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2013年05月14日 (火) | 編集 |
善良な者は、罰せられねばならない。
サム・ライミの長編デビュー作にして、ホラー映画史のマスターピース、「死霊のはらわた」の32年ぶりのリメイクである。
オリジナルのユニークさは、超低予算の中で“ホラー”を追求した結果、過剰なまでのグチャグチャ、ドロドロにプラスして主演のブルース・キャンベルの涙ぐましいオーバーアクトもあって、結果的に恐怖を突き抜けて笑いを生んでしまった事だろう。
もっとも、ライミ自身はひたすら怖い映画を作ったつもりだったらしく、少なくとも第一作をホラーコメディとする評には不満を述べている。
嘗て、恐怖と笑は元々裏一体であり、匙加減次第でどちらにも転じると言ったのは楳図かずお先生だったが、若きライミは図らずも二つの間の壁を粉砕してしまった訳だ。
「死霊のはらわた」から強い影響を受けた作品といえば、つい最近「キャビン」が公開されたばかりである。
ライミ版の持つ恐怖と笑いのミックス要素を、恐怖映画の“パッケージ”に取り込んでパロディ化するというのは非常に秀逸なアプローチだったが、正統派のリメイクとしては同じ手は使えない。
そこで、ウルグアイ出身の俊英フェデ・アルバレス監督は、オリジナルの最大の特徴だったお笑い要素を完全に封印するという策に出た。
32年前のオリジナルは、製作費僅か37万ドル、16ミリスタンダードの自主映画である。
対してリメイク版はハリウッド映画としては比較的低予算なものの、オリジナルの50倍近い1700万ドルをかけてシネマスコープの大画面で作られている。
アルバレスは、超ビンボー故の勢いから生まれた面白さは最初から捨て去り、当時のライミが目指したであろう、シリアスな恐怖演出で勝負に出た。
シンプルな基本プロットは変わらないものの、ディテールをブラッシュアップ。
若者たちがどう考えてもバカンス向けで無い、山奥の薄汚いコテージを訪れる理由付や、そこで起こった過去の事件など、物語の背景も綿密に描きこまれ、より洗練された劇映画として生まれ変わらせている。
ラフ&派手な特殊メイクがやりすぎ感を生んでいたライミ版に対して、こちらはスプラッター描写もより生々しく、肉体の痛みを感じさせるもの。
次に何が起こるかわかっていても、観客の身を捩じらせて苦悶させるのだからたいしたものだ。
もちろん、本作のプロデューサーでもあるライミへのリスペクトも抜かりは無く、地下室に閉じ込められた死霊が鎖で縛られた扉の隙間から恨めしく覗き込む描写や、動き出す森の植物、そして80年代当時の8ミリ少年たちの間で大流行した、なんちゃってステディカムこと“シェイキイカム”が森の中を疾走するショットも再現されている。
そして、徐々に物語がライミ版から離れるクライマックスには、アルバレスのホラー・ワンダーランドの幕が上がる。
ここにはオリジナル以外にも、70年代のオカルトブームからJホラーに至るまでの豊富な映画的記憶があるが、それらは皆作品世界の中にしっかりと取り込まれ、昇華されている。
端的に言って、フェデ・アルバレスはザック・スナイダーが見事な長編デビューを飾った「ドーン・オブ・ザ・デッド」以来の、リメイクホラーの秀作を作り上げたと言って良いだろう。
ちなみに、オリジナルファンへのクールなプレゼントが最後の最後にあるので、エンドクレジットで決して席を立たないように!
真剣に怖がった後には、悪魔の名を持つカクテル、「ディアブロ」を飲み干してしまおう。
ホワイト・ポートワイン40ml、ドライ・ベルモット20ml、レモンジュース1dashをシェイクしてブラスに注ぐ。
名前とは反対にすっきり爽やかな気持ちの良いカクテルだ。
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サム・ライミの長編デビュー作にして、ホラー映画史のマスターピース、「死霊のはらわた」の32年ぶりのリメイクである。
オリジナルのユニークさは、超低予算の中で“ホラー”を追求した結果、過剰なまでのグチャグチャ、ドロドロにプラスして主演のブルース・キャンベルの涙ぐましいオーバーアクトもあって、結果的に恐怖を突き抜けて笑いを生んでしまった事だろう。
もっとも、ライミ自身はひたすら怖い映画を作ったつもりだったらしく、少なくとも第一作をホラーコメディとする評には不満を述べている。
嘗て、恐怖と笑は元々裏一体であり、匙加減次第でどちらにも転じると言ったのは楳図かずお先生だったが、若きライミは図らずも二つの間の壁を粉砕してしまった訳だ。
「死霊のはらわた」から強い影響を受けた作品といえば、つい最近「キャビン」が公開されたばかりである。
ライミ版の持つ恐怖と笑いのミックス要素を、恐怖映画の“パッケージ”に取り込んでパロディ化するというのは非常に秀逸なアプローチだったが、正統派のリメイクとしては同じ手は使えない。
そこで、ウルグアイ出身の俊英フェデ・アルバレス監督は、オリジナルの最大の特徴だったお笑い要素を完全に封印するという策に出た。
32年前のオリジナルは、製作費僅か37万ドル、16ミリスタンダードの自主映画である。
対してリメイク版はハリウッド映画としては比較的低予算なものの、オリジナルの50倍近い1700万ドルをかけてシネマスコープの大画面で作られている。
アルバレスは、超ビンボー故の勢いから生まれた面白さは最初から捨て去り、当時のライミが目指したであろう、シリアスな恐怖演出で勝負に出た。
シンプルな基本プロットは変わらないものの、ディテールをブラッシュアップ。
若者たちがどう考えてもバカンス向けで無い、山奥の薄汚いコテージを訪れる理由付や、そこで起こった過去の事件など、物語の背景も綿密に描きこまれ、より洗練された劇映画として生まれ変わらせている。
ラフ&派手な特殊メイクがやりすぎ感を生んでいたライミ版に対して、こちらはスプラッター描写もより生々しく、肉体の痛みを感じさせるもの。
次に何が起こるかわかっていても、観客の身を捩じらせて苦悶させるのだからたいしたものだ。
もちろん、本作のプロデューサーでもあるライミへのリスペクトも抜かりは無く、地下室に閉じ込められた死霊が鎖で縛られた扉の隙間から恨めしく覗き込む描写や、動き出す森の植物、そして80年代当時の8ミリ少年たちの間で大流行した、なんちゃってステディカムこと“シェイキイカム”が森の中を疾走するショットも再現されている。
そして、徐々に物語がライミ版から離れるクライマックスには、アルバレスのホラー・ワンダーランドの幕が上がる。
ここにはオリジナル以外にも、70年代のオカルトブームからJホラーに至るまでの豊富な映画的記憶があるが、それらは皆作品世界の中にしっかりと取り込まれ、昇華されている。
端的に言って、フェデ・アルバレスはザック・スナイダーが見事な長編デビューを飾った「ドーン・オブ・ザ・デッド」以来の、リメイクホラーの秀作を作り上げたと言って良いだろう。
ちなみに、オリジナルファンへのクールなプレゼントが最後の最後にあるので、エンドクレジットで決して席を立たないように!
真剣に怖がった後には、悪魔の名を持つカクテル、「ディアブロ」を飲み干してしまおう。
ホワイト・ポートワイン40ml、ドライ・ベルモット20ml、レモンジュース1dashをシェイクしてブラスに注ぐ。
名前とは反対にすっきり爽やかな気持ちの良いカクテルだ。

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この記事へのコメント
こんにちは、ノラネコさん。すごい、絶賛ですね!楽しかったですよね。
ディアブロというと、チリのNo.1ワイン蔵のワイン「カッシェロ・デル・ディアブロ」も美味しいですよ。
これ、マチュピチュの山頂で、ドイツ人たちが乾杯してました。
あんなとこで呑んで、心配でしたけど…。
http://item.rakuten.co.jp/wineuki/705976/
ディアブロというと、チリのNo.1ワイン蔵のワイン「カッシェロ・デル・ディアブロ」も美味しいですよ。
これ、マチュピチュの山頂で、ドイツ人たちが乾杯してました。
あんなとこで呑んで、心配でしたけど…。
http://item.rakuten.co.jp/wineuki/705976/
>とらねこさん
いや~これはシリアス路線がどう出るか心配だったんですが、杞憂でした。
オリジナルとはまた違った面白さで、Jホラー的な怖さまで加味して最後までダレる事無く楽しめましたよ。
続編あるみたいなんで、楽しみです。
マチュピチュって標高何メートルあるんでしたっけ。
私も3千メートル位なら酒飲んだ事ありますけど、やっぱり少し酔いは早いです(笑
いや~これはシリアス路線がどう出るか心配だったんですが、杞憂でした。
オリジナルとはまた違った面白さで、Jホラー的な怖さまで加味して最後までダレる事無く楽しめましたよ。
続編あるみたいなんで、楽しみです。
マチュピチュって標高何メートルあるんでしたっけ。
私も3千メートル位なら酒飲んだ事ありますけど、やっぱり少し酔いは早いです(笑
2013/05/15(水) 22:42:21 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
ある打合せの席で
この映画、
予告編だけでも「かなりヤバい」という話が出ていて、
「これはホラーとして鉄板」ということでした。
ここしばらくホラー映画が続けて日本上陸したため、
そのときまで
さして観る気はなかったのですが、
そこまで言われているならと…。
いやあ、観てよかったです。
怖さよりオモシロさが先に立ちました。
クライマックスの演出には、もう感動です。
この映画、
予告編だけでも「かなりヤバい」という話が出ていて、
「これはホラーとして鉄板」ということでした。
ここしばらくホラー映画が続けて日本上陸したため、
そのときまで
さして観る気はなかったのですが、
そこまで言われているならと…。
いやあ、観てよかったです。
怖さよりオモシロさが先に立ちました。
クライマックスの演出には、もう感動です。
>えいさん
予告編では結構危惧してたんですよね。
ひたすら痛いだけの映画になっちゃうんじゃないかと。
しかし、オリジナルをリスペクトしながらも、洗練された映像できっちりと纏められた秀作でした。
アルバレス監督はブレイクの香りがします。
予告編では結構危惧してたんですよね。
ひたすら痛いだけの映画になっちゃうんじゃないかと。
しかし、オリジナルをリスペクトしながらも、洗練された映像できっちりと纏められた秀作でした。
アルバレス監督はブレイクの香りがします。
2013/05/23(木) 21:27:21 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
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<死霊のはらわた(2013) を観て来ました>
おふざけ無しのガチスプラッターホラー誕生!
原題:Evil Dead
製作:2013年アメリカ
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サム・ライミと言...
2013/05/15(水) 20:49:08 | ★紅茶屋ロンド★
※ネタバレ注:
※映画の核に触れる部分もあります。鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。
(原題:Evil Dead)
----うわあ。
『死霊のはらわた』だ。
2013/05/16(木) 00:50:43 | ラムの大通り
妹ミアの薬物依存症治療のため、兄デビットとその恋人ナタリー、女性看護師のオリビア、男性高校教師エリックの5人は山奥の小屋に滞在することに。 地下室にあった「死者の書」の
2013/05/16(木) 09:50:35 | 象のロケット
『スパイダーマン』シリーズのサム・ライミ監督が1981年に放ち、スプラッター・ブームの火付け役となった名作ホラー『死霊のはらわた』をリメイク。人里離れた山奥の小屋を訪れた若
2013/05/19(日) 00:55:54 | パピとママ映画のblog
いやぁ〜グロかった。
2013/05/19(日) 01:59:42 | だらだら無気力ブログ!
映画「死霊のはらわた 」★★★☆
ジェーン・レヴィ、シャイロー・フェルナンデス
ルー・テイラー・プッチ、ジェシカ・ルーカス
エリザベス・ブラックモア 出演
フェデ・アルヴァレ...
2013/05/20(月) 21:19:33 | soramove
EVIL DEAD
2013年
アメリカ
91分
ホラー
R18+
劇場公開(2013/05/03)
監督:フェデ・アルバレス
製作:
サム・ライミ
ブルース・キャンベル
脚本:フェデ・アルバレス
オリジナル脚本:サム・ライミ
出演:
ジェーン・レヴィ:ミア
シャイロー・フェルナンデス...
2013/10/08(火) 23:53:56 | 銀幕大帝α
サム・ライミと言えば「死霊のはらわた」、そのリメイク作品です。笑いを抑えた、恐怖を追及した作りになっています(現代的だね)。
5人の男女、人里離れた山奥の山小屋。おびただしい量の血雨に、メインでもある痛〜い描写。大きな音でビックリさせるなどもなく、オリジナルをきちんと踏んでさらにステップアップ。
体を張ったミア役の女優さんのメイクも凄い事になってます。
妹の薬物治療という新設定はあるも...
2013/10/09(水) 10:04:54 | いやいやえん
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