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ショートレビュー「エリジウム・・・・・評価額1500円」
2013年10月05日 (土) | 編集 |
英雄の墓標。

南アフリカ発の異色の社会派SF、「第9地区」で大ブレイクしたニール・ブロムカンプ監督の待望の第二作。
舞台はアフリカ大陸から遥か北米へ、しかしそのSFマインドと社会性は健在だ。
時は22世紀、人類の富裕層は環境の悪化した地球を捨て、巨大なスペース・コロニー“エリジウム”に住んでいる。
光と緑に満ち、飢えや紛争とは無縁で、どんな病気や怪我もたちどころに完治する、まさに楽園だ。
一方、貧困層の人々は荒れ果てた地球に住み、エリジウムの富裕層によって徹底的に搾取されている。
彼らは富裕層の経営する工場で使い捨ての駒として酷使され、十分な医療すら受ける事が出来ないのだ。
もちろんエリジウムへの密航を企てる者もいるが、彼らの殆どは辿り着く事無く、宇宙の藻屑となる運命だ。

そんな究極の格差社会で、余命5日を宣告された男が一人。
不運な事故で致死量の放射線を浴び、助かるにはエリジウムで治療するしかない。
マット・デイモン演じるマックスは、かくしてパワードスーツを体に接合するサイボーグ手術を受け、エリジウムへと潜入するという訳だ。
荒廃し、スラム化した地球の風景、無骨な魔改造が施された車のビジュアルなどは、「マッド・マックス2」を思わせる世界観。
主人公の名前を含めて、これはブロムカンプからのオマージュだろう。

本作は基本英語劇だが、スラムの住人が喋っている言葉は、メキシコ訛りのスペイン語が耳に付く。
そしてエリジウムの人々は英語と共にフランス語を話している。
「第9地区」で母国のアパルトヘイトを比喩したブロムカンプが、今回俎上に載せるのはアメリカとメキシコの間の経済格差だ。
スペイン語を話す地球の人々は、富める国境の向こうを目指すメキシコ人たち。
そして彼らを無情に排斥するエリジウムは、もちろんアメリカ合衆国のメタファーだ。
彼らがこれ見よがしにフランス語を喋るのは、アメリカの上流階級にとってフランス語が憧れの言語だからである。
そしてエリジウムへと侵入するマックスを追うのが、「第9地区」の主役だったシャルト・コプリーが強烈な南ア訛りの英語で演じる傭兵クルーガーというのが面白い。
このキャラクターは、ハリウッドという異邦で暴れる監督自身だったりするのだろうか。

エリジウムとは、ギリシャ神話に出てくる西方の大地の果てにあるという死後の楽園、“エリュシオン”の英語読みである。
ここには神々によって愛された英雄たちの魂が眠る地であり、つまり本来生身の人間が暮らすべき所ではない。
死後の世界の名を持つスペースコロニーは、現実世界の搾取によってのみ成立している偽りの楽園なのだ。
だからこそ、主人公マックスの運命は、彼がエリジウム行きを決めた時点で決まっていたの知れない。

SF世界を現実の合わせ鏡として、明確な社会性を持たせるというブロムカンプのスタンスは良い。
しかし、後半に行くに従って物語の展開が雑になってしまうのはちょっといただけない。
特に珍しく悪役を演じたジョディ・フォスターの扱いはビックリするくらい酷く、よくこれでOKしたものだ。
まあパワフルではあるものの、「第9地区」ほどの漲る熱気が感じられないのは、やはり母国をモデルにした作品と、客観的に見られる外国をモデルにした作品のテンションの差なのだろうか。

今回は、見ているだけで喉が渇くほど埃っぽい地球でも美味しい、メキシカンビール「コロナ エキストラ」をチョイス。
南国のビールらしく軽やかで飲みやすく、日本やアメリカのライト系ビールとはまた違った爽やかな後味が気持ちいい。
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コメント
この記事へのコメント
一貫したスタンス
ノラネコさん☆
ブロムガンプ監督のスタンスが一貫していた好きです。
社会派映画でもなくエンタメだけでもないスタイルは、これからも続けてほしいですね。
ジョディーフォスターあっけなくてビックリでした。
2013/10/09(水) 09:09:48 | URL | ノルウェーまだ~む #gVQMq6Z2[ 編集]
こんばんは
>ノルウェーまだ~むさん
ジョディ・フォスターの扱いのひどさは「ウルヴァリン」の真田広之を思い出しました。
ボスキャラかと思ったらそうじゃないんだという(笑
ブロムカンプ流社会派SFは独創の世界ですね。
「第十地区」を早く観たいものです。
2013/10/13(日) 22:46:46 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
マックス!
そうか、
主人公の名前はマックス。
これはあの映画へのオマージュもあったんですね。
やはり新作『マッドマックス』は彼に撮ってほしかったな。
2013/10/21(月) 21:22:46 | URL | えい #yO3oTUJs[ 編集]
こんばんは
>えいさん
スラム感とか車のデコレーションとか凄くマックスっぽかったですね。
「マッドマックス;フューリーロード」は本当は今年公開予定だったから、マックス対決だったはずなんですよね。
かなりトラブってるらしいけど、来年ちゃんと公開できるんでしょうか・・・・
2013/11/05(火) 22:36:23 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
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低予算なのに突如表れて話題をかっさらっていった「第9地区」のニール・ブロムカンプ監督の第2弾作品。 この監督だからとか、この俳優だからという映画の見方は余り好きじゃないし、たいてい予算がいっぱいつくと、どういうわけか作品が陳腐になってしまったりするもの。 見るからに何処かで見たような話の設定なのでほとんど期待せずに観てきたら・・・・・
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