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ショートレビュー「リトルプリンス 星の王子さまと私・・・・・評価額1650円」
2015年11月24日 (火) | 編集 |
星の王子さまはどこへ行ったのか?

小さな惑星に住む星の王子さまと、砂漠に不時着した飛行士さんの出会いと別れを描く、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ作の不朽の名作のアニメーション映画化。
監督は「カンフー・パンダ」で知られるアメリカ人のマーク・オズボーンが務めるが、フランスとフレンチ・カナダで作られたフランス映画である。
原作は、過去に日本製のテレビアニメ「星の王子さま プチ・プランス」や実写映画など何度か映像化されているが、意外にも劇場用長編アニメーションは初めてだという。
もっとも、本作は原作をそのまま映画化した訳ではなく、現代を舞台にしたオリジナルストーリーの中に、原作を内包する構造を持つ。

主人公の9歳の少女は両親が離婚し、母親と二人暮らし。
この母が超マニュアル人間で、娘に幸せにするための“完璧な人生”のロードマップを作っていて、厳格に少女に守らせようとするのだ。
その計画通り、名門校に進学するために学区内に引越しした先で少女が出会うのが、隣家に住んでいる“飛行士さん(aviator)”で、彼が若い頃の体験を綴ったのが「星の王子さま」というわけ。
本作の登場人物には名前が無い。
主人公の少女や母親も単に“little girl”や“mother”とだけ設定されている。
これは元々原作が固有名詞を排したスタイルなのに加えて、主人公親子の匿名性によって観客が二人に自己を投影しやすくするためだろう。
マニュアル通りの生き方を受け入れながらも、息苦しさを感じていた少女は、飛行士の奇想天外な物語を最初は怪しみつつ、次第に想像力の翼を伸ばし、夢中になってゆくのである。

本作の現実パートは3DCG、素晴らしいクオリティのストップモーションによって、忠実に描かれる原作パートは、クリエイティブ・ディレクターのジェイミー・カリリ、アート・ディレクターのコリーヌ・メレルらのチームによってモントリオールで作られた。
モダンなデジタルワールドと、ペーパークラフト調のアナログ世界がシームレスにつながる野心的な映像表現は、本作の大きな見どころと言って良い。

しかし映画の前半部分までは、なるほど古典のテーマを入れ子構造の物語にすることで、分かりやすく抽出したかと予想できる範囲。
本作のポイントは、やはり完全オリジナルの後半部分だろう。
ここから映画は原作の再解釈に留まらず、新たに作られた「続編」となる特異な構成となっている。
原作のラストで毒蛇にかまれた星の王子さまは、一体どこへ行ったのか。
決意を秘めた少女の冒険が、飛行士さんの知らない“その後の物語”となり、大人になった星の王子さまが登場する後半を、蛇足ととるか否かで、本作の評価は大きく変わるだろう。


私は、様々な読み解きがなされている原作に対する、現在の作り手によるアンサーとして十分にありだと思う。
子供でなくなることの切なさ、大人になることの本当の意味、忘却すること、喪失することにどう向き合うのか。
後半があることで、姿なき父親への少女の想い、そして母親の葛藤の裏側にあるものもよりクリアになった。

この部分はむしろ、かつて星の王子さまと同じ心を持っていたはずの、大人たちにこそ向けられた物語なのかもしれない。
現実パートでも原作パートでも繰り返し描写される、手と手が触れあうイメージが物語を象徴し印象的だ。
サン=テグジュペリと彼の創造した物語をリスペクトしつつ、独自の世界観と作家性を感じさせる意欲作である。

今回は星つながりでカクテルの「グリーン・スター」をチョイス。
ドイツ生まれのチェリーブランデー、キルシュワッサー40ml、グリーン・ペパーミント10ml、オレンジ・キュラソー10mlをステアして、グラスに注ぐ。
素材から想像するほどには甘くはなく、すっきりシャープな輪郭を持つ。
色合い的には黄色に近い薄緑だが、光に透かすと夜空の星のように綺麗だ。
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