■ お知らせ
※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
※エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係な物や当方が不適切と判断したTB・コメントも削除いたします。
■TITLE INDEX
※タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
■ ツイッターアカウント※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
※エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係な物や当方が不適切と判断したTB・コメントも削除いたします。
■TITLE INDEX
※タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
※noraneko285でつぶやいてます。ブログで書いてない映画の話なども。
※noraneko285ツイッターでつぶやいた全作品をアーカイブしています。


2012年01月05日 (木) | 編集 |
これが、ポスト3.11のリアル。
「ヒミズ」は、昨年「冷たい熱帯魚」「恋の罪」という、人間のダークサイドを描いたパワフルな2作品で気を吐いた、園子温監督による最新作。
原作は古谷実の同名漫画で、今までオリジナル脚本に拘ってきた園監督にとって、はじめての原作物である。
3.11後の世界で、ごく普通の大人になりたいと願う中学生男女のビターな青春物語からは、前2作の様な過激なセックスと血飛沫は影を潜め、代わりにあるのは時代と正面から向き合った切実な葛藤と、未来への幽かな希望だ。
中学三年生の住田祐一(染谷将太)は、池の畔でボート屋を営む母親(渡辺真起子)と二人暮らし。
彼の夢は、普通の生活をする平凡な大人になることで、子供に無闇に大きな夢を見せようとする大人たちには反発を感じている。
一方、住田を崇拝する茶沢景子(二階堂ふみ)の夢は、愛する人と支え合いながら共に人生を歩む事。
だが、住田の母親が突然愛人と出奔し、更に別れた父親(光石研)が闇金から巨額の借金をしている事が明らかとなり、住田は中学生にして生活を守るために働かざるをえなくなる。
そして父親の理不尽な暴力に耐えかねた住田は、ある事件を起こしてしまうのだが・・・
原作は未読。
だが園子温監督は、「2001年に書かれた原作のスピリットを尊重しつつ、2011年のリアルを描いた」という趣旨の事を語っていたので、映画はあくまでも“今”に立脚した独立した作品という理解で良いのだろう。
冒頭、いきなり津波で破壊された被災地の風景と、その荒涼たる世界で彷徨う登場人物たちが映し出される事に驚く。
何でも、この映画の準備中に東日本大震災が起こり、急遽脚本を大幅にリライトして撮影に挑んだそうである。
3.11を理由として企画の凍結、内容の変更を行った作品は、伝え聞くだけでも何本もあるのだが、本作はそれらの中で実際に作品として結実した最初の一本かもしれない。
タイトルの「ヒミズ」とは、日本列島の固有種である小型モグラの一種。
浅い土中や落ち葉の下に潜み、夜になると餌を探して地上を徘徊する事もあるが、決して太陽の下には出て来ない、文字通りの“日みず”な生き物だ。
誰にも注目されず、気付かれる事すらなく、ひっそりと生きて死んでゆく。
主人公の住田祐一は、そんなヒミズの様に平凡に生きたいと思っている中学生。
だが、本人の意思とは裏腹に、彼には熱心な崇拝者が多数存在する。
その筆頭である同級生の茶沢景子は、祐一の印象的な発言を全て書き出して部屋中に貼り付けているほどの信者で、殆どストーカーの様に彼に付きまとう。
またボート小屋の周辺には、ブルーシートの家に住むホームレスの大人たちが住み着いており、彼らはどうやら震災と津波によって全てを失ってしまった人々の様である。
この大人たちもまた祐一を褒め称え、時に自らを犠牲にしても彼の支えになろうとする。
何故、凡人の宣言をしている祐一が、そんなに持ち上げられるのか。
それは、彼が“普通の日常”がもはや存在しないポスト3.11の世界で、未来への希望を体現する存在だからに他ならない。
丁度震災を挟んで作られた、園子温の前作「恋の罪」と「ヒミズ」は、3.11のビフォアーアフターとして捉えると非常に興味深い。
すっかり映画監督業が板についたが、彼は元々“ジーパンを履いた朔太郎”と呼ばれた詩人であり、その表現は文学的な暗喩性を特徴に持つ。
「恋の罪」は、カフカの「城」をモチーフとしたセクシャルな心理サスペンス。
主人公が、決して入ることの出来ない「城」に翻弄される物語は、キリスト教社会では人間が決して触れられない存在、イコール神の比喩と論じられる事が多いが、日本で作られた「恋の罪」の場合は、むしろ人間存在という掴みどころの無いものの象徴として引用されていた様に思う。
そして「恋の罪」が、閉塞した日常に立脚し、非日常へと堕ちて行く構造を持っているとすれば、荒涼とした被災地の風景にフランソワ・ヴィヨンの詩が響き渡る「ヒミズ」は、もはや日常が存在しない世界から、必死で日常を求める映画と言えるだろう。
どちらの映画でも、物語の最後に主人公が疾走する。
だが「恋の罪」で、水野美紀演じる女刑事がゴミ収集車を追って走ってゆく先が、自らの内面という閉じた非日常なのに対して、本作において祐一と景子が「頑張れ!住田!!」という魂の叫びと共に走り出すのは、未来という開かれた日常に向けてなのである。
地震、津波、そして今も続く原発事故によって、国土が放射能で汚染され、広大なエリアが今後何十年も人の住めない無人地帯となるという現実は、3.11を経験する前であればぶっちゃけSF的与太話であったはずだ。
実は我々は、あの日以来ずっと非日常の世界に生きており、3.11以前の日常はもう何処にも存在しない。
そんな物語の立脚点が崩壊してしまった世界においては、「普通の大人になりたい」という夢とも言えない未来を語るにも、大きな犠牲と葛藤が必要となる。
その事を表現者の覚悟を持って、圧倒的な映画力で観せてくれた本作は、まさしくポスト3.11時代の幕開けに相応しい衝撃的な傑作である。
黙示録の時代を生きる中学生カップルを演じた染谷将太と二階堂ふみは、本作の素晴らしい演技で、ヴェネチア国際映画祭の新人賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞をダブル受賞。
彼らもまた、日本の未来であることは間違いない。
今回は被災地の宮城県から一ノ蔵の純米吟醸「蔵の華」をチョイス。
繊細な吟醸香が鼻腔に広がり、まろやかでスッキリとした純米吟醸らしいフルーティな味わいが、新年の華やぐ気分を盛り上げてくれる。
3.11では東北地方の多くの酒蔵もダメージを受けたが、たくましくも復興へ向けて動き出している。
酒飲みとしては、安全性に留意しつつもなるべく東北の酒を呑んで、支援したいと思う。
この国のパンドラの箱は開いてしまったが、希望だけはまだ残っているのだから。
記事が気に入ったらクリックしてね

こちらもお願い
「ヒミズ」は、昨年「冷たい熱帯魚」「恋の罪」という、人間のダークサイドを描いたパワフルな2作品で気を吐いた、園子温監督による最新作。
原作は古谷実の同名漫画で、今までオリジナル脚本に拘ってきた園監督にとって、はじめての原作物である。
3.11後の世界で、ごく普通の大人になりたいと願う中学生男女のビターな青春物語からは、前2作の様な過激なセックスと血飛沫は影を潜め、代わりにあるのは時代と正面から向き合った切実な葛藤と、未来への幽かな希望だ。
中学三年生の住田祐一(染谷将太)は、池の畔でボート屋を営む母親(渡辺真起子)と二人暮らし。
彼の夢は、普通の生活をする平凡な大人になることで、子供に無闇に大きな夢を見せようとする大人たちには反発を感じている。
一方、住田を崇拝する茶沢景子(二階堂ふみ)の夢は、愛する人と支え合いながら共に人生を歩む事。
だが、住田の母親が突然愛人と出奔し、更に別れた父親(光石研)が闇金から巨額の借金をしている事が明らかとなり、住田は中学生にして生活を守るために働かざるをえなくなる。
そして父親の理不尽な暴力に耐えかねた住田は、ある事件を起こしてしまうのだが・・・
原作は未読。
だが園子温監督は、「2001年に書かれた原作のスピリットを尊重しつつ、2011年のリアルを描いた」という趣旨の事を語っていたので、映画はあくまでも“今”に立脚した独立した作品という理解で良いのだろう。
冒頭、いきなり津波で破壊された被災地の風景と、その荒涼たる世界で彷徨う登場人物たちが映し出される事に驚く。
何でも、この映画の準備中に東日本大震災が起こり、急遽脚本を大幅にリライトして撮影に挑んだそうである。
3.11を理由として企画の凍結、内容の変更を行った作品は、伝え聞くだけでも何本もあるのだが、本作はそれらの中で実際に作品として結実した最初の一本かもしれない。
タイトルの「ヒミズ」とは、日本列島の固有種である小型モグラの一種。
浅い土中や落ち葉の下に潜み、夜になると餌を探して地上を徘徊する事もあるが、決して太陽の下には出て来ない、文字通りの“日みず”な生き物だ。
誰にも注目されず、気付かれる事すらなく、ひっそりと生きて死んでゆく。
主人公の住田祐一は、そんなヒミズの様に平凡に生きたいと思っている中学生。
だが、本人の意思とは裏腹に、彼には熱心な崇拝者が多数存在する。
その筆頭である同級生の茶沢景子は、祐一の印象的な発言を全て書き出して部屋中に貼り付けているほどの信者で、殆どストーカーの様に彼に付きまとう。
またボート小屋の周辺には、ブルーシートの家に住むホームレスの大人たちが住み着いており、彼らはどうやら震災と津波によって全てを失ってしまった人々の様である。
この大人たちもまた祐一を褒め称え、時に自らを犠牲にしても彼の支えになろうとする。
何故、凡人の宣言をしている祐一が、そんなに持ち上げられるのか。
それは、彼が“普通の日常”がもはや存在しないポスト3.11の世界で、未来への希望を体現する存在だからに他ならない。
丁度震災を挟んで作られた、園子温の前作「恋の罪」と「ヒミズ」は、3.11のビフォアーアフターとして捉えると非常に興味深い。
すっかり映画監督業が板についたが、彼は元々“ジーパンを履いた朔太郎”と呼ばれた詩人であり、その表現は文学的な暗喩性を特徴に持つ。
「恋の罪」は、カフカの「城」をモチーフとしたセクシャルな心理サスペンス。
主人公が、決して入ることの出来ない「城」に翻弄される物語は、キリスト教社会では人間が決して触れられない存在、イコール神の比喩と論じられる事が多いが、日本で作られた「恋の罪」の場合は、むしろ人間存在という掴みどころの無いものの象徴として引用されていた様に思う。
そして「恋の罪」が、閉塞した日常に立脚し、非日常へと堕ちて行く構造を持っているとすれば、荒涼とした被災地の風景にフランソワ・ヴィヨンの詩が響き渡る「ヒミズ」は、もはや日常が存在しない世界から、必死で日常を求める映画と言えるだろう。
どちらの映画でも、物語の最後に主人公が疾走する。
だが「恋の罪」で、水野美紀演じる女刑事がゴミ収集車を追って走ってゆく先が、自らの内面という閉じた非日常なのに対して、本作において祐一と景子が「頑張れ!住田!!」という魂の叫びと共に走り出すのは、未来という開かれた日常に向けてなのである。
地震、津波、そして今も続く原発事故によって、国土が放射能で汚染され、広大なエリアが今後何十年も人の住めない無人地帯となるという現実は、3.11を経験する前であればぶっちゃけSF的与太話であったはずだ。
実は我々は、あの日以来ずっと非日常の世界に生きており、3.11以前の日常はもう何処にも存在しない。
そんな物語の立脚点が崩壊してしまった世界においては、「普通の大人になりたい」という夢とも言えない未来を語るにも、大きな犠牲と葛藤が必要となる。
その事を表現者の覚悟を持って、圧倒的な映画力で観せてくれた本作は、まさしくポスト3.11時代の幕開けに相応しい衝撃的な傑作である。
黙示録の時代を生きる中学生カップルを演じた染谷将太と二階堂ふみは、本作の素晴らしい演技で、ヴェネチア国際映画祭の新人賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞をダブル受賞。
彼らもまた、日本の未来であることは間違いない。
今回は被災地の宮城県から一ノ蔵の純米吟醸「蔵の華」をチョイス。
繊細な吟醸香が鼻腔に広がり、まろやかでスッキリとした純米吟醸らしいフルーティな味わいが、新年の華やぐ気分を盛り上げてくれる。
3.11では東北地方の多くの酒蔵もダメージを受けたが、たくましくも復興へ向けて動き出している。
酒飲みとしては、安全性に留意しつつもなるべく東北の酒を呑んで、支援したいと思う。
この国のパンドラの箱は開いてしまったが、希望だけはまだ残っているのだから。

記事が気に入ったらクリックしてね

こちらもお願い
![]() 一ノ蔵 純米吟醸 『蔵の華』1800ml [宮城県] |
スポンサーサイト
この記事へのコメント
本当に素晴らしい作品でした。
今に立脚と言うのは舞台挨拶で監督後自身が言っておられました。3.11を経験した事も合わせて、現代の若者に置き換えて表現する必要はあるだろうと。
園子温監督と言う人は日常であること、当たり前であること平凡であることを嫌うというか、斜に構えたモノの見方をする人で、それは今までの作品を観れば解ると思うのです。無論当人はそうは考えておらずそれが当たり前でしょうけども。しかし、あの尋常ではない大災害直後に彼が求めたのは、そんな自分的な日常だったのかもしれません。素直に彼の心が表現されたこの作品は、逆に言えば3.11後だからこそ出来た園子温の非日常ということにも受け取れるような気がしました。
今に立脚と言うのは舞台挨拶で監督後自身が言っておられました。3.11を経験した事も合わせて、現代の若者に置き換えて表現する必要はあるだろうと。
園子温監督と言う人は日常であること、当たり前であること平凡であることを嫌うというか、斜に構えたモノの見方をする人で、それは今までの作品を観れば解ると思うのです。無論当人はそうは考えておらずそれが当たり前でしょうけども。しかし、あの尋常ではない大災害直後に彼が求めたのは、そんな自分的な日常だったのかもしれません。素直に彼の心が表現されたこの作品は、逆に言えば3.11後だからこそ出来た園子温の非日常ということにも受け取れるような気がしました。
2012/01/06(金) 10:35:32 | URL | KLY #5spKqTaY[ 編集]
先日、被災地にあった酒蔵が再開して、今年の一番搾りができましたというニュースをやっていました。 杜氏さんは「いい香りだ」と感慨深そうに仰せでしたね。
3.11より前には戻れない、けどパワーはいつの時代も不変なのだなと感じます。 本作のラストには圧倒されました。
3.11より前には戻れない、けどパワーはいつの時代も不変なのだなと感じます。 本作のラストには圧倒されました。
>KLYさん
本当ですね。
震災後にリライトしたという話は聞いていたのですが、まさかこれほどストレートに物語に取り込んでくるとは思っていませんでしたので、冒頭の映像でもう心を揺さぶられました。
正直、前半はいつもの園子温調が色濃かったので、やや題材との違和感もあったのですが、時間が経つにつれてグイグイと引き込まれ、最後はもう圧倒されました。
今年最初の傑作ですね。
>rose_chocolatさん
お疲れ様でした。
これ、同じ試写で観てたんですよね。
再会した酒蔵は多分岩手の「酔仙」かな。
津波で完全に破壊されたのに、もう復活するんですからそのパワーは凄いものですね。
この映画も多分同種の熱を持っていたと思います。
本当ですね。
震災後にリライトしたという話は聞いていたのですが、まさかこれほどストレートに物語に取り込んでくるとは思っていませんでしたので、冒頭の映像でもう心を揺さぶられました。
正直、前半はいつもの園子温調が色濃かったので、やや題材との違和感もあったのですが、時間が経つにつれてグイグイと引き込まれ、最後はもう圧倒されました。
今年最初の傑作ですね。
>rose_chocolatさん
お疲れ様でした。
これ、同じ試写で観てたんですよね。
再会した酒蔵は多分岩手の「酔仙」かな。
津波で完全に破壊されたのに、もう復活するんですからそのパワーは凄いものですね。
この映画も多分同種の熱を持っていたと思います。
こんにちは。
これまで全く機会がなくて観ることが叶わなかった園作品でしたが、やっとスクリーンで観ることができました。
震災後に書き直されたという脚本は、おそらく原作のどうしようもない絶望感(未読ですが)に希望を与えずにいられなかったのでしょう。
誰しも当たり前に在り続けると思う、ごく平凡な普通の毎日は、未来永劫約束されたものではないとわかったことや、
どうしようもない絶望の中にも希望があって、それはまだ見ぬ未来の約束でもあるということや・・・
様々な思いが渦巻いて、
自分の記事もさることながら、コメントでも何が言いたいのか不明なことを書いていますが、
観た人の心を揺さぶるに違いない作品に出会えたと思います。
これまで全く機会がなくて観ることが叶わなかった園作品でしたが、やっとスクリーンで観ることができました。
震災後に書き直されたという脚本は、おそらく原作のどうしようもない絶望感(未読ですが)に希望を与えずにいられなかったのでしょう。
誰しも当たり前に在り続けると思う、ごく平凡な普通の毎日は、未来永劫約束されたものではないとわかったことや、
どうしようもない絶望の中にも希望があって、それはまだ見ぬ未来の約束でもあるということや・・・
様々な思いが渦巻いて、
自分の記事もさることながら、コメントでも何が言いたいのか不明なことを書いていますが、
観た人の心を揺さぶるに違いない作品に出会えたと思います。
>悠雅さん
初園がこの映画ですか・・・。
多分、これから他の映画を観ると、色々な意味で驚かれると思いますが、何より個性の強い作家ですから、優れた作品も多いです。
その中でもこの映画、今この時期に作らねばならないという迸るような想いが伝わってくる力作でした。
観終わってしばらくは映画を心で噛み締めたくて、誰とも話したくない・・・そう思わせる作品でした。
初園がこの映画ですか・・・。
多分、これから他の映画を観ると、色々な意味で驚かれると思いますが、何より個性の強い作家ですから、優れた作品も多いです。
その中でもこの映画、今この時期に作らねばならないという迸るような想いが伝わってくる力作でした。
観終わってしばらくは映画を心で噛み締めたくて、誰とも話したくない・・・そう思わせる作品でした。
いよいよ公開が始まりましたね。
この映画がどのように
今の日本で受け止められるか、
ある分岐点となる作品だと思います。
また、同時に
一人ひとりに踏み絵をも突き付けている。
「何もなかったように日々を生きるしかない」という空気が蔓延する今、
きわめて勇気のある映画。
世界が注視していると思います。
この映画がどのように
今の日本で受け止められるか、
ある分岐点となる作品だと思います。
また、同時に
一人ひとりに踏み絵をも突き付けている。
「何もなかったように日々を生きるしかない」という空気が蔓延する今、
きわめて勇気のある映画。
世界が注視していると思います。
なるほど、『恋の罪』とで3.11のビフォアフターですか。
これは素晴らしい見解ですね。
とにかく染谷将太と二階堂ふみの鈍い輝きが素晴らしい映画でしたよ。
これは素晴らしい見解ですね。
とにかく染谷将太と二階堂ふみの鈍い輝きが素晴らしい映画でしたよ。
>えいさん
これは日本映画の分水嶺かもしれませんね。
観る前にも色々と噂は聞いていましたが、実際の作品は予想を遥かに上回る衝撃でした。
おそらく賛否両論渦巻くでしょうが、どちらの立場であっても、刺さって来る作品であることは間違い無いと思います。
>にゃむばななさん
私はこちらを観てから「恋の罪」を観たので、余計にそれを感じました。
園子温の時代に対する感覚の鋭さに脱帽です。
これは日本映画の分水嶺かもしれませんね。
観る前にも色々と噂は聞いていましたが、実際の作品は予想を遥かに上回る衝撃でした。
おそらく賛否両論渦巻くでしょうが、どちらの立場であっても、刺さって来る作品であることは間違い無いと思います。
>にゃむばななさん
私はこちらを観てから「恋の罪」を観たので、余計にそれを感じました。
園子温の時代に対する感覚の鋭さに脱帽です。
2012/01/19(木) 22:17:22 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
かもしれませんね。気心のしれた友人と観てきました。ノラネコさんがゼッサンしていた通り、ラストに掛けては最近の映画では一番盛り上がりました。原作はご覧にならない方がいいかも知れません。今の世の中「救い」が必要です。
>朱色会さん
私的には園映画のベストです。
これほどストレートに胸に刺さる映画はありませんでした。
原作とはベクトルが違うみたいですね。
もし読む事があっても別物として読みたいです。
私的には園映画のベストです。
これほどストレートに胸に刺さる映画はありませんでした。
原作とはベクトルが違うみたいですね。
もし読む事があっても別物として読みたいです。
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
ヒミズ12月26日@一ツ橋ホール
いつもより男性の姿が多い。
2012/01/05(木) 22:07:18 | あーうぃ だにぇっと
『ヒミズ』 を試写会で観てきました。
これは、とーーーっても観たかった映画でした。
園監督だし期待していましてけど、ダメじゃん
若い、染谷将太、二階堂ふみが好演なんですけど、
監督の失敗作に近い出来でした
【ストーリー】
どこにでもいる中学3年生の祐一(?...
2012/01/05(木) 22:48:32 | 気ままな映画生活(適当なコメントですが、よければどうぞ!)
『愛のむきだし』、『冷たい熱帯魚』、『恋の罪』と問題作を世に送り出している鬼才・園子温監督が古谷実原作の人気漫画を映画化。初の原作ものを送り出してきた。主演は『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』の染谷将太と『指輪をはめたい』の二階堂ふみ。2人はベネチア...
2012/01/05(木) 23:19:10 | LOVE Cinemas 調布
'11.12.26 『ヒミズ』(試写会)@一ツ橋ホール
これは気になってた! yaplogで試写会募集してたので応募、見事当選した! 見たがってたお友達のmigちゃん誘って行ってきたー
*ネタバレありです!
「中学3年生の住田の夢は普通の大人になること。そんな住田の普通でない...
2012/01/06(金) 02:59:38 | ・*・ etoile ・*・
<ヒミズ を観て来ました>
製作:2011年日本
今年最後の試写会になります。
ヤプログさんのご招待で観て来ました~
「冷たい熱帯魚」から、園子温監督に惹かれてしまい、この作品も非常に楽しみにしていました。
原作があったんですね。知りませんでした。
しか...
2012/01/06(金) 17:59:58 | ★紅茶屋ロンド★
監督・脚本: 園子温
原作: 古谷実
出演: 染谷将太 、二階堂ふみ 、渡辺哲 、吹越満 、神楽坂恵 、光石研 、渡辺真起子 、黒沢あすか 、でんでん 、村上淳 、窪塚洋介 、吉高由里子 、西島隆弘 、鈴木杏
試写会場: 東商ホール
公式サイトはこちら...
2012/01/07(土) 09:59:01 | Nice One!! @goo
ランキングクリックしてね ←please click
原作は「行け!稲中卓球部」で人気を獲得した漫画家・古谷実が、2001年から2003年にかけヤングマガジン誌上で連載し、“終わりなき日常”を生きる若者の閉塞感を容赦なく描ききった超問題作、
...
2012/01/09(月) 21:42:57 | 我想一個人映画美的女人blog
試写会で見ました。【予告orパンフの印象】暗い感じ。中学生の思春期で思うようにな
2012/01/10(火) 23:00:31 | うろうろ日記
----この映画、観る前からかなり期待していた映画だよね。
「うん。でも最初は違ったんだ。
このニュースに触れたのは
まだ、園子音監督の前作『恋の罪』が
東電OL殺人事件をモチーフにしたと話題になっていた頃。
いまじゃや、“東電”のトの字も出ないけどね。
ところが...
2012/01/11(水) 23:19:18 | ラムの大通り
普通。日常。軽口のバラード。
2012/01/14(土) 16:38:05 | 悠雅的生活
住田がんばれ!!!
2012/01/14(土) 16:47:13 | Akira's VOICE
12/26 ヒミズ試写 一ツ橋ホール
古谷実による漫画で商業誌連載第四弾目の作品である。
今までのギャグマンガ路線から一線を画した作品で、人間のより暗い部分を見せる作品に仕上がっている。
全4巻。
2...
2012/01/14(土) 21:25:59 | 単館系
園子温・監督が古谷実・原作コミック『ヒミズ』を映画化。撮影準備期間中に起こった東日本大震災をうけて舞台設定を変更して完成。主演の染谷将太と二階堂ふみは、本作でヴェネチア国際映画祭マルチェロ・マストロヤ
2012/01/15(日) 21:46:31 | 映画雑記・COLOR of CINEMA
予告編を観てからずっと気になってた『ヒミズ』を観てきました。
★★★★★
観ていて心が痛くなる、世の中どっちを向いても光が見つからない、そんな中にも光を見出そうと這いずる主人公の感情を瞬間的に疑似体験する。
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』『息もできない』...
2012/01/15(日) 23:38:49 | そーれりぽーと
□作品オフィシャルサイト 「ヒミズ」□監督・脚本 園 子温 □原作 古谷 実□キャスト 染谷将太、二階堂ふみ、渡辺 哲、吹越満、神楽坂恵、光石 研、 渡辺真起子、黒沢あすか、でんでん、村上 淳鑑賞日 1月14日(土 )■劇場 TOHOシネマズ川崎■c...
2012/01/17(火) 08:20:17 | 京の昼寝~♪
ヒミズ監督:園子温/2012年/日本
どん底からでも、這い上がれる。
古谷実原作の「ヒミズ」です。今回も、原作は読んでいません。なので、映画としての評価と思って欲しいです。いつも言っていますが…。いやあ、結局、どんな映画でも原作つきだと、原作のほうがよかっ...
2012/01/17(火) 13:23:18 | 映画感想 * FRAGILE
恐るべき園子温監督の世界で恐るべき輝きを放つ染谷将太と二階堂ふみ。
トコトン絶望的だと言われている古谷実先生の原作を東日本大震災と絡めることで、絶望・暴力・でんでん親 ...
2012/01/18(水) 18:10:26 | こねたみっくす
「ヒミズ」★★★★
染谷将太、二階堂ふみ、窪塚洋介、
吹越満、でんでん、黒沢あすか出演
園子温監督、
129分、 2012年1月14日公開
日本,ギャガ
(原題:古谷実「ヒミズ」 )
2012/01/19(木) 07:47:49 | soramove
「冷たい熱帯魚」の園子温監督が漫画家・古谷実(『行け!稲中卓球部』)の問題作を映画化。家庭環境に恵まれない少年と愛に飢えた少女、2人の中学生の青春を切れ味鋭い独自のタッ ...
2012/01/19(木) 11:26:07 | パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ
中学3年生の住田祐一(染谷将太)は、同級生の茶沢景子(二階堂ふみ)に好意を抱かれ、何かと積極的にアプローチされる。
貸ボート屋を営む敷地内には、震災で家を失くした人たちが暮していたが、ある日、...
2012/01/20(金) 13:44:59 | 心のままに映画の風景
鑑賞記:にんげんは、モグラには成れない。1.レギュラーボトルたちの憂鬱Q。きちんと教育を充填されたボトルさえ、市場にて活躍できない。そのヘンな国は?2.人(ふたり)の新しい星、輝く。3.「おまけ」の方が良くなることもある志(こころざし)を全うできない(?...
2012/01/22(日) 19:39:41 | 朱色会
ヒミズ
★★★☆☆(★3つ)
「生きろ」と、君が言った。
主演の二人染谷将太、二階堂ふみが
第68回ヴェネチア映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人賞)
「普通万歳」をモットーに生きる住田祐一は、衝動的に父親を殺してしまったことから、
残りの人生を「オ?...
2012/01/22(日) 19:59:46 | 食はすべての源なり。
東日本大震災の津波で破壊された街並みでのロケーションを行っているので、絶望の淵まで追いやられた若者の再生が現実と重なっている。間違いなく2012年ベスト邦画の一つになるだろう。
2012/01/22(日) 22:59:20 | とらちゃんのゴロゴロ日記-Blog.ver
「行け!稲中卓球部」の古谷実が、若者の心の暗部を浮き彫りにしたコミック「ヒミズ」を、「冷たい熱帯魚」「恋の罪」の鬼才・園子温監督が実写映画化。ごく普通に生きることを願 ...
2012/01/23(月) 00:00:59 | 気ままな映画生活
15歳、中学三年生の住田(染谷将太)は、震災で家を失った大人たちが集う、
湖の畔の貸しボート屋で暮らしていた。住田のクラスメイト・茶沢(二階堂ふみ)
は、「普通最高!」と叫ぶ住田を神格化し、憧...
2012/01/23(月) 10:28:30 | 真紅のthinkingdays
劇場にて鑑賞
こちらには来ないとあきらめていた映画だったが、ネットで観ると
近くの劇場でやっていた。
ずっと観たかった映画である。
解説
『恋の罪』などの鬼才園子温が監督を務め、古谷実原作の人気漫画を
映画化した衝撃作。
ごく平凡な15歳の少...
2012/01/28(土) 02:01:28 | A Day In The Life
ヒミズ
監督: 園子温
出演: 染谷将太、二階堂ふみ、渡辺哲、吹越満、神楽坂恵、光石研、渡辺真起子、黒沢あすか、でんでん、村上淳、窪塚洋介、吉高由里子、西島隆弘、鈴木杏
公開: 2012年...
2012/01/28(土) 02:06:21 | 映画@見取り八段
映画「ヒミズ」を鑑賞しました。
2012/01/28(土) 20:10:48 | FREE TIME
「生きろ」と、君が言った。
製作年度 2011年
上映時間 129分 映倫 PG12
原作 古谷実
脚本/監督 園子温
音楽 原田智英
出演 染谷将太/二階堂ふみ/渡辺哲/光石研/吹越満/渡辺真起子/神楽坂恵/でんでん/村上淳/窪塚洋介
15歳の孤独な少年、住田祐一の夢は、誰にも迷惑...
2012/01/28(土) 22:31:26 | to Heart
20日のことですが、映画「ヒミズ」を鑑賞しました。
普通に生きることが夢の中学3年生の祐一
彼のことが好きな同じクラスの景子
この2人に起きる事件・・・
うーん 強烈!
パンチの効いた作品といいますか
ストーリー展開はどこにいくか わからなく
最後まで見れまし...
2012/01/30(月) 12:15:36 | 笑う学生の生活
原作ありきの作品ですが、原作は未読です。だから、まったく真っ白な状態で鑑賞。でも、監督は園子温ということで、どんな料理になっているのやらと。2011年3月11日の震災の後の物語。彼は母が営む川辺のボート小屋で暮らしている。父は家を出て、お金が無くなると時々その為
2012/01/30(月) 23:32:21 | 黒猫のうたた寝
<<ストーリー>>
どこにでもいる中学3年生の祐一(染谷将太)の夢は、
成長してごく当たり前のまっとうな大人になること。
一方、同い年の景子(二階堂ふみ)の夢は、自分が愛する人と支え合いながら
...
2012/02/01(水) 07:57:30 | ゴリラも寄り道
【=4 -0-】 特に注目していなかったけど友人からのお奨めだったし、主人公の2人がヴェネチア国際映画祭では最優秀新人俳優賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞のW受賞したというのも話題だったので、観ようかなと思いだした。
今日、東京に中途半端な時間に到着して...
2012/02/03(金) 10:35:13 | 労組書記長社労士のブログ
映画『ヒミズ』(ヒミズ=日見ずがモグラのことだとは、初めて知りました)は絶好調・
2012/02/07(火) 00:39:52 | 大江戸時夫の東京温度
第68回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で主演の染谷将太と二階堂ふみがマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞した作品。不幸な家庭環境に置かれた中学3年生の男子生徒と彼を取り巻く人たちの物語です。
2012/02/07(火) 12:45:35 | 水曜日のシネマ日記
『ヒミズ』を吉祥寺バウスシアターで見ました。
(1)本作は、昨年、『冷たい熱帯魚』と『恋の罪』で鮮烈な印象を残した園子温監督の作品ですから、やはり大いなる期待を持って映画館に出向きました。
園監督は、このところ随分と短いインターバルで衝撃作を次々に公開...
2012/02/07(火) 22:04:14 | 映画的・絵画的・音楽的
「ヒミズ」は古谷実原作の「ヒミズ」を映画化し第68回ヴェネツィア国際映画祭にて出演した染谷将太さんと二階堂ふみさんが新人賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞した ...
2012/02/25(土) 17:15:33 | オールマイティにコメンテート
昨日、映画の日でしたから、待ってたこの映画を観てきました。
『愛のむきだし』で園子温監督作品も予習しておきましたから。
ですが、原作のコミックは未読。
泥だらけ・・・
暴力がいっぱい
...
2012/03/02(金) 22:50:42 | よくばりアンテナ
★★★★“絶望に追い込まれながらも生きようとするパワーそして映画のパワーにやられました”映画は、震災で被災しがれきだらけとなった街で住田が洗濯機の中から見つけたピストルを使って自殺する夢の場面から始まります。ゴミ処理場なのかなと思ったら実際に被災した場...
2012/03/13(火) 09:00:45 | 映画とライトノベルな日常自販機
かなり暗いとは知ってはいたが…。と言うわけで、ヒミズを見てきました。
2012/04/15(日) 03:42:00 | よしなしごと
11年/日本/129分/青春ドラマ/PG12/劇場公開(2012/01/14)
-監督-
園子温
過去監督作:『恋の罪』
-アクション監督-
坂口拓
-原作-
古谷実
-脚本-
園子温
-出演-
*染谷将太…住田祐一
過去出演作:『フレフレ少女』
*二階堂ふみ…茶沢景子
*渡辺?...
2012/07/04(水) 02:48:46 | 銀幕大帝α
古谷実さんの同名コミックを実写映画化。原作は未読ですがかなり暗い内容らしい。当然かなり暗い映画だとは知っていましたが、評判良さそうなので借りてみました、園子温監督ですし...
2012/07/20(金) 09:39:50 | いやいやえん
評価:★★★★★星5つ (僕的主観:★★★★4つ) 僕は原作をいまはよく覚えていないし、園子温さんの作品を他にまだ見ていないし(早く『愛のむき出し』『希望の国』を見なけれ
2013/04/19(金) 14:13:44 | 物語三昧〜できればより深く物語を楽しむために
ついに来ましたこの映画[E:sign03] 舞台背景を東日本大震災後に設定して映
2015/08/14(金) 11:07:23 | オススメ映画情報 (ジョニー・タピア Cinemas)
知りませんでした。原作は、コミック。ギャグ漫画の傑作。「行け!稲中卓球部」で人気を博した古谷実が、ギャグを封印して若者の心の暗部を浮き彫りに。チャレンジ作品、だったのですね。でも、天才は、何を描いても凄いだなぁ…。ごく普通に生きることを願っていた祐一と、愛する人と守り守られ生きていくことを夢見る景子。ともに15歳の2人の日常が、ある事件をきっかけに絶望と狂気に満ちたものへと変わっていく様子を...
2019/06/19(水) 17:05:03 | のほほん便り
| ホーム |