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2014年12月28日 (日) | 編集 |
100円玉のリアル。
今年の日本映画は、安藤サクライヤーだ。
先月公開されたばかりの「0.5ミリ」に続いて、ネガティブダウナー系女子の目覚めを演じ、圧倒的な存在感で物語を引っ張る。
足立紳による脚本は、山口県周南映画祭で、故・松田優作の志を受け継ぐクリエイターを発掘すべく、2012 年に新設された脚本賞、第一回「松田優作賞」グランプリ作品。
なるほど、明らかな低予算ながら、ハード&ウェットが絶妙にバランスする本作、もしも松田優作が生きていれば好みそうなテイストである。
※核心部分に触れています。
主人公の一子は、32歳、無職、男なし、引きこもり、ゲーマー、ついでに処女。
人生負けっぱなしのダメ人間の再生劇は、初めての一人暮らし、就職に恋愛、そしてボクシングとの出会いと挑戦を描く、濃すぎる青春のラストステージだ。
毎日仕事もせずに自堕落な生活を送ってきた彼女は、離婚して一人息子と出戻ってきた勝気な妹と衝突し、実家の弁当屋を飛び出してしまう。
ニート生活一筋の一子から見れば、外の世界は弱肉強食、毎日がサバイバル。
母にもらった金でアパートを借り、何とか100円コンビニでバイトを始めたものの、そこは典型的ブラック企業らしく、同僚たちは皆心に問題を抱えた者ばかり。
最初の店長はうつ病で退職し、中年バイトは一子をレイプし店の金を横領してドロン、後任の代理店長は愚痴と文句しか言わない。
そんなどん底の巣窟で、バナナばかりを大量に買ってゆくボクサーの狩野と知り合った一子は、彼の引退試合後に敵味方が肩を抱き合う姿に心引かれ、自分もボクシングを始めるのである。
敗北しか知らない一子にとって、ボクシングは怒りのメタファーだ。
妹に実家を叩き出されたこと、中年バイトに殴られレイプされたこと、なにより一度は一緒に暮らすまでになった狩野に、浮気されて捨てられたこと。
一子ははっきりと意識している訳ではないが、彼女は自分を傷付ける諸々の事を鏡に、自分自身の弱さと闘っているのである。
それまでのダメっぷりが突き抜けていた分、自己変革の欲求はどんどんと強くなるが、ボクシングのプロテストを受けられるのは32歳まで。
狩野との別れで完全に吹っ切れた一子は、超ストイックに一気に自分を追い込んでゆく。
冒頭では自堕落な生活を反映して、ブクブクの体をしていた一子が、どんどん引き締まった肉体に変貌して、最後には画的にもいっぱしのボクサーになっているのには驚かされる。
シャドーのスピードだって、たぶんポスプロで時間いじったりしてないと思うのだけど、素人のレベルじゃない。
私はあれ、避けられない自信がある(笑
そして、打たれても打たれても、満身創痍になりながらもリングに経ち続けるクライマックスの試合シークエンスは、最下層の人間の意地と誇りを見せ付けて、正しくボクシング映画のカタルシス。
「0.5ミリ」と偶然の符合の数字系タイトルは、これまた見事にテーマを表す。
たった100円、されど100円。
今どきは缶コーヒーも買えないコインでも、そこに込められた想いまで100円とは限らないのである。
今回は店によっては250ml缶で100円でも買える「タカラCANチューハイ」をチョイス。
1984年に発売された日本発の缶入りチューハイ。
元々チューハイはハイボールのウィスキーをより安価な甲類焼酎に変えた、焼酎ハイボールの略語。
私はプレーンのチューハイに、ゆずを絞っていただくのが好き。
昭和から続く庶民の酒だ。
記事が気に入ったらクリックしてね
今年の日本映画は、安藤サクライヤーだ。
先月公開されたばかりの「0.5ミリ」に続いて、ネガティブダウナー系女子の目覚めを演じ、圧倒的な存在感で物語を引っ張る。
足立紳による脚本は、山口県周南映画祭で、故・松田優作の志を受け継ぐクリエイターを発掘すべく、2012 年に新設された脚本賞、第一回「松田優作賞」グランプリ作品。
なるほど、明らかな低予算ながら、ハード&ウェットが絶妙にバランスする本作、もしも松田優作が生きていれば好みそうなテイストである。
※核心部分に触れています。
主人公の一子は、32歳、無職、男なし、引きこもり、ゲーマー、ついでに処女。
人生負けっぱなしのダメ人間の再生劇は、初めての一人暮らし、就職に恋愛、そしてボクシングとの出会いと挑戦を描く、濃すぎる青春のラストステージだ。
毎日仕事もせずに自堕落な生活を送ってきた彼女は、離婚して一人息子と出戻ってきた勝気な妹と衝突し、実家の弁当屋を飛び出してしまう。
ニート生活一筋の一子から見れば、外の世界は弱肉強食、毎日がサバイバル。
母にもらった金でアパートを借り、何とか100円コンビニでバイトを始めたものの、そこは典型的ブラック企業らしく、同僚たちは皆心に問題を抱えた者ばかり。
最初の店長はうつ病で退職し、中年バイトは一子をレイプし店の金を横領してドロン、後任の代理店長は愚痴と文句しか言わない。
そんなどん底の巣窟で、バナナばかりを大量に買ってゆくボクサーの狩野と知り合った一子は、彼の引退試合後に敵味方が肩を抱き合う姿に心引かれ、自分もボクシングを始めるのである。
敗北しか知らない一子にとって、ボクシングは怒りのメタファーだ。
妹に実家を叩き出されたこと、中年バイトに殴られレイプされたこと、なにより一度は一緒に暮らすまでになった狩野に、浮気されて捨てられたこと。
一子ははっきりと意識している訳ではないが、彼女は自分を傷付ける諸々の事を鏡に、自分自身の弱さと闘っているのである。
それまでのダメっぷりが突き抜けていた分、自己変革の欲求はどんどんと強くなるが、ボクシングのプロテストを受けられるのは32歳まで。
狩野との別れで完全に吹っ切れた一子は、超ストイックに一気に自分を追い込んでゆく。
冒頭では自堕落な生活を反映して、ブクブクの体をしていた一子が、どんどん引き締まった肉体に変貌して、最後には画的にもいっぱしのボクサーになっているのには驚かされる。
シャドーのスピードだって、たぶんポスプロで時間いじったりしてないと思うのだけど、素人のレベルじゃない。
私はあれ、避けられない自信がある(笑
そして、打たれても打たれても、満身創痍になりながらもリングに経ち続けるクライマックスの試合シークエンスは、最下層の人間の意地と誇りを見せ付けて、正しくボクシング映画のカタルシス。
「0.5ミリ」と偶然の符合の数字系タイトルは、これまた見事にテーマを表す。
たった100円、されど100円。
今どきは缶コーヒーも買えないコインでも、そこに込められた想いまで100円とは限らないのである。
今回は店によっては250ml缶で100円でも買える「タカラCANチューハイ」をチョイス。
1984年に発売された日本発の缶入りチューハイ。
元々チューハイはハイボールのウィスキーをより安価な甲類焼酎に変えた、焼酎ハイボールの略語。
私はプレーンのチューハイに、ゆずを絞っていただくのが好き。
昭和から続く庶民の酒だ。

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この記事へのコメント
これは凄かったですね。
記事中にも書いたけど、自分を変えるって生半可なことじゃできないと思うんですよ。
最初は意気込んでいても挫折したりとか。
安藤サクラさん自身も、この役に賭けてたような感じがするんですよね。あれくらい変身したということは。半端ないキレだし。
記事中にも書いたけど、自分を変えるって生半可なことじゃできないと思うんですよ。
最初は意気込んでいても挫折したりとか。
安藤サクラさん自身も、この役に賭けてたような感じがするんですよね。あれくらい変身したということは。半端ないキレだし。
>rose_chocolatさん
いや、わかっちゃいたけど凄い俳優ですわ。
あの体をたった二週間で作り上げるとか、本物のプロボクサーでも無理そうなのに。
正に日本の女デニーロ。
圧巻の安藤サクライヤーでした。
いや、わかっちゃいたけど凄い俳優ですわ。
あの体をたった二週間で作り上げるとか、本物のプロボクサーでも無理そうなのに。
正に日本の女デニーロ。
圧巻の安藤サクライヤーでした。
2作とも、数字がタイトルに入っていましたね。
東京国際映画祭の女優賞が宮沢りえだったこともあり、
あれっ?と思ったのですが、
キネ旬では、きっちり受賞。
久々のデ・ニーロ・アプローチに酔いしれました。
東京国際映画祭の女優賞が宮沢りえだったこともあり、
あれっ?と思ったのですが、
キネ旬では、きっちり受賞。
久々のデ・ニーロ・アプローチに酔いしれました。
>えいさん
この役作りは凄いですよね。
「紙の月」の宮沢りえも素晴らしかったけど、本作を観てしまうとやはり肉体の迫力に圧倒されました。
いや素晴らしい役者ですね。
この役作りは凄いですよね。
「紙の月」の宮沢りえも素晴らしかったけど、本作を観てしまうとやはり肉体の迫力に圧倒されました。
いや素晴らしい役者ですね。
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2015/09/14(月) 06:49:44 | | #[ 編集]
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映画『百円の恋』は作品の出来もさることながら、安藤サクラに完全にノックアウトされ
2014/12/28(日) 23:54:51 | 大江戸時夫の東京温度
32歳の斎藤一子は働きもせず実家に引きこもってゲーム三昧の毎日を送っていた。 ある日、離婚して実家に戻っていた妹・二三子と大ゲンカになり、一子がアパートで独り暮らしをすることに。 行きつけの100円ショップで深夜のアルバイトを始めた一子は、近くのボクシングジムで練習する中年男・狩野からデートに誘われる。 なぜ自分を誘ったのかと聞くと、情けない返事が返ってきた…。 ラブ・ストーリー。
2015/01/01(木) 11:43:43 | 象のロケット
監督: 武正晴
出演: 安藤サクラ 、新井浩文
鑑賞劇場: テアトル新宿
映画『百円の恋』 公式サイトはこちら。
実家でひきこもり生活を送る32歳の一子は、離婚して出戻ってきた妹とケンカしてしまい、やけになって一人暮らしを始める。100円ショップで深夜勤務...
2015/01/02(金) 08:52:42 | Nice One!! @goo
『百円の恋』をテアトル新宿で見ました。
(1)『0.5ミリ』で大活躍した安藤サクラの主演作ということで映画館に行ってきました。
本作(注1)は、出戻りの妹・二三子(早織)の子供・太郎と一緒になってボクシングのテレビゲームに興じる姉・一子(安藤サクラ)の後...
2015/01/09(金) 06:27:30 | 映画的・絵画的・音楽的
2014年・日本/東映ビデオ配給:SPOTTED PRODUCTIONS 監督:武 正晴 脚本:足立 紳 製作:間宮登良松企画・監修:黒澤 満エグゼクティブプロデューサー:加藤和夫プロデューサー:佐藤
2015/01/12(月) 01:20:50 | お楽しみはココからだ~ 映画をもっと楽しむ方法
----この映画って、
東京国際映画祭で話題になった作品だよね。
安藤サクラの演技がスゴイって…。
「そうだね。
共演の新井浩文が激賞していることでも話題に。
実はぼくはこの前に『0.5ミリ』という、
やはり安藤サクラ主演の映画を観ていて、
ここでの彼女の演技ですで...
2015/01/12(月) 15:23:52 | ラムの大通り
【ネタバレ注意】
斉藤一子(いちこ)は死んでいた。
黒澤明監督の名作『生きる』になぞらえれば、「彼女には生きた時間がない。つまり彼女は生きているとはいえないからである。駄目だ。これでは死骸も同然だ。」というありさまだった。
『百円の恋』が描く「死骸も同然」な暮らしはズルい。
公式サイトのストーリー紹介には「32歳の一子(安藤サクラ)は実家にひきこもり、自堕落な日々を...
2015/01/18(日) 15:15:54 | 映画のブログ
32歳実家暮らし、無職。部屋に籠ってゲーム三昧、深夜に百円ショップで買い
物。自堕落な生活を続けていた齊藤一子(安藤サクラ)は、ある日息子を連れて
出戻った妹と取っ組み合いの大喧嘩となり、アパートで一人暮らしを始める。
共演の新井浩文が 「安藤サクラが凄い!」 と手放しの大絶賛。パイセンが
そこまで言うなら、、と、観て来ました。確かに、確かに凄い。ヒラリー・スワンク
が...
2015/01/22(木) 21:33:06 | 真紅のthinkingdays
百円の恋 テアトル新宿 2014/12/20公開
32歳の一子(安藤サクラ)は実家でだらしない毎日を過ごしていたが、
離婚して実家に戻ってきた妹の二三子といざこざを起こし、一人暮らしをすることに。
100円ショップで深夜労働にありつき、相変わらずな日々を送っていたものの、
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2015/01/26(月) 23:58:33 | 単館系
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2015/03/08(日) 12:19:04 | パピとママ映画のblog
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脚本:足立紳 「第一回松田優作賞」グランプリ受賞作
2015/09/12(土) 00:19:04 | cinema-days 映画な日々
安藤サクラが日本アカデミー賞主演女優賞を受賞した作品。
30歳を超えても実家で引きこもり同然のニートな生活を送っている一子(安藤サクラ)。子供を連れて出戻ってきた妹の二三子と大喧嘩し、一人暮らしを始めることになる。毎日買い物に行っていた24時間営業の100円...
2017/02/12(日) 00:25:55 | まてぃの徒然映画+雑記
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