■ お知らせ
※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
※エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係なTBもお断りいたします。 また、関係があってもアフェリエイト、アダルトへの誘導など不適切と判断したTBは削除いたします。
■TITLE INDEX
※タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
■ ツイッターアカウント※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
※エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係なTBもお断りいたします。 また、関係があってもアフェリエイト、アダルトへの誘導など不適切と判断したTBは削除いたします。
■TITLE INDEX
※タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
※noraneko285でつぶやいてます。ブログで書いてない映画の話なども。
※noraneko285ツイッターでつぶやいた全作品をアーカイブしています。
2016年01月28日 (木) | 編集 |
その穢れに、触れてはいけない。
誰もいない部屋に響く、奇妙な“音”から始まるミステリアスな怪奇譚。
ホラー作家の「私」に女子大生の久保さんから、一通の手紙が届く。
彼女の住むマンションの部屋で、誰もいないのに物音がすると言うのだ。
好奇心にかられた「私」は久保さんに協力して調査を始めるのだが、やがて現象は怪異の連鎖となって急速な広がりを見せる。
原作は小野不由美の同名小説。
久保さんの設定など、脚色されている部分もあるが、基本的に原作に忠実な作りだ。
音によって事件が始まる映画だけあって、凝った音響演出が見もの、いや聞きどころなので、どうせなら音響の良い映画館で観たい。
※核心部分に触れています。
本作がユニークなのは、竹内結子が好演する語り部のホラー作家が、心霊現象を全然信じていないこと。
彼女の超ローテンションの語りが、逆に作品世界にリアリテイを与えていて不気味だ。
ただコワイことはコワイが、ストーリーを進めるエネルギーは心霊現象そのものより、時空を遡って現象が起こる根源の理由を探す謎解きへの興味。
「リング」などにも似た要素があったが、本作は竹内探偵と橋本愛演じる依頼人の久保さんの関係性も含め、ホラーというよりミステリ色が強いのが特徴だ。
お化けも呪いも信じないけど、火のないところに煙は立たず。
現象の元となる“事件”には興味をそそられる「私」は、久保さんとの調査で、同じ部屋の元住人が転出先で自殺しており、全く別の部屋の住人も過去に奇妙な音がすると訴えていた事実を知る。
なぜマンションに住んでいる時でなく、後から不幸に見舞われたのか。
彼らはいったい何に憑かれたのか。
もしもマンション全体が曰く付きだとすると、原因は部屋でなく土地自体のはず。
そこで過去の地権者を調べ、そこで起こった忌まわしい事件を知ると、さらにその原因を調べて時代を遡り、別の土地の事件へ。
同業者の作家や心霊マニアの青年など、途中から調査に加わる探偵役の数も増え、マンションの一室という小さな枝葉から始まった物語は、やがて複雑に枝分かれした巨木の姿を浮かび上がらせてゆく。
そして露わになるのは、日本人の心に深く根を張る“穢れ”の概念だ。
例えば「呪怨」の様に、ある家の怨霊に関わったら問答無用で死んじゃうのでは無く、ある種のウィルスの様に、一つの穢れが時間と共に人間を介して拡散して行くという展開は新しい。
いわゆる霊感がある人とない人がいるように、久保さんの様に自分が穢れに触れている事に気づく人と、気づかない人がいて、穢れがその人にどう作用するかも千差万別なのもリアリテイに繋がっている。
恐怖は、穢れを生み媒介する人間が作り出すのである。
本作を観ると、別に心霊現象は起こってないけど、自分の家の過去を知りたくなってしまう。
新たに埋め立てられた土地でもない限り、マンションでも戸建てでも、日本中ほとんどの家が悠久の歴史ある土地に建っている。
そこでは当然沢山の人が暮らして来たはずで、忘れられた穢れもあるだろう。
因みに私が今住んでいるところは、明治時代には煉瓦を焼く工場で、江戸まで遡ると小さな武家屋敷があったらしい。
いったいどんな人たちが暮らしていたのか、ちょっと気になる。
今回は全量純米で知られる、神亀酒造の「神亀 ひこ孫」をチョイス。
世界的に酒は信仰と密接な関係があるが、日本酒も神社の御神酒としても使われるように清めの力を持つ。
ひこ孫は熟成酒ならではの濃厚なまろやかさが魅力で、冷やでももちろん美味しいが、この季節には燗がおすすめ。
やわらかなお米の香りがふわりと広がり、鍋物と一緒にいただくと至福の時を味わえる。
記事が気に入ったらクリックしてね
誰もいない部屋に響く、奇妙な“音”から始まるミステリアスな怪奇譚。
ホラー作家の「私」に女子大生の久保さんから、一通の手紙が届く。
彼女の住むマンションの部屋で、誰もいないのに物音がすると言うのだ。
好奇心にかられた「私」は久保さんに協力して調査を始めるのだが、やがて現象は怪異の連鎖となって急速な広がりを見せる。
原作は小野不由美の同名小説。
久保さんの設定など、脚色されている部分もあるが、基本的に原作に忠実な作りだ。
音によって事件が始まる映画だけあって、凝った音響演出が見もの、いや聞きどころなので、どうせなら音響の良い映画館で観たい。
※核心部分に触れています。
本作がユニークなのは、竹内結子が好演する語り部のホラー作家が、心霊現象を全然信じていないこと。
彼女の超ローテンションの語りが、逆に作品世界にリアリテイを与えていて不気味だ。
ただコワイことはコワイが、ストーリーを進めるエネルギーは心霊現象そのものより、時空を遡って現象が起こる根源の理由を探す謎解きへの興味。
「リング」などにも似た要素があったが、本作は竹内探偵と橋本愛演じる依頼人の久保さんの関係性も含め、ホラーというよりミステリ色が強いのが特徴だ。
お化けも呪いも信じないけど、火のないところに煙は立たず。
現象の元となる“事件”には興味をそそられる「私」は、久保さんとの調査で、同じ部屋の元住人が転出先で自殺しており、全く別の部屋の住人も過去に奇妙な音がすると訴えていた事実を知る。
なぜマンションに住んでいる時でなく、後から不幸に見舞われたのか。
彼らはいったい何に憑かれたのか。
もしもマンション全体が曰く付きだとすると、原因は部屋でなく土地自体のはず。
そこで過去の地権者を調べ、そこで起こった忌まわしい事件を知ると、さらにその原因を調べて時代を遡り、別の土地の事件へ。
同業者の作家や心霊マニアの青年など、途中から調査に加わる探偵役の数も増え、マンションの一室という小さな枝葉から始まった物語は、やがて複雑に枝分かれした巨木の姿を浮かび上がらせてゆく。
そして露わになるのは、日本人の心に深く根を張る“穢れ”の概念だ。
例えば「呪怨」の様に、ある家の怨霊に関わったら問答無用で死んじゃうのでは無く、ある種のウィルスの様に、一つの穢れが時間と共に人間を介して拡散して行くという展開は新しい。
いわゆる霊感がある人とない人がいるように、久保さんの様に自分が穢れに触れている事に気づく人と、気づかない人がいて、穢れがその人にどう作用するかも千差万別なのもリアリテイに繋がっている。
恐怖は、穢れを生み媒介する人間が作り出すのである。
本作を観ると、別に心霊現象は起こってないけど、自分の家の過去を知りたくなってしまう。
新たに埋め立てられた土地でもない限り、マンションでも戸建てでも、日本中ほとんどの家が悠久の歴史ある土地に建っている。
そこでは当然沢山の人が暮らして来たはずで、忘れられた穢れもあるだろう。
因みに私が今住んでいるところは、明治時代には煉瓦を焼く工場で、江戸まで遡ると小さな武家屋敷があったらしい。
いったいどんな人たちが暮らしていたのか、ちょっと気になる。
今回は全量純米で知られる、神亀酒造の「神亀 ひこ孫」をチョイス。
世界的に酒は信仰と密接な関係があるが、日本酒も神社の御神酒としても使われるように清めの力を持つ。
ひこ孫は熟成酒ならではの濃厚なまろやかさが魅力で、冷やでももちろん美味しいが、この季節には燗がおすすめ。
やわらかなお米の香りがふわりと広がり、鍋物と一緒にいただくと至福の時を味わえる。

記事が気に入ったらクリックしてね
![]() □【日本酒】神亀(しんかめ) ひこ孫 純米 1800ml |
スポンサーサイト
この記事へのコメント
こんにちは。TBをありがとうございました。
きゃーっ!!とか、びくっ!!とかの怖さではなくて(それも多少はありましたけれど)、「穢れ」の概念にまつわる怖さだったので、むしろその方がしみじみ怖かったです。
おっしゃるように、
>ある種のウィルスの様に、一つの穢れが時間と共に人間を介して拡散して行く
のが「穢れ」なのでしょうね。
逃れられない度合いが強まっていました。
きゃーっ!!とか、びくっ!!とかの怖さではなくて(それも多少はありましたけれど)、「穢れ」の概念にまつわる怖さだったので、むしろその方がしみじみ怖かったです。
おっしゃるように、
>ある種のウィルスの様に、一つの穢れが時間と共に人間を介して拡散して行く
のが「穢れ」なのでしょうね。
逃れられない度合いが強まっていました。
>ここなつさん
歴史と土地に結びついた穢れからは逃れられないですね。
ここに着目したのが本作のユニークな点だと思います。
原作読んでたのですが、それでも面白かったです。
忘れられた穢れは日本中どこにでもありそうだし、家を決める時は風水と同じくらいには気を使ったほうがいいかも。
歴史と土地に結びついた穢れからは逃れられないですね。
ここに着目したのが本作のユニークな点だと思います。
原作読んでたのですが、それでも面白かったです。
忘れられた穢れは日本中どこにでもありそうだし、家を決める時は風水と同じくらいには気を使ったほうがいいかも。
こんばんは〜
>竹内結子が好演する語り部のホラー作家が、心霊現象を全然信じていないこと。
彼女の超ローテンションの語りが、逆に作品世界にリアリテイを与えていて不気味だ。
うん、そうですね。
ホラーというよりもミステリーだったけど、なかなか演出も巧くて、
この監督の「予告」も気になってたので観てみようかな、、、?
>竹内結子が好演する語り部のホラー作家が、心霊現象を全然信じていないこと。
彼女の超ローテンションの語りが、逆に作品世界にリアリテイを与えていて不気味だ。
うん、そうですね。
ホラーというよりもミステリーだったけど、なかなか演出も巧くて、
この監督の「予告」も気になってたので観てみようかな、、、?
>migさん
「予告犯」ですか?あれもけっこう面白かったですよ。
この映画とは全く違ったテイストですけど、しっかりと作られた良作でした。
ギドクの「殺されたミンジュ」とやってる事は近いけど、「予告犯」のほうが数段よく出来てました。
「予告犯」ですか?あれもけっこう面白かったですよ。
この映画とは全く違ったテイストですけど、しっかりと作られた良作でした。
ギドクの「殺されたミンジュ」とやってる事は近いけど、「予告犯」のほうが数段よく出来てました。
あ、そうそう。予告犯ですね。
そうなんだ〜ギドクの観たかったけどあまり評判良さそうじゃない感じじゃないのでヤメましたがそれなら予告犯観ようっと。
ありがとうです。
そうなんだ〜ギドクの観たかったけどあまり評判良さそうじゃない感じじゃないのでヤメましたがそれなら予告犯観ようっと。
ありがとうです。
>migさん
もともとギドクの世界観はあまり好きじゃないんですけど、これはいろいろアンバランスで面白くなかったですね。
「予告犯」も突っ込みどころはあるけど楽しめると思います。
もともとギドクの世界観はあまり好きじゃないんですけど、これはいろいろアンバランスで面白くなかったですね。
「予告犯」も突っ込みどころはあるけど楽しめると思います。
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
コンペティション作品。今年はコンペに邦画が3本も出品された。その内の1本がコレ。ホラーは嫌いじゃないジャンルなので、結構いそいそと鑑賞に行く。偉そうに言うと、よくできた作品だった。もちろん怖かったが、怖さの内容が謎解きの体で解かれて行くので、引き込まれる。いやー、流石。ジャパニーズ・ホラーは「わーっ‼︎」や「きゃーっ‼︎」だけじゃないのよね。監督・中村義洋、原作・小野不由美。これだけでもホラ...
2016/01/29(金) 12:35:10 | ここなつ映画レビュー
はい、これ震えます。
2016/01/30(土) 16:36:45 | Akira's VOICE
評価:★★★☆【3.5点】(11)
雰囲気は『リング』に迫るものの、今一つインパクト不足。
2016/01/30(土) 23:10:45 | 映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ〜
コレはコレで結構怖い。
2016/02/01(月) 22:57:32 | だらだら無気力ブログ!
“穢れ”に、触れたら…
詳細レビューはφ(.. )
http://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201602020000/
【楽天ブックスならいつでも送料無料】残穢 [ 小野不由美 ]価格:637円(税込、送料込)
2016/02/02(火) 15:07:34 | 日々“是”精進! ver.F
人気作家・小野不由美の第26回山本周五郎賞受賞作『残穢』を竹内結子と橋本愛の主演で映画化したホラー・ミステリー。奇妙な音がするというマンションの住人からの投書をきっかけに、その原因究明に乗り出した主人公たちが繰り広げる調査の行方と、やがて明らかとなる驚愕...
2016/02/03(水) 17:35:54 | パピとママ映画のblog
監督: 中村義洋
キャスト: 竹内結子、橋本愛、坂口健太郎、滝藤賢一、佐々木蔵之…
2016/02/05(金) 04:54:58 | 映画@見取り八段
JUGEMテーマ:映画館で観た映画
 
子供が宙を見つめている画面は、とても怖い。
 
ひとりだけでも怖いのに、3人の子供が宙を見つめているのは
 
ホラー的に説得力がある描写だと思う。
 
 
 
人々の苦しみや憎しみが人を通して、感染していく
&...
2016/02/05(金) 05:57:46 | こみち
【出演】
竹内 結子
橋本 愛
滝藤 賢一
佐々木 内蔵助
【ストーリー】
ミステリー小説家である私に、読者の女子大生・久保さんから自分が住んでいる部屋で変な音がするという手紙が届く。早速二人で調べてみると、そのマンションに以前住んでいた人々が自殺や心...
2016/02/05(金) 23:31:31 | 西京極 紫の館
☆・・・予告編からして、恐さが尋常じゃなく思えた。 その恐怖は、驚かしの他に、心に染みる…ジワジワとくるロジック重視が感じられた。 私はホラー映画が苦手である。 でも、この作品が気になった。 一人で見るのは怖いので、甥っ子を誘う。 すると、何故か...
2016/02/07(日) 07:51:55 | 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭
小野不由美による第26回山本周五郎賞受賞の同名ホラー小説を
「予告犯」「白ゆき姫殺人事件」の中村義洋監督が映画化。
部屋でする、着物をひきづるような音。それは、はじまりにすぎなかった。
小説家の「私」に、読者である 女子大生の久保さんから届いた...
2016/02/10(水) 19:07:15 | 我想一個人映画美的女人blog
映画『残穢 住んではいけない部屋』は、昨年来(もしかしたら一昨年来)好調の松竹が
2016/02/11(木) 00:19:14 | 大江戸時夫の東京温度
「残穢―住んではいけない部屋― 」は引っ越した部屋に何かがいるという問い合わせを受けたホラー小説家がその部屋以前の家の事を調べていくとある事件の過去に辿り着いていくスト ...
2016/02/11(木) 23:24:03 | オールマイティにコメンテート
『残穢―住んではいけない部屋―』を渋谷シネパレスで見ました。
(1)竹内結子と橋本愛が出演するというので映画館に行ってみました。
本作(注1)の冒頭では、「Mさんが未だ小学生だった時のこと。九州にあるKさんの家に泊まったことがあった。小さな家だった」と、語...
2016/02/22(月) 06:32:58 | 映画的・絵画的・音楽的
雰囲気は良かったのだけど、怖さが足りないのを気にしたのか、ラストで台無しになってしまいました。いろいろもったいない作品です。感想はネタバレになります。 作品情報 2015年日本映画 監督:中村義洋 出演:竹内結子、橋本愛、佐々木蔵之介 上映時間:107分 …
2016/02/26(金) 06:54:22 | 映画好きパパの鑑賞日記
2015年
日本
107分
ホラー/ミステリー
劇場公開(2016/01/30)
監督:
中村義洋
『予告犯』
出演:
竹内結子:「私」
橋本愛:久保さん
坂口健太郎:三澤徹夫
滝藤賢一:直人
佐々木蔵之介:平岡芳明
山下容莉枝:担当編集者・田村さん
成田凌:山本くん
吉澤...
2016/06/11(土) 20:53:52 | 銀幕大帝α
【概略】
「自分の部屋から奇妙な音がする」という読者からの手紙を受け取った小説家の女性が、そのマンションに秘められた過去の真相に迫っていく。
ホラー
怪現象が起きるマンション敷地の過去を主人公たちが時を遡ってどんどん追っていくことで、隠された土地の因縁が明らかとなっていく…というストーリーなのですが、ホラーというよりはむしろミステリー?もっとガツンとホラーだと思ってたから...
2016/12/16(金) 15:21:25 | いやいやえん
そんなに直接的には怖くない。ほとんど。
2017/05/01(月) 20:59:27 | 或る日の出来事
残穢【ざんえ】 - 住んではいけない部屋 -
あるマンションの一室で不気味な物音がするという投書に
興味を持った小説家が、差出人の女子大生と共に調査を開始する...
【個人評価:★★☆ (2.5P)】 (自宅鑑賞)
原作:小野不由美 第26回山本周五郎賞受賞作
2017/05/11(木) 01:07:08 | cinema-days 映画な日々
| ホーム |