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2016年11月05日 (土) | 編集 |
第29回東京国際映画祭の鑑賞作品つぶやきまとめ。
招待作品の「この世界の片隅に」と「メッセージ」が圧巻の出来栄え。
イタリアとインドで、葛藤する女性たちを描いた「7分間」と「ブルカの中の口紅」は、是非正式公開に繋がって欲しい作品。
7分間・・・・・評価額1650円
11人の怒れる女。
舞台はイタリアの片田舎。
外国企業に買収された工場の運命は、労働者委員会の11人の女たちに託される。
新経営者の要求は「休息時間の7分間削減」ただ一つ。
たかが7分、されど7分。
その数字の持つ本当の意味に気付いた時、白熱した議論が始まる。
勤続30年のベテランから高卒の新人、元難民まで、年齢も出自もバラバラな委員会の女たちの面構えがいい。
経営者に屈して雇用を守るのか、7分を無限に続く譲歩の始まりと捉え、闘うことを選ぶのか、これはイタリアだけでなく労働者の尊厳と権利を巡る世界的なイシュー。
ほとんど密室で展開する会話劇。
非常に演劇的な構成だなと思ったら、やはり実話ベースの舞台があり、その映画化なのだとか。
脚本家は「十二人の怒れる男」からインスパイアされたらしいが、全会一致が原則の陪審員と違い、こちらは多数決だから11人なんだろうな。
見応えのあるパワフルな力作。
名誉市民・・・・・・評価額1550円
シニカルなラテンのブラックコメディ。
偏屈なノーベル賞作家が、アルゼンチンの田舎にある故郷の町から名誉市民にしたいという申し出をうけ、40年ぶりに帰郷する。
望郷と嫌悪の気持ち半々ながら、幼馴染とか元カノとか色んな人が会いに来て、歓迎に思わず感涙。
だが町を捨て大成功した男が帰ってきた事で、主人公に関わる人達の間で波風が立ち、彼の意固地な性格もあって、いつしか町には見えない嵐が吹き荒れる。
作家の話らしく、物語にはあるロジックが仕掛けられているのだけど、心の故郷と現実の乖離はかなりリアリティある。
ザ・ネオン・デーモン・・・・・評価額1550円
冒頭からレフンの自己愛と悪趣味全開。
映像ドラック色の強い変態ホラー映画だ。
欲望渦巻くハリウッドのモデル業界に、エル・ファニング演じるナチュラルビューティの16歳がやって来る。
誰もが一目で彼女の虜になり、トントン拍子にエージェントも仕事も決まる。
彼女も自分の美しさと価値を十分分かっていて、自信満々。
しかし、全てが作り物の虚構の街で、「自然な美」を誇る者は異分子だ。
いつしか彼女への嫉妬と羨望が、周りの女たちを狂わせてゆく。
原色バリバリの映像とチープな電子音楽が、レフン流の退廃の美学を盛り上げる。
作品から透けて見える自分大好きっぷりからすると、ある意味エルちゃんは作者自身なんだろう。
ただ彼女、確かに美しく育ってるんだけど、あんまモデルっぽくは見えなかった。
まあ例によって相当えげつないことやってるので、好みはハッキリ分かれるだろう。
隣のおじさんは、途中から下向いちゃってたよ。
この世界の片隅に・・・・・評価額1800円
本記事アップ済み。
メッセージ・・・・・評価額1750円
未知の宇宙人との意思疎通を託された、言語学者の物語。
普通に考えれば、ハリウッド大作になるとは思えない、テッド・チャンの短編にどうアプローチするのかと思ったが、これは脚色が見事だ。
原作は、宇宙人とのコミュニケーションの現場に絞ったシンプルな話。
対して映画は、もしも意図のわからないUFOがあちこちに居座ったら、世界はどう動くのかと言うシミュレーション的視点を加え、極めてスリリングに盛り上げる。
しかも原作のエッセンスを完全に保持したまま、スケール感のある娯楽映画に昇華しているのだから畏れ入った。
これは言語をモチーフに、世界の見え方と私達の存在する意味を哲学する、美しく詩情あふれる物語。
ランダムに挿入される主人公のフラッシュバック映像の意味を知った時、観客は深い思念の海に沈んでゆくだろう。
優れたハードSFの多くは、同時に味わい深い詩である。
しかし本国公開は来月なのに、日本公開が来年のGW明けって何考えてんだろう。
これ、もしかするとオスカーもあるぞ。
どうせ本国公開後にはネットに情報が溢れるし、これは見方によってはネタバレがいかに無意味かという話でもあるのでw
いっそ原作読んじゃうのが、より深く観られて良いと思う。
ブルカの中の口紅・・・・・評価額1650円
これ大好き。
家族の前ではブルカを被りながらシンガーになる夢を抱く大学生、対照的な二人の男に二股中のエステシャン、甲斐性無しの夫に黙って始めた仕事で出世してゆく三児の母、若い水泳コーチに恋してしまった初老のおばさん。
現代インドに生きる、4人の女性の日常が描かれる。
彼女らそれぞれに秘めたる葛藤があり、欲望があるのだけど、おばさんの朗読する官能小説が物語の展開を絶妙にアシスト。
扱ってるモチーフはシリアスなんだけど、説得力あるキャラクター、ユーモラスな演出と軽快なテンポが、作品を娯楽映画として観やすく纏め上げている。
まだまだ抑圧の強い社会で、女性たちの自立への助走の物語は、ビターだが力強く響いて、グッと感情移入。
まあ女性視点で語られる「女やるのもなかなか辛いよ」って話だから仕方ないけど、男たちは本当にロクな奴がでてこないw
これはまこと愛すべき作品で、日本でも上手く小規模公開したら人気出ると思う。
鳥類学者・・・・・評価額1600円
シュールな流離譚。
ポルトガルの森で遭難した無神論者の鳥類学者が、狂信的な中国人巡礼者に捕まったり、なぜか天狗の扮装の若者たちの儀式を目撃したりの大冒険。
しかし、彼がある大きな「罪」を犯すと、物語は急速に超自然的な様相を帯びてくる。
下敷きになってるのはリスボン生まれの聖人、聖アントニオの伝説。
俗人の鳥類学者が、冒険の旅の結果「今までとは別の存在」になることを、聖アントニオの逸話に擬えたというわけ。
監督は最初これをウェスタンにしたかったそうで、このごった煮っぷりはその名残か。
キリスト教の暗喩が散りばめられた作品なので、ベースになった聖アントニオのことは少し予習するのが無難。
まあシュールなテリングだけでも面白いけど。
CYBORG009 CALL OF JUSTICE 第1章・・・・・評価額1400円
面白かったが、後半ぶっ飛び過ぎてついて行けなかった「RE:CYBORG」と違って、今回はぐっとオーソドックス。
やっと穏やかな生活を手に入れた00ナンバーのサイボーグたちが、予期せぬ戦いに巻き込まれる。
舞台が殆ど00たちの隠れ家だけだったり、キャラクターアニメーションが今時のCGアニメにしては熟れていないなど、低予算を感じさせる部分はあるし、30分一区切りのTVっぽい構成なのは気になるが、これはこれで面白い。
3部作の第一部だが、切りのいいとこで終わってる。
神山総監督によれば、ジョーとよく似ているが、信念の異なる男(演者は3代目ジョーの井上和彦!)がラスボスとして立ちはだかるそうで、これからの展開が楽しみだ。
オリ・マキの人生で最も幸せな日・・・・・評価額1550円
異色のボクシング映画。
フィンランドで初めて開かれる世界戦の挑戦者となったオリ・マキは、試合直前に恋をしてしまい、準備が手につかなくなってしまう。
プロボクサーにとって「最も幸せなこと」は、チャンピオンになることのはず。
では1人の人間としては?
周りが取らぬ狸の皮算用で試合に向けて勝手に盛り上がる中、二つの葛藤に直面した主人公は、プロとしてはかなり危なっかしい。
彼にとって「最も幸せな日」は果たして来るのか。
オリ・マキは実在の人で監督の同郷とか。
彼は創作者の孤独なプレッシャーを抱え、オリ・マキの話に大いに共感したらしい。
60年代の空気を伝える、モノクロ16ミリの映像も味わい深い。
ホッコリさせてくれるボクシング映画は珍しい。
バース・オブ・ネイション・・・・・評価額1650円
KKKの誕生を描いたグリフィスの「國民の創生」から、1世紀後に生まれた逆視点。
1831年に起こった、黒人奴隷ナット・ターナーの反乱と、彼が蜂起するまでの葛藤の日々が描かれる。
聖書の説教師でもあったターナーの話ゆえ、キリスト教要素が非常に強い。
冒頭の儀式で語られる様に、ターナーは単なる反乱者ではなく、聖書を誤って解釈する悪しき白人から奴隷たちを救い出す、モーゼでありキリストだ。
上映後のティーチインでも誰かが言っていたが、全体「ブレイブハート」ぽいと思ってたら、町山さんによるとネイト・パーカー監督はメル・ギブソンに助言を仰いでたらしい。
だからなのか、やや象徴性に振りすぎた気もするが、映画史上の大先輩に大胆にも喧嘩を売ったパワフルな力作。
「奇妙な果実」を挿入歌として、180年前の出来事と20世紀を橋渡しし、現在に繋げる工夫も良い。
グリフィスとパーカー、彼らが描いた二つの"NATION"は未だ本当の意味で融合していない。
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招待作品の「この世界の片隅に」と「メッセージ」が圧巻の出来栄え。
イタリアとインドで、葛藤する女性たちを描いた「7分間」と「ブルカの中の口紅」は、是非正式公開に繋がって欲しい作品。
7分間・・・・・評価額1650円
11人の怒れる女。
舞台はイタリアの片田舎。
外国企業に買収された工場の運命は、労働者委員会の11人の女たちに託される。
新経営者の要求は「休息時間の7分間削減」ただ一つ。
たかが7分、されど7分。
その数字の持つ本当の意味に気付いた時、白熱した議論が始まる。
勤続30年のベテランから高卒の新人、元難民まで、年齢も出自もバラバラな委員会の女たちの面構えがいい。
経営者に屈して雇用を守るのか、7分を無限に続く譲歩の始まりと捉え、闘うことを選ぶのか、これはイタリアだけでなく労働者の尊厳と権利を巡る世界的なイシュー。
ほとんど密室で展開する会話劇。
非常に演劇的な構成だなと思ったら、やはり実話ベースの舞台があり、その映画化なのだとか。
脚本家は「十二人の怒れる男」からインスパイアされたらしいが、全会一致が原則の陪審員と違い、こちらは多数決だから11人なんだろうな。
見応えのあるパワフルな力作。
名誉市民・・・・・・評価額1550円
シニカルなラテンのブラックコメディ。
偏屈なノーベル賞作家が、アルゼンチンの田舎にある故郷の町から名誉市民にしたいという申し出をうけ、40年ぶりに帰郷する。
望郷と嫌悪の気持ち半々ながら、幼馴染とか元カノとか色んな人が会いに来て、歓迎に思わず感涙。
だが町を捨て大成功した男が帰ってきた事で、主人公に関わる人達の間で波風が立ち、彼の意固地な性格もあって、いつしか町には見えない嵐が吹き荒れる。
作家の話らしく、物語にはあるロジックが仕掛けられているのだけど、心の故郷と現実の乖離はかなりリアリティある。
ザ・ネオン・デーモン・・・・・評価額1550円
冒頭からレフンの自己愛と悪趣味全開。
映像ドラック色の強い変態ホラー映画だ。
欲望渦巻くハリウッドのモデル業界に、エル・ファニング演じるナチュラルビューティの16歳がやって来る。
誰もが一目で彼女の虜になり、トントン拍子にエージェントも仕事も決まる。
彼女も自分の美しさと価値を十分分かっていて、自信満々。
しかし、全てが作り物の虚構の街で、「自然な美」を誇る者は異分子だ。
いつしか彼女への嫉妬と羨望が、周りの女たちを狂わせてゆく。
原色バリバリの映像とチープな電子音楽が、レフン流の退廃の美学を盛り上げる。
作品から透けて見える自分大好きっぷりからすると、ある意味エルちゃんは作者自身なんだろう。
ただ彼女、確かに美しく育ってるんだけど、あんまモデルっぽくは見えなかった。
まあ例によって相当えげつないことやってるので、好みはハッキリ分かれるだろう。
隣のおじさんは、途中から下向いちゃってたよ。
この世界の片隅に・・・・・評価額1800円
本記事アップ済み。
メッセージ・・・・・評価額1750円
未知の宇宙人との意思疎通を託された、言語学者の物語。
普通に考えれば、ハリウッド大作になるとは思えない、テッド・チャンの短編にどうアプローチするのかと思ったが、これは脚色が見事だ。
原作は、宇宙人とのコミュニケーションの現場に絞ったシンプルな話。
対して映画は、もしも意図のわからないUFOがあちこちに居座ったら、世界はどう動くのかと言うシミュレーション的視点を加え、極めてスリリングに盛り上げる。
しかも原作のエッセンスを完全に保持したまま、スケール感のある娯楽映画に昇華しているのだから畏れ入った。
これは言語をモチーフに、世界の見え方と私達の存在する意味を哲学する、美しく詩情あふれる物語。
ランダムに挿入される主人公のフラッシュバック映像の意味を知った時、観客は深い思念の海に沈んでゆくだろう。
優れたハードSFの多くは、同時に味わい深い詩である。
しかし本国公開は来月なのに、日本公開が来年のGW明けって何考えてんだろう。
これ、もしかするとオスカーもあるぞ。
どうせ本国公開後にはネットに情報が溢れるし、これは見方によってはネタバレがいかに無意味かという話でもあるのでw
いっそ原作読んじゃうのが、より深く観られて良いと思う。
ブルカの中の口紅・・・・・評価額1650円
これ大好き。
家族の前ではブルカを被りながらシンガーになる夢を抱く大学生、対照的な二人の男に二股中のエステシャン、甲斐性無しの夫に黙って始めた仕事で出世してゆく三児の母、若い水泳コーチに恋してしまった初老のおばさん。
現代インドに生きる、4人の女性の日常が描かれる。
彼女らそれぞれに秘めたる葛藤があり、欲望があるのだけど、おばさんの朗読する官能小説が物語の展開を絶妙にアシスト。
扱ってるモチーフはシリアスなんだけど、説得力あるキャラクター、ユーモラスな演出と軽快なテンポが、作品を娯楽映画として観やすく纏め上げている。
まだまだ抑圧の強い社会で、女性たちの自立への助走の物語は、ビターだが力強く響いて、グッと感情移入。
まあ女性視点で語られる「女やるのもなかなか辛いよ」って話だから仕方ないけど、男たちは本当にロクな奴がでてこないw
これはまこと愛すべき作品で、日本でも上手く小規模公開したら人気出ると思う。
鳥類学者・・・・・評価額1600円
シュールな流離譚。
ポルトガルの森で遭難した無神論者の鳥類学者が、狂信的な中国人巡礼者に捕まったり、なぜか天狗の扮装の若者たちの儀式を目撃したりの大冒険。
しかし、彼がある大きな「罪」を犯すと、物語は急速に超自然的な様相を帯びてくる。
下敷きになってるのはリスボン生まれの聖人、聖アントニオの伝説。
俗人の鳥類学者が、冒険の旅の結果「今までとは別の存在」になることを、聖アントニオの逸話に擬えたというわけ。
監督は最初これをウェスタンにしたかったそうで、このごった煮っぷりはその名残か。
キリスト教の暗喩が散りばめられた作品なので、ベースになった聖アントニオのことは少し予習するのが無難。
まあシュールなテリングだけでも面白いけど。
CYBORG009 CALL OF JUSTICE 第1章・・・・・評価額1400円
面白かったが、後半ぶっ飛び過ぎてついて行けなかった「RE:CYBORG」と違って、今回はぐっとオーソドックス。
やっと穏やかな生活を手に入れた00ナンバーのサイボーグたちが、予期せぬ戦いに巻き込まれる。
舞台が殆ど00たちの隠れ家だけだったり、キャラクターアニメーションが今時のCGアニメにしては熟れていないなど、低予算を感じさせる部分はあるし、30分一区切りのTVっぽい構成なのは気になるが、これはこれで面白い。
3部作の第一部だが、切りのいいとこで終わってる。
神山総監督によれば、ジョーとよく似ているが、信念の異なる男(演者は3代目ジョーの井上和彦!)がラスボスとして立ちはだかるそうで、これからの展開が楽しみだ。
オリ・マキの人生で最も幸せな日・・・・・評価額1550円
異色のボクシング映画。
フィンランドで初めて開かれる世界戦の挑戦者となったオリ・マキは、試合直前に恋をしてしまい、準備が手につかなくなってしまう。
プロボクサーにとって「最も幸せなこと」は、チャンピオンになることのはず。
では1人の人間としては?
周りが取らぬ狸の皮算用で試合に向けて勝手に盛り上がる中、二つの葛藤に直面した主人公は、プロとしてはかなり危なっかしい。
彼にとって「最も幸せな日」は果たして来るのか。
オリ・マキは実在の人で監督の同郷とか。
彼は創作者の孤独なプレッシャーを抱え、オリ・マキの話に大いに共感したらしい。
60年代の空気を伝える、モノクロ16ミリの映像も味わい深い。
ホッコリさせてくれるボクシング映画は珍しい。
バース・オブ・ネイション・・・・・評価額1650円
KKKの誕生を描いたグリフィスの「國民の創生」から、1世紀後に生まれた逆視点。
1831年に起こった、黒人奴隷ナット・ターナーの反乱と、彼が蜂起するまでの葛藤の日々が描かれる。
聖書の説教師でもあったターナーの話ゆえ、キリスト教要素が非常に強い。
冒頭の儀式で語られる様に、ターナーは単なる反乱者ではなく、聖書を誤って解釈する悪しき白人から奴隷たちを救い出す、モーゼでありキリストだ。
上映後のティーチインでも誰かが言っていたが、全体「ブレイブハート」ぽいと思ってたら、町山さんによるとネイト・パーカー監督はメル・ギブソンに助言を仰いでたらしい。
だからなのか、やや象徴性に振りすぎた気もするが、映画史上の大先輩に大胆にも喧嘩を売ったパワフルな力作。
「奇妙な果実」を挿入歌として、180年前の出来事と20世紀を橋渡しし、現在に繋げる工夫も良い。
グリフィスとパーカー、彼らが描いた二つの"NATION"は未だ本当の意味で融合していない。

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衝撃作であり、問題作である。私はと言えば、完全にレフンに置いていかれたなぁ…。この感覚、どこかで…と思い返したら、ダーレン・アロノフスキーの「ファウンテン 永遠につづく愛」を観た時の感覚だ。あの時はアロノフスキーが一人でどこか遠くへ行っちゃった感があったけど、今回のレフンは多分一人では、ない。一人ではないんだろうけど、私には…。目をハートにしてついて行けなかった。ただそれだけ。香港映画だった...
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2016年
アメリカ/フランス/デンマーク
118分
サスペンス
R15+
劇場公開(2017/01/13)
監督:
ニコラス・ウィンディング・レフン
『オンリー・ゴッド』
原案:
ニコラス・ウィンディング・レフン
脚本:
ニコラス・ウィンディング・レフン
出...
2017/07/23(日) 15:15:13 | 銀幕大帝α
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