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2015年02月25日 (水) | 編集 |
スコープの中の戦場。
アメリカのゼロ年代は戦争の時代だ。
2001年の同時多発テロの衝撃から火が付き、アフガニスタンからイラクへと燃え広がっていった戦争は、アラブの政変などの影響を受けつつウィルスの如く変異を重ね、いまだにその出口すら見えていない。
今回、クリント・イーストウッドが描くのは、アメリカ海軍特殊部隊、ネイビー・シールズのスナイパーとしてイラクに派遣され、160人以上を射殺し、“ラマディの悪魔”として恐れられたクリス・カイルの人生。
彼自身が著した「ネイビー・シールズ最強の狙撃手(原題:American Sniper)」を基に、ジェイソン・ホールが脚色した物語は、ジャンル映画の話型を借りつつ、過酷な戦場を経験した兵士の心の深層をじっくりと描く。
ゼロ年代に入って「硫黄島二部作」で第二次世界大戦を、「グラン・トリノ」で朝鮮戦争の帰還兵を描いたイーストウッドは、現在進行形の21世紀の戦争をどう料理するのだろうか。
※ラストに触れています。
信心深く厳格な父親のもと、テキサスで生まれ育ったクリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)は、1998年にナイロビとダルエスサラームで起こったアメリカ大使館爆破事件に義憤を覚え、ネイビー・シールズに入隊。
厳しい訓練を乗り越え、少年時代から培った射撃のセンスを買われて、スナイパーとして配属される。
私生活でもタヤ(シエナ・ミラー)と結婚し、幸せな新婚生活を送っていたが、9.11とそれに続く戦争が勃発。
イラクへと派遣されたカイルは多くの敵兵を射殺し、いつしか味方には“伝説”敵からは“悪魔”と呼ばれ、その首には高額の懸賞金がかけられるようになる。
そんな時、アルカイダの大物ザルカウィの捜索に参加したカイルは、1000メートルを超える狙撃を成功させる、元オリンピック選手の敵のスナイパー、ムスタファと遭遇。
彼を倒すことが自分の使命と考える様になってゆく・・・
殺し屋の類を別にして、戦場のスナイパーを主人公とした映画は意外と少ない。
このジャンルの元祖は、モンタージュ理論の確立に大きな役割を果たした事でも知られる、ソ連のセミョン・ティモシェンコが1932年に発表した「狙撃兵」だろうか。
近年では、ジュード・ロウが第二次世界大戦のスターリングラード攻防戦における、ソ連軍の伝説的スナイパー、ヴァシリ・ザイツェフを演じた「スターリングラード」が記憶に新しいくらいだ。
基本的に一点から動かず、じっと敵を待ち構えて、ターゲットが現れたら冷徹に撃ち殺すという“仕事”ゆえに、動きのあるドラマを作りにくいというのが、あまり本数が作られない理由だろう。
本作でもカイルは基本的には一点から敵を監視し、狙い撃ちするのが任務だが、視点が限定されている事を逆手にとった、リアルタイムで状況が刻々推移するスリリングな演出が見事。
また海兵隊と行動を共にして突入任務に従事したり、チームリーダーとして敵の追跡を指揮したり、狙撃以外の描写もミックスして単調に陥るのを防いでいる。
観る前は、イラク戦争という題材的に、キャスリン・ビグロー監督が米軍の爆発物処理のスペシャリストを描いた傑作、「ハート・ロッカー」と被るのではないかと思っていた。
実際、戦場と銃後の故郷を対比して描く手法、少しずつ戦場のリアルが平和な日常を塗りつぶしてゆくプロセスなど、共通点は多い。
しかしこの二作、モチーフに対するアプローチが大きく異なるのだ。
原作は未読なのだが、ジェイソン・ホールの脚本は、事実関係をかなり変更しているようだ。
通算四回のイラク派遣や、それぞれの作戦で起こった事などは基本的に原作に基づいているらしいが、例えば最初に射殺した人物は異なるし、映画では宿命のライバルとして描かれるシリア人スナイパー、ムスタファは実際にはカイルと対決していないのだという。
キャスリン・ビグローは終始主人公に寄り添い、彼らが入手出来る以外の情報を徹底的に遮断する事で、まるでドキュメンタリーの様な張り詰めた臨場感を作り出し、観客に戦場を疑似体験させる。
対してイーストウッドは、実在の人物の手記を基にした実話ベースの物語にもかかわらず、あくまでも“劇映画”である事に拘るのである。
例えばカイルに愛する家族があるのと同じように、ムスタファの妻子を描写する事によって、観客が過度に主人公と一体化する事を防ぎ、フィクションとしての距離を保つ。
本作の話型は、少なくともその入口部分はクラッシックな西部劇を踏襲したものである。
主人公のカイルは、イラク戦争を始めたジョージ・W・ブッシュ大統領と同郷のテキサス人。
終盤で保安官のコスプレ(?)をするシーンがあるが、彼のメンタルは無法の荒野で街を守るヒーローそのものだ。
カイルの世界には、人間は狼と羊と番犬の三種類しかいない。
狼は羊を襲う悪人であり、羊は自らを守れない弱きもので、番犬は狼から羊を守る正義の味方。
守るべき価値があるものも、神と国家と家族の三つで、それらを脅かす狼は誰であろうが排除する。
彼にとってイラクで殺す相手は、西部劇の悪漢たちと同じく野蛮な賊であって、“正義”に関して他意は全くないのだ。
あえてムスタファを、いかにもヴィラン的なキャラクターとして配置しているのも、古典的ジャンル映画の体裁に落とし込むためだろう。
しかし、イーストウッドは1992年の「許されざる者」以降西部劇を撮っていない。
もはや勧善懲悪的な二元論が説得力を持たなくなった20世紀の末に、老ガンマンが銃を置く瞬間を描き、フロンティアの神話としての西部劇に幕を下ろしたのは彼自身だったはずだ。
ならばなぜ現在の戦争映画に、西部劇の構造を埋め込んだのか。
本作は、高潔なる保安官の心と、現実の矛盾を描く。
21世紀の戦争は、150年前の虚構の大西部のシンプルな善悪では割り切れず、その代償はカイルに重くのしかかってくる。
自分が殺しているのは敵だ、殺されて当然の悪だと信じていても、女子供すら撃たねばならない現実は、銃弾の一発ごと、一人の命を奪うごとに、確実にカイルの心に傷を刻んでゆく。
彼が本来善意の人だからこそ、その傷は深く、決して癒される事はないのである。
戦場の呪いは、遠くアメリカ本土へと帰還しても、カイルを自由にはしてくれない。
味方からは「伝説」と呼ばれ、帰郷中も彼に救われた帰還兵から感謝の言葉を贈られる一方、敵にとっては「悪魔」であり、賞金首だ。
“アメリカ軍の誰か”ではなく、“クリス・カイル”という個人が狙われている訳だから、戦場を離れたから100%安全とは限らない。
いつ何時、誰が襲ってくるか分からない恐怖が、本人も意識しないうちにジワジワとカイルを追い詰める。
バックミラーに映るワンボックスカーが、テロリストの車に見えて仕方がない。
インパクトレンチの音、犬の吠える声、日常に溢れる様々な“音”が彼の中の戦場を蘇らせ、そのたびに心は荒み、いわゆるPTSDの症状に悩まされるようになる。
戦いの記憶に支配された平和は、もはやカイルに安息を与えてくれず、だからこそ彼は戦場を離れられないのである。
神、国家、家族のため、良きことをするというシンプルな善意は、殺戮の日常の中で“伝説の悪魔”に育ち、いつしか彼自身をも飲み込もうとしているのだ。
映画のカイルがムスタファに拘るのは、第一義的には本来の動機である仲間の仇であり、最強の敵を排除するためだが、カイルにとって彼は同じ殺しのスキルを持ったもう一人の自分であり、ムスタファを倒すことは“戦場の怪物”となってしまった自分殺しに他ならない。
だから最後の作戦で、遂にムスタファを射殺したカイルは、殆ど何も見えない砂嵐の中に、彼自身を象徴する狙撃銃、ヘルメット、そしていつも胸ポケットに入れていた聖書を落としてゆくのだ。
神と国家は消え、スナイパーとしてのクリス・カイルは、象徴的にムスタファと共に死んだのである。
派遣四回、通算約1000日間の戦いの日々を過ごし、ようやく除隊したカイルは、しかし最後まで戦争の呪縛から完全には逃れられなかったのだろう。
彼はずっと家で待っている妻に、アメリカに戻った事を伝えないのである。
良き兵士である事は辞めた。
では今の自分は何者なのか?良き父、良き夫として家に帰る前に、考える時間を必要としたカイルの心の中ではいかなる感情がうごめいていたのか。
米軍の公式な記録として160人、非公式には250人以上を射殺した男は、その後の人生にどう折り合いをつけたのだろうか?という疑問に、残念ながら映画は答えを出すことが出来ない。
2013年2月2日、最強のスナイパーは、射撃場で心を病んだイラク帰還兵のエディー・レイ・ルースという男に撃たれ、あっけなく38年の生涯を閉じるのである。
イーストウッドは、本編のラストを実際の彼の葬儀の記録映像とし、その後のエンドクレジットを無音とした。
この静寂の数分間、観客の胸に去来する感情は、おそらくアメリカと日本では大きく異なるだろう。
アメリカにおいてはカイルも、彼を射殺したルースも、アフガニスタン、イラク戦争を経験し、除隊後も心と体の傷に苦しむ数十万人の帰還兵の一人なのである。
なんと彼らのうち一日に20人が自殺を選び、自ら命を絶っているという。
ほぼ常時何らかの戦争を遂行しているアメリカは、誰もが身近に帰還兵を感じる社会だ。
だからこそ、リアルではあるが劇映画的に推移してきた物語が、ラストでいきなり現実となるインパクトは大きい。
日本でも、米国でも、本作に政治的なレッテルを貼ろうとする人はいるようで、主人公の愛国心に感動し、対テロ戦争の意義を高めたと賞賛する人もいれば、アラブ人の描き方が人間的でなく、国威発揚映画だと批判する人もいるという。
なるほど、確かに本作はどちらにも取れる危うさを内包しているのは事実だし、作品にレッテルを貼りたかったら貼れば良いし、自らの理念で攻撃したかったらすればいい。
84歳のイーストウッドには、その程度のわがままな観方を受け止めるくらいの度量はあるだろう。
だが、右や左の視点でしか本作を観ていない人は、この偉大な作品の本質を見落としていると思う。
最後のカイルの葬儀は、イーストウッドが作り出した創作ではなく現実だ。
無音の数分間に作者が込めた想いがなんなのか、せめてこの時だけでも理念から自由になって、戦場に生きた人たちの心に寄り添い、考えてみるべきではないだろか。
今回は、カイルの故郷テキサスの名を冠したバーボン、「ザ・イエロー・ローズ・オブ・テキサス」の12年をチョイス。
もっとも、作っているのはケンタッキー州の老舗、ケンタッキー・リザーヴ・ディスティリングなのだけど。
バーボンの中では比較的ライトな味わいが特徴だが、12年ものくらいになると適度なコクも出てくる。
とはいえ飲みやすさに変わりはなく、強い人なら結構簡単に一本空けてしまうだろう。
「テキサスの黄色いバラ」とは、は南北戦争の頃に兵士たちの間で流行したバラードで、テキサス美人の事。
当時の兵士たちも、辛い記憶を音楽と酒で癒していたのかも知れない。
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アメリカのゼロ年代は戦争の時代だ。
2001年の同時多発テロの衝撃から火が付き、アフガニスタンからイラクへと燃え広がっていった戦争は、アラブの政変などの影響を受けつつウィルスの如く変異を重ね、いまだにその出口すら見えていない。
今回、クリント・イーストウッドが描くのは、アメリカ海軍特殊部隊、ネイビー・シールズのスナイパーとしてイラクに派遣され、160人以上を射殺し、“ラマディの悪魔”として恐れられたクリス・カイルの人生。
彼自身が著した「ネイビー・シールズ最強の狙撃手(原題:American Sniper)」を基に、ジェイソン・ホールが脚色した物語は、ジャンル映画の話型を借りつつ、過酷な戦場を経験した兵士の心の深層をじっくりと描く。
ゼロ年代に入って「硫黄島二部作」で第二次世界大戦を、「グラン・トリノ」で朝鮮戦争の帰還兵を描いたイーストウッドは、現在進行形の21世紀の戦争をどう料理するのだろうか。
※ラストに触れています。
信心深く厳格な父親のもと、テキサスで生まれ育ったクリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)は、1998年にナイロビとダルエスサラームで起こったアメリカ大使館爆破事件に義憤を覚え、ネイビー・シールズに入隊。
厳しい訓練を乗り越え、少年時代から培った射撃のセンスを買われて、スナイパーとして配属される。
私生活でもタヤ(シエナ・ミラー)と結婚し、幸せな新婚生活を送っていたが、9.11とそれに続く戦争が勃発。
イラクへと派遣されたカイルは多くの敵兵を射殺し、いつしか味方には“伝説”敵からは“悪魔”と呼ばれ、その首には高額の懸賞金がかけられるようになる。
そんな時、アルカイダの大物ザルカウィの捜索に参加したカイルは、1000メートルを超える狙撃を成功させる、元オリンピック選手の敵のスナイパー、ムスタファと遭遇。
彼を倒すことが自分の使命と考える様になってゆく・・・
殺し屋の類を別にして、戦場のスナイパーを主人公とした映画は意外と少ない。
このジャンルの元祖は、モンタージュ理論の確立に大きな役割を果たした事でも知られる、ソ連のセミョン・ティモシェンコが1932年に発表した「狙撃兵」だろうか。
近年では、ジュード・ロウが第二次世界大戦のスターリングラード攻防戦における、ソ連軍の伝説的スナイパー、ヴァシリ・ザイツェフを演じた「スターリングラード」が記憶に新しいくらいだ。
基本的に一点から動かず、じっと敵を待ち構えて、ターゲットが現れたら冷徹に撃ち殺すという“仕事”ゆえに、動きのあるドラマを作りにくいというのが、あまり本数が作られない理由だろう。
本作でもカイルは基本的には一点から敵を監視し、狙い撃ちするのが任務だが、視点が限定されている事を逆手にとった、リアルタイムで状況が刻々推移するスリリングな演出が見事。
また海兵隊と行動を共にして突入任務に従事したり、チームリーダーとして敵の追跡を指揮したり、狙撃以外の描写もミックスして単調に陥るのを防いでいる。
観る前は、イラク戦争という題材的に、キャスリン・ビグロー監督が米軍の爆発物処理のスペシャリストを描いた傑作、「ハート・ロッカー」と被るのではないかと思っていた。
実際、戦場と銃後の故郷を対比して描く手法、少しずつ戦場のリアルが平和な日常を塗りつぶしてゆくプロセスなど、共通点は多い。
しかしこの二作、モチーフに対するアプローチが大きく異なるのだ。
原作は未読なのだが、ジェイソン・ホールの脚本は、事実関係をかなり変更しているようだ。
通算四回のイラク派遣や、それぞれの作戦で起こった事などは基本的に原作に基づいているらしいが、例えば最初に射殺した人物は異なるし、映画では宿命のライバルとして描かれるシリア人スナイパー、ムスタファは実際にはカイルと対決していないのだという。
キャスリン・ビグローは終始主人公に寄り添い、彼らが入手出来る以外の情報を徹底的に遮断する事で、まるでドキュメンタリーの様な張り詰めた臨場感を作り出し、観客に戦場を疑似体験させる。
対してイーストウッドは、実在の人物の手記を基にした実話ベースの物語にもかかわらず、あくまでも“劇映画”である事に拘るのである。
例えばカイルに愛する家族があるのと同じように、ムスタファの妻子を描写する事によって、観客が過度に主人公と一体化する事を防ぎ、フィクションとしての距離を保つ。
本作の話型は、少なくともその入口部分はクラッシックな西部劇を踏襲したものである。
主人公のカイルは、イラク戦争を始めたジョージ・W・ブッシュ大統領と同郷のテキサス人。
終盤で保安官のコスプレ(?)をするシーンがあるが、彼のメンタルは無法の荒野で街を守るヒーローそのものだ。
カイルの世界には、人間は狼と羊と番犬の三種類しかいない。
狼は羊を襲う悪人であり、羊は自らを守れない弱きもので、番犬は狼から羊を守る正義の味方。
守るべき価値があるものも、神と国家と家族の三つで、それらを脅かす狼は誰であろうが排除する。
彼にとってイラクで殺す相手は、西部劇の悪漢たちと同じく野蛮な賊であって、“正義”に関して他意は全くないのだ。
あえてムスタファを、いかにもヴィラン的なキャラクターとして配置しているのも、古典的ジャンル映画の体裁に落とし込むためだろう。
しかし、イーストウッドは1992年の「許されざる者」以降西部劇を撮っていない。
もはや勧善懲悪的な二元論が説得力を持たなくなった20世紀の末に、老ガンマンが銃を置く瞬間を描き、フロンティアの神話としての西部劇に幕を下ろしたのは彼自身だったはずだ。
ならばなぜ現在の戦争映画に、西部劇の構造を埋め込んだのか。
本作は、高潔なる保安官の心と、現実の矛盾を描く。
21世紀の戦争は、150年前の虚構の大西部のシンプルな善悪では割り切れず、その代償はカイルに重くのしかかってくる。
自分が殺しているのは敵だ、殺されて当然の悪だと信じていても、女子供すら撃たねばならない現実は、銃弾の一発ごと、一人の命を奪うごとに、確実にカイルの心に傷を刻んでゆく。
彼が本来善意の人だからこそ、その傷は深く、決して癒される事はないのである。
戦場の呪いは、遠くアメリカ本土へと帰還しても、カイルを自由にはしてくれない。
味方からは「伝説」と呼ばれ、帰郷中も彼に救われた帰還兵から感謝の言葉を贈られる一方、敵にとっては「悪魔」であり、賞金首だ。
“アメリカ軍の誰か”ではなく、“クリス・カイル”という個人が狙われている訳だから、戦場を離れたから100%安全とは限らない。
いつ何時、誰が襲ってくるか分からない恐怖が、本人も意識しないうちにジワジワとカイルを追い詰める。
バックミラーに映るワンボックスカーが、テロリストの車に見えて仕方がない。
インパクトレンチの音、犬の吠える声、日常に溢れる様々な“音”が彼の中の戦場を蘇らせ、そのたびに心は荒み、いわゆるPTSDの症状に悩まされるようになる。
戦いの記憶に支配された平和は、もはやカイルに安息を与えてくれず、だからこそ彼は戦場を離れられないのである。
神、国家、家族のため、良きことをするというシンプルな善意は、殺戮の日常の中で“伝説の悪魔”に育ち、いつしか彼自身をも飲み込もうとしているのだ。
映画のカイルがムスタファに拘るのは、第一義的には本来の動機である仲間の仇であり、最強の敵を排除するためだが、カイルにとって彼は同じ殺しのスキルを持ったもう一人の自分であり、ムスタファを倒すことは“戦場の怪物”となってしまった自分殺しに他ならない。
だから最後の作戦で、遂にムスタファを射殺したカイルは、殆ど何も見えない砂嵐の中に、彼自身を象徴する狙撃銃、ヘルメット、そしていつも胸ポケットに入れていた聖書を落としてゆくのだ。
神と国家は消え、スナイパーとしてのクリス・カイルは、象徴的にムスタファと共に死んだのである。
派遣四回、通算約1000日間の戦いの日々を過ごし、ようやく除隊したカイルは、しかし最後まで戦争の呪縛から完全には逃れられなかったのだろう。
彼はずっと家で待っている妻に、アメリカに戻った事を伝えないのである。
良き兵士である事は辞めた。
では今の自分は何者なのか?良き父、良き夫として家に帰る前に、考える時間を必要としたカイルの心の中ではいかなる感情がうごめいていたのか。
米軍の公式な記録として160人、非公式には250人以上を射殺した男は、その後の人生にどう折り合いをつけたのだろうか?という疑問に、残念ながら映画は答えを出すことが出来ない。
2013年2月2日、最強のスナイパーは、射撃場で心を病んだイラク帰還兵のエディー・レイ・ルースという男に撃たれ、あっけなく38年の生涯を閉じるのである。
イーストウッドは、本編のラストを実際の彼の葬儀の記録映像とし、その後のエンドクレジットを無音とした。
この静寂の数分間、観客の胸に去来する感情は、おそらくアメリカと日本では大きく異なるだろう。
アメリカにおいてはカイルも、彼を射殺したルースも、アフガニスタン、イラク戦争を経験し、除隊後も心と体の傷に苦しむ数十万人の帰還兵の一人なのである。
なんと彼らのうち一日に20人が自殺を選び、自ら命を絶っているという。
ほぼ常時何らかの戦争を遂行しているアメリカは、誰もが身近に帰還兵を感じる社会だ。
だからこそ、リアルではあるが劇映画的に推移してきた物語が、ラストでいきなり現実となるインパクトは大きい。
日本でも、米国でも、本作に政治的なレッテルを貼ろうとする人はいるようで、主人公の愛国心に感動し、対テロ戦争の意義を高めたと賞賛する人もいれば、アラブ人の描き方が人間的でなく、国威発揚映画だと批判する人もいるという。
なるほど、確かに本作はどちらにも取れる危うさを内包しているのは事実だし、作品にレッテルを貼りたかったら貼れば良いし、自らの理念で攻撃したかったらすればいい。
84歳のイーストウッドには、その程度のわがままな観方を受け止めるくらいの度量はあるだろう。
だが、右や左の視点でしか本作を観ていない人は、この偉大な作品の本質を見落としていると思う。
最後のカイルの葬儀は、イーストウッドが作り出した創作ではなく現実だ。
無音の数分間に作者が込めた想いがなんなのか、せめてこの時だけでも理念から自由になって、戦場に生きた人たちの心に寄り添い、考えてみるべきではないだろか。
今回は、カイルの故郷テキサスの名を冠したバーボン、「ザ・イエロー・ローズ・オブ・テキサス」の12年をチョイス。
もっとも、作っているのはケンタッキー州の老舗、ケンタッキー・リザーヴ・ディスティリングなのだけど。
バーボンの中では比較的ライトな味わいが特徴だが、12年ものくらいになると適度なコクも出てくる。
とはいえ飲みやすさに変わりはなく、強い人なら結構簡単に一本空けてしまうだろう。
「テキサスの黄色いバラ」とは、は南北戦争の頃に兵士たちの間で流行したバラードで、テキサス美人の事。
当時の兵士たちも、辛い記憶を音楽と酒で癒していたのかも知れない。

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この記事へのコメント
>だが、右や左の視点でしか本作を観ていない人は、この偉大な作品の本質を見落としていると思う。
本当にそうですよね。
私、この作品でどうして戦意高揚としか見ない人がいるのか、不思議でしょうがありません。
そういう人曰く、イスラム社会でこの作品が売れているのは、逆にアメリカに対して敵意を抱かせるような部分があるためで、逆にアチラがわの戦意高揚を招いている、
それを考えずして、この作品の評価をすべきではない、と言うんです。
>砂嵐の中に、彼自身を象徴する狙撃銃、ヘルメット、そしていつも胸ポケットに入れていた聖書を落としてゆく
狙撃銃、ヘルメット、聖書…この順番でしたっけ。マガジン(弾倉)はありませんでしたかな。
マガジンがあったような気がしたのですが、記憶違いか?
狙撃銃とヘルメットはまだしも、“聖書”というところに、彼のその後の心情が表れているように思えます。
本当にそうですよね。
私、この作品でどうして戦意高揚としか見ない人がいるのか、不思議でしょうがありません。
そういう人曰く、イスラム社会でこの作品が売れているのは、逆にアメリカに対して敵意を抱かせるような部分があるためで、逆にアチラがわの戦意高揚を招いている、
それを考えずして、この作品の評価をすべきではない、と言うんです。
>砂嵐の中に、彼自身を象徴する狙撃銃、ヘルメット、そしていつも胸ポケットに入れていた聖書を落としてゆく
狙撃銃、ヘルメット、聖書…この順番でしたっけ。マガジン(弾倉)はありませんでしたかな。
マガジンがあったような気がしたのですが、記憶違いか?
狙撃銃とヘルメットはまだしも、“聖書”というところに、彼のその後の心情が表れているように思えます。
>とらねこさん
マガジン・・・・あったかなあ。
言われてみるとあったような気もするけど、最後に聖書を落としたのは間違いないと思うんですけど。
銃と聖書は彼の根幹の部分ですからね。
あそこで一度精神的に彼は死んだのでしょう。
イスラム圏での本作の受け取られ方は、ナドレックさんのところの記事が興味深かったです。
マガジン・・・・あったかなあ。
言われてみるとあったような気もするけど、最後に聖書を落としたのは間違いないと思うんですけど。
銃と聖書は彼の根幹の部分ですからね。
あそこで一度精神的に彼は死んだのでしょう。
イスラム圏での本作の受け取られ方は、ナドレックさんのところの記事が興味深かったです。
この年齢で、
ここまでのアクションシーンを現場で演出している。
もう超人というしかないです。
ピカソもそうでしたが、
齢とって枯れない人は好きです。
まさに驚異。
ここまでのアクションシーンを現場で演出している。
もう超人というしかないです。
ピカソもそうでしたが、
齢とって枯れない人は好きです。
まさに驚異。
>えいさん
そうなんです。
緊張感溢れる戦場アクションとしても超一級ですからね。
ほんとこの人は衰えを知らない、というかいまだ進化している。
もはや何かがのりうつってるのかも。
そうなんです。
緊張感溢れる戦場アクションとしても超一級ですからね。
ほんとこの人は衰えを知らない、というかいまだ進化している。
もはや何かがのりうつってるのかも。
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イラク戦争に出征したアメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズの隊員クリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)は、人並み外れた狙撃の精度から“レジェンド”と称され、仲間たちを徹底的に援護する。
4度にわたりイラクに送られたクリスは、故郷に残した妻タヤ( シエナ・ミラー)や子供達を思いながら、スコープをのぞき、引き金を引き、敵の命を奪ってきたが、いつしか心に深い傷を負っていた、、、。
イ...
2015/02/26(木) 02:07:07 | 心のままに映画の風景
【ネタバレ注意】
スコープの先に男の姿が見える。男は進撃する米軍を観察しながらどこかに電話している。
男の姿が消えると、建物から女性と子供が現れた。親子のようだ。女性が子供に何かを手渡す。スコープ越しに見るそれは、対戦車手榴弾によく似ている。それを抱えた子供が米軍の方へ走り出す。米兵と戦車に向かって、一直線に。
スコープは子供を捉えている。引き金を引きさえすれば、簡単に子供...
2015/02/26(木) 08:16:59 | 映画のブログ
アメリカ軍で最も強い狙撃手と呼ばれた、クリス・カイルの自叙伝を実写化したドラマ。アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズ所属のスナイパーであった彼が、イラク戦争で数々の戦果を挙げながらも心に傷を負っていくさまを見つめる。メガホンを取るのは、『ミリオンダラー...
2015/02/26(木) 10:52:14 | パピとママ映画のblog
映画 『アメリカン・スナイパー』 (公式)を昨日、劇場鑑賞。採点は余裕の ★★★★ ☆ (5点満点で4点)。100点満点なら85点にします。
ざっくりストーリー
アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズの隊員クリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)は、イラク戦争に狙撃手(スナイパー)として派遣される。彼は、どんな過酷な状況でも必ず仲...
2015/02/26(木) 11:08:19 | ディレクターの目線blog@FC2
アメリカン・スナイパーAmerican Sniper/監督:クリント・イーストウッド/2014年/アメリカ
あー、これはちょっと困りましたね…
丸の内ピカデリー、シアター1 T-19で鑑賞。最近、どんな映画を見てもだいたいは面白いという楽しい脳味噌になっているんですが、今回は困りました。何が困るのかは本文中で。
あらすじ:いっぱい狙撃しました。
海軍特殊部隊のクリス・カイル...
2015/02/26(木) 12:38:54 | 映画感想 * FRAGILE
※ご覧なった人専用。後の方で少しネタバレに触れています。
(原題:AMERICAN SNIPER)
----いよいよ始まったね、この映画。
話しにくいとか言っていなかったっけ?
「そうなんだよね。
どうしようか迷って、
でもどうしても言っておかなくては…
と思ったことがあって、...
2015/02/26(木) 22:41:07 | ラムの大通り
2014年・アメリカ/マルパソ=ヴィレッジ・ロードショー・ピクチャーズ、他 配給:ワーナー・ブラザース映画 原題:American Sniper 監督:クリント・イーストウッド原作:クリス・カイル、ス
2015/02/26(木) 23:35:47 | お楽しみはココからだ~ 映画をもっと楽しむ方法
注・内容、台詞にふれています。『アメリカン・スナイパー』AMERICAN SNIPER監督 : クリント・イーストウッド物語・イラク戦争に出征した、アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズの隊員クリス・カ
2015/02/27(金) 15:57:15 | 映画雑記・COLOR of CINEMA
確かなずっしりの見応え。
2015/02/27(金) 17:28:29 | Akira's VOICE
流石、イーストウッド。
2時間12分が、あっという間に過ぎてしまう...
生日、ゴダールの84オにも驚いたが,こちらも同い年(笑)
去年は「ジャージー・ボーイズ」、で今年はこんなに強力な一発かよ〜
その前もヤバ過ぎの「グラン・トリノ」、超変化球「ヒア...
2015/02/28(土) 10:42:58 | 日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜
2014年/アメリカ/132分
監督:クリント・イーストウッド
出演:ブラッドリー・クーパー
シエナ・ミラー
■概要
原題は『American Sniper』。アメリカ製作による2014年の戦争伝記ドラマです。監督は『ジャージー・ボーイズ』の御大クリント・イーストウッド。主演は『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』のブラッドリー・クーパー。第87回アカデミー賞では、残...
2015/02/28(土) 22:47:21 | 偏愛映画自由帳
【AMERICAN SNIPER】 2015/02/21公開 アメリカ R15+ 132分監督:クリント・イーストウッド出演:ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラー、ルーク・グライムス、ジェイク・マクドーマン、ケヴィン・レイス、コリー・ハードリクト、ナヴィド・ネガーバン、キーア・オドネル...
2015/03/01(日) 00:42:19 | ★yukarinの映画鑑賞ぷらす日記★
9.11以降のイラク戦争。 米海軍特殊部隊ネイビー・シールズに入隊を果たしたクリスは、卓越した狙撃の精度で多くの仲間の危機を救い“レジェンド”の異名を轟かせる。 しかし敵からは“悪魔”と恐れられ、その首には18万ドルの賞金が掛けられていた。 極限状況の戦地への度重なる遠征は、クリスの心を序々に蝕んでいく…。 伝説的スナイパーの半生。 R-15
2015/03/02(月) 11:31:57 | 象のロケット
アメリカ軍で最も強い狙撃手と呼ばれたクリス・カイルの自叙伝を実写化した作品です。
2015/03/02(月) 23:41:54 | 水曜日のシネマ日記
[アメリカン・スナイパー] ブログ村キーワード ↓ワンクリックの応援お願いします↓ 評価:大吉 2015年6本目です。 【あらすじ】 テキサス出身のカウボーイ、クリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)は、1998年にアフリカで起こったアメリカ大使館爆破事件をきっ…
2015/03/03(火) 12:34:18 | 必見!ミスターシネマの最新映画ネタバレ・批評レビュー!
原題 AMERICAN SNIPER
上映時間 132分 映倫 R15+
原作 クリス・カイル 『ネイビー・シールズ 最強の狙撃手』(原書房刊)
監督 クリント・イーストウッド
出演 ブラッドリー・クーパー/シエナ・ミラー/ルーク・グライムス/ジェイク・マクドーマン
2001年のアメリカ同時...
2015/03/04(水) 22:01:31 | to Heart
3月1日のファーストデーに、映画「アメリカン・スナイパー」を鑑賞しました。
2015/03/05(木) 00:33:14 | FREE TIME
□作品オフィシャルサイト 「アメリカン・スナイパー」□監督 クリント・イーストウッド□脚本 ジェイソン・ホール□原作 クリス・カイル、スコット・マクイーウェン、ジム・デフェリス□キャスト ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラー、ルーク・グライム、 ...
2015/03/05(木) 17:24:06 | 京の昼寝〜♪
映画「アメリカン・スナイパー 」★★★★☆
ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラージェイク・マクドーマン、
ルーク・グライムス、ナヴィド・ネガーバン、キーア・オドネル出演
クリント・イーストウッド 監督、
132分、2015年2月21日公開
2014,アメリカ,ワーナー・ブラザース映画
(原題/原作:AMERICAN SNIPER)
2015/03/08(日) 20:16:29 | soramove
【出演】
ブラッドリー・クーパー
シエナ・ミラー
【ストーリー】
イラク戦争に出征した、アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズの隊員クリス・カイル。スナイパーである彼は、「誰一人残さない」というネイビーシールズのモットーに従うようにして仲間たちを徹底的...
2015/03/09(月) 20:21:27 | 西京極 紫の館
『アメリカン・スナイパー』をTOHOシネマズ渋谷で見ました。
(1)本作がクリント・イーストウッド監督の作品であり(注1)、アカデミー賞作品賞にノミネートされているというので、映画館に行ってきました。
なにしろ、アメリカでは2月には興行成績が3億ドルを突破し...
2015/03/10(火) 06:30:52 | 映画的・絵画的・音楽的
ベトナム戦争の頃より、戦場から戻ってきた兵士たちの精神の状態に注目が集まるように
2015/03/12(木) 20:58:39 | はらやんの映画徒然草
イラク戦争に4度従軍、160人以上を射殺した伝説の狙撃手クリス・カイルの自伝を、「許されざる者」のクリント・イーストウッド監督、「世界にひとつのプレイブック」のブラッドリー・クーパー主演で映画化。 「ジャージー・ボーイズ」から約半年、またしても名匠がや
2015/03/13(金) 19:25:48 | 流浪の狂人ブログ〜旅路より〜
映画『アメリカン・スナイパー』は、やはり絶対的に「アメリカ人に向けた作品」です。
2015/03/14(土) 23:57:14 | 大江戸時夫の東京温度
イーストウッド監督がイラク戦争の”英雄”を描き、アメリカでは大ヒットするとともに、反戦映画かイラク戦争を肯定的に描いたプロパガンダかと大論争になっている作品。論争も含めてイーストウッドは計算づくでやっているんでしょうが、僕は戦争が人間を壊すというのは…
2015/03/16(月) 07:57:08 | 映画好きパパの鑑賞日記
シンプルに映画に描きとめる。
2015/03/21(土) 11:22:54 | 或る日の出来事
アメリカン・スナイパー
'14:米
◆原題:AMERICAN SNIPER
◆監督:クリント・イーストウッド「ジャージー・ボーイズ」「グラン・トリノ」
◆出演:ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラー、ルーク・グライムス、ジェイク・マクドーマン、キーア・オドネル、カイル・ガ...
2015/04/01(水) 21:03:41 | C’est joli〜ここちいい毎日を♪〜
【概略】
戦争の狂気に取り憑かれながらも、家族をこよなく愛した男の光と影を描く。
ドラマ
米軍史上最多、160人を射殺したひとりの優しい父親。観る者の心を撃ち抜く、衝撃の実話。
国を愛し、家族を愛し、戦場を愛した男――。
描かれるのは伝説のスナイパー、クリス・カイルの半生。2003年にイラク戦争が始まってから4回に渡り遠征。その常人離れした狙撃の精度は1.9km向こうの...
2015/07/08(水) 10:01:56 | いやいやえん
映画「アメリカン・スナイパー」のブルーレイを見たのでレビュー記事(感想)を書いてみたいと思います。(ネタバレは無しです。)YouTube 映画『アメリカン・スナイパー ...
2015/07/16(木) 22:59:34 | 翼のインサイト競馬予想
AMERICAN SNIPER
2014年
アメリカ
132分
ドラマ/戦争/アクション
R15+
劇場公開(2015/02/21)
監督:
クリント・イーストウッド
『ヒア アフター』
製作:
ブラッドリー・クーパー
クリント・イーストウッド
原作:
クリス・カイル『ネイビー・シールズ 最...
2015/07/18(土) 21:44:36 | 銀幕大帝α
監督 クリント・イーストウッド 主演 ブラッドリー・クーパー 2014年 アメリカ映画 133分 ドラマ 採点★★★★ 戦争映画なんか観てると、大抵の戦闘シーンは目視できる敵兵に対し射撃し、撃った弾が当たって死ぬまでをもその目で見てますよねぇ。まさに“殺し合い…
2015/09/16(水) 19:28:57 | Subterranean サブタレイニアン
平和ボケ結構。どこに問題があるかわからない。戦いを知らない世代がほとんどを占める現代の日本。どんな宝石よりも光を放っている。観終わった感想の一つはこれだ。クリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)はやんちゃな男兄弟の長男で、テキサスの田舎で育った。厳格な父親から「人間には3種類ある。羊、狼、番犬だ。」と教えられ、番犬となって生きる事を銘としてきた。成長して青年になってから、弟と共にカウボーイと...
2016/01/17(日) 20:42:44 | ここなつ映画レビュー
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