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ショートレビュー「AMY エイミー・・・・・評価額1700円」
2016年08月09日 (火) | 編集 |
もしも、別の道を選んでいたら。

一度聞いたら忘れられない、独特の歌声
2011年に27歳の若さで急逝したジャズ・シンガー、エイミー・ワインハウスのデビューから死までの軌跡を追った長編ドキュメンタリー。
冒頭、まだデビュー前のエイミーが友達と戯れるシーンから始まり、やがて音楽業界に注目された彼女は、瞬く間にスターダムを駆け上がる。
だけど、それは彼女にとって栄光と不幸の始まり。
アルバム「フランク」のヒットで時の人となったエイミーの元には、海千山千の音楽業界の勝負師たちが集まってくる。
クスリで彼女を繋ぎとめる最低のクズ夫、虚栄心から愛娘を金づるにしてしまう実のパパ、彼女をスケジュール通りに歌わせることにしか興味のない新マネージャー。
ただ歌いたかっただけなのに、ただ愛されたかっただけなのに、彼女はあまりに才能があり過ぎたために、周りに祭り上げられてしまった。

「だから放っといて。音楽をするから。音楽をする時間が必要なの」とエイミーは言う。
しかし、スターになったことで、彼女は歌う自由も制限されることになる。
別れた男との赤裸々な関係の歌だったり、クスリのリハビリ施設での経験を歌っていたり、エイミーが作る歌詞はほとんどが彼女自身の人生を歌った私小説的作品
精神に余裕がある時は良いだろう。
あるいは彼女がもっと長生きして、過去の自分を客観的に振り返る余裕がある年齢になっていたら、これらの歌はいつでも自分の引き出しとして歌えるのかもしれない。
しかし、彼女はまだ二十歳そこそこだったのだ。
新しい恋をしている時に、過去の男のことなど歌いたいだろうか。
クスリ抜きしてフレッシュな気分でいるのに、リハビリの歌はかえって辛くなかっただろうか。
それでも観客はエイミーにヒット曲を歌うことを望み、周囲もまた彼女にその時の感情にあった曲を歌う自由を取り上げた。

アーティストにはそれぞれの資質がある。
巨大なスタジアムで、数万人もの歓声を浴びてこそ輝くアーティストもいれば、数十人ほどの観客に、じっくりと歌詞を聞かせてこそ喜びを感じる才能もいる。
おそらく、エイミー・ワインハウスは後者だったのだ。
憧れの人だったトニー・ベネットと「Body and Soul」をデュエットするシーンの彼女は、まるで少女の様に歌う喜びに満ちていた。
映画は淡々とエイミーの10年間を辿るが、人生に関する多くの示唆に富む。
作中の彼女のパフォーマンスは、改めて見ても圧巻で、これはやはり周りがほっとかなかっただろう。
だが、幾つもあった人生の分岐点で、彼女が別の選択をしていたら。
彼女は「音楽」に生き、「音楽業界」に殺されたのかもしれない。
素のエイミーを知る友達たちの、彼女を助けたいという願いが届かなかったのが、今となっては残念。
とても悲しい映画なのだけど、その悲しみが不思議と心地よい詩情を呼ぶというか、まるでこの作品自体が素晴らしいジャズの様。
アシフ・カパディア監督は作中のエイミーと共鳴して、映画という音楽を奏でているのだ。
ジャズ・シンガーの生き方を語る、ラストのトニー・ベネットの言葉が、深く心に残る。

アルコールが一因となって命を落としたエイミーの映画に、お酒を合わせるのは難しいのだけど、彼女が育ったロンドンといえばジンの街。
今回はジンをベースとしたカクテル「ギムレット」をチョイス。
このカクテルは、元々海軍将校のジンの飲み過ぎを憂いだ軍医のギムレット卿が、ライム・ジュースと混ぜるのを勧めたことから生まれたとされる。
ドライ・ジン45ml、ライム・ジュース15mlをシェイクしてグラスに注ぐ。
スライスしたライムを添えて完成。
ドライな味わいとライムの酸味が、すっきりフレッシュなカクテルだ。

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