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2013年03月09日 (土) | 編集 |
カッコイイとは、こういう事さ。
映画監督にしてエンスージアスティックな映画マニア、クエンティン・タランティーノが今回俎上に載せるのは、彼自身が一番好きだという西部劇だ。
しかも 換骨奪胎するのはハリウッド保守本流ではなく、イタリア製の所謂マカロニ・ウェスタンである。
なるほど、一般に白人のジャンルの印象が強い西部劇にも関わらず、本作のヒーローはジェイミー・フォックス演じる解放奴隷のジャンゴで、パートナーとなるのは外国人賞金稼ぎのシュルツ。
伝統的な西部劇の世界観ではアウトサイダーである彼らが、超白人至上主義者の農園主と対決するのだから、これは西部劇に対する大いなるオマージュであるのと同時にアンチテーゼでもある。
※ラストに触れています。
南北戦争勃発の二年前。
歯科医から賞金稼ぎへと転進したドイツ人のシュルツ(クリストフ・ヴァルツ)は、賞金首の顔を知る奴隷のジャンゴ(ジェイミー・フォックス)を奴隷商人から強引に買い取る。
ジャンゴが生き別れになった妻のブルームヒルダ(ケリー・ワシントン)を捜している事を知ったシュルツは、彼をパートナーとすると、次々にお尋ね者を殺して賞金を荒稼ぎ。
遂に、ブルームヒルダを買ったのが、南部の大農園主ムッシュ・キャンディ(レオナルド・デカプリオ)である事を突き止める。
だがキャンディは、鍛え上げた奴隷同士を死ぬまで戦わせて楽しむ様な極悪人で、そう簡単にブルームヒルダを買い戻せるとは思えない。
シュルツは、キャンディをペテンにかける計画を立て、 ジャンゴを黒人の奴隷商人に仕立て上げると、農場へ乗り込むことに成功する。
だが、キャンディの部下のスティーブン(サミュエル・L・ジャクソン)が、ジャンゴとブルームヒルダが顔見知りだと気づき・・・・
タランティーノの最大の特質は、娯楽映画としての巧みな脚本構成と、わかりやすいマニアックさにあると思う。
今回も、冒頭がいきなりセルジオ・コルブッチ監督のマカロニの名作、「続 荒野の用心棒」のほとんどフルコピー。
タイトルロールの“ジャンゴ”自体がこの映画でフランコ・ネロが演じたキャラクターと同名であり、オリジナルでは彼がマシンガンの入った棺桶を引きずって登場するが、今回引きずられているのは奴隷であるジャンゴ自身という訳だ。
更に劇中には、ご丁寧にネロとフォックスの新旧ジャンゴが顔を合わせるシーンまである。
他にも「殺しが静かにやって来る」「マンディンゴ」「黒いジャガー」など、一見しただけでもわかる引用作品は数多い。
もちろん、タランティーノは単に古い映画の再現をやって喜んでいる訳ではない。
本作の物語のベースになっているのは、今なお人種間対立に影を落とし、アメリカ人が一番触れられたくない黒歴史、奴隷制度の悲劇であり、人道主義を標榜する現代から、米国史が抱え込む矛盾への痛烈な自己批判である。
勝手に歴史を改変してまで、ナチズムをコテンパンにした「イングロリアス・バスターズ」に続いて、タランティーノは嘗て白人が演じたジャンゴというアイコンを、あえて黒人に置き換えることで、実に痛快に奴隷制度を粉砕してみせる。
ハリウッド映画ではなく、タランティーノの民族的ルーツでもあるイタリア人が、西部開拓史を戯画的に描いたマカロニをベースにしたのも、生々しすぎるモチーフだからなのかもしれない。
映画作家としてのタランティーノのやりたい事は、決して実録物の様なリアリズムではなく、あくまでも虚構としての映画力、シネマティック・イリュージョンによってテーマを表現する事なのだと思う。
実際、長い歴史を持つハリウッドでも、物語のバックグラウンドやサイドストーリーではなく、正面から奴隷制度を描いた作品は少ない。
本作にも強い影響を与えていそうなリチャード・フライシャー監督の「マンディンゴ」や、日本でも大きな話題になったテレビドラマの「ルーツ」、それにスピルバーグの「アミスタッド」あたりが思い浮かぶ位だろうか。
アメリカの奴隷制度の暗部を赤裸々に描いた初めての作品は、私の知る限りではハンガリーのゲザ・フォン・ラトヴァニ監督が1965年に発表した「アンクル・トム」だ。
原作はもちろん、1852年に出版されたハリエット・ビーチャー・ストウの米国古典文学「アンクル・トムの小屋」で、当時のアメリカで大論争を巻き起こし、南北戦争の遠因になったとも言われている小説だが、この映画は西ドイツ・フランスなどヨーロッパ資本の合作によって製作された。
またマカロニ・ウェスタンを生み出したイタリア映画界では、1971年にモンド映画の巨匠グァルティエロ・ヤコペッティがドキュメントタッチの異色作「残酷大陸」を発表。
奴隷制度を描く劇映画に関しては、アメリカよりもタブーから自由なヨーロッパが先んじていたのである。
本作においても、ドイツ人であるシュルツは、人間を家畜の様に扱う奴隷制度に、何の疑問も抱かないアメリカ人の野蛮さに辟易している。
そして彼が自由にしたジャンゴと、その妻ブルームヒルダの物語に、母国ドイツの英雄叙事詩「ニーベルンゲンの歌」重ね合わせるのだ。
本来の叙事詩の主人公、英雄ジークフリートは、唯一の弱点である背中を貫かれて息絶えるが、シュルツはドイツ人の誇りにかけてアメリカの荒野で物語の結末を書き換えようとするのである。
面白いのは、この役を演じているクリストフ・ヴァルツが、「イングロリアス・バスターズ」では、邪悪なナチス将校を演じていた事で、今度は真逆の立場で卑劣漢のアメリカ人たちをぶっ殺すのだから、やはりタランティーノのセンスはユニークだ。
またこのキャラクターは、ムッシュ・キャンディに体現される傲慢なアメリカの白人たちに対する、ジャンゴの復讐心のストッパーの役割をも果たしている。
冒頭の奴隷商人たちから、ドン・ジョンソン演じるKKKの元祖(?)に、デカプリオが怪演するムッシュ・キャンディとその一党にいたるまで、本作に登場する“白いアメリカ人”たちは、とにかく奴隷サイドから見た血も涙も無い極悪人として描写されており、それ故に物語の終盤でシュルツが退場すると、もはや誰もジャンゴを止められる者はいなくなる。
無敵のジークフリート、いやジャンゴは、自らを虐げた白人たちに徹底的な破壊と殺戮を齎すダークヒーローと化すのである。
もちろん、タランティーノ自身はアメリカの負の歴史を描きながらも、自分が加害者サイドの白人である事も十分認識しており、だからこそ自らスクリーンでジャンゴと対決し、ある意味劇中で最も壮絶な最期を遂げて見せたのだろう。
娯楽映画として本作のバランス感覚が非常に優れている点は、単純な“悪の白人vs正義の黒人”という構図に陥らせないように、物語の軸にシュルツというジャンゴにとってもリスペクトの対象となる白人を配置し、同時に最終的なボスキャラのポジションを、黒人でありながら黒人を支配するスティーブンに設定したことだろう。
これによってジャンゴの殺戮は、肌の色によるものでなく、あくまでも非人道的な悪を対象とした行為である事が強調され、観客は彼の拳銃が火を噴くたびに悪漢たちが倒される事に、心おきなく映画的カタルシスを感じる事ができるのだ。
もっとも、いくら痛快とは言ってもそれが暴力の連鎖に変わりはないことも、本作は時代設定によって示唆する事を忘れない。
大爆発するムッシュ・キャンディの屋敷と共に、ジャンゴの“戦争”は終わったかもしれない。
しかし、彼らのすぐ先にある未来、それは決して平穏な時代ではなく、同じ国の国民同士が殺し合い、60万人以上の犠牲を出した“南北戦争”という史実であり、その後の長い長い人種間対立の歴史なのである。
今回は1888年創業の、代表的なケンタッキーバーボン「フォア・ローゼス・プラチナ」を。
ラベルに描かれた薔薇は、一説によるとこの酒の生みの親ポール・ジョーンズがプロポーズした相手が、結婚OKであれば四輪の薔薇をつけて舞踏会に来ると約束した事に由来するという。
テイストは適度なコクがあり、クリーミーでまろやかで比較的飲みやすい。
現在では日本のキリンビールのグループ会社になっている事もあって、日本でも一番手に入りやすいバーボンである。
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映画監督にしてエンスージアスティックな映画マニア、クエンティン・タランティーノが今回俎上に載せるのは、彼自身が一番好きだという西部劇だ。
しかも 換骨奪胎するのはハリウッド保守本流ではなく、イタリア製の所謂マカロニ・ウェスタンである。
なるほど、一般に白人のジャンルの印象が強い西部劇にも関わらず、本作のヒーローはジェイミー・フォックス演じる解放奴隷のジャンゴで、パートナーとなるのは外国人賞金稼ぎのシュルツ。
伝統的な西部劇の世界観ではアウトサイダーである彼らが、超白人至上主義者の農園主と対決するのだから、これは西部劇に対する大いなるオマージュであるのと同時にアンチテーゼでもある。
※ラストに触れています。
南北戦争勃発の二年前。
歯科医から賞金稼ぎへと転進したドイツ人のシュルツ(クリストフ・ヴァルツ)は、賞金首の顔を知る奴隷のジャンゴ(ジェイミー・フォックス)を奴隷商人から強引に買い取る。
ジャンゴが生き別れになった妻のブルームヒルダ(ケリー・ワシントン)を捜している事を知ったシュルツは、彼をパートナーとすると、次々にお尋ね者を殺して賞金を荒稼ぎ。
遂に、ブルームヒルダを買ったのが、南部の大農園主ムッシュ・キャンディ(レオナルド・デカプリオ)である事を突き止める。
だがキャンディは、鍛え上げた奴隷同士を死ぬまで戦わせて楽しむ様な極悪人で、そう簡単にブルームヒルダを買い戻せるとは思えない。
シュルツは、キャンディをペテンにかける計画を立て、 ジャンゴを黒人の奴隷商人に仕立て上げると、農場へ乗り込むことに成功する。
だが、キャンディの部下のスティーブン(サミュエル・L・ジャクソン)が、ジャンゴとブルームヒルダが顔見知りだと気づき・・・・
タランティーノの最大の特質は、娯楽映画としての巧みな脚本構成と、わかりやすいマニアックさにあると思う。
今回も、冒頭がいきなりセルジオ・コルブッチ監督のマカロニの名作、「続 荒野の用心棒」のほとんどフルコピー。
タイトルロールの“ジャンゴ”自体がこの映画でフランコ・ネロが演じたキャラクターと同名であり、オリジナルでは彼がマシンガンの入った棺桶を引きずって登場するが、今回引きずられているのは奴隷であるジャンゴ自身という訳だ。
更に劇中には、ご丁寧にネロとフォックスの新旧ジャンゴが顔を合わせるシーンまである。
他にも「殺しが静かにやって来る」「マンディンゴ」「黒いジャガー」など、一見しただけでもわかる引用作品は数多い。
もちろん、タランティーノは単に古い映画の再現をやって喜んでいる訳ではない。
本作の物語のベースになっているのは、今なお人種間対立に影を落とし、アメリカ人が一番触れられたくない黒歴史、奴隷制度の悲劇であり、人道主義を標榜する現代から、米国史が抱え込む矛盾への痛烈な自己批判である。
勝手に歴史を改変してまで、ナチズムをコテンパンにした「イングロリアス・バスターズ」に続いて、タランティーノは嘗て白人が演じたジャンゴというアイコンを、あえて黒人に置き換えることで、実に痛快に奴隷制度を粉砕してみせる。
ハリウッド映画ではなく、タランティーノの民族的ルーツでもあるイタリア人が、西部開拓史を戯画的に描いたマカロニをベースにしたのも、生々しすぎるモチーフだからなのかもしれない。
映画作家としてのタランティーノのやりたい事は、決して実録物の様なリアリズムではなく、あくまでも虚構としての映画力、シネマティック・イリュージョンによってテーマを表現する事なのだと思う。
実際、長い歴史を持つハリウッドでも、物語のバックグラウンドやサイドストーリーではなく、正面から奴隷制度を描いた作品は少ない。
本作にも強い影響を与えていそうなリチャード・フライシャー監督の「マンディンゴ」や、日本でも大きな話題になったテレビドラマの「ルーツ」、それにスピルバーグの「アミスタッド」あたりが思い浮かぶ位だろうか。
アメリカの奴隷制度の暗部を赤裸々に描いた初めての作品は、私の知る限りではハンガリーのゲザ・フォン・ラトヴァニ監督が1965年に発表した「アンクル・トム」だ。
原作はもちろん、1852年に出版されたハリエット・ビーチャー・ストウの米国古典文学「アンクル・トムの小屋」で、当時のアメリカで大論争を巻き起こし、南北戦争の遠因になったとも言われている小説だが、この映画は西ドイツ・フランスなどヨーロッパ資本の合作によって製作された。
またマカロニ・ウェスタンを生み出したイタリア映画界では、1971年にモンド映画の巨匠グァルティエロ・ヤコペッティがドキュメントタッチの異色作「残酷大陸」を発表。
奴隷制度を描く劇映画に関しては、アメリカよりもタブーから自由なヨーロッパが先んじていたのである。
本作においても、ドイツ人であるシュルツは、人間を家畜の様に扱う奴隷制度に、何の疑問も抱かないアメリカ人の野蛮さに辟易している。
そして彼が自由にしたジャンゴと、その妻ブルームヒルダの物語に、母国ドイツの英雄叙事詩「ニーベルンゲンの歌」重ね合わせるのだ。
本来の叙事詩の主人公、英雄ジークフリートは、唯一の弱点である背中を貫かれて息絶えるが、シュルツはドイツ人の誇りにかけてアメリカの荒野で物語の結末を書き換えようとするのである。
面白いのは、この役を演じているクリストフ・ヴァルツが、「イングロリアス・バスターズ」では、邪悪なナチス将校を演じていた事で、今度は真逆の立場で卑劣漢のアメリカ人たちをぶっ殺すのだから、やはりタランティーノのセンスはユニークだ。
またこのキャラクターは、ムッシュ・キャンディに体現される傲慢なアメリカの白人たちに対する、ジャンゴの復讐心のストッパーの役割をも果たしている。
冒頭の奴隷商人たちから、ドン・ジョンソン演じるKKKの元祖(?)に、デカプリオが怪演するムッシュ・キャンディとその一党にいたるまで、本作に登場する“白いアメリカ人”たちは、とにかく奴隷サイドから見た血も涙も無い極悪人として描写されており、それ故に物語の終盤でシュルツが退場すると、もはや誰もジャンゴを止められる者はいなくなる。
無敵のジークフリート、いやジャンゴは、自らを虐げた白人たちに徹底的な破壊と殺戮を齎すダークヒーローと化すのである。
もちろん、タランティーノ自身はアメリカの負の歴史を描きながらも、自分が加害者サイドの白人である事も十分認識しており、だからこそ自らスクリーンでジャンゴと対決し、ある意味劇中で最も壮絶な最期を遂げて見せたのだろう。
娯楽映画として本作のバランス感覚が非常に優れている点は、単純な“悪の白人vs正義の黒人”という構図に陥らせないように、物語の軸にシュルツというジャンゴにとってもリスペクトの対象となる白人を配置し、同時に最終的なボスキャラのポジションを、黒人でありながら黒人を支配するスティーブンに設定したことだろう。
これによってジャンゴの殺戮は、肌の色によるものでなく、あくまでも非人道的な悪を対象とした行為である事が強調され、観客は彼の拳銃が火を噴くたびに悪漢たちが倒される事に、心おきなく映画的カタルシスを感じる事ができるのだ。
もっとも、いくら痛快とは言ってもそれが暴力の連鎖に変わりはないことも、本作は時代設定によって示唆する事を忘れない。
大爆発するムッシュ・キャンディの屋敷と共に、ジャンゴの“戦争”は終わったかもしれない。
しかし、彼らのすぐ先にある未来、それは決して平穏な時代ではなく、同じ国の国民同士が殺し合い、60万人以上の犠牲を出した“南北戦争”という史実であり、その後の長い長い人種間対立の歴史なのである。
今回は1888年創業の、代表的なケンタッキーバーボン「フォア・ローゼス・プラチナ」を。
ラベルに描かれた薔薇は、一説によるとこの酒の生みの親ポール・ジョーンズがプロポーズした相手が、結婚OKであれば四輪の薔薇をつけて舞踏会に来ると約束した事に由来するという。
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この記事へのコメント
ノラネコさん☆
タランティーノ実に見事でしたねぇ。
私も「イングロリアス~」に続いてこの作品大好きです。
黒人の側につくシュルツに、白人の側についている黒人のスティーブン、確かに人間としての悪は肌の色で決まるわけではないことを示唆しているところまで、本当にお見事でした。
タランティーノ実に見事でしたねぇ。
私も「イングロリアス~」に続いてこの作品大好きです。
黒人の側につくシュルツに、白人の側についている黒人のスティーブン、確かに人間としての悪は肌の色で決まるわけではないことを示唆しているところまで、本当にお見事でした。
こんばんは〜
コメありがとうです、
>バランス感覚が非常に優れている点は、単純な“悪の白人vs正義の黒人”という構図に陥らせないように、物語の軸にシュルツというジャンゴにとってもリスペクトの対象となる白人を配置し、同時に最終的なボスキャラのポジションを、黒人でありながら黒人を支配するスティーブンに設定したこと
まさにタラの尊敬する二人の役者の重要な役どころでさすがのキャラ設定とキャスティングでしたよね。
毎回どのキャストも魅力的でさらに音楽も痺れる。
タラ、今後もバンバンやって欲しいです。
コメありがとうです、
>バランス感覚が非常に優れている点は、単純な“悪の白人vs正義の黒人”という構図に陥らせないように、物語の軸にシュルツというジャンゴにとってもリスペクトの対象となる白人を配置し、同時に最終的なボスキャラのポジションを、黒人でありながら黒人を支配するスティーブンに設定したこと
まさにタラの尊敬する二人の役者の重要な役どころでさすがのキャラ設定とキャスティングでしたよね。
毎回どのキャストも魅力的でさらに音楽も痺れる。
タラ、今後もバンバンやって欲しいです。
人種間の対立に陥らせない手腕に感心しましたが、同時に、人種を越えて普遍的な暴力の連鎖、新たな戦いの予感(もっともそれはマカロニだからでしょうが)の行く末が気になっていました。見事なレビューで理解が進みました。
支配する・支配されるという社会を絵として見事に描いてくれた用に思います。そういう社会へのダークヒーロー。喝采で迎えられるしかないかと思いますが、アメリカが無意識になりたがっている役割を感じます。不気味です。
とはいえ、日本でも散々ダークヒーローの作品は作られてきたわけですから問題視しているわけではないのですが。
公開中の「Savage」で仏教徒で平和主義者のベンも愛するもののために銃を取るわけですし、結局、愛のために感情と理屈の行き着くところはそこしかないのかもしれません。
ですがカタルシスがありすっきりしたことも否めません。監督さんはこういうふうにこれからもカタルシスを与える作品をつくりつづけるのか、変身するのか、そろそろ岐路なんでしょうか。
まだまだ「お子ちゃま的」正義のエネルギーに満たされた人のようにも感じます。どっちに進まれても今後も私たちを楽しませてくれていただきたいと切に願うものです。
あとシュルツだけでなくディカプリをにも賞をとってほしかったな。シュルツの理性とバランスをより評価したのかもしれませんが。
支配する・支配されるという社会を絵として見事に描いてくれた用に思います。そういう社会へのダークヒーロー。喝采で迎えられるしかないかと思いますが、アメリカが無意識になりたがっている役割を感じます。不気味です。
とはいえ、日本でも散々ダークヒーローの作品は作られてきたわけですから問題視しているわけではないのですが。
公開中の「Savage」で仏教徒で平和主義者のベンも愛するもののために銃を取るわけですし、結局、愛のために感情と理屈の行き着くところはそこしかないのかもしれません。
ですがカタルシスがありすっきりしたことも否めません。監督さんはこういうふうにこれからもカタルシスを与える作品をつくりつづけるのか、変身するのか、そろそろ岐路なんでしょうか。
まだまだ「お子ちゃま的」正義のエネルギーに満たされた人のようにも感じます。どっちに進まれても今後も私たちを楽しませてくれていただきたいと切に願うものです。
あとシュルツだけでなくディカプリをにも賞をとってほしかったな。シュルツの理性とバランスをより評価したのかもしれませんが。
2013/03/10(日) 06:01:58 | URL | さゆりん #mQop/nM.[ 編集]
ノラネコさん、こんにちは!
シュルツというキャラクターが効果的でしたよね。
劇中ではジャンゴのリミッタとなる役割を担っていましたが、彼の現代人に近い感覚が、観ている側のあの時代への案内役ともなっていたと思います。
主人公が相手への復讐を徹底的に行うというのは、かなりハードな表現でありながらもカタルシスを伴うというのはタランティーノらしいですよね。
サミュエル・L・ジャクソンのスティーブンが徹底的に憎らしく「怪演」でありました。
シュルツというキャラクターが効果的でしたよね。
劇中ではジャンゴのリミッタとなる役割を担っていましたが、彼の現代人に近い感覚が、観ている側のあの時代への案内役ともなっていたと思います。
主人公が相手への復讐を徹底的に行うというのは、かなりハードな表現でありながらもカタルシスを伴うというのはタランティーノらしいですよね。
サミュエル・L・ジャクソンのスティーブンが徹底的に憎らしく「怪演」でありました。
こんばんは。
先日は楽しいひと時をありがとうございました。
あの日、とらねこさんが「ジャンゴな酒を…」と
頼んでられましたが、
あとで、アメリカだからバーボンじゃないかなと…。
そうか、
「フォア・ローゼス・プラチナ」がケンタッキーバーボンなんですね。
そういえば
バーボン好きの友人と、しばらく飲んでないなあ。
先日は楽しいひと時をありがとうございました。
あの日、とらねこさんが「ジャンゴな酒を…」と
頼んでられましたが、
あとで、アメリカだからバーボンじゃないかなと…。
そうか、
「フォア・ローゼス・プラチナ」がケンタッキーバーボンなんですね。
そういえば
バーボン好きの友人と、しばらく飲んでないなあ。
>ノルウェーまだ~むさん
あの二人がクロスした関係でないと、なんと言うか逆ヘイトムービーになっちゃうんですよね。
うまい具合に娯楽映画としてバランスをとっていると思いました。
ヴァルツもサミュエルも良かったなあ。
>migさん
タランティーノ映画はやはり役者が立ちますね。
今回は特に脇役が皆良かった。
主人公のジェイミー・フォックスも好演してるんだけど、脇が良すぎて地味に感じちゃうくらいでした。
>さゆりんさん
今年はアカデミー助演男優賞が三つあっても良かったと思います。
ヴァルツ、サミュエル、デカプリオはそれぞれ強烈にキャラが立っていて、主役を喰うほどの好演でした。
デカプリオは、今後こういう悪役系も面白いんじゃないかと思わされました。
童顔が逆に生きるかと。
>はらやんさん
そうですね。
今からは考えられない様なシチュエーションなので、割と現代人に近い感覚のシュルツの存在が映画に入りやすくしていたと思います。
その分この時代の人にしては一人浮いていた様な気もしますが(笑
>えいさん
テキーラとかもジャンゴな酒な気がしますが、とりあえず無難にバーボンにしました。
これはとても語りたくなる映画でしたね。
あの時はまだ観てなかったですが、改めて今度また。
あの二人がクロスした関係でないと、なんと言うか逆ヘイトムービーになっちゃうんですよね。
うまい具合に娯楽映画としてバランスをとっていると思いました。
ヴァルツもサミュエルも良かったなあ。
>migさん
タランティーノ映画はやはり役者が立ちますね。
今回は特に脇役が皆良かった。
主人公のジェイミー・フォックスも好演してるんだけど、脇が良すぎて地味に感じちゃうくらいでした。
>さゆりんさん
今年はアカデミー助演男優賞が三つあっても良かったと思います。
ヴァルツ、サミュエル、デカプリオはそれぞれ強烈にキャラが立っていて、主役を喰うほどの好演でした。
デカプリオは、今後こういう悪役系も面白いんじゃないかと思わされました。
童顔が逆に生きるかと。
>はらやんさん
そうですね。
今からは考えられない様なシチュエーションなので、割と現代人に近い感覚のシュルツの存在が映画に入りやすくしていたと思います。
その分この時代の人にしては一人浮いていた様な気もしますが(笑
>えいさん
テキーラとかもジャンゴな酒な気がしますが、とりあえず無難にバーボンにしました。
これはとても語りたくなる映画でしたね。
あの時はまだ観てなかったですが、改めて今度また。
2013/03/14(木) 22:02:35 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
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ジャンゴと言えば「B級イメージの「スキヤキウエスタンジャンゴ」が思い出されて、最初はどうしても何でアカデミー賞にノミネートされたの?と納得いかない気分だった。
しかーし!...
2013/03/10(日) 00:15:39 | ノルウェー暮らし・イン・原宿
注 : 内容、台詞に触れています。クエンティン・タランティーノ監督によるマカロニ・ウェスタン愛満載の西部劇『ジャンゴ 繋がれざる者』本作で第85回アカデミー賞脚本賞を受賞。物語...
2013/03/10(日) 00:19:30 | 映画雑記・COLOR of CINEMA
原題 DJANGO UNCHAINED
製作年度 2012年
上映時間 165分
脚本:監督 クエンティン・タランティーノ
出演 ジェイミー・フォックス/クリストフ・ヴァルツ/レオナルド・ディカプリオ/ケリー・ワシ
2013/03/10(日) 00:33:03 | to Heart
ランキングクリックしてね ←please click
待ってたよ タランティーノの新作
有楽町丸の内ピカデリーにて行われた
レオナルド・ディカプリオ舞台挨拶にいってきました〜 お誘
2013/03/10(日) 02:05:16 | 我想一個人映画美的女人blog
1858年、南北戦争直前のアメリカ南部。
賞金稼ぎのキング・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)によって自由の身となった奴隷ジャンゴ(ジェイミー・フォックス)は、相棒として旅を
2013/03/10(日) 10:24:50 | 心のままに映画の風景
どうも鉄星です。
クエンティン・タランティーノ最新作「ジャンゴ 繋がれざる者」(Wikipedia)を観てきました。
概要
ディープサウス。解放奴隷のジャンゴ(ジェイミー・フォッ
2013/03/10(日) 10:53:28 | ミニガミッツのマンチカン
<ジャンゴ 繋がれざる者 を観て来ました>
原題:Django Unchained
製作:2012年アメリカ
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クエンティン・タランティーノ監督の最新作で、私が今年最も注
2013/03/10(日) 11:03:03 | ★紅茶屋ロンド★
奴隷制度を描いたマカロニウエスタン公式サイト http://www.django-movie.jp監督: クエンティン・タランティーノ1858年、賞金稼ぎのドイツ人歯科医キング・シュルツ(クリストフ・
2013/03/10(日) 13:11:00 | 風に吹かれて
ジャンゴ 繋がれざる者~オリジナル・サウンドトラック [CD]◆プチレビュー◆元奴隷と元歯医者の賞金稼ぎコンビが大暴れする「ジャンゴ 繋がれざる者」。ジャンルの境界線を飛び越え ...
2013/03/10(日) 19:18:21 | 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
【DJANGO UNCHAINED】 2013/03/01公開 アメリカ 165分監督:クエンティン・タランティーノ出演:ジェイミー・フォックス、クリストフ・ヴァルツ、レオナルド・ディカプリオ、ケリー・ワシント
2013/03/10(日) 22:49:28 | 新・映画鑑賞★日記・・・
1859年のアメリカ南部。 賞金稼ぎをしているドイツ人歯科医キング・シュルツによって奴隷から解放された黒人ジャンゴは、シュルツとコンビを組み南部のお尋ね者たちを捕まえていく
2013/03/11(月) 14:34:47 | 象のロケット
(原題:Django Unchained)
----これ、一時間以上前に行ったんだって?
タランティーノは好きじゃなかったはずなのに、
どういう心境の変化。
「うん。
この映画がセルジオ・コルブッチの
2013/03/11(月) 15:12:26 | ラムの大通り
映画という弾丸をブッ放し、激しい戦いが行われている。
奇しくも日本で同日公開となった『フライト』と『ジャンゴ 繋がれざる者』は、米国でもそれぞれ2012年11月2日と同年12月2...
2013/03/11(月) 22:50:17 | 映画のブログ
原題はDjango Unchained。
タランティーノ監督・脚本の新作ということでかなり期待して鑑賞。
今回のタランティーノは西部劇。
前作「イングロリアス・バスターズ」がナチスドイツを扱っ
2013/03/12(火) 14:13:54 | トレッドストーンblog
過激な見どころ盛り沢山で愉快痛快。
2013/03/13(水) 12:23:47 | Akira's VOICE
今回のタランティーノは西部劇。
彼の好きそうな西部劇といえばやはりマカロニ・ウエスタンだろうか。
だったら「夕日のガンマン」あたりかななどと考えつつ見てきた。
映画は...
2013/03/13(水) 22:40:35 | センタのダイアリー
DJANGO UNCHAINED
”Django. The D is silent.”
南北戦争の2年前、テキサス州のどこか。元歯科医で賞金稼ぎに転向した
ドイツ人シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)は、お尋ね者の...
2013/03/14(木) 00:03:29 | 真紅のthinkingdays
□作品オフィシャルサイト 「ジャンゴ 繋がれざる者」 □監督・脚本 クエンティン・タランティーノ□キャスト ジェイミー・フォックス、クリストフ・ワルツ、レオナルド・ディ
2013/03/14(木) 12:34:21 | 京の昼寝〜♪
ジャンゴ 繋がれざる者Django Unchained/監督:クエンティン・タランティーノ/2012年/アメリカ
タランティーノの映画は気持ちいいです。
新宿ピカデリーで鑑賞。久しぶりにパンフレッ
2013/03/19(火) 11:25:52 | 映画感想 * FRAGILE
映画「ジャンゴ 繋がれざる者 」★★★★
ジェイミー・フォックス、クリストフ・ヴァルツ
レオナルド・ディカプリオ、ケリー・ワシントン
サミュエル・L・ジャクソン出演
クエンテ
2013/03/22(金) 07:37:12 | soramove
映画『ジャンゴ 繋がれざる者』は、タランティーノ作品として決して出来が良い方だと
2013/03/30(土) 23:22:26 | 大江戸時夫の東京温度
アカデミー賞脚本賞受賞作品。
クリストフ・ヴァルツがアカデミー賞助演男優賞受賞。
えっと、まず、クエンティン・タランティーノ監督作品なんですが、
私、食わず嫌いでして、
2013/04/07(日) 16:56:14 | よくばりアンテナ
ドイツの伝説ジークフリードが説明される。お姫様を救い出す勇者がジャンゴというわけだ。黒人奴隷ジャンゴが奴隷商人を演じているうちに、黒人解放の物語に変遷していくのが見事な...
2013/04/08(月) 00:00:20 | とらちゃんのゴロゴロ日記-Blog.ver
映画「ジャンゴ 繋がれざる者」観に行ってきました。レオナルド・ディカプリオが悪役として登場することで話題となった、クエンティン・タランティーノ監督製作のアクション映画で...
2013/04/08(月) 00:03:56 | タナウツネット雑記ブログ
クエンティン・タランティーノの初の西部劇。 マカロニ・ウェスタン大好きな感じは「
2013/04/08(月) 20:59:08 | はらやんの映画徒然草
【=23 うち今年の試写会3】 4日間の奄美の旅からの帰り道、ずっと晩ご飯何食べようか考えていた、買い物に行くのは面倒なので冷蔵庫にどんな材料があったか、何が食べたいのか・・・...
2013/04/16(火) 14:22:13 | 労組書記長(←元)社労士 ビール片手にうろうろと〜
DJANGO UNCHAINED
2012年
アメリカ
165分
アクション/ドラマ/西部劇
R15+
劇場公開(2013/03/01)
監督:クエンティン・タランティーノ『イングロリアス・バスターズ』
脚本:クエン
2013/08/10(土) 20:31:08 | 銀幕大帝α
『イングロリアス・バスターズ』などの異才クエンティン・タランティーノ監督が、前作
2013/08/13(火) 00:03:58 | ジョニー・タピア Cinemas ~たぴあの映画レビューと子育て
ストーリーは概略の通り。いつもの長尺のタラちゃん映画、ただし西部劇です。西部劇ってところであんまり見る気がしなかったんですけれど、ブロガーさんの評価が割りと高いのでみる...
2013/08/21(水) 09:32:06 | いやいやえん
監督:クエンティン・タランティーノ 出演:ジェイミー・フォックス、クリストフ・ヴァルツ、レオナルド・ディカプリオ、ケリー・ワシントン、サミュエル・L・ジャクソン
【あらす...
2013/08/29(木) 20:30:25 | タケヤと愉快な仲間達
好き嫌いが分かれる作品だと思う。でも私は好き。虐げられた運命にある者が、偶然と必然に翻弄されながら、己れの道を切り開いていく。それも又運命。逆襲に満ちた異色の西部劇、といったところか。
冒頭、鎖に繋がれて行軍するジャンゴ(ジェイミー・フォックス)のシーンから始まる。ジャンゴは奴隷として生涯を送る定めにあり、その時も奴隷主から別の奴隷主に転売されて行く所だった。ところが道中、キング・シュ...
2014/01/16(木) 13:55:24 | ここなつ映画レビュー
「オスカーをとったっていう作品にはどれも興味をそそられるものだけれども」 「そうね」 「女優賞」 「男優賞」 「作品賞」 「なかでもあたしたちが興味をひかれるのは」 「脚本賞をとった作品よっ!!」 「映画は脚本!!」 「脚本よねっ!!」 「そういう訳で…
2014/11/28(金) 15:28:09 | 映画に耽溺
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