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2017年03月12日 (日) | 編集 |
彼らが本気で編んでいるものとは?
母娘二人暮らしの母子家庭。
何かと問題のある母が突然失踪し、少女・トモが身を寄せたマキオ叔父さんの家には、トランスジェンダーのパートナー、リンコさんがいた。
最初は戸惑ったものの、親身に世話をしてくれるリンコさんの優しさに癒され、いつしか三人は本当の家族の様になってゆく。
しかし、まだまだ日本の社会は性的マイノリティーに対して寛容とは言い難い。
女性としての人生を歩もうとするリンコさんには、偏見の目がつきまとう。
荻上直子監督の新境地と言える、極めて丁寧に作られた秀作である。
興行的にも批評的にも大成功した「かもめ食堂」以来、彼女の作品は良くも悪くもあの映画を引きずってきた。
端的にそのスタイルを言い表すと、フィンランドの日本食堂や、変人が集まる南国の民宿など、日常から離れた特殊な空間を用意して、そこに一般社会からずれたキャラクターを配し、ある種のファンタジーとしての寓話劇を成立させるというもの。
今回も、基本的な物語の成り立ちはそれほど変わらないのだが、現在日本のごく一般的な都市で展開する本作は日常から逃げない、いや逃げられない。
LGBTに対する差別、育児放棄といったモチーフは、基本的に個人の内的な葛藤の物語であった過去の作品と異なり、明確に社会との関わりで生まれてくるものだから、ファンタジーに落とし込むことはできないのである。
ここにきて、荻上監督は「かもめ食堂」の呪縛からは完全に脱したと言っていいだろう。
母に捨てられたトモを含め登場人物の多くは、少し”普通"と違う人生を歩んでいることに葛藤している。
心と体が別の性で生まれてしまったリンコさん、ちゃんと母親ができないトモの母、同性に恋した自分に戸惑うトモの同級生のカイ、そんな息子を受け入れられないカイの母。
三人の疑似家族を全体の軸として、そのまた軸となるのは絶対にぶれないマキオ叔父さん。
彼らを取り巻く人々の物語に、擁護するもの、差別するものを含めて色々な考え方や、登場人物のバックグランウンドを組み込む構成も巧みだ。
映画は、皆の抱える問題を一つ一つ提示しつつ、お涙頂戴に走ることもなく、感情に寄り添いながら、リアリティを保ったまま淡々と物語を紡ぐ。
内容的にはかなりエグい部分を含むのだけど、子供目線で描いたことと、ウィットに富んだ登場人物のユーモアに救われている。
タイトルにもなっている彼らが編んでいる”ある物”の意味など、メタファーの使い方も秀逸で、思春期に足を踏み入れつつあるトモとリンコさんの、性に関する開けっぴろげな会話もこの作家らしい。
これは、小学五年生の目で見た小さな世界の多様性。
物語の結末はちょっとビターだが、観終わって「どんな立場の人にも優しくありたい」と思える、とても気持ちの良い映画だ。
トランスジェンダーの女性を演じた生田斗真をはじめ、俳優陣は皆好演だが、主人公であり語り部でもあるトモ役の柿原りんかがナチュラルで素晴らしい。
末恐ろしい演技力である。
彼女と同じくらいの年齢の子供たちには、色々感じ取るところの多い映画だと思うので、春休みに親子で鑑賞したりするにもオススメ。
もちろん映倫G指定なので子供たちだけでも。
今回は、桜の季節に桜を原料として使ったユニークなビール「サンクトガーレン さくら」をチョイス。
ホップの使用を控える代わりに、桜の名所として有名な長野県伊那市高遠産の桜の花と桜の葉を大量に使用。
日本ではビールに桜を使うことが出来ないので、一応発泡酒扱いになる。
桜デザインのボトルから注いでしまえば、見た目は普通のビールなのだけど、ほんのりとした桜の香りが広がり、口に含むと本当に桜餅の感じがする。
もちろん甘いのはあくまでも香りで、ビール的なキレや苦味を持ちながらも、ここまでちゃんと桜してるのはなかなか凄い。
お花見ピクニックにこれほどふさわしい一本も無いだろう。
発明した人にイグ・ノーベル賞あげたい(笑
ちなみに、昔知り合ったトランスジェンダーの女性に聞いたのだけど、性転換手術の後に作った「穴」が塞がらないように、金属の棒を入れておくのだそう。
それで最後にその棒を引き抜く時の痛さは、悶絶ものらしい。
まあ二十年くらい前の話だから、今はもうちょっとマシなのかもしれないけど。
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母娘二人暮らしの母子家庭。
何かと問題のある母が突然失踪し、少女・トモが身を寄せたマキオ叔父さんの家には、トランスジェンダーのパートナー、リンコさんがいた。
最初は戸惑ったものの、親身に世話をしてくれるリンコさんの優しさに癒され、いつしか三人は本当の家族の様になってゆく。
しかし、まだまだ日本の社会は性的マイノリティーに対して寛容とは言い難い。
女性としての人生を歩もうとするリンコさんには、偏見の目がつきまとう。
荻上直子監督の新境地と言える、極めて丁寧に作られた秀作である。
興行的にも批評的にも大成功した「かもめ食堂」以来、彼女の作品は良くも悪くもあの映画を引きずってきた。
端的にそのスタイルを言い表すと、フィンランドの日本食堂や、変人が集まる南国の民宿など、日常から離れた特殊な空間を用意して、そこに一般社会からずれたキャラクターを配し、ある種のファンタジーとしての寓話劇を成立させるというもの。
今回も、基本的な物語の成り立ちはそれほど変わらないのだが、現在日本のごく一般的な都市で展開する本作は日常から逃げない、いや逃げられない。
LGBTに対する差別、育児放棄といったモチーフは、基本的に個人の内的な葛藤の物語であった過去の作品と異なり、明確に社会との関わりで生まれてくるものだから、ファンタジーに落とし込むことはできないのである。
ここにきて、荻上監督は「かもめ食堂」の呪縛からは完全に脱したと言っていいだろう。
母に捨てられたトモを含め登場人物の多くは、少し”普通"と違う人生を歩んでいることに葛藤している。
心と体が別の性で生まれてしまったリンコさん、ちゃんと母親ができないトモの母、同性に恋した自分に戸惑うトモの同級生のカイ、そんな息子を受け入れられないカイの母。
三人の疑似家族を全体の軸として、そのまた軸となるのは絶対にぶれないマキオ叔父さん。
彼らを取り巻く人々の物語に、擁護するもの、差別するものを含めて色々な考え方や、登場人物のバックグランウンドを組み込む構成も巧みだ。
映画は、皆の抱える問題を一つ一つ提示しつつ、お涙頂戴に走ることもなく、感情に寄り添いながら、リアリティを保ったまま淡々と物語を紡ぐ。
内容的にはかなりエグい部分を含むのだけど、子供目線で描いたことと、ウィットに富んだ登場人物のユーモアに救われている。
タイトルにもなっている彼らが編んでいる”ある物”の意味など、メタファーの使い方も秀逸で、思春期に足を踏み入れつつあるトモとリンコさんの、性に関する開けっぴろげな会話もこの作家らしい。
これは、小学五年生の目で見た小さな世界の多様性。
物語の結末はちょっとビターだが、観終わって「どんな立場の人にも優しくありたい」と思える、とても気持ちの良い映画だ。
トランスジェンダーの女性を演じた生田斗真をはじめ、俳優陣は皆好演だが、主人公であり語り部でもあるトモ役の柿原りんかがナチュラルで素晴らしい。
末恐ろしい演技力である。
彼女と同じくらいの年齢の子供たちには、色々感じ取るところの多い映画だと思うので、春休みに親子で鑑賞したりするにもオススメ。
もちろん映倫G指定なので子供たちだけでも。
今回は、桜の季節に桜を原料として使ったユニークなビール「サンクトガーレン さくら」をチョイス。
ホップの使用を控える代わりに、桜の名所として有名な長野県伊那市高遠産の桜の花と桜の葉を大量に使用。
日本ではビールに桜を使うことが出来ないので、一応発泡酒扱いになる。
桜デザインのボトルから注いでしまえば、見た目は普通のビールなのだけど、ほんのりとした桜の香りが広がり、口に含むと本当に桜餅の感じがする。
もちろん甘いのはあくまでも香りで、ビール的なキレや苦味を持ちながらも、ここまでちゃんと桜してるのはなかなか凄い。
お花見ピクニックにこれほどふさわしい一本も無いだろう。
発明した人にイグ・ノーベル賞あげたい(笑
ちなみに、昔知り合ったトランスジェンダーの女性に聞いたのだけど、性転換手術の後に作った「穴」が塞がらないように、金属の棒を入れておくのだそう。
それで最後にその棒を引き抜く時の痛さは、悶絶ものらしい。
まあ二十年くらい前の話だから、今はもうちょっとマシなのかもしれないけど。

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『彼らが本気で編むときは、』 を試写会で鑑賞しました。
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