酒を呑んで映画を観る時間が一番幸せ・・・と思うので、酒と映画をテーマに日記を書いていきます。 映画の評価額は幾らまでなら納得して出せるかで、レイトショー価格1200円から+-が基準で、1800円が満点です。
■ お知らせ
※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係な物や当方が不適切と判断したTB・コメントも削除いたします。
■TITLE INDEX
タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
■ ツイッターアカウント
noraneko285でつぶやいてます。ブログで書いてない映画の話なども。
■ FILMARKSアカウント
noraneko285ツイッターでつぶやいた全作品をアーカイブしています。
ショートレビュー「SCOOP!・・・・・評価額1700円」
2016年10月08日 (土) | 編集 |
これが中年オヤジのカッコよさ。

主人公の都城静は、嘗てはスクープを連発する敏腕カメラマンだったのだが、今では落ちぶれて芸能人のスキャンダルを専門にする中年パパラッチ。
社会のゴキブリと自分を卑下する男だが、なりゆきで素人同然のド新人記者・行川野火とコンビを組む事となり、若い彼女の良くも悪くもピュアなマインドに影響されて、少しずつ仕事への情熱を取り戻してゆく。

都会的で洗練されたイケメンのイメージを覆す、ダーティーな無頼漢を演じる福山雅治が良かった。
意外なハマリ役であり、彼の代表作の一つとなるだろう。
試写を観た方に、「主人公がまるで原田芳雄の様だった」と聞いていたのだが、確かにこの役は一昔前なら原田芳雄がぴったりな印象。
だが、エンドクレジットで驚いた。
これ原田眞人のテレフューチャー、「盗写1/250秒」のリメイクじゃないか!
85年に一度しか放送されていないので、私も記憶が曖昧になっていたが、あの作品ではルーキー野火を当時売り出し中だった斉藤慶子が演じ、原田芳雄が静役だったはず。
なるほど、これは完全に意識した役作りというわけだ。

対照的な二人による王道のバディものの構造だが、キャラクターだけでなく、映画を構成する様々な要素に対照性が仕込まれている。
メディアのあり方などの社会的テーマも内包するモダンな人間ドラマと、見たいもんを見せてやる的などこか昭和なプロクラムピクチュアの猥雑さ。
都会の裏側に蠢く人間たちのいかにもありそうなリアリティと、いい意味で予想を裏切る虚構性。
登場人物も静とリリー・フランキー演じるチャラ源はある意味表と裏だし、野火と吉田羊の副編集長は静を間に挟んだ合わせ鏡だ。
映画はこれら対照性のヤジロベエの支点を時に右に、時に左にずらしながら、物語を奥深く展開されせてゆく。

大根監督ならではのトリッキーな外連味もパワーアップ。
前作の「バクマン。」ではプロジェクションマッピングなどを使って、マンガ的表現を映像に移し替える試みが面白かったが、本作は特にファーストカットと実質的なラストカットの「イニャリトゥかよ!」と突っ込みたくなる作り込みが印象的。
基本パパラッチの仕事は有名人のスキャンダルを狙うことだから、前半やや重複要素が多いのが気になるものの、筋立てもテリングもテンポよく飽きさせない。

やぐされても、セクハラしても福山雅治はモテるが、彼のスターっぷりを受ける二階堂ふみ、吉田羊の芝居は相変わらず上手い。
2人との恋愛要素が、それぞれの恋が経てきた時間を反映して、ウェット&ドライとこれも対照的なのもいい。
ちなみに静の元上司役で塚本晋也が出ていたが、これはもしかして「野火」つながりのダジャレなのか(笑
しかし、今回の役者陣の中では、リリー・フランキーが美味しすぎるだろう。
彼の演じるチャラ源は、基本アンダーグラウンドな本作の世界観の中でも、明らかに異質なヤバさを持っていて、彼が終盤どう絡むのかと思っていたが、この過激な弾け具合は予想外だった。
それまでに描かれるパパラッチの日常が、刺激的ながら地味な世界ゆえ、後半の突然の事件発生とその後の意外な展開が生きる。
いやあ最初から最後まで、大いに楽しませてもらった。
本作の場合は「続編」はもう作れないだろうが、せっかくだからチャラ源と静の過去を描く「ビギニング」はどうだろうか⁉︎

パワフルな作品の熱気を冷ますのに、福山雅治もCMに出演していた「アサヒ スーパードライ」をチョイス。
本格ビール好きからは邪道と揶揄されながら、世界にドライブームを巻き起こしたこの銘柄も来年で発売30周年を迎える。
辛口を強調した喉越しスッキリテイストは、なんだかんだ言いつつも日本の夏を象徴する存在になった。
蒸し蒸しする夜には、これが飲みたくなる。

ランキングバナー 
記事が気に入ったらクリックしてね



スポンサーサイト


コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
かつて数々の伝説的スクープをモノにしてきた男性カメラマン都城静は、ある事件をきっかけに報道写真への情熱を失ってしまう。 その後は、芸能スキャンダル専門のパパラッチに転身し、何年も自堕落な日々を過ごしてきた。 ひょんなことから彼は、写真週刊誌「SCOOP!」に配属されたばかりの女性新人記者・行川野火とコンビを組まされることに…。 スクープ・サスペンス。
2016/10/09(日) 11:35:59 | 象のロケット
「モテキ」「バクマン。」の大根仁監督が、1985年の原田眞人監督作品「盗写 1/250秒」を基に、主演に福山雅治を迎えて贈るエンタテインメント大作。芸能スキャンダル専門のしがないパパラッチと、その見習いとなった新人女性記者が、互いに衝突を繰り返しながらもスクー...
2016/10/09(日) 16:23:02 | パピとママ映画のblog
[SCOOP!] ブログ村キーワード  「モテキ」「バクマン。」の大根仁 監督最新作。「SCOOP!」(東宝》。“主演・福山雅治”。御結婚以来、やれ『劣化した』だの『ドラマがコケた』だの『旬は過ぎた』だのと、随分世間からは色々言われておられるようですが、それでもやはり注目ですよね~。  かつてスクープを次々と手中してきた、カメラマン・都城静(福山雅治)。しかしある出来事を切っ...
2016/10/11(火) 01:48:39 | シネマ親父の“日々是妄言”
 『SCOOP!』をTOHOシネマズ渋谷で見てきました。 (1)大層面白かった『バクマン!』の大根仁監督の作品ということで映画館に行ってきました。  本作(注1)の冒頭は、神宮球場前に駐車した車の中。時間は午後10時19分。  張り込み中のカメラマン・都城静(福山雅治)...
2016/10/14(金) 20:23:48 | 映画的・絵画的・音楽的
2016年 日本 120分 ドラマ/コメディ/サスペンス PG12 劇場公開(2016/10/01) 監督: 大根仁 『バクマン。』 脚本: 大根仁 主題歌: TOKYO NO.1 SOUL SET『無情の海に』(TOKYO NO.1 SOUL SET feat. 福山雅治 on guitar)福山雅治 出演: 福山雅治:都城静 ...
2017/03/31(金) 17:35:58 | 銀幕大帝α