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2009年09月27日 (日) | 編集 |
「正義のゆくえ I.C.E特別捜査官」といういかにもな邦題と、ハリソン・フォード主演という事で、殺人事件をモチーフにしたハリウッド製エンタメ映画だと思って気楽に構えていたら、これはなかなかどうして骨太の社会派映画だ。
ハリソンフォードというビッグスターを主演に迎えているが、映画の作りは群像劇。
同じく、移民社会の葛藤を扱った群像劇であったポール・ハギスの「クラッシュ」と似ているが、テーマへのアプローチには独自性があり、非常に観応えのある一本だ。
ロサンゼルス移民・税関執行局のマックス(ハリソン・フォード)は、不法滞在者の摘発現場でメキシコ人女性のミレヤ(アリシー・ブラガ)と出会う。
彼女は一人息子を知人に預けていると訴えるが、そのまま強制送還されてしまう。
マックスは、彼女の残したメモを頼りに息子を保護すると、メキシコのミレヤの実家まで送り届ける。
ところが、ミレヤは入れ違いに息子を探してアメリカに戻ったところだった。
その頃、ハリウッドで成功を夢見て不法滞在中のオーストラリア人女優クレア(アリス・イヴ)は、交通事故相手の移民判定官コール(レイ・リオッタ)に、グリーンカードと引き換えに関係を持つように脅迫される。
コールの妻デニス(アシュレイ・ジャッド)は人権派弁護士で、授業中にイスラム過激派の主張に理解を訴え、FBIに拘束されたバングラディッシュ出身の少女タズリマ(サマー・ビシル)の交渉人を引き受ける。
だがFBIに出向いたデニスに、彼らが示した解放の条件は過酷なものだった。
アメリカに戻ったマックスは、相棒のハミード(クリフ・カーティス)の父親がアメリカに帰化するパーティに招かれるが、そこで出会ったハミードの妹ザーラ(メロディ・カザエ)が、何者かによって射殺されるという事件が発生する・・・
広いLAを舞台に、様々な階層、人種の人々が同時多発的に問題を抱え、それらが形作る葛藤が少しずつ絡み合ってゆくあたり、「クラッシュ」に非常によく似ている。
ただし、人間たちの衝突が齎す結果に関して、ハギスが最終的にLAのホワイトクリスマスというファンタジーに落とし込んで、オブラートに包み込んだのに対して、こちらはあくまでも移民たちが直面するリアルに拘る。
救われる人間よりも、救われない人間の方が目立つ辺りを含めて、物語は辛口だ。
監督のウェイン・クラマーは、南アフリカ生まれの白人で、アメリカに移民して帰化した人物。
なるほど、確かにこの題材はアメリカ生まれのアメリカ人ではなかなか撮れないし、そもそも思いつかないかもしれない。
この作品は、1996年に短編映画として作られた同名作品のプロットを膨らませたリメイクとなるのだが、思えばクラマーが一躍ハリウッドで注目される切欠となった、前作の「ワイルドバレット」も、背景に移民社会の問題があった。
登場人物の直面するシチュエーションは様々だが、移民局でのやり取りなどは、実際に体験した人間ならではのリアルさが感じられる。
私も嘗て移民としてアメリカで暮らし、グリーンカードまで取った経験があるので、その困難さ、実際にカードが発行されるまでの不安感はよくわかる。
ペラペラのプラスチックカードがあるかないかで、その国での立ち位置が180度変わる。
移民にとって、グリーンカードは魔法のカードなのだ。
登場人物のバックグラウンドが丁寧に描かれ、移民イコールアメリカ人の雇用を奪う単純労働者というステロタイプは覆される。
ハリウッド女優を目指すオージーのクレアや南アフリカ出身のミュージシャン、ギャビンの様な白人移民の存在は、当のアメリカにおいても移民という言葉のイメージから外れたものだし、彼らの存在は観客の色眼鏡を取り去る効果があるだろう。
彼らと同じような、夢を求める日本人の不法移民もアメリカにはたくさんいるのである。
そしてバングラディッシュ人の一家、韓国人の一家、そしてマックスの相棒であるハミードの家族の物語は、寛容と不寛容の狭間で、移民サイドから異文化に向き合って生活する困難さが表現されている。
生真面目な少女タズリマは、アメリカ社会の寛容さを信じ、結果的に現実に裏切られる。
彼女の辿る過酷な運命は、9・11以降に変質してしまったアメリカの一つの姿をストレートに現し、ある種の衝撃を観客に感じさせるだろう。
移民してきた者にとって、アメリカ帰化はある意味でアメリカンドリームの控えめなゴールである。
映画はその帰化宣誓式というゴールの喜びと、ゴールに辿り着けずにアメリカを去ってゆく悲しみを巧みに対比させる。
また宣誓式の中でも、ハミードの家族の問題を通して、今度はアメリカ人になるという事の重い意味を突きつける。
世界史に類を見ない実験国家アメリカ合衆国は、実は厳格な原理原則の上に辛うじて成り立っているのである。
ウェイン・クラマー監督は、あくまでもリアルに拘って物語を語ろうとしているが、全体を通すとそれ故の弊害も出ている。
関東地方に匹敵する広さを持つ大ロサンゼルス圏で、人物の交錯があまりにも出来すぎているのだ。
グリーンカードが欲しいオーストラリア人女優とたまたま接触事後を起こしたのがグリーンカードの判定官だったりするのは偶然性に頼りすぎていないか。
同じような構造を持つ「クラッシュ」で、ハギスは全体を寓話として昇華する事でこの問題をクリアしていたが、こちらはリアルに拘ったがゆえに少し気になってしまった。
この映画のテーマは、一般の日本人にとっては、今ひとつピンと来ないかもしれない。
だが、ここに描かれる世界は、既に日本社会にとって合わせ鏡であり、この国の未来にとっても様々な示唆が含まれていると思う。
数的な規模の違いはあれど、既に日本は移民社会であり、ほんの少し設定を変えれば、この映画はそのまま東京を舞台にリメイクする事が可能なのである。
多くの移民が日本に夢を求めて、あるいは経済的な理由でやって来ており、この映画に描かれた人々と同じように、当局の摘発に怯え、何とか生活基盤を保とうと必死に戦っている。
国民としての保護が受けられない移民という立場は、合法・不法を問わずに極めて不安定で、国の政策がほんのちょっと変わっただけで、あるいは当局者の気分次第で生活基盤が簡単に奪われる。
移民政策自体は色々な考え方があるだろうし、不法移民を犯罪として糾弾するのも簡単な事だ。
だが、移民たちには様々な背景があり、同時に社会における絶対的な弱者であることは事実であり、その事を端的に表現したこの作品の持つ意味は大きい。
また、移民は社会を計るバロメーターでもある。
外から人が来る、来たがるというのは、色々な意味でその社会に魅力がある証拠でもある。
逆に言えば、移民が来たがらない様な社会には、既に魅力が無いとも言える。
様々な問題を抱えながら、全世界の人々を惹きつけてきたアメリカには、やはり他の国には無い独特の魔力が存在するのだ。
振り返って、果たして日本社会は何時まで、移民を招き寄せる力を保ち続ける事が出来るのか?
正直なところ、私は少々疑問である。
今回は、映画の舞台となる「ロサンゼルス」という名のカクテルを。
バーボン45ml、レモンジュース20ml、スィートベルモット2dash、砂糖少々と卵を1つ、シェイクしてグラスに注ぐ。
アメリカを代表するバーボンを中心に、様々な素材がハーモニーを作り出すのは、正にアメリカの移民社会の様だ。
ただし、辛口の映画に対して、このカクテルはまろやかに甘酸っぱい。
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ハリソンフォードというビッグスターを主演に迎えているが、映画の作りは群像劇。
同じく、移民社会の葛藤を扱った群像劇であったポール・ハギスの「クラッシュ」と似ているが、テーマへのアプローチには独自性があり、非常に観応えのある一本だ。
ロサンゼルス移民・税関執行局のマックス(ハリソン・フォード)は、不法滞在者の摘発現場でメキシコ人女性のミレヤ(アリシー・ブラガ)と出会う。
彼女は一人息子を知人に預けていると訴えるが、そのまま強制送還されてしまう。
マックスは、彼女の残したメモを頼りに息子を保護すると、メキシコのミレヤの実家まで送り届ける。
ところが、ミレヤは入れ違いに息子を探してアメリカに戻ったところだった。
その頃、ハリウッドで成功を夢見て不法滞在中のオーストラリア人女優クレア(アリス・イヴ)は、交通事故相手の移民判定官コール(レイ・リオッタ)に、グリーンカードと引き換えに関係を持つように脅迫される。
コールの妻デニス(アシュレイ・ジャッド)は人権派弁護士で、授業中にイスラム過激派の主張に理解を訴え、FBIに拘束されたバングラディッシュ出身の少女タズリマ(サマー・ビシル)の交渉人を引き受ける。
だがFBIに出向いたデニスに、彼らが示した解放の条件は過酷なものだった。
アメリカに戻ったマックスは、相棒のハミード(クリフ・カーティス)の父親がアメリカに帰化するパーティに招かれるが、そこで出会ったハミードの妹ザーラ(メロディ・カザエ)が、何者かによって射殺されるという事件が発生する・・・
広いLAを舞台に、様々な階層、人種の人々が同時多発的に問題を抱え、それらが形作る葛藤が少しずつ絡み合ってゆくあたり、「クラッシュ」に非常によく似ている。
ただし、人間たちの衝突が齎す結果に関して、ハギスが最終的にLAのホワイトクリスマスというファンタジーに落とし込んで、オブラートに包み込んだのに対して、こちらはあくまでも移民たちが直面するリアルに拘る。
救われる人間よりも、救われない人間の方が目立つ辺りを含めて、物語は辛口だ。
監督のウェイン・クラマーは、南アフリカ生まれの白人で、アメリカに移民して帰化した人物。
なるほど、確かにこの題材はアメリカ生まれのアメリカ人ではなかなか撮れないし、そもそも思いつかないかもしれない。
この作品は、1996年に短編映画として作られた同名作品のプロットを膨らませたリメイクとなるのだが、思えばクラマーが一躍ハリウッドで注目される切欠となった、前作の「ワイルドバレット」も、背景に移民社会の問題があった。
登場人物の直面するシチュエーションは様々だが、移民局でのやり取りなどは、実際に体験した人間ならではのリアルさが感じられる。
私も嘗て移民としてアメリカで暮らし、グリーンカードまで取った経験があるので、その困難さ、実際にカードが発行されるまでの不安感はよくわかる。
ペラペラのプラスチックカードがあるかないかで、その国での立ち位置が180度変わる。
移民にとって、グリーンカードは魔法のカードなのだ。
登場人物のバックグラウンドが丁寧に描かれ、移民イコールアメリカ人の雇用を奪う単純労働者というステロタイプは覆される。
ハリウッド女優を目指すオージーのクレアや南アフリカ出身のミュージシャン、ギャビンの様な白人移民の存在は、当のアメリカにおいても移民という言葉のイメージから外れたものだし、彼らの存在は観客の色眼鏡を取り去る効果があるだろう。
彼らと同じような、夢を求める日本人の不法移民もアメリカにはたくさんいるのである。
そしてバングラディッシュ人の一家、韓国人の一家、そしてマックスの相棒であるハミードの家族の物語は、寛容と不寛容の狭間で、移民サイドから異文化に向き合って生活する困難さが表現されている。
生真面目な少女タズリマは、アメリカ社会の寛容さを信じ、結果的に現実に裏切られる。
彼女の辿る過酷な運命は、9・11以降に変質してしまったアメリカの一つの姿をストレートに現し、ある種の衝撃を観客に感じさせるだろう。
移民してきた者にとって、アメリカ帰化はある意味でアメリカンドリームの控えめなゴールである。
映画はその帰化宣誓式というゴールの喜びと、ゴールに辿り着けずにアメリカを去ってゆく悲しみを巧みに対比させる。
また宣誓式の中でも、ハミードの家族の問題を通して、今度はアメリカ人になるという事の重い意味を突きつける。
世界史に類を見ない実験国家アメリカ合衆国は、実は厳格な原理原則の上に辛うじて成り立っているのである。
ウェイン・クラマー監督は、あくまでもリアルに拘って物語を語ろうとしているが、全体を通すとそれ故の弊害も出ている。
関東地方に匹敵する広さを持つ大ロサンゼルス圏で、人物の交錯があまりにも出来すぎているのだ。
グリーンカードが欲しいオーストラリア人女優とたまたま接触事後を起こしたのがグリーンカードの判定官だったりするのは偶然性に頼りすぎていないか。
同じような構造を持つ「クラッシュ」で、ハギスは全体を寓話として昇華する事でこの問題をクリアしていたが、こちらはリアルに拘ったがゆえに少し気になってしまった。
この映画のテーマは、一般の日本人にとっては、今ひとつピンと来ないかもしれない。
だが、ここに描かれる世界は、既に日本社会にとって合わせ鏡であり、この国の未来にとっても様々な示唆が含まれていると思う。
数的な規模の違いはあれど、既に日本は移民社会であり、ほんの少し設定を変えれば、この映画はそのまま東京を舞台にリメイクする事が可能なのである。
多くの移民が日本に夢を求めて、あるいは経済的な理由でやって来ており、この映画に描かれた人々と同じように、当局の摘発に怯え、何とか生活基盤を保とうと必死に戦っている。
国民としての保護が受けられない移民という立場は、合法・不法を問わずに極めて不安定で、国の政策がほんのちょっと変わっただけで、あるいは当局者の気分次第で生活基盤が簡単に奪われる。
移民政策自体は色々な考え方があるだろうし、不法移民を犯罪として糾弾するのも簡単な事だ。
だが、移民たちには様々な背景があり、同時に社会における絶対的な弱者であることは事実であり、その事を端的に表現したこの作品の持つ意味は大きい。
また、移民は社会を計るバロメーターでもある。
外から人が来る、来たがるというのは、色々な意味でその社会に魅力がある証拠でもある。
逆に言えば、移民が来たがらない様な社会には、既に魅力が無いとも言える。
様々な問題を抱えながら、全世界の人々を惹きつけてきたアメリカには、やはり他の国には無い独特の魔力が存在するのだ。
振り返って、果たして日本社会は何時まで、移民を招き寄せる力を保ち続ける事が出来るのか?
正直なところ、私は少々疑問である。
今回は、映画の舞台となる「ロサンゼルス」という名のカクテルを。
バーボン45ml、レモンジュース20ml、スィートベルモット2dash、砂糖少々と卵を1つ、シェイクしてグラスに注ぐ。
アメリカを代表するバーボンを中心に、様々な素材がハーモニーを作り出すのは、正にアメリカの移民社会の様だ。
ただし、辛口の映画に対して、このカクテルはまろやかに甘酸っぱい。

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この記事へのコメント
とても力強いレビューですね。
ノラネコさんの底力を見た思い。
いよいよ(?)ノラネコさんに会うのが
怖くなってきました。
ノラネコさんの底力を見た思い。
いよいよ(?)ノラネコさんに会うのが
怖くなってきました。
ノラネコさん、こんばんは!
ノラネコさんってグリーンカードまでとってたんですねー。
アメリカ生活長いとは聞いていましたが、まさに本作にあるような体験されていたんですね。
僕も本作は日本にも置き換えることができる話だと思いました。
前にいた職場に中国出身の同僚がいましたが、日本に帰化したのですけれど、そのときは嬉しそうでしたね。
先日のフィリピン人親子のニュースは悲劇でしたし。
実は対岸の火事じゃないんですよね。
ノラネコさんってグリーンカードまでとってたんですねー。
アメリカ生活長いとは聞いていましたが、まさに本作にあるような体験されていたんですね。
僕も本作は日本にも置き換えることができる話だと思いました。
前にいた職場に中国出身の同僚がいましたが、日本に帰化したのですけれど、そのときは嬉しそうでしたね。
先日のフィリピン人親子のニュースは悲劇でしたし。
実は対岸の火事じゃないんですよね。
ノラネコ様、今晩は。
グリーンカード取得経験のある方ならではの、力のこもった文章、拝見致しました。
貴殿の文章に負けず劣らず、本映画も力作でしたね。これ程気合いの入った、しかもハリソン・フォード氏主演作品が、都内でたったの1館、関東全域でも3劇場でしか公開されていないとは・・・
世の中間違ってる(笑)
グリーンカード取得経験のある方ならではの、力のこもった文章、拝見致しました。
貴殿の文章に負けず劣らず、本映画も力作でしたね。これ程気合いの入った、しかもハリソン・フォード氏主演作品が、都内でたったの1館、関東全域でも3劇場でしか公開されていないとは・・・
世の中間違ってる(笑)
2009/09/28(月) 22:51:47 | URL | 埼玉の孤狼 #-[ 編集]
>えいさん
ありがとうございます。
自分の実体験を思い出させる内容だったこともあり、力が入ってしまいました。
えいさんの様な大先輩にお褒めの言葉をいただき恐縮です。
いつか飲みましょうね。
>はらやんさん
そうなんですよ。
グリーンカードの最終判定の面接を受けた時の事とか思い出しました。
最後に「Congratulations!」と言われた時は嬉しかったですね。
あの時は何れアメリカに帰化するつもりで、日本に帰国するなんて思っても観なかったですから、人生わからないものです。
勿体無かったですが、今は放棄してしまいました。
>僕も本作は日本にも置き換えることができる話だと思いました。
その通りです。既に日本はアメリカのミニチュア版。
ステロタイプを脱して、一人一人が知るべきことは多いと思います。
私の知人にも強制送還された人がいますが、彼は合法的就労ビサを持っていたにも関わらず、突然収容されてしまったのです。
その理由というのはビサ申請の書類が不正だったというのですが、調べてみるとそれは彼のせいではなく、ビサを発行した日本大使館のミスだったのです。
弁護士が色々と手を尽くしましたが、らちがあかず、最後には日本に愛想を尽かして自主退去してしまいました。
知らない人から見れば、彼は単なる不法移民になってしまう訳で、やりきれない気持ちになります。
>埼玉の孤狼さん
大変な力作でした。
地味な映画とは言え、この規模での上映はもったいないですねえ。
もっとも、この作品は本国アメリカでもあまり注目されずに終ってしまったようです。
どちらかというと移民目線で、一般のアメリカ人にとっては、自分たちの社会の隠しておきたい部分を描いているからだと思います。
しかし観た人には軒並み好評なので、後からじわじわと評価が高まってくる映画だと思います。
ハリソン・フォードも、あえてこの映画に出るとは、ちょっと見直しました。
ありがとうございます。
自分の実体験を思い出させる内容だったこともあり、力が入ってしまいました。
えいさんの様な大先輩にお褒めの言葉をいただき恐縮です。
いつか飲みましょうね。
>はらやんさん
そうなんですよ。
グリーンカードの最終判定の面接を受けた時の事とか思い出しました。
最後に「Congratulations!」と言われた時は嬉しかったですね。
あの時は何れアメリカに帰化するつもりで、日本に帰国するなんて思っても観なかったですから、人生わからないものです。
勿体無かったですが、今は放棄してしまいました。
>僕も本作は日本にも置き換えることができる話だと思いました。
その通りです。既に日本はアメリカのミニチュア版。
ステロタイプを脱して、一人一人が知るべきことは多いと思います。
私の知人にも強制送還された人がいますが、彼は合法的就労ビサを持っていたにも関わらず、突然収容されてしまったのです。
その理由というのはビサ申請の書類が不正だったというのですが、調べてみるとそれは彼のせいではなく、ビサを発行した日本大使館のミスだったのです。
弁護士が色々と手を尽くしましたが、らちがあかず、最後には日本に愛想を尽かして自主退去してしまいました。
知らない人から見れば、彼は単なる不法移民になってしまう訳で、やりきれない気持ちになります。
>埼玉の孤狼さん
大変な力作でした。
地味な映画とは言え、この規模での上映はもったいないですねえ。
もっとも、この作品は本国アメリカでもあまり注目されずに終ってしまったようです。
どちらかというと移民目線で、一般のアメリカ人にとっては、自分たちの社会の隠しておきたい部分を描いているからだと思います。
しかし観た人には軒並み好評なので、後からじわじわと評価が高まってくる映画だと思います。
ハリソン・フォードも、あえてこの映画に出るとは、ちょっと見直しました。
2009/09/28(月) 23:46:42 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
TB&コメントありがとうございました。
この作品を観終わった時、1度見ただけでは「どう思う、こう思う」と語れない印象でした。
繰り返して見たり、こうして他のブロガーさんのレビューを拝見することで、徐々に自分が何かを感じる事ができるようになるのかなとイメージしてたのですが。
ただのレビューではなく、ノラネコさんの経験者は語るご意見を拝見すると、また深く考えさせられます。
とても見応えのある作品でした。
でも、日本語タイトルは何だかなぁって部分がありますよね。
サブタイトルつけて説明するスタイルじゃなくて、いっそ直訳とか原題そのままとかの方がいいような気も・・・。
この作品を観終わった時、1度見ただけでは「どう思う、こう思う」と語れない印象でした。
繰り返して見たり、こうして他のブロガーさんのレビューを拝見することで、徐々に自分が何かを感じる事ができるようになるのかなとイメージしてたのですが。
ただのレビューではなく、ノラネコさんの経験者は語るご意見を拝見すると、また深く考えさせられます。
とても見応えのある作品でした。
でも、日本語タイトルは何だかなぁって部分がありますよね。
サブタイトルつけて説明するスタイルじゃなくて、いっそ直訳とか原題そのままとかの方がいいような気も・・・。
>となひょうさん
全体に移民目線なので、余計に感情移入してしまいました。
私の知ってる移民局の役人は結構横柄な人が多くて、ハリソンフォードみたいな人情派はあんまり記憶に無いですが(笑
これは別にサスペンスでも正義に関する映画でもないので、原題の「Crossing Over」のニュアンスを伝えるような邦題にしてほしかったですね。
全体に移民目線なので、余計に感情移入してしまいました。
私の知ってる移民局の役人は結構横柄な人が多くて、ハリソンフォードみたいな人情派はあんまり記憶に無いですが(笑
これは別にサスペンスでも正義に関する映画でもないので、原題の「Crossing Over」のニュアンスを伝えるような邦題にしてほしかったですね。
2009/09/30(水) 00:16:27 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
確かに『クラッシュ』と比べるとちょっと劣るかな?って感じなんですよね。
でも多分それは監督の力量の差なんでしょう。
まぁそれだけポール・ハギスが凄いということでもあると思うのですが。
それでもやはり移民である監督が撮っただけに、皮肉たっぷりなところが秀逸でしたよ。
でも多分それは監督の力量の差なんでしょう。
まぁそれだけポール・ハギスが凄いということでもあると思うのですが。
それでもやはり移民である監督が撮っただけに、皮肉たっぷりなところが秀逸でしたよ。
>にゃむばななさん
似たテーマを同じような作った事もあって、どうしても比べてしまいますが、やっぱりこっちは御都合主義に見えてしまう部分があるんですよね。
そのあたり、やはりハギスの上手さが際立つのですが、愚直なまでにストレート勝負にでたクラマーもなかなかに良い仕事をしていたと思います。
似たテーマを同じような作った事もあって、どうしても比べてしまいますが、やっぱりこっちは御都合主義に見えてしまう部分があるんですよね。
そのあたり、やはりハギスの上手さが際立つのですが、愚直なまでにストレート勝負にでたクラマーもなかなかに良い仕事をしていたと思います。
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9.11以降、米国の移民を描く作品には強い問題意識がある。そこには自由の国であるための不自由があり、移民で構成された国ゆえの苦悩が見えるかのようだ。LA移民局のベテラン捜査官マックスは、不法滞在の移民たちを取り締まる立場だが、彼らの境遇に同情的だった。そん...
2009/09/28(月) 00:04:54 | 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子公式HP
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コチラの「正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官」は、全米に1,100万人いると言われる不法滞在者問題を真摯に受け止め描いた9/19公開のPG-12指定の社会派サスペンスなのですが、早速観て来ちゃいましたぁ~♪なんでもハリ...
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【2009年・アメリカ】試写で鑑賞(★★★☆☆)
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マッ...
2009/09/28(月) 01:12:28 | ともやの映画大好きっ!
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----ハリソン・フォード久しぶりだよね?
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----それって逆に言えば、
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2009/09/28(月) 05:58:07 | ラムの大通り
ハリソン・フォードが出演・・・でもメジャーなエンタメ作品じゃなかったのがこの作品。移民・関税捜査局の捜査員マックス・ブローガンが出会い救えた人と、救えなかった人。。。彼のアラブ系の同僚が失った愛する家族と、救うことができたアジア系の少年自分の感じたことを
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アメリカで1,100万人以上の不法滞在者がいるとされる現実を背景に、現代アメリカの抱える移民問題をリアルに描いた社会派ヒューマンドラマ。職務と正義の間で苦悩する移民局の捜査官をハリソン・フォードが熱演するほか、『BUG/バグ』のアシュレイ・ジャッド、『ダウト』?...
2010/06/16(水) 23:57:28 | サーカスな日々
9・11同時テロ多発事件以降、深刻化する米国の不法移民問題をハリソン・フォード主演で描く社会派サスペンス「正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官」(2009年、米、113分)。この映画は、様々な人種の移民を取り上げた群像劇で、不法移民らの過酷な現状と問題点を浮?...
2010/07/18(日) 23:20:02 | シネマ・ワンダーランド
本日{/kaeru_fine/}二度目の投稿(前のは寝る前の夜中ですが{/face_nika/})
ひとつ前の「サロゲート」の記事で、古いHDDレコーダーの故障{/face_hekomu/}に伴って、ブルーレイ&HDDレコーダーと、プラズマTV(42インチ)を買った事は書きましたが、最近の我が家の散在?...
2010/08/08(日) 23:28:20 | ピロEK脱オタ宣言!…ただし長期計画
紹介文ロサンゼルス、移民・関税執行局(I.C.E.)のベテラン捜査官マックス・ブローガンは、不法滞在の移民たちを取り締まりながらも、彼らの境遇に同情していた。メキシコから不法入...
2010/09/02(木) 11:32:43 | ばみの乱読日記 と猫雑貨。
正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官
移民に同情的な捜査官の心情と
周辺の出来事を平行して描く...
【個人評価:★★ (2.0P)】 (自宅鑑賞)
原題:Crossing Over
2010/12/22(水) 01:47:28 | 『映画な日々』 cinema-days
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