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ショートレビュー「ショコラ 君がいて、僕がいる・・・・・評価額1600円」
2017年02月01日 (水) | 編集 |
最強のふたり。

映画の発明者として知られるリュミエール兄弟が残した作品の中に、二人の芸人がアクロバティックな芸を披露している物がある。
この映画に登場しているのが、本作の主人公であるショコラとフティットだ。
2人は19世紀が終わる頃、フランスの小さなサーカスで出会う。
道化師として限界を感じていたフティットは、「アフリカから来た危険な野蛮人」を持ち芸としていたショコラをスカウトし、コンビを結成。
まだフランス本土にアフリカ人が珍しかった時代、異色の二人組は大人気となり、やがてパリの一流サーカスに引き抜かれ大ブレイク。
道化師の芸というよりも、今でいう体を張ったコントの様なスタイルの彼らのステージは新鮮な笑いを誘い、パリ中に知らない人がいないほどの大スターとなるのである。
しかし成り上がり者のお約束。
一発当てたショコラは、浪費と遊びに走り、過去の失敗を知るフティットは、そんな彼を諫めるも耳を貸さず。

彼等の転機は、身分証を持たないショコラが、警察に逮捕された時。
冷たい牢獄に留め置かれたショコラは、どんなに人気者になっても、自分はフランス社会ではよそ者に過ぎないことを思い知らされるのだ。
彼は次第に「白人に蹴飛ばされる愚者の黒人」という自分のキャラクターを疑問に感じるようになり、現実に抗うように酒とギャンブルに逃げこむ。
そんなショコラを、フティットは支え続けるものの、二人の間は次第にギクシャクし、遂にコンビは解消を迎えてしまうのである。
宵越しの金は持たず、来るもの拒まずのプレイボーイ、絵に描いた様な芸人体質のショコラと、ストイックなお笑いバカのフティットの、対照的なキャラクターが良いコントラスト。

お笑いというものは、基本的に他者への攻撃性を内包していて、今でもステロタイプを前提とした差別ギリギリのコントがあるし、いわゆるいじり芸なんて、芸人同士の関係を知らない人が見るといじめじゃないの?と思うものも多い。
2人の芸も、基本的に白人が抱く黒人へのステロタイプを元にしているのだが、それが知らず知らずのうちにショコラに屈辱を与えていることに、フティットは気づかない。
ショコラが成功に浮かれているうちは良かったが、彼が金銭的な成功以上の社会的な承認欲求に目覚めてしまうと二人の関係は崩れてしまう。
フティットと別れたショコラが俳優への転向を模索するも、同じ舞台人とは言っても当然ながら芸人と俳優に求められるスキルは異なり、結局のところ客寄せパンダ。
全力を出し切っても承認されない現実は、見てるこっちも心が痛くなる。
一方のフティットも、ショコラがいなくては、嘗ての様な人気者の地位を保てない。
ショコラとフティットは、自分たちが一心同体であり、二人そろって初めて一つの芸術であったことを、お互いを失って初めて気づく。
軽妙に展開する二人のアーティストのユーモラスな物語は、やがてチャップリンの悲喜劇の様な、ビターな味わいと共に静かに幕を閉じる。
チャップリンの数ある名言の中に「To truly laugh, you must be able to take your pain, and play with it!.(あなたが本当に笑うためには、あなたの痛みを取って、それで遊べるようにならなければなりません。)」という印象的な言葉がある。
ショコラの痛みを取り、遊べるようになるのには、時代が少し早すぎたのかもしれない。
そういえば本作のロシュディ・ゼム監督は「チャップリンからの贈りもの」で喜劇王の遺体を盗み出す、マヌケな泥棒を演じていたっけ。

ビターな物語の後には甘いお酒を。
今回は主人公にちなんで「ゴディバ チョコレート・リキュール」をチョイス。
そのままだとかなり甘いので、氷で満たしたグラスに注いで、オンザロックで飲みたい。
チョコレートの味がしっかりしているので、カクテルにして色々組み合わせても面白いお酒だ。

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1897年、フランス。 道化師ジョルジュ・フティットは、仕事を求めて巡業中のサーカス「デルヴォー座」を訪れるが断られてしまう。 そこで目にしたのは、雄叫びを上げて未開人を演じていた黒人カナンガだった。 フティットはカナンガ(後のショコラ)と、前代未聞の白人&黒人のコンビを結成。 「フティット&ショコラ」は大人気となり、やがてパリのサーカスの名門ヌーヴォー・シルクに引き抜かれる…。 実話から生...
2017/02/05(日) 10:03:32 | 象のロケット