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2012年08月26日 (日) | 編集 |
トニー・スコット監督が亡くなった。
8月19日に数々の映画が撮影された事でも知られるサンペドロのVincent Thomas Bridgeから飛び降りたという。
兄のリドリーと共に一時代を築いた映画作家であることは、誰も異論を唱えないだろうが、世に兄弟監督は珍しくなくても、作家として全く異なったスタイルを持ちながら、どちらも成功した兄弟というのは稀有なのではないだろうか。
生涯の監督作品は長編劇映画だけで16本。
元々CMディレクター出身なので、それらを含めると膨大な作品があるだろう。
スタイリッシュでスピード感のあるキレキレの映像は、私を含めて80年代当時自主映画を撮っていた8ミリ少年少女たちに絶大な影響を与え、ジェリー・ブラッカイマーを出世させ、トム・クルーズやデンゼル・ワシントンをハリウッドのトップスターに押し上げた。
ここでは、追悼の意味を込めて彼の作品の中でも、是非オススメしたい私的ベスト5を振り返ってみたい。
1.マイ・ボディガード(2004):
私的トニー・スコットのベスト。エンターテインメントの巨匠の風格を感じさせる一本である。
嘗て凄腕の暗殺者だった元軍人の主人公が、幼い少女のボディガードの仕事を受ける。最初は噛み合わない二人の間に、徐々に築かれる信頼と愛情。「レオン」や「アジョシ」など、アウトローと無垢なる少女という組み合わせの系譜に連なる作品で、デンゼル・ワシントンとダコタ・ファニングが素晴らしい。
大人たちの陰謀が少女を襲う時、死を賭して立ち上がるワシントンのカッコイイこと!
2.クリムゾン・タイド(1995):
これは90年代を代表する潜水艦映画の傑作。外部との連絡が途絶する中、戦争勃発を信じ核ミサイルを発射しようとするジーン・ハックマン演じる艦長と、戦争を阻止しようとするデンゼル・ワシントン演じる副長の火花散る演技合戦。潜水艦という究極の密室を活かした、文字通り息の詰まりそうなサスペンスを味わえる。
最後の監督作品となった「アンストッパブル」まで5本で組んだスコット&ワシントンの最初のコンビ作でもある。
3.トゥルー・ロマンス(1993):
当時売り出し中だったタランティーノのノリノリの脚本を得て、ある意味トニー・スコット節が完成を見た一本。それまでの作品ではやや一本調子が目立っていたのだが、この作品を経験した事でストーリーテリングの重層化の必要性を認識したのではないだろうか。
ハンス・ジマーのテーマ曲は、本作がモチーフとしたテレンス・マリックの「地獄の逃避行」のテーマ曲へのオマージュだが、今ではオリジナルよりこっちのほうが有名になってしまった。
4.ハンガー(1983):
長編デビュー作。これ、封切りは確かシネマスクエアとうきゅうだったと思う。
カトリーヌ・ドヌーヴとデヴィッド・ボウイという異色の顔合わせで描かれるエキセントリックな吸血鬼映画。牙ではなく、小さなナイフで傷をつけて、そこから血を吸うのもユニーク。
賛否両論だったが、スピード感のある映像感覚は兄とはまた違った強烈な個性を感じさせ、スタイリッシュ系吸血鬼映画の系譜の源流となった一本。
5.エネミー・オブ・アメリカ(1998):
平凡な男が、偶然にも暗殺事件の証拠テープを手にしてしまった事から、“国家の敵”にでっち上げられる典型的な巻き込まれ型サスペンス。ちょうどインターネットが普及し始めていた時代で、情報とプライバシーというタイムリーなモチーフを物語にうまく使っている。
偵察衛星からの映像などを効果的に使い、秘密を握る主人公、隠蔽したい国家安全保障局(NSA)、更にはマフィアのボスなど、幾つもの視点が入り乱れるサスペンス演出がスリリングだった。
聞くところによると、トニー・スコットは「トップガン2」のプロジェクトに正式に入っていて、亡くなる二日前にもトム・クルーズとシナリオハンティングを行っていたという。
なぜ突然の死を選んでしまったのか、本当の所は本人にしかわからない。
確実なのは、彼の作り上げてきた映画は、これからも多くの人に愛され、映画監督トニー・スコットの名は、永遠に記憶され続けるという事のみである。
今まで、沢山の素晴らしい作品で楽しませてくれてありがとう。安らかに・・・合掌。
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8月19日に数々の映画が撮影された事でも知られるサンペドロのVincent Thomas Bridgeから飛び降りたという。
兄のリドリーと共に一時代を築いた映画作家であることは、誰も異論を唱えないだろうが、世に兄弟監督は珍しくなくても、作家として全く異なったスタイルを持ちながら、どちらも成功した兄弟というのは稀有なのではないだろうか。
生涯の監督作品は長編劇映画だけで16本。
元々CMディレクター出身なので、それらを含めると膨大な作品があるだろう。
スタイリッシュでスピード感のあるキレキレの映像は、私を含めて80年代当時自主映画を撮っていた8ミリ少年少女たちに絶大な影響を与え、ジェリー・ブラッカイマーを出世させ、トム・クルーズやデンゼル・ワシントンをハリウッドのトップスターに押し上げた。
ここでは、追悼の意味を込めて彼の作品の中でも、是非オススメしたい私的ベスト5を振り返ってみたい。
1.マイ・ボディガード(2004):
私的トニー・スコットのベスト。エンターテインメントの巨匠の風格を感じさせる一本である。
嘗て凄腕の暗殺者だった元軍人の主人公が、幼い少女のボディガードの仕事を受ける。最初は噛み合わない二人の間に、徐々に築かれる信頼と愛情。「レオン」や「アジョシ」など、アウトローと無垢なる少女という組み合わせの系譜に連なる作品で、デンゼル・ワシントンとダコタ・ファニングが素晴らしい。
大人たちの陰謀が少女を襲う時、死を賭して立ち上がるワシントンのカッコイイこと!
2.クリムゾン・タイド(1995):
これは90年代を代表する潜水艦映画の傑作。外部との連絡が途絶する中、戦争勃発を信じ核ミサイルを発射しようとするジーン・ハックマン演じる艦長と、戦争を阻止しようとするデンゼル・ワシントン演じる副長の火花散る演技合戦。潜水艦という究極の密室を活かした、文字通り息の詰まりそうなサスペンスを味わえる。
最後の監督作品となった「アンストッパブル」まで5本で組んだスコット&ワシントンの最初のコンビ作でもある。
3.トゥルー・ロマンス(1993):
当時売り出し中だったタランティーノのノリノリの脚本を得て、ある意味トニー・スコット節が完成を見た一本。それまでの作品ではやや一本調子が目立っていたのだが、この作品を経験した事でストーリーテリングの重層化の必要性を認識したのではないだろうか。
ハンス・ジマーのテーマ曲は、本作がモチーフとしたテレンス・マリックの「地獄の逃避行」のテーマ曲へのオマージュだが、今ではオリジナルよりこっちのほうが有名になってしまった。
4.ハンガー(1983):
長編デビュー作。これ、封切りは確かシネマスクエアとうきゅうだったと思う。
カトリーヌ・ドヌーヴとデヴィッド・ボウイという異色の顔合わせで描かれるエキセントリックな吸血鬼映画。牙ではなく、小さなナイフで傷をつけて、そこから血を吸うのもユニーク。
賛否両論だったが、スピード感のある映像感覚は兄とはまた違った強烈な個性を感じさせ、スタイリッシュ系吸血鬼映画の系譜の源流となった一本。
5.エネミー・オブ・アメリカ(1998):
平凡な男が、偶然にも暗殺事件の証拠テープを手にしてしまった事から、“国家の敵”にでっち上げられる典型的な巻き込まれ型サスペンス。ちょうどインターネットが普及し始めていた時代で、情報とプライバシーというタイムリーなモチーフを物語にうまく使っている。
偵察衛星からの映像などを効果的に使い、秘密を握る主人公、隠蔽したい国家安全保障局(NSA)、更にはマフィアのボスなど、幾つもの視点が入り乱れるサスペンス演出がスリリングだった。
聞くところによると、トニー・スコットは「トップガン2」のプロジェクトに正式に入っていて、亡くなる二日前にもトム・クルーズとシナリオハンティングを行っていたという。
なぜ突然の死を選んでしまったのか、本当の所は本人にしかわからない。
確実なのは、彼の作り上げてきた映画は、これからも多くの人に愛され、映画監督トニー・スコットの名は、永遠に記憶され続けるという事のみである。
今まで、沢山の素晴らしい作品で楽しませてくれてありがとう。安らかに・・・合掌。

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この記事へのコメント
90年代から今に至るまで自主映画を撮っている私にとってもトニーは絶大な影響を与え続けていました
映画界にとってあまりに大きい損失でした。
私のベスト5は
デジャヴ、ドミノ、ラスト・ボーイスカウト、クリムゾン・タイド、トップガン・・・というところです。順番決められないんで全部1位ということで
「ハンガー」は未見です。やっぱデヴィッド・ボウイが吸血鬼でしょうか。観て〜
何があったかはわかりませんがトニーのご冥福をお祈りします
映画界にとってあまりに大きい損失でした。
私のベスト5は
デジャヴ、ドミノ、ラスト・ボーイスカウト、クリムゾン・タイド、トップガン・・・というところです。順番決められないんで全部1位ということで
「ハンガー」は未見です。やっぱデヴィッド・ボウイが吸血鬼でしょうか。観て〜
何があったかはわかりませんがトニーのご冥福をお祈りします
>しんさん
良い意味でエンタメ一本槍の潔い映画作家でしたね。
おしゃれでスピード感のある映像を細かくカッティングしてゆくスタイルは、今でこそPV出身の監督が増えて普通になりましたが、トニー・スコットはパイオニアだったと思います。
「ハンガー」は良いですよ。
この独特の世界観は当時は非常に新鮮でした。
「トップガン2」も観たかったなあ・・・・。
良い意味でエンタメ一本槍の潔い映画作家でしたね。
おしゃれでスピード感のある映像を細かくカッティングしてゆくスタイルは、今でこそPV出身の監督が増えて普通になりましたが、トニー・スコットはパイオニアだったと思います。
「ハンガー」は良いですよ。
この独特の世界観は当時は非常に新鮮でした。
「トップガン2」も観たかったなあ・・・・。
2012/08/27(月) 22:31:15 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
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トニー・スコット監督が亡くなった。8月19日。カリフォルニアにあるヴィンセント・トーマ
2012/08/26(日) 23:24:57 | 自主映画制作工房Stud!o Yunfat 映評のページ
トニー・スコット自殺というあまりにショッキングな報を受け、ついつい「アンストッパブル」と「ラスト・ボーイスカウト」のDVDを注文してしまうくらい混乱してしまった私。
トニー
2012/08/26(日) 23:26:05 | 自主映画制作工房Stud!o Yunfat 映評のページ
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