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2013年10月08日 (火) | 編集 |
ぼくらのデ・パルマが帰って来た!
久々に鬼才の映像マジック全開の、ウェルメイドなサスペンス映画だ。
舞台となるのは、世界的広告代理店のベルリン支社。
ここを仕切るクリスティーンは、生馬の目を抜くこの業界で若くして成り上がったやり手。
その美貌に群がる男たちを転がし、会社の上層部には実績を猛烈にアピール。
ところが、親密な部下だったイザベルの手柄を横取りしたところ、思いがけず彼女からの手痛い反撃を喰らった事から、二人は熾烈な報復合戦を繰り返す。
そしてある夜、クリスティーンが何者かに惨殺される。
警察は当然イザベルを疑うが、イザベルの部下のレズビアンの女性や、クリスティーンとイザベルに二股をかけていた情夫も含めて人間関係は複雑。
はたして、イザベルは本当にクリスティーンを殺したのか、もし嵌められたなら真犯人は誰かのか?
白と黒のコントラスト、ブロンドに白い衣装のクリスティーンをレイチェル・マクアダムズ、ダークヘアに黒い衣装のイザベルをノオミ・ラパスが演じる。
デ・パルマのサスペンスと言えば「殺しのドレス」のナンシー・アレンや、「ボディ・ダブル」のメラニー・グリフィスら、魅力的なビッチたちが印象深い。
本作では以前ほど直接的ではないものの、セクシャルなイメージがサスペンスと絡み合う彼らしさも健在だ。
何しろ冒頭で、クリスティーンとイザベルが顔を寄せ合ってMacの画面見てるだけの描写すら、何とも言えない官能の香りを漂わせているのだから。
劇中ではバレエ「牧神の午後」が重要な意味を持つが、直接的なモチーフになっているのはバレエの元となったマラルメの詩「半獣神の午後」だろう。
これは半獣神がニンフたちとの目眩くエロスな体験を、はたしてあれは夢現かと思い出している様を描いたもので、物語の内容とも微妙に被っているのだ。
お互いに裏切られた女たちが、「やられたらやり返す!倍返しよ!」と叩きあっているうちにドツボにはまって行き、さらに人を呪わば穴二つとばかりに、予期せぬ落とし穴が待ち構える。
先の読めない展開を彩るのは、悪夢、双子、同性愛、変態セックス、マスクといったミステリアスなスパイス。
そして「私が、生きる肌」などアルモドバル作品で知られるホセ・ルイス・アルカイネの外連味たっぷりのカメラ!
物語がいよいよターニングポイントに差し掛かると、映像もまた登場人物の心象を反映し始める。
光と影が縞の様になった照明、不安感を強調する傾いた構図、スプリットスクリーン。
近年のデ・パルマ映画では、なりを潜めていた凝りに凝ったビジュアルが、ここぞとばかりにスクリーンから主張してくる。
音楽までも懐かしいテイストだなと思ったら、「レイジング・ケイン」以来20年ぶりのタッグとなるピノ・ドナッジオではないか。
サスペンス、ホラーで頭角を現し、一時はヒッチコックの後継者と呼ばれたブライアン・デ・パルマは、「アンタッチャブル」の大成功以降、徐々に軸足をジャンル映画から遠ざけていたが、本作はまるで80年代の再現の様な大胆な原点回帰。
ぶっちゃけB級テイストなのだけど、作劇ロジックもビジュアル演出も、一目でデ・パルマだと分かる押しの強さを見ていると、嘗ての映像の魔術師っぷりを知るオールドファンとしては、なんだかとても嬉しくなってしまうのである。
今回は主役の二人のイメージカラーから、白と黒のカクテル「ブラック・ベルベット」をチョイス。
スタウトビールとキンキンに冷やした辛口のシャンパンを、1:1の割合で静かにゴブレットに注ぐと、スタウトの黒と白い泡の綺麗なモノトーンが出来上がる。
深いコクとシャンパンの爽やかさを併せ持ち、名前の通りベルベットの様にきめ細かい泡の舌触りを楽しめる。
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久々に鬼才の映像マジック全開の、ウェルメイドなサスペンス映画だ。
舞台となるのは、世界的広告代理店のベルリン支社。
ここを仕切るクリスティーンは、生馬の目を抜くこの業界で若くして成り上がったやり手。
その美貌に群がる男たちを転がし、会社の上層部には実績を猛烈にアピール。
ところが、親密な部下だったイザベルの手柄を横取りしたところ、思いがけず彼女からの手痛い反撃を喰らった事から、二人は熾烈な報復合戦を繰り返す。
そしてある夜、クリスティーンが何者かに惨殺される。
警察は当然イザベルを疑うが、イザベルの部下のレズビアンの女性や、クリスティーンとイザベルに二股をかけていた情夫も含めて人間関係は複雑。
はたして、イザベルは本当にクリスティーンを殺したのか、もし嵌められたなら真犯人は誰かのか?
白と黒のコントラスト、ブロンドに白い衣装のクリスティーンをレイチェル・マクアダムズ、ダークヘアに黒い衣装のイザベルをノオミ・ラパスが演じる。
デ・パルマのサスペンスと言えば「殺しのドレス」のナンシー・アレンや、「ボディ・ダブル」のメラニー・グリフィスら、魅力的なビッチたちが印象深い。
本作では以前ほど直接的ではないものの、セクシャルなイメージがサスペンスと絡み合う彼らしさも健在だ。
何しろ冒頭で、クリスティーンとイザベルが顔を寄せ合ってMacの画面見てるだけの描写すら、何とも言えない官能の香りを漂わせているのだから。
劇中ではバレエ「牧神の午後」が重要な意味を持つが、直接的なモチーフになっているのはバレエの元となったマラルメの詩「半獣神の午後」だろう。
これは半獣神がニンフたちとの目眩くエロスな体験を、はたしてあれは夢現かと思い出している様を描いたもので、物語の内容とも微妙に被っているのだ。
お互いに裏切られた女たちが、「やられたらやり返す!倍返しよ!」と叩きあっているうちにドツボにはまって行き、さらに人を呪わば穴二つとばかりに、予期せぬ落とし穴が待ち構える。
先の読めない展開を彩るのは、悪夢、双子、同性愛、変態セックス、マスクといったミステリアスなスパイス。
そして「私が、生きる肌」などアルモドバル作品で知られるホセ・ルイス・アルカイネの外連味たっぷりのカメラ!
物語がいよいよターニングポイントに差し掛かると、映像もまた登場人物の心象を反映し始める。
光と影が縞の様になった照明、不安感を強調する傾いた構図、スプリットスクリーン。
近年のデ・パルマ映画では、なりを潜めていた凝りに凝ったビジュアルが、ここぞとばかりにスクリーンから主張してくる。
音楽までも懐かしいテイストだなと思ったら、「レイジング・ケイン」以来20年ぶりのタッグとなるピノ・ドナッジオではないか。
サスペンス、ホラーで頭角を現し、一時はヒッチコックの後継者と呼ばれたブライアン・デ・パルマは、「アンタッチャブル」の大成功以降、徐々に軸足をジャンル映画から遠ざけていたが、本作はまるで80年代の再現の様な大胆な原点回帰。
ぶっちゃけB級テイストなのだけど、作劇ロジックもビジュアル演出も、一目でデ・パルマだと分かる押しの強さを見ていると、嘗ての映像の魔術師っぷりを知るオールドファンとしては、なんだかとても嬉しくなってしまうのである。
今回は主役の二人のイメージカラーから、白と黒のカクテル「ブラック・ベルベット」をチョイス。
スタウトビールとキンキンに冷やした辛口のシャンパンを、1:1の割合で静かにゴブレットに注ぐと、スタウトの黒と白い泡の綺麗なモノトーンが出来上がる。
深いコクとシャンパンの爽やかさを併せ持ち、名前の通りベルベットの様にきめ細かい泡の舌触りを楽しめる。

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この記事へのコメント
>ぼくらのデ・パルマが帰って来た!
まさにこの一言に尽きます。
ヒッチコックの後継者とまで言われたのだから、
その路線でいけば、
それはそれで「伝説」を作れたのに、
ほんと『アンタッチャブル』のヒットが恨めしいです。
まさにこの一言に尽きます。
ヒッチコックの後継者とまで言われたのだから、
その路線でいけば、
それはそれで「伝説」を作れたのに、
ほんと『アンタッチャブル』のヒットが恨めしいです。
>えいさん
私は「アンタッチャブル」はあれはあれで大好きなんですけど、あの映画の成功が良くも悪くもデ・パルマのターニングポイントだったのは確かでしょうね。
あれ以来一作ごとに揺れ動くように作家のカラーが定まらなくなりました。
まあ変化を模索するのは悪い事じゃないですけど、デ・パルマ映画に期待する物をなかなか見せてはくれなくなりましたね。
本作は久々に80年代のテイストが楽しめて満足でした。
私は「アンタッチャブル」はあれはあれで大好きなんですけど、あの映画の成功が良くも悪くもデ・パルマのターニングポイントだったのは確かでしょうね。
あれ以来一作ごとに揺れ動くように作家のカラーが定まらなくなりました。
まあ変化を模索するのは悪い事じゃないですけど、デ・パルマ映画に期待する物をなかなか見せてはくれなくなりましたね。
本作は久々に80年代のテイストが楽しめて満足でした。
2013/11/05(火) 22:33:46 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
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『殺しのドレス』『ミッション:インポッシブル』などで知られる巨匠ブライアン・デ・パルマ監督が『トゥ・ザ・ワンダー』のレイチェル・マクアダムスと『ミレニアム ドラゴン・タ ...
2013/10/08(火) 23:39:32 | カノンな日々
ノオミ・ラパス、スクリーンで観るたびに綺麗になっている印象が・・・。
2013/10/09(水) 00:31:05 | だらだら無気力ブログ!
キャリアや異性をめぐる女と女のいさかいを、『リダクテッド 真実の価値』などのブライアン・デ・パルマがエロチックに描くサスペンススリラー。フランスのアラン・コルノー監督作品を、『きみに読む物語』などのレイチェル・マクアダムスと『ミレニアム』シリーズなどの...
2013/10/09(水) 15:46:26 | パピとママ映画のblog
世界的規模の広告代理店コッチ・イメージ社のベルリン支社女性重役クリスティーンは、ニューヨーク本社への復帰を狙っていた。 彼女の愛人男性の一人であるダークと関係を持った部下の女性イザベルの手柄を横取りしたクリスティーンは、イザベルから思わぬしっぺ返しを食らい、すかさず猛反撃に出る。 そんなある日、クリスティーンが何者かに殺され、イザベルが逮捕されるのだが…。 サスペンス。 R-15。
2013/10/09(水) 17:25:36 | 象のロケット
評価:★★★【3点】(F)
ブライアン・デ・パルマ監督のサスペンスミステリーってだけで
2013/10/09(水) 19:51:06 | 映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ〜
こういう、ブライアン・デ・パルマが好きなんだよ! ウェルカムバック! デ・パルマ!
2013/10/10(木) 00:42:48 | 或る日の出来事
(原題:Passion)
----今日の映画『パッション』は
ブライアン・デ・パルマ監督の新作。
確かこの監督、えいのお気に入りのひとりニャんだよね。
「さすが、長年連れ添っているだけのことはあるね。
てっきり、
『あれっ。ゴダール?メル・ギブソン?』なんて
ボケて...
2013/10/11(金) 22:42:35 | ラムの大通り
ランキングクリックしてね ←please click
「パッション」といえば
これでしたが。 メル・ギブソン監督の。
全く別もの。
リュディヴィーヌ・サニエとクリスティン・スコット・トーマス共演、
監督アラン・コルノーの遺作ともなった2010年のフレン...
2013/10/16(水) 00:09:39 | 我想一個人映画美的女人blog
2012年/フランス・ドイツ合作制作:SBSプロダクション=ワイルドバンチ配給:ブロードメディア・スタジオ 原題:Passion 製作:サイド・ベン・サイド 監督:ブライアン・デ・パルマ 脚本:ブライ
2013/10/17(木) 23:54:14 | お楽しみはココからだ~ 映画をもっと楽しむ方法
あのデ・パルマ(今野雄二さん流に言えば「ディ・パーマ」)が帰って来た!とでも言い
2013/10/27(日) 23:11:40 | 大江戸時夫の東京温度
『パッション』を吉祥寺バウスシアターで見ました。
(1)あまり事前の情報を持たずに見たのですが、なかなか良く出来たサスペンス映画で、拾い物でした。
世界的な広告代理店のベルリン支社のトップであるクリスティーン(レイチェル・マクアダムス)が主人公。
...
2013/11/05(火) 06:52:05 | 映画的・絵画的・音楽的
14日のことですが、映画「パッション」を見ました。
広告会社で働く、野心的なクリスティーンはアシスタントのイザベルのアイデアを横取りし地位を上げようとする
そんなイザベルは新たな広告で見返し、クリスティーンの地位を取るのだが・・・
女のバトル、キャリア...
2013/12/04(水) 20:11:12 | 笑う社会人の生活
13-82.パッション■原題:Passion■製作年、国:2012年、フランス・ドイツ■上映時間:101分■料金:1,800円■観賞日:10月20日、TOHOシネマズみゆき座(日比谷)□監督・脚本:ブライアン・デ・パルマ◆レイチェル・マクアダムス◆ノオミ・ラパス◆カロリーネ・ヘ...
2014/05/04(日) 18:04:03 | kintyre's Diary 新館
どんなにビッチ役でもレイチェル・マクアダムスさんはやはり可愛い。同主演のノオミ・ラパスさんがおばさん顔だから、余計に華やぐ。真っ赤なルージュ、自分の美しさを知った上でそれを利用するやり手の女性を演じてました。おばさん顔というかごく普通のノオミさんは美人ではないからこそ親近感が沸く部分もある。
野心家のクリスティーンは、狡猾さと大胆な行動で国際的な広告会社の重役へと登り詰めた。アシスタン...
2014/07/05(土) 08:46:37 | いやいやえん
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