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2014年04月04日 (金) | 編集 |
鎮魂のサバイバル。
2005年6月、アフガニスタンの山岳地帯で、タリバン幹部の暗殺を狙った海軍特殊部隊ネイビー・シールズによる“レッド・ウィング作戦”が失敗し、多数の死傷者を出した事件の顛末を、4人の先遣偵察隊唯一の生存者であるマーカス・ラトレルの手記を元に描いた実録物だ。
偵察中にタリバンの拠点の村の山羊飼いに遭遇したマーカスらは、深刻なジレンマに直面する。
解放すれば確実にタリバンに通報され、圧倒的多数の敵に追われる事になるのは確実。
だが、もしも丸腰の山羊飼いを口封じに殺せば、これまた間違いなくにシールズは全世界の非難を浴びる事になる。
苦悩の末に彼らは山羊飼いたちを解放するのだが、結果的にこの判断によって地獄へと突き落とされる事になるのだ。
冒頭、シールズの過酷な訓練の記録映像が映し出される。
単なるフィクションでなく、現実の延長線上にある“True event”を描いた作品であることを主張するオープニング。
なるほど、この冒頭が示唆する様に、本作は極めて特殊な劇映画であり、観客と戦争との距離によって、作品の持つ意義が全く異なる作品だと思う。
端的に言えば、これはアフガニスタンで亡くなった兵士の死に意味を与え、鎮魂と慰霊のために作られた作品である。
その意味で、本作の想定する観客は第一義的には米軍関係者、二義的にはアメリカ国民、あるいは戦争に派兵したその他の国々の関係者、アフガニスタンの人々も含まれるだろうか。
戦死者の遺族、あるいは戦いで生き残り、心身に傷を抱えた者たちにとっては、本作の様な作品によって精神的に救われるケースもあるだろう。
ポイントは、ラトレルが自力で生還したのではなく、現地の住人によってタリバンから守られたという点だ。
日本にいると意識しないが、我々が日々受動的に見ている情報は相当に偏っている。
アフガニスタンやイラクの米軍は現地の人々から嫌われており、それ故に攻撃の対象になっているというイメージも正にそうで、現地メディアや実際にその土地にいる人の声を聞けば、現実はそんな単純でない事は直ぐにわかる。
タリバンはアフガニスタンを5年間に渡って恐怖政治で支配した集団であり、実際のところ現地の人々は圧倒的多数がタリバンを嫌っているという。
もちろん、だからといって彼ら皆が米軍を歓迎している訳ではないだろうが、往々にして現地の声はマスコミからは聞こえてこない。
現実にそこに暮らし、同じ脅威に対する住民を重要な要素とする作りからも、この映画の持つ“兵士の本音”という部分が見えている気がする。
本作は、戦争の是非やその意義に関しては全く描写しない。
ただひたすら死地に趣いた兵士一人ひとりが、如何にして運命に抗い、最後まで生きようと苦闘したかを描写するのに終始する。
イデオロギー的に観れば政治的立場によって否定も肯定も出来るだろうし、どの立場からしても米軍に都合の良過ぎる作品であることは間違いなかろう。
だが、これを戦場の兵士に寄り添い、称え、スクリーン上に映し出されたある種の慰霊碑だとすれば、これはこれでありだと思う。
たぶん、ピーター・バーグ監督は家族か自分の大切な人が軍人なのではないか。
作風は真逆のおバカ映画だったが、前作「バトルシップ」も含めて、彼の作品からはミリタリーサービス、特に海軍へのリスペクトを非常に強く感じる。
これで例えばイーストウッドくらい達観した視点があれば、イデオロギーの頚木から逃れられるのだけど、良くも悪くもバーグはそこまでの境地には至っていないか、そもそもその気がないのだろう。
もっとも、作り手がが意図したような当事者意識が観客に無かったとしても、戦争サバイバル映画として良く出来ているのはさすがハリウッド。
軍人の家族もアフガニスタンの友人もいなければ、四人の偵察隊VS圧倒的多数のタリバンの壮絶なバトルアクションとして、単純に楽しんでしまっても良いのである。
なにしろこれは映画なのだから。
色々な意味で、現代アメリカならではの作品と言えるだろう。
それにしても、銃で撃たれるよりも何度も岩山を転がり落ちる方がよりイタタに感じたよ。
私ならあれだけで確実に死ぬ自信がある。
今回は、映画の緊張感から解放してくれるアメリカンビール「ミラードラフト」をチョイス。
典型的なスッキリさっぱりのアメリカンな味わいだが、胃にもたれないのでいくらでも飲めてしまう。
これからの季節に野外で楽しむのには丁度良いビールだ。
記事が気に入ったらクリックしてね
2005年6月、アフガニスタンの山岳地帯で、タリバン幹部の暗殺を狙った海軍特殊部隊ネイビー・シールズによる“レッド・ウィング作戦”が失敗し、多数の死傷者を出した事件の顛末を、4人の先遣偵察隊唯一の生存者であるマーカス・ラトレルの手記を元に描いた実録物だ。
偵察中にタリバンの拠点の村の山羊飼いに遭遇したマーカスらは、深刻なジレンマに直面する。
解放すれば確実にタリバンに通報され、圧倒的多数の敵に追われる事になるのは確実。
だが、もしも丸腰の山羊飼いを口封じに殺せば、これまた間違いなくにシールズは全世界の非難を浴びる事になる。
苦悩の末に彼らは山羊飼いたちを解放するのだが、結果的にこの判断によって地獄へと突き落とされる事になるのだ。
冒頭、シールズの過酷な訓練の記録映像が映し出される。
単なるフィクションでなく、現実の延長線上にある“True event”を描いた作品であることを主張するオープニング。
なるほど、この冒頭が示唆する様に、本作は極めて特殊な劇映画であり、観客と戦争との距離によって、作品の持つ意義が全く異なる作品だと思う。
端的に言えば、これはアフガニスタンで亡くなった兵士の死に意味を与え、鎮魂と慰霊のために作られた作品である。
その意味で、本作の想定する観客は第一義的には米軍関係者、二義的にはアメリカ国民、あるいは戦争に派兵したその他の国々の関係者、アフガニスタンの人々も含まれるだろうか。
戦死者の遺族、あるいは戦いで生き残り、心身に傷を抱えた者たちにとっては、本作の様な作品によって精神的に救われるケースもあるだろう。
ポイントは、ラトレルが自力で生還したのではなく、現地の住人によってタリバンから守られたという点だ。
日本にいると意識しないが、我々が日々受動的に見ている情報は相当に偏っている。
アフガニスタンやイラクの米軍は現地の人々から嫌われており、それ故に攻撃の対象になっているというイメージも正にそうで、現地メディアや実際にその土地にいる人の声を聞けば、現実はそんな単純でない事は直ぐにわかる。
タリバンはアフガニスタンを5年間に渡って恐怖政治で支配した集団であり、実際のところ現地の人々は圧倒的多数がタリバンを嫌っているという。
もちろん、だからといって彼ら皆が米軍を歓迎している訳ではないだろうが、往々にして現地の声はマスコミからは聞こえてこない。
現実にそこに暮らし、同じ脅威に対する住民を重要な要素とする作りからも、この映画の持つ“兵士の本音”という部分が見えている気がする。
本作は、戦争の是非やその意義に関しては全く描写しない。
ただひたすら死地に趣いた兵士一人ひとりが、如何にして運命に抗い、最後まで生きようと苦闘したかを描写するのに終始する。
イデオロギー的に観れば政治的立場によって否定も肯定も出来るだろうし、どの立場からしても米軍に都合の良過ぎる作品であることは間違いなかろう。
だが、これを戦場の兵士に寄り添い、称え、スクリーン上に映し出されたある種の慰霊碑だとすれば、これはこれでありだと思う。
たぶん、ピーター・バーグ監督は家族か自分の大切な人が軍人なのではないか。
作風は真逆のおバカ映画だったが、前作「バトルシップ」も含めて、彼の作品からはミリタリーサービス、特に海軍へのリスペクトを非常に強く感じる。
これで例えばイーストウッドくらい達観した視点があれば、イデオロギーの頚木から逃れられるのだけど、良くも悪くもバーグはそこまでの境地には至っていないか、そもそもその気がないのだろう。
もっとも、作り手がが意図したような当事者意識が観客に無かったとしても、戦争サバイバル映画として良く出来ているのはさすがハリウッド。
軍人の家族もアフガニスタンの友人もいなければ、四人の偵察隊VS圧倒的多数のタリバンの壮絶なバトルアクションとして、単純に楽しんでしまっても良いのである。
なにしろこれは映画なのだから。
色々な意味で、現代アメリカならではの作品と言えるだろう。
それにしても、銃で撃たれるよりも何度も岩山を転がり落ちる方がよりイタタに感じたよ。
私ならあれだけで確実に死ぬ自信がある。
今回は、映画の緊張感から解放してくれるアメリカンビール「ミラードラフト」をチョイス。
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この記事へのコメント
アメリカ万歳的なお話になっていくのかと思いきや、いいとこなしに絶体絶命の窮地に追い込まれ、最終的には意外な人たちによって救われるという結末には感動させられてしまいました。あの村人たちの勇気を讃えたいです。
2014/04/09(水) 22:51:45 | URL | かのん #.2cgsHzE[ 編集]
こんな凄惨な、負け戦、
最近のアメリカ映画ではちょっと思い当たりません。
最後には彼らを<ヒーロー>として讃えてはありますが、
企画としても思い切った作品だったと思います。
最近のアメリカ映画ではちょっと思い当たりません。
最後には彼らを<ヒーロー>として讃えてはありますが、
企画としても思い切った作品だったと思います。
>かのんさん
一応冒頭に伏線として村のシーンがありましたが、あれがどう絡んでゆくのかは読めませんでした。
戦争サバイバルの先に、ああいう展開があるとは、史実とは言えフィクションよりもドラマチックですね。
>えいさん
米軍がボロ負けする話は「ブラックホーク・ダウン」以来ですかねえ。
まああの作品とはだいぶ作者のスタンスが違いますよね。
かなり特殊な企画だと思いますが、これが成立するのも現代アメリカならではでしょうね。
一応冒頭に伏線として村のシーンがありましたが、あれがどう絡んでゆくのかは読めませんでした。
戦争サバイバルの先に、ああいう展開があるとは、史実とは言えフィクションよりもドラマチックですね。
>えいさん
米軍がボロ負けする話は「ブラックホーク・ダウン」以来ですかねえ。
まああの作品とはだいぶ作者のスタンスが違いますよね。
かなり特殊な企画だと思いますが、これが成立するのも現代アメリカならではでしょうね。
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(原題:Lone Survivior)
----『ローン・サバイバー』って、
タイトルがネタバレ。
ひとりだけ生き残るってこと、
最初から分っちゃうじゃニャい。
「う〜ん。
でもこれって2005年6月に
アフガニスタンの山岳地帯で展開されたレッドウィング作戦を基にした実話だし、
...
2014/04/04(金) 23:19:26 | ラムの大通り
本日公開作品まとめ。
2014/04/05(土) 13:22:26 | あーうぃ だにぇっと
差し伸べられた手 公式サイト http://lonesurvivor.jp 実話の映画化 原作: アフガン、たった一人の生還 (マーカス・ラトレル著/亜紀書房)監督: ピーター・バーグ 「キングダム
2014/04/05(土) 16:10:26 | 風に吹かれて
【ネタバレ注意】
この映画のことを考えただけで胸が熱くなる。
米軍の精鋭部隊ネイビーシールズの隊員たちがタリバンの軍勢と戦う本作は、多勢に無勢の戦闘に終始しており、『アラモ』や『300 <スリーハンドレッド>』に通じるものがある。『アラモ』も『300 <スリーハンドレッド>』も、圧倒的多数の敵を前にして、一歩もひるまず戦う男たちのドラマだった。
だが、『ローン・サバイバー』...
2014/04/05(土) 20:42:32 | 映画のブログ
崖から落ちても戦えるシールズってスゲェな。
2014/04/06(日) 00:31:54 | だらだら無気力ブログ!
注・内容、ラストに触れています。アメリカ海軍の特殊部隊ネイビーシールズ(Navy SEALs)史上最悪の惨事と呼ばれるレッド・ウィング作戦。唯一生還した兵士マーカス・ラトレルの回顧手記『アフガン、たっ
2014/04/06(日) 20:12:49 | 映画雑記・COLOR of CINEMA
2005年6月、アフガニスタン山岳地帯で、アメリカ海軍特殊部隊ネイビー・シールズの“レッド・ウィング作戦”が決行される。 目的は、アルカイダ指導者オサマ・ビンラディンの側近でタリバンのリーダー、アフマド・シャーの殺害だった。 しかし監視任務中の4人の隊員が、現地の山羊飼いに遭遇してしてしまう。 彼を解放すればタリバンに通報される恐れがあり、殺害すれば世界中から非難を浴びる。 4人は迷った挙句...
2014/04/07(月) 18:27:15 | 象のロケット
アメリカ海軍の特殊部隊ネイビーシールズ史上最悪の惨事と呼ばれているレッドウィング作戦の真相を活写した戦争アクション・ムービーです。主演は『テッド』のマーク・ウォールバ ...
2014/04/09(水) 22:47:10 | カノンな日々
ローン・サバイバー
'13:米
◆原題:Lone Survivor
◆監督:ピーター・バーグ「キングダム 見えざる敵」
◆主演:マーク・ウォールバーグ、テイラー・キッチュ、エミール・ハーシュ、ベン・フォスター、エリック・バナ
◆STORY◆2005年6月、国際テロ組織アル・カイーダ...
2014/04/13(日) 00:01:07 | C’est joli〜ここちいい毎日を♪〜
映画『ローン・サバイバー』は、恐ろしくリアルな戦場もの。少なくとも「リアルに死と
2014/04/14(月) 00:03:51 | 大江戸時夫の東京温度
14-28.ローン・サバイバー■原題:Lone Survivor■製作年、国:2014年、アメリカ■上映時間:121分■料金:1,800円■観賞日:3月22日、TOHOシネマズ六本木ヒルズ(六本木)
□監督・脚本・製作:ピーター・バーグ◆マーク・ウォールバーグ◆テイラー・キッチュ◆エ...
2014/04/14(月) 23:15:42 | kintyre's Diary 新館
「バトルシップ」のピーター・バーグ監督、「テッド」のマーク・ウォールバーグ主演。アメリカの精鋭特殊部隊ネイビー・シールズ設立以来、最大の悲劇と言われる2005年アフガニスタンでのタリバン指導者暗殺計画「レッド・ウイング作戦」を実際に経験し、唯一生き残っ
2014/04/20(日) 20:24:59 | 流浪の狂人ブログ〜旅路より〜
米海軍特殊部隊ネイビーシールズ創設以来最大の惨事と言われた「レッド・ウィング作戦」を描いた作品。
121分と、2時間の作品ですが、それ程長いとは感じませんでした。2時間の殆どは、戦闘シーンでは無いですかね。それほど真に迫り、リアルな作品だったと言うことだっ...
2014/04/22(火) 22:37:58 | 勝手に映画評
「ローン・サバイバー」★★★★
マーク・ウォールバーグ、テイラー・キッチュ、
テイラー・キッチュ、エミール・ハーシュ、
エリック・バナ出演
ピーター・バーグ監督、
121分 2014年3月21日公開
2013,ポニーキャニオン、東宝東和
(原題/原作:LONE SURVIVOR)
2014/04/23(水) 20:48:07 | soramove
マーク・ウォルバーグ好きにはこたえられない作品。でも、マーク・ウォルバーグは主役であって主役ではない。何を言っているのか判らない、というのであれば、こういう風に言えばいいのかな。つまり、主役は全てのソルジャーであり、全ての市井のレジスタンスである。信念を持ち行動する登場人物全て。そしてそれは又、「NAVY SEAL」の強靭さ、仲間力を描き切っていて、誰が取り分けヒーローか、と言うようなもので...
2014/06/17(火) 12:58:22 | ここなつ映画レビュー
【概略】
レッド・ウィング作戦に参加した4人のネイビーシールズは、アフガンでの偵察任務中に下した“ある決断”により、200人を超えるタリバン兵と戦うことになる。
戦争アクション
マーク・ウォールバーグ、テイラー・キッチュ、エミール・ハーシュ、ベン・フォスター、エリック・バナと共演者が豪華。
苦手な戦争ものではあるのですが、ネイビーシールズがかっこいい映画ではなく、実話に...
2015/11/28(土) 10:54:45 | いやいやえん
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