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TIFFプレイバック「とうもろこしの島・・・・・評価額1700円 / ヒットラーの忘れもの・・・・・評価額1800円」
2016年10月28日 (金) | 編集 |
東京国際映画祭が開催中だが、過去にこの映画祭で上映された非常に優れた作品2本が正式邦題になって一本は公開中、もう一本もまもなく公開となるので、映画祭のまとめレビューから再掲載しておきたい。

「とうもろこしの島(TIFF上映時:コーン・アイランド)・・・・・評価額1700円」

既に古典の風格を持つ大力作だ。

舞台は、独立を巡りグルジアと戦争状態にある旧ソ連のアブハジア。

対立する両陣営の間を流れるエングリ川の中州に、一人の老人が孫娘と共に現れ、小屋を建てトウモロコシを植え、開拓を始める。

両軍が行き来し、しばしば銃声が響く危険な土地だが、老人は黙々と働き続ける。

冒頭20分は台詞無し。
以降も必要最低限しか喋らないが、その分映像が雄弁に物語る。

シネマスコープ一杯に広がる、大河が生み出す大自然の存在感は圧倒的だ。

この風景の中で老人と孫娘が見せる原初的な労働、“人間の暮らし”に目が離せず、対照的に愚かな争いは矮小化されるしかない。

そして孫娘が思春期で、素朴ながらかなりの美少女である事が、人間ドラマとして見応えある葛藤を作り出し、先の読めない心理劇としても一級の仕上がり。

更に驚くべきは、クライマックスのハリウッド映画も真っ青の一大スペクタクルである。

CGではなく、スタジオにロケと同じセットを組み直しているのだろうが、そこまでが地味なのでより効果的。

是非とももう一度観てみたいので、本公開を望みたい秀作である。

「ヒトラーの忘れもの(TIFF上映時:地雷と少年兵)・・・・・評価額1800円」

戦争が終わっても、負の連鎖は止まらない。

第二次大戦後、デンマークはナチスが埋めた220万個もの地雷処理に、投降したドイツ軍人を徴用。


その多くが少年兵で、徴用された半数が死傷した。

この話は、デンマークでも殆ど知られてないという。


これは命懸けの任務につく少年兵部隊と、彼らの指揮官となるデンマーク軍人の物語。


濃密な時間を共有するうちに、彼らは次第に愛憎半ばする不思議な絆を育んでゆく。

モンスター=ナチスではない。


人は憎しみと言う燃料さえあれば、誰でも子供すら殺すモンスターに成り得る。


これも戦後70年の歴史再検証が生んだ作品だろうが、連合国側が自国のダークサイドを描く作品は珍しい。

真摯に作られた大変な力作だ。


実際にこの撮影準備中、現場の海岸で不発地雷が発見されたらしい。

「戦後」は永遠に終わらないのである。

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2016/11/04(金) 16:54:19 | パピとママ映画のblog