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ショートレビュー「ウォールフラワー・・・・・評価額1600円」
2013年11月29日 (金) | 編集 |
壁の花だって、咲ければいい。

1999年に出版され、一躍ベストセラーとなった小説「The Perks of Being a Wallflower」を、原作者のスティーヴン・シュポースキー自ら脚色・監督して映画化した作品。
ありがちな異業種監督のお遊びではない。
素人とはとても思えない実に巧みな脚本構成と、映像的なセンスの良さに驚かされる。
物語は、作者の分身である主人公のチャーリーが、“誰か”に向けて書いている書簡という形式で語られ、簡単に言えば作家志望の内気な少年が、破天荒な上級生と彼の超美形の義妹と出会った事で世界が開け、濃密な青春を謳歌するというお話。
特に目新しい内容ではないが、主人公のチャーリーを演じるローガン・ラーマンをはじめ、彼を未知の世界へと導くパトリックとサムの兄妹役のエズラ・ミラーとエマ・ワトソンら、正に今が旬の若手俳優たちが素晴らしい存在感を見せ、全編が瑞々しく輝いている。

てっきり現代劇だと思い込んでいたので、強烈な同時代感覚に驚いた。
私ごとだが、本作の舞台となっている1991年は、私がアメリカで大学生をやっていた時代に重なる。
大学と高校の違いはあれど、パーティーで知らずに葉っぱ入りブラウニーを食べさせられて乱れるとか、週末ごとに地元の映画館で「ロッキー・ホラーショー」のパフォーマンスを楽しむとか、主人公たちがやってる事が、ほとんど私自身の青春時代のネタばかり。
いつの間にか、彼らの仲間になった気分で、映画の中に再現された思い出を楽しんでいた。
今ではだいぶ廃れてしまった様だが、当時は全米のあちこちの学生街の名画座で、週一とか月一で「ロッキー・ホラーショー」ナイトがあって、数奇者たちが喜々としてパフォーマンスやっていたものだが、そらサムみたいな娘がいたなら私も一緒に下着パフォーマンスやりたかったよ(笑

しかし、ほんの20年ちょっと前なのに、世の中ずいぶん変わったものだ。
画面の中の誰一人として、スマホもタブレットも持ってない世界の懐かしさ。
恋した相手にカセットテープを作って渡すなんて事も、iPodの出現以降滅び去ってしまった文化の一つだろう。
シュポースキー監督は1970年の生まれだそうで、だとすれば実際に高校生活を送ったのは80年代の後半という事になる。
あえて91年を舞台とした理由は、この時代がパソコンとネット、それに続くモバイルディバイスの登場で、私たちの日常が劇的に変わる前夜だったからではないだろうか。
再び私事で恐縮だが、私はちょうどこの年に、大学でコンピューターのクラスを履修し、最初のパソコンとしてマッキントッシュ・クラッシックⅡを購入した。
この映画の世界は、当時を知る元若者には懐かしく、逆に今の若者には新鮮に映ると思う。

時代性と普遍性は本作のキーワードだ。
当時から大きく分かったものもあれば、変わらないものもあり、スクールカーストもその一つ。
内向的で心の奥底にトラウマを秘めたチャーリーは、自他ともに認めるカーストの最下層。
パトリックと遊び友達となり、サムに恋をする事で、壁の花の境遇から脱出し、いわゆるジョックとクイーンビーの様な学園の保守本流とは異なるが、尖がった“はみ出し者”の枠で高校生活を大いに楽しむ。
だが、幼少期のある経験から、心の奥に深刻なトラウマを隠しているチャーリーはもとより、人気者のパトリックや誰が見ても美少女のサムも、それぞれに大きな葛藤を抱えている。
映画は、チャーリーにとっては高校に入学して最初の一年、上級生のパトリックたちにとっては大学進学を控えた最後の一年を通して、恋や失恋、喪失の痛みや発見の喜びを丁寧に描く。
彼らは皆、不安に苛まれ、挫折を知り、同時に希望を抱き、可能性を知る。
そして最後に、無限の世界へそれぞれの新しい一歩を踏み出すのだ。

原作小説は、アメリカでは新世代の「ライ麦畑でつかまえて」と評されているそうだが、なるほど内容からも“誰か”に語りかけるスタイルからもそれはわかる気がする。
残念ながら未読なので、はたしてサリンジャーの様に古典として残るかどうかはわからないが、少なくとも映画版は才能豊かな若手俳優たちの、今しかない輝ける時を活写した青春映画の佳作として、長く愛される様になるのではないだろうか。
スティーヴン・シュポースキー監督には、ぜひまた映画を撮ってもらいたいものである。

今回は、22年前にサムと飲みたかったカクテル「オレンジ・ブロッサム」をチョイス。
冷やしたジン 45mlとオレンジジュース15mlを、シェイクしてグラスに注ぐ。
美しいイエローのカクテルだが、そのルーツは禁酒法時代に粗悪な密造酒の匂いをオレンジの風味で誤魔化した事とも言われる。
現在のオレンジ・ブロッサムは、シャープなジンの味わいをオレンジの甘味と酸味が引き立てる、洗練された大人のカクテルだ。
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コメント
この記事へのコメント
こんにちは。
懐かしさ漂う青春ものでしたね、
私もこの若い高校生の時期に学校休んで親と海外
3週間初体験したんですが
もっと住んで色々経験したかったなぁ
2013/12/01(日) 10:53:28 | URL | mig #-[ 編集]
こんばんは
>migさん
91年ていう時代設定が絶妙ですね。
今と変わり過ぎず、でも確実に違っている所もたくさんある。
懐かしさと新鮮さがうまくバランスしてたと思います。
期待以上の良作でした。
2013/12/04(水) 00:20:06 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
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2013/12/02(月) 19:46:51 | 象のロケット
映画『ウォールフラワー』は'80年代が舞台とは言え、もっと普遍的な、あらゆるジェ
2013/12/02(月) 23:15:41 | 大江戸時夫の東京温度
心に傷を持つ10代の少年を主人公に、彼と仲間たちの心の成長を描いた青春ドラマです。 ローガン・ラーマン、エマ・ワトソン、エズラ・ミラーの3人が並んでいる写真を見て、 これは観たいなあと思ってしました。 ベストセラーを原作にした作品は、とても繊細で不器用な少年の心を丁寧に映し出していました。
2013/12/02(月) 23:24:21 | とりあえず、コメントです
誰でも悩み苦しむ青春時代 公式サイト http://wallflower.gaga.ne.jp原作: ウォールフラワー (スティーブン・チョボスキー著/集英社文庫)監督・脚本: スティーブン・チョボス
2013/12/03(火) 08:56:37 | 風に吹かれて
 THE PERKS OF BEING A WALLFLOWER  アメリカのある街。ウェブの世界がリアルを凌駕する、少し前の時代。心に 傷を抱えた内気な少年チャーリー(ローガン・ラーマン)は、高校に入学する。 孤独な日々の中、エキセントリックで独特な雰囲気を醸すパトリック(エズラ ・ミラー)と、美しく奔放なサム(エマ・ワトソン)という血のつながらない...
2013/12/09(月) 20:35:03 | 真紅のthinkingdays
さよなら、壁際の僕。 原題 THE PERKS OF BEING A WALLFLOWER 製作年度 2012年 上映時間 103分 原作:脚本:監督 スティーヴン・チョボスキー 出演 ローガン・ラーマン/エマ・ワトソン/エズラ・ミラー/メイ・ホイットマン/ジョニー・シモンズ/ジョーン・キューザック/ポー...
2013/12/09(月) 22:30:46 | to Heart
オンライン動画サービスの「青山シアター」のオンライン試写会に当たって、先日鑑賞しました。 オンライン試写会での鑑賞はちょっと久しぶりな感じも。 ローガン・ラーマンとエマ・ワトソン共演の青春映画で、地味ながらも爽やかな作品だと思います。 ******************** スティーヴン・チョボスキーの同名ベストセラー・ヤングアダルト小説を原作者自らメガフォンを取り、主...
2013/12/10(火) 02:01:00 | Cinema+Sweets=∞ 映画+スイーツBLOG
昨日の「ブリングリング」に続き、偶然にもエマ・ワトソンの出演作を二日連続して観賞
2013/12/27(金) 23:36:02 | はらやんの映画徒然草
観て良かった。心の中に満ちて行くこの想い。 単なる青春映画ではないし、単なる初恋映画でもない。普通なら、本人はそうとは気づかず、宝物のようなきらめく日々を過ごすティーンエイジャー。中学・高校・そして大学へと、一歩一歩階段を駆け上がって行く。時には苦しみ、時には無様に。いや、でもそんな単なる陳腐な話でもない。主人公のチャーリー(ローガン・ラーマン)は、ちょっとだけ普通じゃなかったのだし。 ...
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2014/04/07(月) 22:52:11 | C’est joli〜ここちいい毎日を♪〜
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2014/06/10(火) 10:48:35 | ペパーミントの魔術師
主人公たちと同じ高校生に近かったら、もっと同感したかもですが、わりと好きではあります。
2015/02/11(水) 10:58:04 | 或る日の出来事
「ウォールフラワー」(原題:ThePerksofBeingaWallflower)は、2012年公開のアメリカ映画です。スティーブン・チョボスキー著「ウォールフラワー」を原作とし、著者自身が監督を務め、周囲に...
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