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2010年09月08日 (水) | 編集 |
2008年に米国で放送を開始した「FRINGE(フリンジ)」は、まさに現代版の「X‐ファイル」と言えるだろう。
“パターン”と呼ばれる超常現象に、FBI捜査官のオリビア・ダナムと、無頼漢の天才ピーター・ビショップ、それにピーターの父でマッドサイエンティストのウォルター・ビショップ博士が挑む。
やがてパターンの出現には、我々の世界と平行して存在する“もう一つの世界”が関わっている事がわかってくる、という物だ。
まあ一部ではパクリという声もある様で、実際否定しがたい部分もあるが、私はある種の進化系として楽しんでいる。
テレビドラマ史に一時代を築いたあの番組が、21世紀の初頭に終了して以降も、超常現象を扱ったドラマは沢山作られてきたが、恐らくJ・J・エイブラムスはそのどれもが微妙に「X‐ファイル」のマーケットを外している事に気付き、かなり意図的に似せて作ったのだと思う。
実際、両ドラマのコンセプトは非常に近い。
物語は全体に大きな流れを持つものの、基本的には一話完結で、扱うネタはSFからホラーの領域まで幅広く、主人公はどちらもFBI捜査官で、対照的な性格の男女がペアを組む。
彼らの過去に巨大な陰謀が見え隠れし、謎が謎を呼ぶ形で世界観が広がって行くのも同じ。
「フリンジ」におけるパラレルワールドの“もう一つの世界”を巡る謎は、「X-ファイル」のエイリアンの地球侵入を置き換えたものだ。
そもそも「LOST」や「クローバーフィールド HAKAISHA」でもエイブラムスが用いた、ティーザー的なストーリー展開の元祖が「X-ファイル」だとも言えるだろう。
だが同時に相違点もある。
「X-ファイル」がシリーズの末期に力を失っていった原因は、風呂敷を広げすぎて単発のエピソードとエイリアンを巡る謎というドラマのバランスが崩れ、全体が流れを失ってダラダラとした展開に陥ってしまったことにある。
対して「フリンジ」では一話ごとのエピソードに対して、“もう一つの世界”の比重がドラマ全体で強く、どちらかと言うと単発のエピソードが全体のサブストーリーとなる構成になっており、容易に「X-ファイル」の陥った罠には嵌らない様に工夫されている。
またオリビアとピーターという二人の主人公にプラスして、かなり不思議ちゃんなマッドサイエンティストのウォルターを登場させて、トライアングルを形作り、チーム物にしているのも最近のヒットドラマの法則通りだ。
セカンドシーズンでは、いよいよ作品の世界観が全体像を見せつつあるという印象だ。
第一話となる「A New Day in the Old Town」で監督・脚本を努めるのは、「ビューティフルマインド」のアカデミー賞脚本家アキヴァ・ゴールズマン。
昨年ファーストシーズンの「悪夢」で監督デビューしたゴールズマンだが、セカンドシーズンでは第一話と二部構成となる最終回のエピソードで監督を務めている。
最も重要な新シーズンの掴みを負かされるのだから、演出家としての手腕もかなりのもの。
第一話では、前シーズンの最終回で“もう一つの世界”へと消えたオリビアが意外な形で帰還するところから始まり、彼女を追って姿を自在に変える異世界の兵士、シェイプシフターが登場し、スリリングに展開する。
オリビアの命を狙う見えない敵とのサスペンスを描きながら、セカンドシーズンの世界観をじんわりとオープンにしてゆくストーリーテリングの手腕はさすがに上手い。
このシェイプシフターというキャラクターは「X-ファイル」の無敵兵士に良く似たキャラクターだが、ある意外性のある人物に姿を変えるので今後かなり物語に関与してきそうだ。
第二話の「Night of Desirable Objects」は「セッション9」や「マシニスト」のブラッド・アンダーソン監督作品。
ある田舎町で人々が失踪する事件が発生、どうやら彼らは何か捕食生物によって地中に引きずり込まれた事がわかる。
こちらはうって変わって古典的なモンスターホラーで、単発物としての色彩が強い作品だ。
セカンドシーズンでは第十話の「Grey Matters」を監督しているヤノット・シュワルツにも注目したい。
90年代以降はテレビや母国フランスでの仕事が多い大ベテランだが、元々B級SFの佳作「燃える昆虫軍団」や「JAWS2」などの監督として知られるだけあって、サスペンス物も手堅い。
それに何よりもこの人の最高傑作は、故クリストファー・リーヴとジェーン・シーモアの時空を超えたロマンスを描いた「ある日どこかで」であろう。
この作品の原作者が、超常現象ドラマの元祖とも言える「トワイライトゾーン」に多くの物語を提供しているリチャード・マシスンである事を考えると、最も相応しい演出家と言えるかもしれない。
ちなみにアキヴァ・ゴールズマンが脚本を手掛けた「アイ・アム・レジェンド」もマシスンの原作である。
まあ必ずしも成功とは言えない作品だったが・・・・。
何れにしても、テレビ初期から続く超常現象ドラマの正統な継承作品と言える「フリンジ」は、今後の展開が楽しみな作品である。
米国ではもうすぐサードシーズンが始まるというが、とりあえずこちらはセカンドシーズン。
エイブラムスの生み出したもう一つのヒットシリーズ「LOST」がいよいよ大団円を迎えるので、今後はこちらにもますます力が入るだろう。
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“パターン”と呼ばれる超常現象に、FBI捜査官のオリビア・ダナムと、無頼漢の天才ピーター・ビショップ、それにピーターの父でマッドサイエンティストのウォルター・ビショップ博士が挑む。
やがてパターンの出現には、我々の世界と平行して存在する“もう一つの世界”が関わっている事がわかってくる、という物だ。
まあ一部ではパクリという声もある様で、実際否定しがたい部分もあるが、私はある種の進化系として楽しんでいる。
テレビドラマ史に一時代を築いたあの番組が、21世紀の初頭に終了して以降も、超常現象を扱ったドラマは沢山作られてきたが、恐らくJ・J・エイブラムスはそのどれもが微妙に「X‐ファイル」のマーケットを外している事に気付き、かなり意図的に似せて作ったのだと思う。
実際、両ドラマのコンセプトは非常に近い。
物語は全体に大きな流れを持つものの、基本的には一話完結で、扱うネタはSFからホラーの領域まで幅広く、主人公はどちらもFBI捜査官で、対照的な性格の男女がペアを組む。
彼らの過去に巨大な陰謀が見え隠れし、謎が謎を呼ぶ形で世界観が広がって行くのも同じ。
「フリンジ」におけるパラレルワールドの“もう一つの世界”を巡る謎は、「X-ファイル」のエイリアンの地球侵入を置き換えたものだ。
そもそも「LOST」や「クローバーフィールド HAKAISHA」でもエイブラムスが用いた、ティーザー的なストーリー展開の元祖が「X-ファイル」だとも言えるだろう。
だが同時に相違点もある。
「X-ファイル」がシリーズの末期に力を失っていった原因は、風呂敷を広げすぎて単発のエピソードとエイリアンを巡る謎というドラマのバランスが崩れ、全体が流れを失ってダラダラとした展開に陥ってしまったことにある。
対して「フリンジ」では一話ごとのエピソードに対して、“もう一つの世界”の比重がドラマ全体で強く、どちらかと言うと単発のエピソードが全体のサブストーリーとなる構成になっており、容易に「X-ファイル」の陥った罠には嵌らない様に工夫されている。
またオリビアとピーターという二人の主人公にプラスして、かなり不思議ちゃんなマッドサイエンティストのウォルターを登場させて、トライアングルを形作り、チーム物にしているのも最近のヒットドラマの法則通りだ。
セカンドシーズンでは、いよいよ作品の世界観が全体像を見せつつあるという印象だ。
第一話となる「A New Day in the Old Town」で監督・脚本を努めるのは、「ビューティフルマインド」のアカデミー賞脚本家アキヴァ・ゴールズマン。
昨年ファーストシーズンの「悪夢」で監督デビューしたゴールズマンだが、セカンドシーズンでは第一話と二部構成となる最終回のエピソードで監督を務めている。
最も重要な新シーズンの掴みを負かされるのだから、演出家としての手腕もかなりのもの。
第一話では、前シーズンの最終回で“もう一つの世界”へと消えたオリビアが意外な形で帰還するところから始まり、彼女を追って姿を自在に変える異世界の兵士、シェイプシフターが登場し、スリリングに展開する。
オリビアの命を狙う見えない敵とのサスペンスを描きながら、セカンドシーズンの世界観をじんわりとオープンにしてゆくストーリーテリングの手腕はさすがに上手い。
このシェイプシフターというキャラクターは「X-ファイル」の無敵兵士に良く似たキャラクターだが、ある意外性のある人物に姿を変えるので今後かなり物語に関与してきそうだ。
第二話の「Night of Desirable Objects」は「セッション9」や「マシニスト」のブラッド・アンダーソン監督作品。
ある田舎町で人々が失踪する事件が発生、どうやら彼らは何か捕食生物によって地中に引きずり込まれた事がわかる。
こちらはうって変わって古典的なモンスターホラーで、単発物としての色彩が強い作品だ。
セカンドシーズンでは第十話の「Grey Matters」を監督しているヤノット・シュワルツにも注目したい。
90年代以降はテレビや母国フランスでの仕事が多い大ベテランだが、元々B級SFの佳作「燃える昆虫軍団」や「JAWS2」などの監督として知られるだけあって、サスペンス物も手堅い。
それに何よりもこの人の最高傑作は、故クリストファー・リーヴとジェーン・シーモアの時空を超えたロマンスを描いた「ある日どこかで」であろう。
この作品の原作者が、超常現象ドラマの元祖とも言える「トワイライトゾーン」に多くの物語を提供しているリチャード・マシスンである事を考えると、最も相応しい演出家と言えるかもしれない。
ちなみにアキヴァ・ゴールズマンが脚本を手掛けた「アイ・アム・レジェンド」もマシスンの原作である。
まあ必ずしも成功とは言えない作品だったが・・・・。
何れにしても、テレビ初期から続く超常現象ドラマの正統な継承作品と言える「フリンジ」は、今後の展開が楽しみな作品である。
米国ではもうすぐサードシーズンが始まるというが、とりあえずこちらはセカンドシーズン。
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