2011年02月13日 (日) | 編集 |
日本人の知らない、日本人の戦争。
第二次大戦下のサイパン島で、日本軍の玉砕後も、実に512日間も戦い続けた兵士達がいた。
「太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-」は、神出鬼没のゲリラ戦で、“狐の様に賢い”と米軍に恐れられた、大場栄大尉を主人公にした戦争秘話。
これは、イーストウッドによる「硫黄島からの手紙」という見事な“邦画”に対する、日本映画界からの返信と言える渾身の力作である。
1944年6月、サイパンに米軍が上陸。
圧倒的な戦力の前に、島の日本軍は玉砕した。
僅かな残存兵力を集めた大場栄大尉(竹之内豊)は、ゲリラ戦を行うべく、島の中央部にあるタッポーチョ山に向っていた。
途中で二百人もの民間人が潜む野営地に遭遇した大場は、彼らを守りながら米軍に抵抗を続ける事を決めるのだが、それは長い長い苛酷な戦いの始まりだった・・・・・
原作は、サイパン島攻略に従軍した元アメリカ海兵隊員、ドン・ジョーンズの著した「タッポーチョ 「敵ながら天晴」 大場隊の勇戦512日」と「OBA, THE LAST SAMURAI」の二編。
アメリカ人の書いた本ながら、「タッポーチョ~」は日本で先行出版され、「OBA~」はその英語版なのだが、ハリウッドでの映画化を目指してよりエンターテイメント性が強くなっているという。
本作はこの二つの本をベースに、日米混成の脚本チームがプロットを組み、更に脚色を加えている。
私は「タッポーチョ」の方を昔読んだのだが、これが実に面白い。
映画とは違って、本では著者のジョーンズが、“戦友”である大場を訪ねて「サイパンでのあなたの戦いを、本にしたい」と言う所から始まる。
最初大場は、今更あの戦争を振り返るなんてと否定的だったが、嘗て戦場で敵味方に別れ、生死を賭して戦ったジョーンズと話すうちに、心に過るものがあったのか、最終的に本の執筆を許可する。
主人公は日本の軍人であるにも関わらず、アメリカ人によってその戦いが記録されたという原作の経緯が、本作にユニークな視点をもたらしているのは間違いないだろう。
映画でも、日米双方の視点が交互に描かれ、しかも面白い事に、それぞれの言語によって監督も別れているという。
日本語が支配的なパートは平山秀幸監督が演出し、英語が支配的なパートはリメイク版「サイドウェイズ」のチェリン・グラック監督が担当している。
全く個性の異なる二人の監督の演出が同居しているのだから、下手をするとバラバラに空中分解しそうに思えるが、不思議とそうはなっていない。
それは物語の構造が、日米それぞれのパートを対等の視点に位置づけているからだ。
脚本化作業は、チェリン・グラックとカナダ人脚本家のグレゴリー・マーケットが先行して「OBA~」をベースに進め、それから「タッポーチョ~」の要素を掛け合わせた上で、ベテランの西岡琢也が纏め上げている。
この過程で上手く日米のパートが色分けされ、アメリカ側にも日本通のルイス大尉という主人公を置いたことで、本作は言わば硫黄島二部作を、一本の映画の中でやった様な、独特の視点を持つ作品になっているのである。
結果的に、本作はある種の日本人論の様な側面も持つ。
ルイス大尉が、上官に日本人の考え方を理解させるのに、将棋とチェスのルールの違いを使うあたりは面白い。
もちろん、当時の日本軍人と観客である今の日本人は思考が大きく異なるので、このあたりの構造は、若い日本の観客に対する帝国軍人論としても機能しているのだろう。
主人公の大場大尉は、決してヒロイックな人物ではない。
原作によれば、彼は米軍に向けて突撃を繰り返しているうちに、いつの間にか米軍を通り越して背後に出てしまい、結果的に残存兵力を集めて指揮する様になったに過ぎない。
“フォックス”として米軍に恐れられたのは事実だが、映画ではそれほど戦闘の描写は多くなく、戦果もどちらかと言うと半分偶然に助けられた結果に見える。
大場という人物が物語の主役足りえているのは、彼が軍人として、人間として、様々な葛藤を抱えながらも芯の部分ではぶれず、魅力的なリーダーとして、その時々で最良の決断をしているからだろう。
本作のプロットには、いくつもの対立要素が配置されている。
日米両軍の対立だけでなく、それぞれの内部にも異なる価値観を持つ集団や個人が存在し、それがドラマチックな葛藤に繋がる。
幸運にも玉砕戦を生き残った大場は、戦友たちの仇に米兵を100人殺すと宣言するヤクザ上がりの一等兵、堀内と出会う。
軍籍にありながら、もはや命令では動かない堀内と、あくまでも指揮官として皆を束ねる大場のコントラストが日本側のパートで良いメリハリを生んでいる。
朴訥とした好人物である大場を竹野内豊が好演。
俳優としてはあまり器用な人ではないと思うが、涼しげな風貌と穏やかな語り口がキャラクターにマッチし、自然な存在感は説得力がある。
対照的に、そり上げたスキンヘッドと派手なモンモンを背負った堀内を、唐沢寿明がインパクトたっぷりに演じる。
ちなみに、原作で描かれる堀内の最期は、映画に輪をかけて壮絶な物で、その怒りは大場に決して降伏しないという思いを、改めて抱かせる事になる。
そして、大場の葛藤の最大の源と言えるのが、行動を共にする二百人もの民間人の存在だ。
軍隊が最大のプライオリティを置くべきは、敵を攻撃し殲滅する事なのか、自国民を守る事なのかという、軍人としての究極の選択を常に迫られるのである。
まあ大体において、歴史上では前者が優先され、特に日本軍は基本的に国民の軍隊ではなくて天皇の軍隊という思想が根強かったので、多くの民間人が犠牲にされたのは周知の通り。
大場も最初は民間人の面倒を見るつもりは無かったのだが、丸腰の彼らが攻撃目標にされた事で、思い直して保護する事にする。
このあたりの対応を見ても、基本的に彼は優しく、過剰に理念に囚われずに、目の前の状況で何をすべきかを判断できる、非常にロジカルな指揮官だったのだろうと思う。
とは言え、民間人を守りつつも米軍と戦えば、当然多くの無理が出てくるわけで、状況はジリジリと悪化し続け、遂に大場は民間人を米軍に投降させる事を決断する。
面白いのは、捕虜収容所が日米双方の交錯する場所として機能している事で、米軍は日本軍を投降させるために、日本軍は戦い続けるために、お互いが収容所の人間を利用し、結果的にそれが交渉の接点にもなるのである。
大場たちが戦い続ける間にも、日本にとって戦況は悪化し続け、とうとう8月15日がやってくる。
タッポーチョにも、日本の敗戦は知らされるが、大場はなおも降伏しない。
サイパンの戦いで将軍たちは自決し、多くの将兵は玉砕し、民間人はバンザイクリフから飛び降りた。
やがて東京は焼け野原となり、広島・長崎は一瞬で蒸発し、遂に天皇は玉音放送を流し、無条件降伏の憂目を見る。
それは大日本帝国という国家の敗北だが、実はそれと個人とは関係ない。
帝国軍人である大場栄という人物が、現在の我々から見ても、あまつさえ敵国であるアメリカから見ても、リーダーとして魅力的であるのは、彼が国家に従属した存在ではなく、個人として説得力を持った振る舞いをしたからに他ならない。
彼は職業軍人であり、敵と戦い、民間人を守り、妥協すべきはして無駄な犠牲を避け、それでも最後まで誇りを捨てなかった。
国家という概念にただ従属してしまうのでなく、能動的にアイデンティティを定め、忠実に生きたのだ。
日本は負けたかもしれないが、彼らは別に誰に対しても負けていない、だから降伏はしない。
しかしながら、軍人であるからには、上官の命令には従う。
このギリギリの落とし所は、奇しくも戦後29年に渡って、フィリピンのルバング島で戦い続けた、小野田寛郎少尉と同じである。
本作の原作がアメリカ人によって書かれたという事実は、重要な示唆に富む。
我々は、歴史をマクロ的に俯瞰する事は多いが、それが多くの個と言うミクロによって構成されている事を忘れがちだ。
特に、第二次世界大戦の記憶は、マクロの視点から恥の歴史と捉えられて来た故に、ミクロを見ることを避ける傾向が強いのではないか。
もちろん歴史観には様々な立場の人がいるだろうが、大概において善か悪か白黒大雑把な傾向は否めない。
原作者のドン・ジョーンズは、あとがきでこの物語は、日本人の“知識の真空状態”を埋める物だと書いている。
本作には、主人公の大場栄大尉以外にも、日米双方に非常に沢山のキャラクターが登場する。
アメリカへの復讐心を抱く看護師、降伏を受け入れず一人密林に消える兵士、和平を取り持ったがために命を落とす通訳、あるいはフォックスに翻弄される米軍指揮官。
一本の映画としてみると、詰め込まれた沢山のエピソードは、消化不良の部分も多い。
だが、この作品が重要なのは、あの時その場所にいた一人一人に語るべき物語があるはずで、それは同時に我々が知るべき物語だと言う事を、改めて気付かせてくれる事にある。
だからこそ本作は、イーストウッドが投げかけた問いへの、真摯な返信と成っているのである。
今回は、四年前に「父親たちの星条旗」に合わせた、埼玉県の神亀の古酒「ひこ孫 時のながれ」をチョイス。
長期熟成された最高品質の日本酒は、まるで極上のブランデーの様な独特のまろやかさとコクを獲得し、正に至高の一本と言える。
日本からも、漸くこの酒に相応しい戦争映画の名品が生まれた。
最高級の日本酒に感じるのと同等の、丁寧な仕事と作り手の想いが伝わってくる作品なのである。
出来れば、この映画と酒だけでなく、原作も多くの人に読んでもらいたいのだけど、残念ながら現在は絶版になっている。
せっかく映画化されるのだから、ノベライズだけでなく、原作も復刊して欲しいものだ。
追記:どうやら映画の公開にあわせて、2月4日に原作が復刊されていた模様。
タイトルが「タッポーチョ 太平洋の奇跡」と変わっているが、この名著が再び日本人の目に触れるのは喜ばしい。
故ドン・ジョーンズも草葉の陰で喜んでいるだろう。
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第二次大戦下のサイパン島で、日本軍の玉砕後も、実に512日間も戦い続けた兵士達がいた。
「太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-」は、神出鬼没のゲリラ戦で、“狐の様に賢い”と米軍に恐れられた、大場栄大尉を主人公にした戦争秘話。
これは、イーストウッドによる「硫黄島からの手紙」という見事な“邦画”に対する、日本映画界からの返信と言える渾身の力作である。
1944年6月、サイパンに米軍が上陸。
圧倒的な戦力の前に、島の日本軍は玉砕した。
僅かな残存兵力を集めた大場栄大尉(竹之内豊)は、ゲリラ戦を行うべく、島の中央部にあるタッポーチョ山に向っていた。
途中で二百人もの民間人が潜む野営地に遭遇した大場は、彼らを守りながら米軍に抵抗を続ける事を決めるのだが、それは長い長い苛酷な戦いの始まりだった・・・・・
原作は、サイパン島攻略に従軍した元アメリカ海兵隊員、ドン・ジョーンズの著した「タッポーチョ 「敵ながら天晴」 大場隊の勇戦512日」と「OBA, THE LAST SAMURAI」の二編。
アメリカ人の書いた本ながら、「タッポーチョ~」は日本で先行出版され、「OBA~」はその英語版なのだが、ハリウッドでの映画化を目指してよりエンターテイメント性が強くなっているという。
本作はこの二つの本をベースに、日米混成の脚本チームがプロットを組み、更に脚色を加えている。
私は「タッポーチョ」の方を昔読んだのだが、これが実に面白い。
映画とは違って、本では著者のジョーンズが、“戦友”である大場を訪ねて「サイパンでのあなたの戦いを、本にしたい」と言う所から始まる。
最初大場は、今更あの戦争を振り返るなんてと否定的だったが、嘗て戦場で敵味方に別れ、生死を賭して戦ったジョーンズと話すうちに、心に過るものがあったのか、最終的に本の執筆を許可する。
主人公は日本の軍人であるにも関わらず、アメリカ人によってその戦いが記録されたという原作の経緯が、本作にユニークな視点をもたらしているのは間違いないだろう。
映画でも、日米双方の視点が交互に描かれ、しかも面白い事に、それぞれの言語によって監督も別れているという。
日本語が支配的なパートは平山秀幸監督が演出し、英語が支配的なパートはリメイク版「サイドウェイズ」のチェリン・グラック監督が担当している。
全く個性の異なる二人の監督の演出が同居しているのだから、下手をするとバラバラに空中分解しそうに思えるが、不思議とそうはなっていない。
それは物語の構造が、日米それぞれのパートを対等の視点に位置づけているからだ。
脚本化作業は、チェリン・グラックとカナダ人脚本家のグレゴリー・マーケットが先行して「OBA~」をベースに進め、それから「タッポーチョ~」の要素を掛け合わせた上で、ベテランの西岡琢也が纏め上げている。
この過程で上手く日米のパートが色分けされ、アメリカ側にも日本通のルイス大尉という主人公を置いたことで、本作は言わば硫黄島二部作を、一本の映画の中でやった様な、独特の視点を持つ作品になっているのである。
結果的に、本作はある種の日本人論の様な側面も持つ。
ルイス大尉が、上官に日本人の考え方を理解させるのに、将棋とチェスのルールの違いを使うあたりは面白い。
もちろん、当時の日本軍人と観客である今の日本人は思考が大きく異なるので、このあたりの構造は、若い日本の観客に対する帝国軍人論としても機能しているのだろう。
主人公の大場大尉は、決してヒロイックな人物ではない。
原作によれば、彼は米軍に向けて突撃を繰り返しているうちに、いつの間にか米軍を通り越して背後に出てしまい、結果的に残存兵力を集めて指揮する様になったに過ぎない。
“フォックス”として米軍に恐れられたのは事実だが、映画ではそれほど戦闘の描写は多くなく、戦果もどちらかと言うと半分偶然に助けられた結果に見える。
大場という人物が物語の主役足りえているのは、彼が軍人として、人間として、様々な葛藤を抱えながらも芯の部分ではぶれず、魅力的なリーダーとして、その時々で最良の決断をしているからだろう。
本作のプロットには、いくつもの対立要素が配置されている。
日米両軍の対立だけでなく、それぞれの内部にも異なる価値観を持つ集団や個人が存在し、それがドラマチックな葛藤に繋がる。
幸運にも玉砕戦を生き残った大場は、戦友たちの仇に米兵を100人殺すと宣言するヤクザ上がりの一等兵、堀内と出会う。
軍籍にありながら、もはや命令では動かない堀内と、あくまでも指揮官として皆を束ねる大場のコントラストが日本側のパートで良いメリハリを生んでいる。
朴訥とした好人物である大場を竹野内豊が好演。
俳優としてはあまり器用な人ではないと思うが、涼しげな風貌と穏やかな語り口がキャラクターにマッチし、自然な存在感は説得力がある。
対照的に、そり上げたスキンヘッドと派手なモンモンを背負った堀内を、唐沢寿明がインパクトたっぷりに演じる。
ちなみに、原作で描かれる堀内の最期は、映画に輪をかけて壮絶な物で、その怒りは大場に決して降伏しないという思いを、改めて抱かせる事になる。
そして、大場の葛藤の最大の源と言えるのが、行動を共にする二百人もの民間人の存在だ。
軍隊が最大のプライオリティを置くべきは、敵を攻撃し殲滅する事なのか、自国民を守る事なのかという、軍人としての究極の選択を常に迫られるのである。
まあ大体において、歴史上では前者が優先され、特に日本軍は基本的に国民の軍隊ではなくて天皇の軍隊という思想が根強かったので、多くの民間人が犠牲にされたのは周知の通り。
大場も最初は民間人の面倒を見るつもりは無かったのだが、丸腰の彼らが攻撃目標にされた事で、思い直して保護する事にする。
このあたりの対応を見ても、基本的に彼は優しく、過剰に理念に囚われずに、目の前の状況で何をすべきかを判断できる、非常にロジカルな指揮官だったのだろうと思う。
とは言え、民間人を守りつつも米軍と戦えば、当然多くの無理が出てくるわけで、状況はジリジリと悪化し続け、遂に大場は民間人を米軍に投降させる事を決断する。
面白いのは、捕虜収容所が日米双方の交錯する場所として機能している事で、米軍は日本軍を投降させるために、日本軍は戦い続けるために、お互いが収容所の人間を利用し、結果的にそれが交渉の接点にもなるのである。
大場たちが戦い続ける間にも、日本にとって戦況は悪化し続け、とうとう8月15日がやってくる。
タッポーチョにも、日本の敗戦は知らされるが、大場はなおも降伏しない。
サイパンの戦いで将軍たちは自決し、多くの将兵は玉砕し、民間人はバンザイクリフから飛び降りた。
やがて東京は焼け野原となり、広島・長崎は一瞬で蒸発し、遂に天皇は玉音放送を流し、無条件降伏の憂目を見る。
それは大日本帝国という国家の敗北だが、実はそれと個人とは関係ない。
帝国軍人である大場栄という人物が、現在の我々から見ても、あまつさえ敵国であるアメリカから見ても、リーダーとして魅力的であるのは、彼が国家に従属した存在ではなく、個人として説得力を持った振る舞いをしたからに他ならない。
彼は職業軍人であり、敵と戦い、民間人を守り、妥協すべきはして無駄な犠牲を避け、それでも最後まで誇りを捨てなかった。
国家という概念にただ従属してしまうのでなく、能動的にアイデンティティを定め、忠実に生きたのだ。
日本は負けたかもしれないが、彼らは別に誰に対しても負けていない、だから降伏はしない。
しかしながら、軍人であるからには、上官の命令には従う。
このギリギリの落とし所は、奇しくも戦後29年に渡って、フィリピンのルバング島で戦い続けた、小野田寛郎少尉と同じである。
本作の原作がアメリカ人によって書かれたという事実は、重要な示唆に富む。
我々は、歴史をマクロ的に俯瞰する事は多いが、それが多くの個と言うミクロによって構成されている事を忘れがちだ。
特に、第二次世界大戦の記憶は、マクロの視点から恥の歴史と捉えられて来た故に、ミクロを見ることを避ける傾向が強いのではないか。
もちろん歴史観には様々な立場の人がいるだろうが、大概において善か悪か白黒大雑把な傾向は否めない。
原作者のドン・ジョーンズは、あとがきでこの物語は、日本人の“知識の真空状態”を埋める物だと書いている。
本作には、主人公の大場栄大尉以外にも、日米双方に非常に沢山のキャラクターが登場する。
アメリカへの復讐心を抱く看護師、降伏を受け入れず一人密林に消える兵士、和平を取り持ったがために命を落とす通訳、あるいはフォックスに翻弄される米軍指揮官。
一本の映画としてみると、詰め込まれた沢山のエピソードは、消化不良の部分も多い。
だが、この作品が重要なのは、あの時その場所にいた一人一人に語るべき物語があるはずで、それは同時に我々が知るべき物語だと言う事を、改めて気付かせてくれる事にある。
だからこそ本作は、イーストウッドが投げかけた問いへの、真摯な返信と成っているのである。
今回は、四年前に「父親たちの星条旗」に合わせた、埼玉県の神亀の古酒「ひこ孫 時のながれ」をチョイス。
長期熟成された最高品質の日本酒は、まるで極上のブランデーの様な独特のまろやかさとコクを獲得し、正に至高の一本と言える。
日本からも、漸くこの酒に相応しい戦争映画の名品が生まれた。
最高級の日本酒に感じるのと同等の、丁寧な仕事と作り手の想いが伝わってくる作品なのである。
出来れば、この映画と酒だけでなく、原作も多くの人に読んでもらいたいのだけど、残念ながら現在は絶版になっている。
せっかく映画化されるのだから、ノベライズだけでなく、原作も復刊して欲しいものだ。
追記:どうやら映画の公開にあわせて、2月4日に原作が復刊されていた模様。
タイトルが「タッポーチョ 太平洋の奇跡」と変わっているが、この名著が再び日本人の目に触れるのは喜ばしい。
故ドン・ジョーンズも草葉の陰で喜んでいるだろう。

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この記事へのコメント
どうしても戦争は悪だ、戦争を美化することはまかりならんという、自虐史観を伴った考えはありますよね。ただ例えば本作のタイトルだけ観るとまるで大場大尉が僅かな兵士を率いて米軍を翻弄しまくったような印象をうけると思うのです。こういうことをしてしまうと、あの戦争を実際に体験した方々、それも辛い経験をしたかたにしてみるとちょっと微妙な受け取り方になってしまうのではないかと心配してしまいます。
2011/02/13(日) 19:04:51 | URL | KLY #5spKqTaY[ 編集]
>KLYさん
確かにタイトルはちょっとピンと来ませんね。
奇跡が何を指しているのかわからないですし、大場はフォックスと恐れられたから歴史に残った訳ではないですからね。
この映画が良いのは、まず硬直したイデオロギー型の歴史観にとらわれず、大場を始め個々の登場人物の生き様から戦争の時代を描こうとしている事でしょう。
彼らの人間としてどう生きどう振舞ったかこそアメリカ人の心を打ったものでしょうから。
ようやく日本映画でこの視点の本格的戦争映画が出て来たかと思います。
確かにタイトルはちょっとピンと来ませんね。
奇跡が何を指しているのかわからないですし、大場はフォックスと恐れられたから歴史に残った訳ではないですからね。
この映画が良いのは、まず硬直したイデオロギー型の歴史観にとらわれず、大場を始め個々の登場人物の生き様から戦争の時代を描こうとしている事でしょう。
彼らの人間としてどう生きどう振舞ったかこそアメリカ人の心を打ったものでしょうから。
ようやく日本映画でこの視点の本格的戦争映画が出て来たかと思います。
2011/02/13(日) 21:46:01 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
おお!!これはみたいです!。
2011/02/13(日) 23:26:59 | URL | ペトロニウス #-[ 編集]
>ペトロニウスさん
描き足りない部分も多いのですが、硫黄島二部作が投げかけた問題意識を真摯にとらえ、イデオロギーの呪縛から決別した戦争映画の力作です。
見応えのある作品でした。
描き足りない部分も多いのですが、硫黄島二部作が投げかけた問題意識を真摯にとらえ、イデオロギーの呪縛から決別した戦争映画の力作です。
見応えのある作品でした。
2011/02/13(日) 23:41:24 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
ペトロニウスさん同じく、この映画すっごい面白そうですね。週末の映画はこれに決めました!
2011/02/15(火) 00:10:51 | URL | ゴーダイ #-[ 編集]
ノラネコさん、初めてコメントさせていただきます。
映画は好きなのですが、外国の俳優に疎いこともあり、1回見ただけじゃ理解できないことが多いので、ノラネコさんの解説を読んで参考にさせて頂いています!
ノラネコさんは映画もお酒も詳しくて英語もできてすごいですね。映画に合うお酒の紹介っていうのも、すごく斬新だと思いました。
これからもちょくちょく拝見しますので、がんばって更新お願いします!
映画は好きなのですが、外国の俳優に疎いこともあり、1回見ただけじゃ理解できないことが多いので、ノラネコさんの解説を読んで参考にさせて頂いています!
ノラネコさんは映画もお酒も詳しくて英語もできてすごいですね。映画に合うお酒の紹介っていうのも、すごく斬新だと思いました。
これからもちょくちょく拝見しますので、がんばって更新お願いします!
2011/02/15(火) 01:31:09 | URL | ミップ #-[ 編集]
興味の無い映画だと思っていましたが、ノラネコさんの解説を読んだら面白そうで、観て見たくなりました。
2011/02/15(火) 17:29:49 | URL | 基次郎 #-[ 編集]
ぼくも最初は「奇跡」の意味が分からなかったのですが、
今はこう思います。
降伏や捕虜になるなんてとんでもないことと思われた、あの時代。
バンザイクリフの島で、
これだけ多くの人命が生きながらえることができた。
製作者サイドはそれを「奇跡」と呼んでいるのではないでしょうか?
今はこう思います。
降伏や捕虜になるなんてとんでもないことと思われた、あの時代。
バンザイクリフの島で、
これだけ多くの人命が生きながらえることができた。
製作者サイドはそれを「奇跡」と呼んでいるのではないでしょうか?
>ゴーダイさん
お勧めします。
見応えのある映画です。
>ミップさん
ありがたいお言葉。
それほど頻繁には更新しておりませんが、なるべく頑張りますので、よろしくお願いいたします。
>基次郎さん
予告や宣伝から受けるイメージとはだいぶ違う作品だと思います。
力作です。是非ご覧ください。
>えいさん
なるほど、自決や玉砕が当たり前の時代にあって、生きようともがき、生きてかえった事自体が奇跡だと。
確かに、今の目から観たら大場たちがまともでも、当時は奇跡の様な判断だったかもしれませんね。
うん、そう考えると納得できます。
お勧めします。
見応えのある映画です。
>ミップさん
ありがたいお言葉。
それほど頻繁には更新しておりませんが、なるべく頑張りますので、よろしくお願いいたします。
>基次郎さん
予告や宣伝から受けるイメージとはだいぶ違う作品だと思います。
力作です。是非ご覧ください。
>えいさん
なるほど、自決や玉砕が当たり前の時代にあって、生きようともがき、生きてかえった事自体が奇跡だと。
確かに、今の目から観たら大場たちがまともでも、当時は奇跡の様な判断だったかもしれませんね。
うん、そう考えると納得できます。
2011/02/16(水) 22:04:17 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
予告編を観た時は「フォックス」と異名を持つ神出鬼没の日本兵が存在したのかと思っていたのですが、普通の軍人と言ったら語弊があるかもしれませんが、一人の信念を持った人間として描写されていたことが逆に意外で良かったです。
ちょっとした言葉の一つ一つや、表情に戦争の残酷さや虚しさを痛感しました。こういう戦争映画が日本で作られて良かったと思います。
ちょっとした言葉の一つ一つや、表情に戦争の残酷さや虚しさを痛感しました。こういう戦争映画が日本で作られて良かったと思います。
>ななんぼさん
そうですね。普通の人。
でも敵味方どちらも狂ってる戦争にあって普通の人であり続ける、或いは平常心で判断できるという事はそれ自体が凄い事かもしれません。
彼はだからこそ敵にも天晴と言わせしめた気がします。
そうですね。普通の人。
でも敵味方どちらも狂ってる戦争にあって普通の人であり続ける、或いは平常心で判断できるという事はそれ自体が凄い事かもしれません。
彼はだからこそ敵にも天晴と言わせしめた気がします。
2011/02/16(水) 22:49:11 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
サイパンの戦いという極限状態を舞台にして、当時の日本人の姿が丁寧に描かれていましたね。若干地味な感じもしましたが、そこがまた日本映画らしくて良かったと思います。
ただ、お客さんの年齢層が非常に高くて、劇場には若者がほとんどいなかったのが気になりました。こういう映画こそ若者に観て欲しいのに。
ただ、お客さんの年齢層が非常に高くて、劇場には若者がほとんどいなかったのが気になりました。こういう映画こそ若者に観て欲しいのに。
こんばんは。
「奇跡」と銘打ち、「フォックスと呼ばれた男」と言うから、
いったいどんな奇策で敵を翻弄して爽快(?)な戦いを繰り広げるのか、と思わせるんですが、
彼は本当に偶然に兵隊と民間人を率いることになってしまった、
けれど、あの時代、あの状況で人間としてどうありたいかという基本を見失わないでいた人だった・・・
ということが奇跡と言いたかったことなんでしょうね。
>このギリギリの落とし所
この選択肢に、兵士たちはもちろん、観客たちも救われました。
「奇跡」と銘打ち、「フォックスと呼ばれた男」と言うから、
いったいどんな奇策で敵を翻弄して爽快(?)な戦いを繰り広げるのか、と思わせるんですが、
彼は本当に偶然に兵隊と民間人を率いることになってしまった、
けれど、あの時代、あの状況で人間としてどうありたいかという基本を見失わないでいた人だった・・・
ということが奇跡と言いたかったことなんでしょうね。
>このギリギリの落とし所
この選択肢に、兵士たちはもちろん、観客たちも救われました。
>えめきんさん
ヒロイックな部分を極力排除して、人物像に的を絞ったのは良かったと思います。
この映画のコア観客層は4、50代だそうですけど、まあ昔から戦争映画はおっさんの物でしたからね。
若者も歳を重ねると、こういうのに興味を持つようになるでしょう。
>悠雅さん
そうですね。
今日たまたまテレビで大場大尉のエピソードが紹介されていましたが、それを観て彼の人物像がより深まった気がします。
やはりこの人は基本的に優しいのです。
あと、自己客観視をちゃんとできる人だったんだろうと思います。
ヒロイックな部分を極力排除して、人物像に的を絞ったのは良かったと思います。
この映画のコア観客層は4、50代だそうですけど、まあ昔から戦争映画はおっさんの物でしたからね。
若者も歳を重ねると、こういうのに興味を持つようになるでしょう。
>悠雅さん
そうですね。
今日たまたまテレビで大場大尉のエピソードが紹介されていましたが、それを観て彼の人物像がより深まった気がします。
やはりこの人は基本的に優しいのです。
あと、自己客観視をちゃんとできる人だったんだろうと思います。
2011/02/17(木) 23:51:50 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
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太平洋戦争末期のサイパン島で僅か47人の兵を率いてアメリカ軍を翻弄した大場栄大尉の実話を映画化。主演は『さまよう刃』の竹野内豊。共演にショーン・マッゴーワン、唐沢寿明、井上真央、山田孝之ら豪華なキャストがそろう。監督は『必死剣 鳥刺し』の平山秀幸。アメ...
2011/02/13(日) 17:44:59 | LOVE Cinemas 調布
太平洋戦争末期、激戦地となったサイパン島で部隊が壊滅した後も、残存する 47人の兵士を率いてアメリカ軍に立ち向かいながら200人ちかい民間人を守り、 アメリカ軍からフォックスとして恐れられた日本陸軍・大場栄大尉の実話を 元アメリカ兵ドン・ジョーンズの著作をも…
2011/02/13(日) 19:59:07 | だらだら無気力ブログ
2月11日公開の映画
「太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男」を鑑賞した。
この映画は1944年7月に太平洋戦争で
アメリカ軍がサイパン島に侵攻し殆どの日本軍は壊滅した ...
2011/02/13(日) 20:31:34 | オールマイティにコメンテート
舞台は1944年、
太平洋戦争末期のサイパン島。
最後には47人の兵力に対して
圧倒的な人数のアメリカ軍。
その戦いの中、
大場栄大尉というアメリカ軍から恐れられ、
“フォックス”と呼ばれた日本人が存在した。
その実話を映画化。
監督は平山秀幸。
日本側の描写を平...
2011/02/13(日) 23:29:37 | 花ごよみ
『椰子の実』の歌を聴きながら、私は涙した。
この歌を作詞した島崎藤村は、忌み嫌われる戦陣訓の作成にも参画した人物である。にもかかわらず、日本の戦争映画では、しばしば平和を希求する曲として歌わ...
2011/02/14(月) 04:32:36 | 映画のブログ
2月11日(金)公開の邦画2本。
“あしたのジョー” は残念ながらゲットできず。
年代的には、“あしたのジョー” 世代なのだが、漫画もテレビのアニメも私は観たことがない。
親に禁止されて見られなかったのだ。
今となっては考えられない?
この前、実家でケー...
2011/02/14(月) 05:29:10 | あーうぃ だにぇっと
2011/02/11公開 日本 128分監督:平山秀幸出演:竹野内豊、ショーン・マッゴーワン、井上真央、山田孝之、中嶋朋子、岡田義徳、板尾創路、阿部サダヲ、唐沢寿明生きて、日本に帰ろう─ ...
2011/02/14(月) 11:33:40 | 映画鑑賞★日記・・・
事実に基づいた物語。太平洋戦争末期の1944年、サイパン島が玉砕してから、大場大尉の物語は始まる。援軍はもちろん、食料・弾薬はおろか、水も乏しい中、512日にも渡り抵抗を続け、最後は、連隊長からの正式の投降命令を受けて投降した。
大場大尉を演じたのは、竹野内...
2011/02/14(月) 21:56:09 | 勝手に映画評
原作はサイパンに従軍した元アメリカ兵のノンフィクションで、竹野内豊演じる大場大尉を主演にした映画だ。イーストウッドの「硫黄島」2作もすばらしい戦争映画だったけど、日本の製作でここまでの戦争映画が出来たことを賞賛したい。最後の行進するシーンでの日本人としての
2011/02/14(月) 22:09:30 | とらちゃんのゴロゴロ日記-Blog.ver
誇り高き侍 公式サイト http://www.taiheiyo-no-kiseki.jp2月11日公開実話の映画化原作: 『タッポーチョ「敵ながら天晴」大場隊の勇戦512日』 (ドン・ジョーンズ著)監
2011/02/15(火) 09:28:29 | 風に吹かれて
【=12 -3-】 大阪~阪神地区を午後、仕事でウロウロしていたが、すごく雪が降ってビックリ!
このまま降り続けたら、明日の朝までに数メートルの積雪にでもなるのではないかとびびったけど、夕方にはすっかり融けたようだ、とにかく大袈裟だ、関西人。
1944年、太平...
2011/02/15(火) 10:15:51 | 労組書記長社労士のブログ
----これって、ずいぶん前から期待していた映画だよね。
あまり、戦争映画には興味がないと思っていたけど…。
「監督が贔屓の平山秀幸。
最近の日本の戦争映画って、
潜水艦や戦艦など海戦中心で、
こういう本格的な地上戦は
あまり描かれなかっただけに
ちょっと興味が?...
2011/02/15(火) 17:41:55 | ラムの大通り
★★★☆ 太平洋戦争の末期、サイパン島で実に500日に亘って、米軍にゲリラ戦を仕掛けていた大場栄大尉たちの実話を映画化したものである。大場大尉は僅か47人の兵士を引き連れ、4万人以上の米軍を翻弄し続けたという。そのために彼は、米軍からフォックスと恐れられ
2011/02/16(水) 17:18:19 | ケントのたそがれ劇場
先日、映画『太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-』を観て来ました。この作品は、去年の11月だったかな?『十三人の刺客』を観に行った時に予告編を初めて観まして、久しぶりに予告だけで「観てみたい!」...
2011/02/16(水) 21:50:27 | 続・蛇足帳~blogばん~
赤い目印。山中の水場。タッポーチョの狐。
2011/02/17(木) 22:14:41 | 悠雅的生活
映画「太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-」を鑑賞。
2011/02/19(土) 21:09:44 | FREE TIME
太平洋戦争の激戦地サイパン島を舞台に日本人大場栄大尉の実話を映画化した作品です。
2011/02/20(日) 09:08:23 | 水曜日のシネマ日記
歴史に埋もれた、真実の物語。
アメリカから賞賛された日本人兵士・大場栄大尉。
これは絶望的な状況の中、
最後まで諦めずに生きぬいた大場栄大尉と、
その仲間達の実話に基づく真実の物語である。
「生きて、日本に帰ろう―。」
 
<太平洋の奇跡-フ?...
2011/02/20(日) 14:11:08 | 美味-BIMI-
評価:★★★★☆4つ (僕的主観:★★★★☆4つ半) ■まずこの作品鑑賞するにあたっての基本姿勢~マクロからではなくミクロから読み解くべき作品 原作は、サイパン島攻略に従軍した元アメリカ海兵隊員、ドン・ジョーンズの著した『タッポーチョ 「敵ながら天晴」 大
2011/02/20(日) 19:17:25 | 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために
□作品オフィシャルサイト 「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」 □監督 平山秀幸、チェリン・グラック□脚本 西岡琢也□原作 ドン・ジョーンズ□キャスト 竹野内 豊、唐沢寿明、ショーン・マッゴーワン、井上真央、山田孝之、岡田義徳、ベンガル、中嶋?...
2011/02/23(水) 08:32:48 | 京の昼寝~♪
どんな風に感想を書けばいいのか、ちょっと迷っていた。
いい作品だったと思う。
戦争映画って、実はあんまり好きじゃ無くって、
映画館に出向くことはほとんどなかったんです。
エンターテイメントと...
2011/02/24(木) 10:45:24 | よくばりアンテナ
生きて、
日本に帰ろう──
製作年度 2011年
上映時間 128分
原作 ドン・ジョーンズ 『タッポーチョ「敵ながら天晴」大場隊の勇戦512日』
脚本 西岡琢也/グレゴリー・マルケット/チェリン・グラック
監督 平山秀幸
音楽 加古隆
出演 竹野内豊/ショーン・マッゴーワン/?...
2011/02/25(金) 22:35:23 | to Heart
本作のレビューを執筆するにあたっては、作品が有するテーマとその表現方法を明確に分けて書く必要があると感じています。プレビューで書いたとおり、私はこの映画は決して「反戦映画」ではないと考えます。実は日本人にとって「反戦」というテーマで映画を作る
2011/03/02(水) 23:03:33 | WEBLOG:e97h0017
本作が当時の日本人を描くときに用いた基本的な表現方法にまずは言及しておきたいと思います。クリント・イーストウッド監督が「硫黄島の戦い」を2作品をもって描いたのは、戦争を切り取る視点が一方に偏らないようにする配慮によるものということになると思います。本作?...
2011/03/02(水) 23:09:26 | WEBLOG:e97h0017
『太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-』で、実在した大場大尉を演じた竹野内くんは、本当に見事に魅せてくれました。竹野内ファンでもあり、若い頃のイケメンな彼を思い返すと、こんな役を演じるようになったんだな~って感慨深くて…恋愛ものに萌え~だったあの頃が懐...
2011/03/03(木) 13:40:25 | 美容師は見た…
ジョン・ジョーンズ原作の長編実録小説『タッポーチョ「敵ながら天晴」大場隊の勇戦512日』を、竹野内豊主演、「愛を乞う人」「必死剣鳥刺し」の平山秀幸監督で映画化。 第二次世...
2011/03/15(火) 21:50:50 | 狂人ブログ ~旅立ち~
またまた遅ればせながら、『太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-』を新宿ピカデリーで見てきました。
(1)この映画を見終わって、かなりの人は、どうして主人公の大場大尉(竹野内豊)が、米軍に畏敬の念を持って“フォックス”と呼ばれたのだろう、と訝しく思うの?...
2011/03/19(土) 21:42:39 | 映画的・絵画的・音楽的
太平洋戦争末期。日本の重要な軍事拠点だったサイパン島が米軍の手に落ちた後も、山にこもり、少数の兵士を率いて実に512日にも渡って抗戦を続け、米兵たちから“フォックス”と呼ばれ恐れられた日本人がいた...
2011/03/20(日) 01:49:49 | 闘争と逃走の道程
すごく久しぶりに有楽町スバル座に行きました。多分、小学生の頃に親に連れて行かれて依頼だと思います。小さくて汚いイメージだったんですが、だいぶ改装されたんですね。と言うわけで、今さらながら太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男を観てきました。
2011/04/29(金) 00:39:35 | よしなしごと
(2011/日本)【DVD】
監督:平山秀幸
出演:竹野内豊、唐沢寿明、井上真央、山田孝之、中嶋朋子、岡田義徳、板尾創路、光石研、柄本時生、近藤芳正、酒井敏也、ベンガル、阿部サダヲ
生きて、日本に帰ろうー。
原作はドン・ジョーンズの実録小説「タッポーチョ『敵な...
2011/08/27(土) 23:16:15 | 小部屋日記
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