2008/07/11(金) 20:27:16 | 映画を観たよ
ロード・オブ・ザ・リングのキャプテンアラゴルン、キングテレコンタールことヴィゴ・モーテンセンがアカデミー主演男優賞にノミ
2008/07/12(土) 12:50:45 | Wilderlandwandar
満 足 度:★★★★★★★★
(★×10=満点)
監 督:デヴィッド・クローネンバーグ
キャスト:ヴィゴ・モーテンセン
ナオミ・ワッツ
ヴァンサン・カッセル
アーミン・ミューラー=スタール
イエ...
2008/07/14(月) 07:29:22 | ★試写会中毒★
デヴィッド・クローネンバーグ監督とヴィゴ・モーテンセンが再びタッグを組んだこの作品、ついつい気になって観に行ってきました。
夫婦の日...
2008/07/15(火) 11:41:31 | コブタの視線
グッと来る重さに満足。ヴィゴ・モーテンセンの演技の渋さに心魅かれまくり。“クライム・ムービー”と覚悟して見たら、意外や今までのこのジャンルの映画に、決して引けを取らない佳作だったのでした。アッパレ。
2008/07/18(金) 00:34:53 | レザボアCATs
□作品オフィシャルサイト 「イースタン・プロミス」□監督 デヴィッド・クローネンバーグ □脚本 スティーヴン・ナイト □キャスト ヴィゴ・モーテンセン、ナオミ・ワッツ、ヴァンサン・カッセル、アーミン・ミューラー=スタール、イエジー・スコリモフスキー、シニ...
2008/07/18(金) 17:29:04 | 京の昼寝~♪
病院で働くアンナの下に、一人の少女が運び込まれる。意識を失くした少女は、女の子を産み落とし、息を引き取る。バッグに入っていた手帳にはロシア語で日記らしいものが書かれており、少女がロシア人であることが分かる。手術に立ち会ったアンナは、少女の身元を確認するた
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2008/07/23(水) 00:20:25 | カリスマ映画論
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「暴力の刻印」
前作「ヒストリー・オブ・バイオレンス」に引き続き、暴力がテーマのクローネンバーグの新作。ロンドンにおけるロシアンマフィアの世界を独自の世...
2008/08/05(火) 16:15:30 | シネ・ガラリーナ
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
出演: ヴィゴ・モーテンセン、ナオミ・ワッツ、ヴァンサン・カッセル
「助産婦のアンナは救急車で運ばれた身元不明のロシア人の少女の手術に立ち会った。少女は死亡、生まれたばかりの娘とロシア語の日記が遺された。
何とか
2008/08/23(土) 11:45:59 | 日々のつぶやき
事件に巻き込まれる助産師の目を通して描かれるロンドンにおけるロシア系マフィアのフィルム・ノワール。監督:デヴィッド・クローネンバーグ出演:ヴィゴ・モーテンセン、ナオミ・ワッツ、ヴァンサン・カッセル、アーミン・ミューラー=スタール、シニード・キューザック...
2008/08/31(日) 20:13:11 | 再出発日記
監督:デヴィット・クローネンバーグ
出演:ヴィゴ・モーテンセン、ナオミ・ワッツ、ヴァンサン・カッセル
評価:86点
ヴァンサン・カッセルにナオミ・ワッツという、私の好きな俳優が主役級で登場してるのだからそれを見ているだけでうれしくなってくる。
今回の...
2008/09/23(火) 01:26:17 | デコ親父はいつも減量中
首都圏より三ヶ月ばかり遅れて公開。『裸のランチ』『クラッシュ』などで知られるデヴ
2008/11/07(金) 21:35:25 | SGA屋物語紹介所
62.イースタン・プロミス■原題:EasternPromises■製作年・国:2007年、イギリス・カナダ■上映時間:100分■字幕:石田泰子■鑑賞日:7月12日、シャンテ・シネ(日比谷)■公式HP:ここをクリックしてください□監督:デヴィッド・クローネンバーグ□脚本:ス...
2009/02/04(水) 22:07:55 | KINTYRE’SDIARY
今日{/kaeru_fine/}から3月ですねぇ。
1月は行く、2月は逃げる(※以下、この話は何度もしているので略{/face_ase2/})
夜勤明けの土日な現在なのですが、
以前夜勤をやっていた頃に比べると体調が戻りにくくなっているようです{/face_hekomu/}
昨日も今日も寝てばっかり...
2009/03/03(火) 22:15:06 | ピロEK脱オタ宣言!…ただし長期計画
とても渋い映画でした。そしてとてもデビッド・クローネンバーグ監督作品とは思えないくらいに格好いい映画でした。ヴィゴ・モーテンセンのモザイクなしで全裸格闘シーンが何かと話題になっていた映画でしたが、個人的にはそのシーンよりも彼の一挙手一投足がとにかく渋く...
2009/05/14(木) 21:31:37 | めでぃあみっくす
ここでしか、生きられない。
2009/07/09(木) 15:35:19 | Addict allcinema 映画レビュー
『イースタン・プロミス』を観ました『ヒストリー・オブ・バイオレンス』のデヴィッド・クローネンバーグ監督とヴィゴ・モーテンセンが再びタッグを組み、ロンドンに暗躍するロシアン・マフィアを描いた犯罪バイオレンスです>>『イースタン・プロミス』関連原題: EASTER...
2009/09/19(土) 21:46:53 | おきらく楽天 映画生活
[デヴィッド・クローネンバーグ] ブログ村キーワードイースタン・プロミス(原題:Eastern Promises)キャッチコピー:ここでしか、生きられない。製作国:イギリス/カナダ/アメリカ製作年:...
2010/02/20(土) 01:07:33 | 映画を感じて考える~大作、カルトムービー問わず映画批評
あらすじ病院で働くアンナの下に、一人の少女が運び込まれ女の子を産み落とし、息を引き取る。赤ん坊の親類を探しに、少女のバッグに入っていたロシア語の日記から、ロシア料理レストランに向かうが・・・。感想アカデミー賞主演男優賞ゴールデン・グローブ作品賞ノミネー...
2010/04/09(金) 20:59:32 | 虎党 団塊ジュニア の 日常 グルメ 映画 ブログ
「イースタン・プロミス」(原題:EasternPromises)は、2007年はイギリス、カナダ、アメリカ合作のクライム・サスペンス&ドラマ映画です。デイヴィッド・クローネンバーグ監督、ヴィゴ...
2015/10/10(土) 23:38:24 | 楽天売れ筋お買い物ランキング
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