fc2ブログ
酒を呑んで映画を観る時間が一番幸せ・・・と思うので、酒と映画をテーマに日記を書いていきます。 映画の評価額は幾らまでなら納得して出せるかで、レイトショー価格1200円から+-が基準で、1800円が満点です。ネット配信オンリーの作品は★5つが満点。
■ お知らせ
※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係なTBもお断りいたします。 また、関係があってもアフェリエイト、アダルトへの誘導など不適切と判断したTBは削除いたします。

■TITLE INDEX
タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
■ ツイッターアカウント
noraneko285でつぶやいてます。ブログで書いてない映画の話なども。
■ FILMARKSアカウント
noraneko285ツイッターでつぶやいた全作品をアーカイブしています。
ショートレビュー「パディントン・・・・・評価額1650円」
2016年01月21日 (木) | 編集 |
「他人の家」で、暮らすには。

ペルーの山奥からロンドンへやって来た、言葉を喋るクマのパディントンが、安住の「家」を探して、居候先のブラウンさん一家と大騒動を巻き起こす。
半世紀以上にわたって愛されている、マイケル・ボンド原作の児童文学、「くまのパディントン」初の実写映画化である。

どこか「メリー・ポピンズ」を思わせる、とても暖かくて可笑しいブリティッシュファミリームービーだ。

主人公のパディントンはもちろんキュートだが、人間キャラもいい。

家族を愛するあまり石頭になってしまった父ヘンリーや、幼少期の心の傷からパディントンを狙うニコール・キッドマン演じる剥製師のミリセントなど、物語の背景にあるのは父性のキーワード。
そういえば、「ウォルト・ディズニーの約束」で描かれた様に、「メリー・ポピンズ」も本当は子供たちではなく、厳格すぎるお父さんを救いに来るのだった。
イギリスのオヤジたちは、伝統的にコチコチなのだろうか。


それにしてもキッドマンは悪役やる時、本当に楽しそう。
今作ではパディントンの居場所を探す物語と共に、彼をどうしても剥製にしたくてストーカーと化するミリセントととの攻防戦が描かれるのだが、何気にこれがキッドマンの元夫であるトム・クルーズの代表作、「ミッション・インポッシブル」シリーズのパロディになってるのは、イギリス流のちょいシニカルなジョークなのか(笑
いずれにしても、このパートが本作に華のある娯楽映画としての「面白さ」を付与している。

しかし、この作品が単なるキッズ映画の枠を超えて秀逸なのは、異文化との出会いと葛藤を、とても客観的に分かりやすく描いている事だ。
イギリスには、本来クマはいない。
これはペルーの故郷を災害で失ったパディントンが、安住の地を求めてイギリスにやって来て、カルチャーギャップを体験する話であり、主人公をある種の難民ととらえると、すごくタイムリー。
本国公開は2014年の11月なので、制作時期を考えれば偶然なのだろうけど、中東の争乱によるヨーロッパへの難民急増に合わせたようなテーマである。
不慣れな暮らしに失敗を繰り返すパディントンを、好きな人間も嫌いな人間も出てくるが、それぞれの感情にはちゃんと理由があり、パディントンもまた上手くいかなくても紳士的に、正しい行動をしようと努力する。

ここには異文化の衝突による葛藤と、その解消が描かれており、「他人の家」にやって来る難民も、彼らを受け入れる方も、いかに考え、ふるまうべきなのか、示唆するところの多い作品だ。

ブラウンさんの家の吹き抜けの壁画を、家族の心象のアニメーションにするなど、工夫が凝らされたビジュアルセンスも光る。

小さな子供にも安心して見せられ、大人は童心に帰って楽しめる秀作だ。

しかし日本公開まで1年以上の時差は、さすがに待ちくたびれた。
2017年の公開がアナウンスされている続編は、もうちょっと早く見せて欲しい。

今回は、主人公の名前と一字違い、マンチェスターの「ボディントン・パブ・エール」をチョイス。
綺麗なアンバー色にクリーミーな泡が特徴の、典型的なイングリッシュペールエール。
比較的ライトな味わいで、喉越しもスムーズ。
この種のペールエールの中では、かなり飲みやすさに振ったつくり。
パディントンもそのうちイギリスの飲んべえ文化に染まるのだろうか。

ランキングバナー 
記事が気に入ったらクリックしてね





スポンサーサイト




コメント
この記事へのコメント
こんにちは
この物語を難民物として読み解くノラネコさん、さすがですね。
温かなホームドラマに思えながら、その実心の深くに突き刺さりました。
てんこ盛りのアクションやギャグも大好きでした!
クマが耳掃除しちゃうシーンとか、大爆笑してるの私だけだったけれど…
2016/01/31(日) 14:48:55 | URL | とらねこ #.zrSBkLk[ 編集]
こんばんは
>とらねこさん
まあ現実がああじゃなければ、あえて難民と意識する事もなかったのかもしれませんけど、やはり時代に呼ばれた作品かなと思います。
シリアスなテーマを内包しながら、はっちゃけたギャグの数々、笑かしてもらいました。
2016/02/02(火) 21:39:39 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
映画『パディントン』(字幕版)を試写会で観ました。 いやー、面白かったです。笑え
2016/01/21(木) 22:49:56 | 大江戸時夫の東京温度
映画 『パディントン(日本語字幕版)』 (公式)を公開初日の本日に劇場鑑賞。採点は、 ★★★★ ☆ (5点満点で4点)。100点満点なら70点にします。 ざっくりストーリー ある日、イギリスの大都会ロンドンのパディントン駅に、真っ赤な帽子を被った小さな紳士が、南米ペルーの奥深いジャングルから家を探しにやってくる。右も左も分からない彼...
2016/01/22(金) 10:43:09 | ディレクターの目線blog@FC2
ひとつの、家族に… 詳細レビューはφ(.. ) http://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201601150000/ 【楽天ブックスならいつでも送料無料】パディントン オリジナル・サウンドトラック [ (オリジナ...価格:2,700円(税込、送料込) 宅配便のみ可 プレゼントにもぴったりのぬいぐるみ!パディントン...
2016/01/22(金) 14:43:43 | 日々“是”精進! ver.F
小さな野生のクマが、はるばるペルーからロンドンへやって来た。 お腹を空かした彼に声をかけたのは、家族旅行から帰って来たブラウン家のお母さんメリーだった。 出会った駅名から“パディントン”と名付けられた子グマは、しばらくブラウン家に滞在することに。 ところが、パディントンを密かに捕獲しようとしている、恐ろしい美女がいた…。 ハートフル・ストーリー。
2016/01/22(金) 15:36:53 | 象のロケット
MIのパロディーみたいなアクションの数々が爆笑させてくれる。ニコール・キッドマンが熱演しているので余計に笑えてくる。クマさんも可愛いし肩の力を抜いてみるには最適だ。
2016/01/22(金) 22:42:07 | とらちゃんのゴロゴロ日記-Blog.ver
MIするニコールとクマ 公式サイト http://paddington-movie.jp イギリスのロンドンに住む冒険家が、暗黒の地ペルーで、新種のクマを発見した。数十年後、地震で家とおじさんを亡くし
2016/01/24(日) 13:41:45 | 風に吹かれて
長年世界中で愛されている、マイケル・ボンドの児童文学「くまのパディントン」を実写映画化。見知らぬ国にやって来たクマが親切な家族と出会い、パディントンと名付けられて新しい冒険に乗り出す姿を映す。『ハリー・ポッター』シリーズなどのプロデューサー、デヴィッド...
2016/01/24(日) 15:56:57 | パピとママ映画のblog
マイケル・ボンド著の児童文学をもとに、くまのパディントンとブラウンさん一家の活躍を描いた作品です。 実はくまのキャラクターは知っていても、原作は未読でした。 予告編を観たパディントンがとても可愛いくまだったので、張り切ってチャレンジしてみました。
2016/01/24(日) 16:56:10 | とりあえず、コメントです
 1958年の初出版以来、世界40か国以上で愛され続ける、マイケル・ボンド原作の児童文学作品を、「ハリー・ポッター」シリーズのデヴィッド・ハイマン製作、「007スペクター」のベン・ウィショー主演(CV)で映画化。 ペルーからはるばる、家を探しにロンドンま
2016/01/24(日) 18:57:02 | 流浪の狂人ブログ〜旅路より〜
 ロンドンにやってきた紳士的なクマが巻き起こす騒動をユーモラスに描いた子供から大人まで楽しめる作品。イギリスらしく、シニカルなところもありますね。吹き替え版で見ましたが、松坂桃季が上手でした。  作品情報 2014年イギリス映画 監督:ポール・キング 出演…
2016/01/27(水) 06:55:11 | 映画好きパパの鑑賞日記
これ、アニメだったら見に行かなかっただろうけど、 なかなか面白かったですよ。ちょっと侮ってました。その下げたハードルの分 楽しめました。(わわわわわ) 「ライラの冒険」でも似たような役をやってたと思うのですが、 美しいがゆえに、ヒールがハマるというかな...
2016/01/27(水) 12:00:39 | ペパーミントの魔術師
 PADDINGTON  「暗黒の地」 ペルーの森から、赤い帽子をかぶったクマ(声:ベン・ウィショ ー)が大都会ロンドンへやってきた。雑踏で途方に暮れていた彼はブラウン夫 人(サリー・ホーキンス)に助けられ、駅の名前から 「パディントン」 と名付け られる。    誰もが知っている 「クマのパディントン」 がまさかの実写映画化・・・。しか し 『テッ...
2016/02/07(日) 00:39:14 | 真紅のthinkingdays
たいへん、よク、マとまりました。
2016/02/14(日) 16:32:25 | 或る日の出来事
パディントン '14:イギリス ◆原題:PADDINGTON ◆監督:ポール・キング ◆主演:ニコール・キッドマン、ヒュー・ボネヴィル、サリー・ホーキンス、ジュリー・ウォルターズ 、ジム・ブロードベント、ピーター・カパルディ、ベン・ウィショー ◆STORY◆南米ペルーのジャ...
2016/02/14(日) 21:06:38 | C’est joli ここちいい毎日を♪
PADDINGTON 2014年 イギリス 97分 コメディ/アドベンチャー/ファミリー 劇場公開(2016/01/15) 監督: ポール・キング 原案: ポール・キング 脚本: ポール・キング 出演: ヒュー・ボネヴィル:ブラウンさん サリー・ホーキンス:ブラウン夫人 ジュリー・ウ...
2016/08/16(火) 22:49:59 | 銀幕大帝α
【PADDINGTON】 2016/01/15公開 イギリス 97分監督:ポール・キング出演:ヒュー・ボネヴィル、サリー・ホーキンス、ジュリー・ウォルターズ、ジム・ブロードベント、ピーター・キャパルディ、ニコール・キッドマン声の出演:ベン・ウィショー(パディントン) きっと見つかる、もっといいこと。 STORY:真っ赤な帽子を被り礼儀正しいそのクマは、イギリスの探検家に会うため南米ペルー...
2016/10/03(月) 16:32:40 | ★yukarinの映画鑑賞ぷらす日記★
☆☆☆☆- (10段階評価で 8) 1月14日(土) WOWOWシネマの放送を録画で鑑賞。 字幕版。
2017/01/14(土) 21:51:06 | みはいる・BのB
監督:ポール・キング 出演:ヒュー・ボネヴィル、サリー・ホーキンス、ジュリー・ウォルターズ、ジム・ブロードベント、ーター・キャパルディ、ニコール・キッドマン、ベン・ウィショー、マデリーン・ハリス、サミュエル・ジョスリン、マイケル・ボンド、マット・ルーカス、ジュード・ライト、ケイヴァン・ノヴァク、イメルダ・スタウントン、マイケル・ガンボン 【解説】 長年世界中で愛されている、マイケル・ボンド...
2017/02/12(日) 06:48:02 | タケヤと愉快な仲間達
【概略】 ペルーから大都会ロンドンへとやって来たパディントンが、不慣れな都会生活に悪戦苦闘しながらも、そこで出会った心優しいブラウン一家とともに繰り広げる大冒険の行方を描く。 コメディ .5★★★☆☆ 小熊かわいそう、小熊大迷惑。それが両方存在していて、人間の奥さんも旦那さんもの気持ちが(観客が)分かる分、こういった案件はどうしたらいいのかな…と考えちゃう。でも、いきなりかわ...
2018/08/20(月) 18:21:18 | いやいやえん