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2016年11月06日 (日) | 編集 |
愛を、燃やし尽くす。
自主映画出身の中野量太監督による、長編商業映画デビュー作。
これは期待以上の面白さだ。
余命宣告された主人公が、残された時間でバラバラだった家族の抱える問題を総解決。
予告編で全部見せちゃってない?と思っていたのだけど、あれはまだまだ序の口だった。
宮沢りえ演じる幸野双葉は、高校生の娘・安済と二人暮らし。
元々銭湯を経営していたのだが、夫の一浩が一年前に蒸発してしまい、それ以来銭湯は休業中。
ところが、ある日意識を失って倒れた双葉が、末期癌を宣告されたことから、彼女は「死ぬまでに、どうしてもやらなければならないこと」に向かって一気呵成に動き出す。
蒸発したダメ夫を連れ戻し、彼が他の女との間に作ったという幼い娘を受け入れ、家業の銭湯を再開、学校でいじめにあっている安済には勇気をもって立ち向かわせる。
と、ここまでは予告通りなのだが、話はまだ終わらないのだ。
実は幸野家の女たちには三代に渡る隠された過去があり、双葉は家族を再生するだけでなく、全ての真相を明らかにして、家族の枠組みを超えた新たな共同体を構築し始めるのである。
家族だけでなく、関わった人々全てに愛を注ぎ、幸せにしようとするスーパーお母ちゃん・双葉。
なぜ彼女は、それ程までに熱く人を愛すのか。
前半、綿密に張られた伏線がひとつひとつ回収され、秘められていた家族の真実の姿が明らかになる後半は、良くできたミステリを観ている様。
自らは愛されなかった故、逆に自分以外は愛に包まれていて欲しいという双葉の苦しくも熱い想いに、いつしか涙腺は決壊している。
そして家族だけでなく、双葉の愛を受け取った人々が彼女の想いに応え、タイトルの本当の意味が明らかになるラストは、色んな意味で衝撃だった。
いやコレは攻めている。
ある意味ここだけホラーなのに、よくぞ製作委員会で通ったものだ。
これが新人監督によるオリジナル脚本の作品であることも注目に値する。
もちろん自主映画での実績があり、テレビディレクターとしての経験も買われたのだろうが、作品企画に携わる者として、今の日本で非原作ものの企画を通すことがいかに難しいか分かるので、本作がある程度の規模と有力な俳優陣を擁して実現したことには拍手を送りたい。
杉咲花のいじめられっ子やオダギリジョーのダメ父さんも好演だけど、本作はやはり宮沢りえのスター映画だ。 この人、いわゆる美魔女と呼ばれている人たちとは対照的に、44歳の実年齢相応に見えるのだけど、本当に良い歳の取り方していると思う。
細くって、そのまま消えてしまいそうな繊細な少女性と、パワフルな母性を同時に体現して素晴らしい。
間違いなく、彼女の新たな代表作となるだろう。
今回はロケ地となる足利市のココ・ファーム・ワイナリーから、「農民ロッソ」をチョイス。
嘗て、知的障害を持つ「こころみ学園」の生徒と教師たちが、社会とかかわれるようにと、自ら山を切り開いて58年前に開設した愛の詰まったワイナリー。
農民ロッソは、その名の通り素朴で柔らかな赤。
シチュエーションを選ばず、CPも十分高い。
このワイナリーは11月に毎年の収穫祭を開催していて、ちょっとした地域のお祭りになっていてとても楽しい。
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自主映画出身の中野量太監督による、長編商業映画デビュー作。
これは期待以上の面白さだ。
余命宣告された主人公が、残された時間でバラバラだった家族の抱える問題を総解決。
予告編で全部見せちゃってない?と思っていたのだけど、あれはまだまだ序の口だった。
宮沢りえ演じる幸野双葉は、高校生の娘・安済と二人暮らし。
元々銭湯を経営していたのだが、夫の一浩が一年前に蒸発してしまい、それ以来銭湯は休業中。
ところが、ある日意識を失って倒れた双葉が、末期癌を宣告されたことから、彼女は「死ぬまでに、どうしてもやらなければならないこと」に向かって一気呵成に動き出す。
蒸発したダメ夫を連れ戻し、彼が他の女との間に作ったという幼い娘を受け入れ、家業の銭湯を再開、学校でいじめにあっている安済には勇気をもって立ち向かわせる。
と、ここまでは予告通りなのだが、話はまだ終わらないのだ。
実は幸野家の女たちには三代に渡る隠された過去があり、双葉は家族を再生するだけでなく、全ての真相を明らかにして、家族の枠組みを超えた新たな共同体を構築し始めるのである。
家族だけでなく、関わった人々全てに愛を注ぎ、幸せにしようとするスーパーお母ちゃん・双葉。
なぜ彼女は、それ程までに熱く人を愛すのか。
前半、綿密に張られた伏線がひとつひとつ回収され、秘められていた家族の真実の姿が明らかになる後半は、良くできたミステリを観ている様。
自らは愛されなかった故、逆に自分以外は愛に包まれていて欲しいという双葉の苦しくも熱い想いに、いつしか涙腺は決壊している。
そして家族だけでなく、双葉の愛を受け取った人々が彼女の想いに応え、タイトルの本当の意味が明らかになるラストは、色んな意味で衝撃だった。
いやコレは攻めている。
ある意味ここだけホラーなのに、よくぞ製作委員会で通ったものだ。
これが新人監督によるオリジナル脚本の作品であることも注目に値する。
もちろん自主映画での実績があり、テレビディレクターとしての経験も買われたのだろうが、作品企画に携わる者として、今の日本で非原作ものの企画を通すことがいかに難しいか分かるので、本作がある程度の規模と有力な俳優陣を擁して実現したことには拍手を送りたい。
杉咲花のいじめられっ子やオダギリジョーのダメ父さんも好演だけど、本作はやはり宮沢りえのスター映画だ。 この人、いわゆる美魔女と呼ばれている人たちとは対照的に、44歳の実年齢相応に見えるのだけど、本当に良い歳の取り方していると思う。
細くって、そのまま消えてしまいそうな繊細な少女性と、パワフルな母性を同時に体現して素晴らしい。
間違いなく、彼女の新たな代表作となるだろう。
今回はロケ地となる足利市のココ・ファーム・ワイナリーから、「農民ロッソ」をチョイス。
嘗て、知的障害を持つ「こころみ学園」の生徒と教師たちが、社会とかかわれるようにと、自ら山を切り開いて58年前に開設した愛の詰まったワイナリー。
農民ロッソは、その名の通り素朴で柔らかな赤。
シチュエーションを選ばず、CPも十分高い。
このワイナリーは11月に毎年の収穫祭を開催していて、ちょっとした地域のお祭りになっていてとても楽しい。

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この記事へのコメント
ノラネコさん☆
本当に素晴らしい女優さんですよね~彼女。
他の人では成り立たなかった物語ですわ~
予告編で見せているのは、よくある病気物の展開のみなのに、まだまだ序の口だったっていうのも凄いですよね!
本当に素晴らしい女優さんですよね~彼女。
他の人では成り立たなかった物語ですわ~
予告編で見せているのは、よくある病気物の展開のみなのに、まだまだ序の口だったっていうのも凄いですよね!
なるほど~、製作側から見れば、そりゃこんなラストを迎える作品の製作にゴーサインが出たのは物凄いことですよね。
普通はこんなホラーなラストを迎えるとなると、そこでダメサインしか出なくなっちゃいますもんね。
普通はこんなホラーなラストを迎えるとなると、そこでダメサインしか出なくなっちゃいますもんね。
>ノルウェーまだ~むさん
予告編だけでも盛り沢山だったので、まさかこんな複雑な家族のヒストリーの話とは思わなかったです。
いやこれよく考えられているプロットだと思います。
最後はビックリしましたけど。
>にゃむばななさん
ちょっとこの飛ばし方はヨーロッパ映画を感じました。
モラルとか、常識を超えた映画ならではのサプライズがあった気がします。
予告編だけでも盛り沢山だったので、まさかこんな複雑な家族のヒストリーの話とは思わなかったです。
いやこれよく考えられているプロットだと思います。
最後はビックリしましたけど。
>にゃむばななさん
ちょっとこの飛ばし方はヨーロッパ映画を感じました。
モラルとか、常識を超えた映画ならではのサプライズがあった気がします。
2016/11/10(木) 23:00:36 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
伏線を回収するってなかなかできているようでできていない映画が多い中、その方法はよかったですね。そして手が込んでました。
複雑なことをわかるように描くのもまた難しく、その意味でも素晴らしかったと思います。
複雑なことをわかるように描くのもまた難しく、その意味でも素晴らしかったと思います。
>rose_chocolatさん
これはとても良く出来ていました。
予告の盛りだくさんの内容がまだ半分にもならなくて、そこから怒涛の展開が待っているのに、広げた風呂敷をきちんと畳んでいたのは見事でした。
次が楽しみな作家ですね。
これはとても良く出来ていました。
予告の盛りだくさんの内容がまだ半分にもならなくて、そこから怒涛の展開が待っているのに、広げた風呂敷をきちんと畳んでいたのは見事でした。
次が楽しみな作家ですね。
2016/11/21(月) 21:39:48 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
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血よりも濃い赤い情熱が、ときに熱くときに温かく周囲を包み込む。
泣いて笑って泣いて笑って泣いて泣いて泣いて・・・・・・しかし「想像つかないラストに感動」という触れ込みは、逆に衝撃的すぎて困惑する羽目に・・・・
2016/11/06(日) 22:57:22 | ノルウェー暮らし・イン・原宿
最高の愛を込めて、葬ります。
上映時間 125分
脚本:監督 中野量太
宮沢りえ/杉咲花/駿河太郎/篠原ゆき子/伊東蒼/松坂桃李/オダギリジョー
銭湯“幸の湯”を営む幸野家。しかし父の一浩が一年前に蒸発してしまい、銭湯は休業状態に。母の双葉は代わりにパン屋でパートを...
2016/11/07(月) 23:08:15 | to Heart
赤が好き 公式サイト http://atsui-ai.com10月29日公開 幸野家は銭湯「幸の湯」を営んでいたが、父一浩(オダギリジョー)が1年前に蒸発して以来、休業状態。母の双葉(宮沢りえ)は、パ
2016/11/09(水) 23:41:50 | 風に吹かれて
『湯を沸かすほどの熱い愛』を渋谷シネパレスで見ました。
(1)宮沢りえの主演作ということで映画館に行ってきました。
本作(注1)の冒頭は、銭湯の煙突。ですが、煙が出ていません
銭湯の入口も閉まっていて、「店主が蒸発し、お湯は沸きません 幸の湯」の張...
2016/11/11(金) 07:04:02 | 映画的・絵画的・音楽的
銭湯「幸の湯」は主人・幸野一浩が1年前に家出したため休業中。 妻・双葉は、パン屋のパートで16歳の娘・安澄との生活を支えていた。 ある日、突然倒れた双葉は、末期ガンで余命わずかとの宣告を受ける。 だが、双葉には死ぬ前にやるべき課題があった。 まずは夫を家に帰らせること、銭湯を再開すること、娘に強くなってもらうこと、そしてもう一つ、大事なことが残っていた…。 ヒューマンドラマ。
2016/11/11(金) 09:06:44 | 象のロケット
夫が蒸発し、中学生の娘がイジメに苦しむ中、
突然余命2ヵ月と宣告された主人公が、
絶望する事なく持ち前の明るさで家族の再建に奔走し、
周囲を大きな愛で包んでいく姿を描く...
【個人評価:★★★ (3.0P)】 (劇場鑑賞)
2016/11/11(金) 23:41:45 | cinema-days 映画な日々
2016年・日本/クロックワークス=テレビ東京、他 配給:クロックワークス 監督:中野量太 脚本:中野量太プロデューサー:深瀬和美、若林雄介 撮影:池内義浩 余命宣告を受けても、なお目標を決め明るく生
2016/11/13(日) 23:16:06 | お楽しみはココからだ~ 映画をもっと楽しむ方法
映画『湯を沸かすほどの熱い愛』には感動しました。泣けました。死病映画ではあるの
2016/11/17(木) 23:31:43 | 大江戸時夫の東京温度
☆☆☆☆- (10段階評価で 8)
11月4日(金) シネ・リーブル神戸 スクリーン1にて 12:40の回を鑑賞。
2016/11/18(金) 21:36:52 | みはいる・BのB
監督・脚本:中野量太
出演:宮沢りえ 、杉咲花 、オダギリジョー 、松坂桃李
試写会場:新宿バルト9
『湯を沸かすほどの熱い愛』公式サイトはこちら。
おひさしぶりです~
生きてますよ! 笑
てかどんだけブログ書いてない・・・
これもだいぶ前になっち...
2016/11/19(土) 10:42:15 | Nice One!! @goo
□オフィシャルサイト 「湯を沸かすほどの熱い愛」 □監督・脚本 中野量太□キャスト 宮沢りえ、杉咲 花、オダギリジョー、松坂桃李、伊東 蒼■鑑賞日 10月29日(土)■劇 場 チネチッタ■cyazの満足度 ★★★★☆(5★満点、☆は0.5)<感想>これほど期待通りの...
2016/11/23(水) 09:23:44 | 京の昼寝~♪
宮沢りえ主演が余命わずかの母を演じた家族のドラマです。 評判が高かったので、宮沢さんがどんな熱い母親を演じているのだろうと気になっていました。 最後まで頑張った主人公の生き様と家族への愛に、元気を貰えるような作品でした。
2016/11/26(土) 21:15:57 | とりあえず、コメントです
映画「湯を沸かすほどの熱い愛」を鑑賞しました。
2016/12/04(日) 19:35:30 | FREE TIME
『紙の月』などの宮沢りえと、『愛を積むひと』などの杉咲花が母娘を演じ、余命宣告を受けた主人公の奮闘に迫る家族ドラマ。行方不明の夫を連れ戻すことをはじめ、最後の四つの願い事をかなえようと奔走するヒロインの姿を捉える。『チチを撮りに』などの中野量太が監督と...
2017/01/12(木) 11:32:01 | パピとママ映画のblog
湯を沸かすほどの熱い愛
'16;日本
◆監督:中野量太「チチを撮りに」
◆主演:宮沢りえ、杉咲花、篠原ゆき子、駿河太郎、伊東蒼、松坂桃李、オダギリ ジョー
◆STORY◆銭湯・幸の湯を営む幸野家だったが、1年前、父・一浩(オダギリ ジョー)がふらっと出奔してから休業していた。母・双葉(宮沢りえ)は持ち前の明るさと強さで、パートをしながら娘・安澄(杉咲花)を育てている。ある...
2017/01/15(日) 19:40:21 | C’est joli ここちいい毎日を♪
宮沢りえを主演に迎えてすばらしい演技を見せており、子役たちの頑張りもいい。余命2ヶ月と宣告された肝っ玉母さんが命をかけて残される家族をしっかりとさせる様子が頼もしいし、死にたくないと訴える弱さも切実さが伝わる。3人に一人がガンで亡くなる時代に必見の映画なの
2017/01/25(水) 22:11:09 | とらちゃんのゴロゴロ日記-Blog.ver
 
 
 
JUGEMテーマ:邦画
 
 
 
 
 
延命措置を望まない末期がん患者の幸野双葉。
 
何だか、凄い決意だけど、末期のがんは痛みも
&...
2018/01/01(月) 20:26:05 | こみち
宮沢りえの「紙の月」以来となる映画主演作で、自主映画「チチを撮りに」で注目された中野量太監督の商業映画デビュー作。持ち前の明るさと強さで娘を育てている双葉が、突然の余命宣告を受けてしまいます。双葉は残酷な現実を受け入れ、1年前に突然家出した夫を連れ帰り休業中の銭湯を再開させることや、気が優しすぎる娘を独り立ちさせることなど、4つの「絶対にやっておくべきこと」を実行していきます。会う人すべてを...
2018/03/13(火) 08:58:44 | のほほん便り
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